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『勝利の女神:NIKKE』、日本はとくに「キャラクターの外見に興味を持つユーザー」が多い。予想以上の反響があったのは「エレグ」「D:キラーワイフ」「マルチャーナの衣装」──運営プロデューサーが明かす『NIKKE』日本市場の傾向

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──“背中で魅せるガンガールRPG”

このキャッチコピーで、もはやおなじみになった『勝利の女神:NIKKE』(以下、『NIKKE』)が、2024年11月4日でサービス開始から2周年を迎える。

魅力的なキャラクターたちや魅惑的な衣装の数々でユーザーの目を楽しませるかと思えば、ハードコアな世界観やストーリーでユーザーの胸を締め付けてくる。その見た目と中身のギャップを一因として、多くのユーザーに愛されている作品だ。

『新世紀エヴァンゲリオン』『デイヴ・ザ・ダイバー』などコラボ開催にも精力的で、プレイしたことはなくとも名前は聞いたことがあるという方も多いだろう。

そして、そんな『NIKKE』の運営プロデューサーを務めているのが、今回インタビューにてお話を伺ったリード・ルー氏(Reed Lu)である。Reedさんは、日本含めグロ-バル展開にも携わっている、いうならば『NIKKE』プロモーションのキーマンだ。

Reedさんによると、「『NIKKE』にとって日本はとくに重要な市場」であり、「キャラクターの外見に興味を持つユーザー」が多いのが日本市場の特徴だという。

『勝利の女神:NIKKE』2周年記念インタビュー:予想以上の反響があったのはエレグ、D:キラーワイフ、マルチャーナの衣装

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今回のインタビューでは、この1年の中で予想外に反響が大きかったキャラクターや、とくに手応えを感じている衣装など、運営サイドの視点から『NIKKE』の1年における印象に残っているエピソードをお聞きした。

また、『NIKKE』2周年を記念したイベントにおける注目してほしい施策についてもご紹介いただいたので、ご一読いただければ幸いだ。

※取材日:10月23日

取材・編集/竹中プレジデント


マルチャーナの新衣装は売り上げの面でも予想以上の反響があった

──『勝利の女神:NIKKE』(以下、『NIKKE』)2周年おめでとうございます。周年のタイミングでは、新規で始めたり、しばらく離れていたユーザーが復帰することもあると思います。施策や情報発信を行ううえで、運営として意識されていることはありますか?

Reed:
日本市場においてはキャラクター、とくに外見やビジュアルに興味を持ってプレイしてくれたユーザーが多いです。そのため、情報を発信する際はキャラクターに注目してもらえるように心がけています。

──やはり、見た目にはインパクトがありますよね。

Reed:
そうですね。日本は『NIKKE』のような二次元の美少女もの文化にとても馴染み深く、受け入れられやすいこともあり、私たちとしてもとくに重要な市場だと捉えています。また、SNS上での反響も大きく、その点も運営として支えに感じています。

──ちなみに、SNS上での反響が、アクティブなユーザー数やガチャを引く人の数など、ゲーム内の数値にダイレクトに影響はしているのでしょうか。

Reed:
残念ながらそこは必ずしも一致するわけではないです。

実際に、SNS上ではかなり好意的な反響を得られていたものの、実装後のデータを見てみると想定よりガチャを回してもらえていなかった事例もあります。そういう際には、「我々の情報の出しかたは適切だったのだろうか……」と悩むこともありますね。

──キャラクター(NIKKE)の魅力だけでなく、性能のこともあると思うので難しいですね……。逆に予想以上に反響があったキャラクターはいるのでしょうか。

Reed:
エレグやD:キラーワイフの反響の大きさは想定外でした。

人気という意味だと「ピルグリム」のキャラクターたちはいずれも高い人気があります。ただ、それは我々としても予想していることでした。ですが、彼女たちの人気は予想外の出来事でした。

『勝利の女神:NIKKE』2周年記念インタビュー:予想以上の反響があったのはエレグ、D:キラーワイフ、マルチャーナの衣装

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エレグ(左)、D:キラーワイフ(右)

──なるほど。この1年で実装されたキャラクターや衣装の中で、リードさんがとくに気に入っている、もしくは手応えを感じているものはありますか?

Reed:
衣装であればマルチャーナのコスチュームですね。売り上げの面でも予想以上の反響がありました。もちろん、自信をもって実装しているのですが、想定を超えたものだったので驚いたのを覚えています。

また、個人的に好きなのは夏イベントのキャラクターたちです。外見も性能面も強いので印象が深かったです。

──魅力的なキャラクターばかりで目のやり場に困っちゃいます。そんな魅力的なキャラクターのデザインについて、運営サイドとしてはどのように関わっているのでしょうか。

Reed:
キャラクターの原型については「SHIFT UP」の皆さんのクリエイティブな考えによって生み出されるものなので信頼してお任せしています。

『NIKKE』はグローバルに展開しているゲームです。そのため、運営としては、さまざまな地域のプレイヤーの趣味や習慣といった情報を汲み取り、開発サイドに提案を行う形で関わっています。

ユーザーには常に新鮮な感覚を味わってもらいたい

──2周年を迎えて、これから3年目、4年目と長期運営に向けて動き出していくわけですが、運営サイドとして大事にしていきたいことは現時点でどのように考えていますか?

Reed:
ユーザーに新鮮なゲームだと思い続けてもらうことが大事だと考えています。

運営段階に応じてやるべきことは変化していきますが、最も重要なことは「ユーザーのことを考えること」で、ここは変わりません。だからこそ皆さんの意表を突く、期待を超えるコンテンツを作ることに重きを置いていきたいですね。

──意表を突く、というのは? たとえば、ストーリーで伏線を張ったり、ゲーム外コンテンツに発展するようなイメージでしょうか。

Reed:
ストーリーもそうですが、ユーザーの皆さんに与えるイメージもどんどん変化させたいです。

というのも、本作の運営において一番恐れていることは「『NIKKE』はもう古い」とユーザーに思われることなんです。だからこそ、これまでのイメージを保つだけではなく、新しい面白さを提供し続けるゲームにしたいと考えています。

──恐らく多くのユーザーにとって『NIKKE』といえば、「美少女! ガンシューティング! そして、いろいろなところが揺れに揺れる!」というイメージがあるかと思います。ここが変わってしまうのは、個人的にも悲しいのですが……。

Reed:
コンセプトを変えるつもりはないのでご安心ください(笑)。

ここでの「イメージ」というのは、キャラクターのデザインのことですね。デザインにはトレンドがありますから、世間の流行やユーザーの関心を敏感にキャッチして作品に取り入れていくのが目標ということです。

──なるほど、安心しました(笑)。現段階(取材日は10月23日)でお話が可能な部分は少ないかと思いますが、2周年に際してぜひ注目してほしいポイントがあれば教えていただけないでしょうか。

Reed:
そうですね、ミニゲームにはとくに注目してほしいです。1周年や1.5周年以上にボリュームアップしています。今回もぜひご期待ください。

──それは楽しみです。1周年記念に公開された『M.O.G』はゲーム自体のクオリティもそうですが、ドット絵や音楽のこだわりも凄まじいと感じました。こういったミニゲームに力を入れる狙いはなんですか?

Reed:
理由はふたつあります。ひとつはユーザーの皆さんに驚いてほしいから。そしてもうひとつは異なるジャンルのミニゲームを作ることで、常に新鮮な感覚を味わってもらいたいからです。

狙いとは少し異なりますが、最初に出したミニゲームに対してポジティブなフィードバックが多かったので、開発、運営としても注力しています。

『勝利の女神:NIKKE』2周年記念インタビュー:予想以上の反響があったのはエレグ、D:キラーワイフ、マルチャーナの衣装

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作中作として過去の英雄の戦いを描いたヴァンサバライクなミニゲーム『M.O.G』。今から始めても遊べます。

──ありがとうございます! 最後に、読者に向けてメッセージをお願いします。

Reed:
この2年間応援し続けていただき本当にありがとうございます。日本でも多くのユーザーがSNSで発信をしてくれて、本当に嬉しいです。

ただゲームを運営するだけではなく、今年の夏に公開したASMR企画のようにさまざまなコンテンツをこれからも作りたいと思いますので期待してください。

私たち公式サイドだけではなく、ユーザー側でもイラストや動画のような二次創作が盛んになってほしいですし、そこからさらに新しい何かが生まれるような流れが出来たら、私たちとしても嬉しいです。

『勝利の女神:NIKKE』2周年記念インタビュー:予想以上の反響があったのはエレグ、D:キラーワイフ、マルチャーナの衣装

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(了)


SNSを見ても、本作のドキドキするようなキャラクターや衣装の数々に夢中になっているユーザーの姿はよく見かける。そしてそれは運営サイドとしても把握しており、情報発信の際にはキャラクターに注目してもらえるように心がけている、という。

「背中で魅せる」というコンセプト【※】は、売上やSNSでの反応を見るに、日本市場で一定以上の成果をあげていると言って間違いではないだろう。

※「背中」だけかというと疑問であるが。

そんな『NIKKE』は11月4日に2周年を迎える。確かに本作は外見のインパクトが強いゲームである。しかしながら、ストーリー、戦闘、育成、そしてミニゲームと、ユーザーに楽しみを提供している作品となっている。ひとまずチュートリアルクリアまで進んでもらうと、本作へのイメージがガラリと変わるはずだ。

2周年を迎えた『NIKKE』。果たして3年目以降、どのような景色を我々ユーザーに見せてくれるのか。キャラクターの外見はもちろん、ストーリーやミニゲーム、ゲーム外コンテンツなどにも注目していきたいところだ。

サブデスク
美少女ゲームとアニメが好きです。「課金額は食費以下」が人生の目標。 本サイトではおもにインタビュー記事や特集記事の編集を担当。
Twitter:@takepresident

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