増田俊樹さん、エクソストライダーとアレフ1の戦闘で泣きながら殴り続けていた
──2周年を迎えた『鳴潮』ですが、演者としてだけじゃなく、プレイヤーとしてこれまで遊んでこられたなかで、増田さん的に印象に残っているストーリーはありますか?
増田さん:
いちプレイヤーとして、お気に入りを挙げるなら、やはり「歳主の共鳴者」関連のストーリーやショアキーパーのストーリーですね。いつも感動しながらプレイさせてもらっています。
各バージョンで決着がつくエピソードもたくさんある中で、数バージョンにわたって地続きのエッセンスを盛り込み、ひとつの決着を描くストーリーは、印象に残りやすいです。
そういう意味では、最新のストーリーが「お気に入り」と言えるかもしれませんね。
──最新となるVer.3.3のストーリーで、増田さんが「これは」と感じた要素はどこですか?
増田さん:
Ver.3.3のストーリーでは、ダーニャを含め、今を生きる人間たちはただ庇護されているだけでなく、それぞれが自らの困難に立ち向かっています。
漂泊者や共鳴者たちが圧倒的な武力のみで事態を解決しているわけではないという部分が、ストーリー内で丁寧に描かれています。
──たしかに。今回のストーリーでは、主要な英雄たちだけでなく、名もなきひとりひとりの力が結集して紡がれた勝利でしたね。
増田さん:
今回は、作中で命を落としたり、敵に取り込まれて救済できなかった人々の存在感が際立っていました。
彼らが生きた痕跡があったからこそ、人類にとって重要なデータを留めることができた。そして、最終的にはその名もなき人々の抵抗が、鳴式(アレフ1)との決着の鍵を握る重要なピースとして機能したんですよね。あの瞬間に押し寄せるカタルシスは本当にたまらないものがありました。
これまでの物語を見届けてきたプレイヤーだからこそ味わえる感動を用意してくれているのが、Ver.3.3のすばらしいところですね。

──そんなVer.3.3のなかでも、いちプレイヤーとしてテンションが上がったシーンを挙げるとすればどこでしょうか?
増田さん:
やはり、エクソストライダーとアレフ1の戦闘ですね!
──先ほど、演じる際に珍しく感情が入りすぎてしまってディレクターに「ちょっとやりすぎです」とストップがかかったとお話しされていたシーンですね。
増田さん:
僕も男の子なので、ああいう熱い展開は本当に好きなんです。
事前に、あくまで情報としては知っていたのですが、実際にプレイして自分で操作できた時はもうぶち上がりましたよ!!
もうね……僕は泣きながら殴り続けました。何回やり直したかわからないくらいです。
──そこまでですか……。
増田さん:
しかもあのシーンは、かかっている音楽もいいんですよね……。最近は「Heart of Lahai-Roi」ばかり聴いています。
だから、エクソストライダーはもちろん、敵役であるアレフ1のフィギュアをは早く出してほしいんですよ。この2機が並んでこそ、燃えるわけじゃないですか! いくら高くても構わないのでぜひ……(笑)。
もはやライフワーク。ここまで『鳴潮』という作品に熱中できていることが奇跡かもしれない
──増田さんは男漂泊者として長い期間ゲームに関わっていますが、同時にいちプレイヤーとしても、プレイヤーの間で「ガチ勢」だと言われていますよね。
増田さん:
いえいえ、全然そんなことはありません……。あくまでエンジョイ勢ですよ。
──ご謙遜を(笑)。ちなみに、増田さん的に『鳴潮』のどういったところにそこまで惹かれたのでしょうか?
増田さん:
それを言葉で説明するのはとても難しいんですよね。ひと言で表すのであれば「自分の趣味に合致した」ということなのだと思います。
詳細に語ろうとすれば、箇条書きで百を超える項目を挙げられるレベルです。もしそのうちの10個でも外れていれば、仕事上の責任をベースにプレイしていただけかもしれません。
幼少期からゲームに触れ続けてきた分、僕にはゲームに対する強いこだわりがあるんです。そんな30代中盤の自分が、ここまで『鳴潮』という作品に熱中できていること自体が奇跡だと感じています。
──「奇跡」という言葉が出るほどに、いまの増田さんに刺さる作品なのですね。
増田さん:
そうですね。もし自分が40代になっていたならプレイスタイルは変わっているでしょうし、逆に20代であれば、難しすぎると感じていたかもしれません。やはり惹かれた理由を理屈で説明するのは難しく、奇跡のような巡り合わせだと思います。
世界観やキャラクター、シナリオ、ゲームシステムといったすべての要素が合わさり、自分にとって「ライフワーク」と呼べる作品になっていることが、純粋にうれしいです。
──ご自身のライフワークとも言える本作に対して、ここは改善してほしいといった要望はありますか?
増田さん:
僕が直接声をあげずとも、プレイヤーが発信する要望によって徐々に改善されていっている実感があります。だから自分としては、ゲームに対して大きな不満はありません。
ただ、ひとつ気になっているのは、アレフ1戦が追憶で再戦できるようになったということは「フルールドリス戦も同じように再戦できるシステムを構築できるのではないか?」 ということですね。

──おお、それは多くのプレイヤーが望んでいるところでもありそうですね。
増田さん:
フルールドリス戦での3つの属性の漂泊者を切り替えながら戦う特殊な戦闘は、今も昔もあそこでしかできない体験なので、なんとか再戦できないのかなと。
フルールドリスとの戦闘からストーリーのカットシーンに入って、インペラトルと語りあうまでの一連の流れをまた遊べるようにしてほしいと、いちプレイヤーとして強く願っています。
アレフ1の時と同じように、エレベーターで上がる少し前の場所からソノラ(ワープ)で飛んで、いつでも遊べるようになったら最高ですね。
「どうして私を救ってくれないの」。ひとりの人間として接してくれた漂泊者に抱く複雑な感情
──話題をVer.3.3に戻しまして……。ダーニャの結末については、作中で明確に描かれてはいませんでしたよね。おふたりともどう解釈されていましたか?
伊藤さん:
いただいた台本のト書きには「鳴式になった後」と書いてあったんです。なので、私としては「すでに亡くなっている」と解釈して演じました。
増田さん:
漂泊者の目線で考えても、結末の場に居合わせていないので真相はわからない。だからこそ、直接的なやりとりがないまま、急にお別れになってしまった感覚がありますね。
伊藤さん:
ただ、漂泊者さんとアブのやりとりで「また会えると思う」というセリフもありましたよね。私としては、いつか再会できることを祈るばかりです。
増田さん:
実際にプレイしてみると、ボイスがついていない部分にもものすごい情報量が詰め込まれていたりするんです。
メインストーリー後のイベントや、ウェーブライン(キャラクターとのチャット機能)のテキストなどで、さらに補完されている部分もあるかもしれません。
それらを隅々まで読み解いていくと、結末に対する印象もまた変わってくるでしょうね。
──ダーニャと漂泊者の関係性については、おふたりはどう感じていらっしゃいましたか?
伊藤さん:
ダーニャ自身、ずっと「お前の運命はこうだ」「お前はただの道具だ」といった扱いを受けてきました。そんな中、漂泊者さんは真っ直ぐにひとりの人間として向き合ってくれたので、彼女としても恩を感じているはずです。
ただ、彼女の中には「どうしてあなたはすごい人なのに、私はこうなってしまうの」「どうして私を救ってくれないの」という複雑な感情もありました。
もちろん漂泊者さんが悪いわけではないのですが、一種の悔しさや劣等感のようなものを抱いていたのだと思います。それ以上に感謝の気持ちのほうが大きいんですけどね。
増田さん:
彼女自身、「何かのために」という明確な目的が最初からあったわけではなく、気づいたときにはすでに運命に巻き込まれていたわけですからね。
……あまりこういう言葉は使いたくありませんが、一歩引いて俯瞰してみると、どうしてもかわいそうな存在だと思ってしまいます。
──プレイヤーとして「かわいそう」と感じる一方で、漂泊者を演じる際にはどのような感情をこめて収録に臨んだのでしょうか。
増田さん:
少し人間離れした印象を与えるかもしれませんが、漂泊者は常に、今起きたことやこれまでの事実を冷静に整理して、「では今どう行動するべきか」という合理的な判断で動いているんですよね。
ダーニャ自身は、背負わされた責任のなかで目の前の課題を解決していく過程を通して、周囲との関係性が浮き彫りになっていきました。でも、その人間関係の輪のなかに、漂泊者自身はそこまで深く入り込んでいないんです。
──ダーニャをとりまく人間関係の渦中にいるというよりも、少し外側にいた、と。
増田さん:
だからこそ漂泊者は、彼女たちが紡ぐ人間関係や出来事を客観的に繋ぎあわせる、いわばストーリーテラー的な役割を担っていたのだと思います。
この解釈が正解かどうかはわかりませんが、ダーニャというひとりの人間に対しては、あくまで第三者としてフラットな立ち位置で接するように意識して収録に臨んでいました。

きっとダーニャは、みなさんにとって「忘れられない女」になるはず
──では最後に、2周年を迎えた『鳴潮』を楽しんでいるプレイヤーのみなさんに向けて、おふたりからメッセージをいただけますでしょうか。
増田さん:
ひとりの出演者としても、いちプレイヤーとしても、アップデートのたびにこれほど期待させてくれる作品というのは、いい意味で恐ろしさすら感じています。
2年という長い期間プレイされている方や、あるいは最近はじめられた方も、これからの『鳴潮』の進化や変化にはぜひ注目してほしいですね。
そのなかで、いちプレイヤーとしてどこまで楽しんでいけるのか……もはや想像が追いつかないほどです。
──毎バージョン、本当に驚かされますよね。
増田さん:
ええ。毎回提供されるコンテンツに一喜一憂して、感動して泣かされて……。これからもみなさんと一緒に『鳴潮』を楽しんでいけたら嬉しいなという気持ちでいっぱいです。
ちなみに、もし不具合を見つけたら、X(Twitter)でつぶやくだけでなく公式さんにぜひ報告してください(笑)。そうすれば数時間後には対応されちゃうことも多いですから。「なんでこんなに早いの!?」と驚くレベルです。
──増田さんの並々ならぬ『鳴潮』愛がひしひしと伝わってきました(笑)。伊藤さんからもメッセージをお願いできますか。
伊藤さん:
今回のストーリーは、2年間『鳴潮』を楽しんでくださった漂泊者のみなさんにとっても、すごく記憶に残るお話になるんじゃないかなと思っています。ぜひ、心の準備をして受け止めてほしいです。
ダーニャにとっては、漂泊者さんの真っ直ぐに向き合ってくれる姿勢にすごく救われた部分があったはずです。ダーニャの生き様を見届けてもらえたら嬉しいです。
ダーニャと一緒に過ごしてくれてありがとうございました。きっとダーニャは、みなさんにとって「忘れられない女」になると思います。
──「忘れられない女」に……。
伊藤さん:
なってくれるとうれしいですね。
『鳴潮』には他にも魅力的なキャラクターがたくさん登場します。そんななか、ダーニャの強みは「人間らしさがすごくあるところ」だと思うんです。
増田さん、どうですか? ダーニャのことを忘れないでくださいね!(笑)
増田さん:
もちろん忘れません。そして、漂泊者としてはあくまでフラットに……はい(笑)。
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