「まだプレイしたことがない人たちが羨ましい」
── 今回の拡張をきっかけに、多くのゲーマーが初めてウィッチャーの世界に触れることになるかと思います。『ウィッチャー3』を新しいプレイヤーに届けることについて、どう感じていますか?
John氏:
いやあ、すばらしい贈り物だよ。
Karolina氏:
それに関連して、リマスターにも触れておきたいですね。ゲームに新しい「クオリティ・オブ・ライフ」をもたらすものですから。これはすごく喜ばしいことです。
というのも、熱心なファンだけでなく、当時ウィッチャーをプレイするには幼すぎた人たち、今は大人になった人たちにも興味を持ってもらえるかもしれないと思っているからです。
技術は変わりますし、ゲームも進化します。そしてこのゲームはもう11年経っているわけですよね。だから変化や改善、今回私たちがプレイヤーに提供するオーバーホールに値するんです。新しい人たちを迎え入れるのは本当にワクワクします。そして彼らが気に入ってくれたら、喜びは二倍になります。届けるために全力を尽くしていますから。
John氏:
うん、まだウィッチャーをプレイしたことがない人たちが羨ましいよ。ゲーマーとして、僕はゲームが好きだ。初めて『ウィッチャー3 ワイルドハント』をプレイしたときは「なんてすごいんだ」と思ったし、今も大好きだし、子どもたちも大好きだ。素晴らしいゲームだよ。2周プレイしたし、僕は完璧主義者だから、やり込まないと気が済まない。だからリマスターでもまたやることになるだろうね。
でも、まだ一度もプレイしたことがなくて、リマスターで初めてプレイできる人たちのことは、ちょっと羨ましい。ウィッチャーは未プレイだけど近いジャンルのタイトルはプレイしてきた、という世代がまるごといると思う。
その人たちがこれに触れたら、圧倒されるはずだよ。CD PROJEKT REDがリマスターでやっていることは、信じられないくらい素晴らしい仕事だ。いっそプレイしていなければよかったとすら思うよ。新鮮な気持ちで触れて「おお」となれるからね。
Karolina氏:
『追憶の調べ』もありますから。それは今の段階ではまだミステリーですよ。
John氏:
ああ、そうだね。
── リマスターについてもう少し伺いたいです。今回のリマスターでは多くの作り直しが行われていますが、何を変えて何をそのままにするか、という点ではどうお考えですか?
Karolina氏:
リマスターはCD PROJEKT REDと、長年にわたって複数のプロジェクトでCD PROJEKTと密に仕事をしてきたYigsoft【※】チームが手がけています。ですから正直、どう決めたのかは私にはお答えできません。
※Yigsoft 『ウィッチャー3』リマスターを手がける開発スタジオ。
ただ、CD PROJEKT REDにまだ在籍していた頃も、その後プレイヤーとして、ファンとして見ていたときも、「ここは改善できるのではないか」と注視していた部分があったのは分かります。
まず、ゲームを見て真っ先に思い浮かぶのはビジュアルですよね。だからそこは考えるまでもありません。ビジュアルは大幅なオーバーホールを受けています。どれだけくっきりするか、どれだけ鮮やかになるか、というクオリティ・オブ・ライフの面で。新しい技術によって、ゲームの見た目を本当に良くできるようになりました。
それから、多かれ少なかれ人々の関心を集めてきたシステムがあります。リマスターを手がけるチームは、そこに新しい質をもたらして、新鮮な空気を吹き込みたいと本気で考えていました。オーバーホールされたシステムには、たとえば世界とのインタラクションの仕方、馬に乗る、乗り降りするときのアニメーションなどが含まれます。
馬は最も重要な乗り物ですし、ああやって世界を旅すること自体が楽しみになるものですから。ゲームのその部分は長い時間見続けることになります。だからとても重要で、そこは改善されました。
あとは戦闘、プレイヤーが自分で組む戦闘ビルドのオーバーホールもあります。楽しいですし、自由が生まれますし、どう遊ぶかの選択肢がたくさん生まれます。改善点は本当にたくさんあって、全部には触れないでおきますが、今挙げたのが一番大きなところですね。ただ、リストは長いですよ。プレゼンテーションでご覧いただいた通りです。
レッテンはポーランドの田舎から生まれた
── デモでは、レッテンの風景が強く印象に残りました。とても美しかったです。
Karolina氏:
ありがとうございます。
── この場所のアイデアはどこから来たんでしょうか?
Karolina氏:
これまで見たことのない場所を作りつつ、それでもウィッチャーの世界の枠内に収める、というのがとても重要でした。さきほど話した制約と挑戦の話ですね。スラヴの伝承には近いままでいたかったんです。だから、レッテンという谷は主にポーランドの田舎から着想を得ています。
中央ポーランドか南ポーランドを参考にしていて、あのあたりには湖を囲む山脈がありますから。すごく似ていますし、自分たちの裏庭のようによく知っている場所なんです。
それと、ちょっとしたイースターエッグもあって、山脈のひとつは、ポーランドで非常に有名な国民的な山であるギェヴォント山の形になっています。眠る騎士のような形をした山です。伝説があって、私たちが困難に陥ったときには彼が目を覚まして、何かをしてくれるという。それも着想のひとつでした。
私たちは、子どもの頃に祖父母の田舎を訪ねたときに知っているような、牧歌的な場所を作りたかった。そして、地理的にそういう場所で育っていなくても、親しみを感じられるようにしたかったんです。
ただ、ダンディリオンの家族は子爵家ですから、そこはブリテン諸島に着想を求めて、屋敷の建築にはチューダー様式の要素を借りています。そのチューダー風の屋敷、とでも呼びましょうか、それを古めかしく洒落た要素とともに仕立てて、美しい家々や牧草地、家畜のための場所などがあるレッテンに馴染むようにしました。
John氏:
ガチョウがたくさんいて、犬も何匹かいるね。
Karolina氏:
それと、壮大で堂々とした醸造所もあります。村を見下ろすようにそびえているんです。レッテンの象徴的なもののひとつが「ブラゴット」という金色のアルコール飲料でして。蜂蜜酒とビールを混ぜたようなものです。ハニービールではなく、その二つを混ぜたもの。
それをレッテンの風景の中に取り入れて、何か意味のあることを語ろうとしました。トゥサン【※】のブドウ畑のような、ああいう象徴的な風景の要素と同じように、です。ブラゴットがあって、羊がいて、ガチョウもたくさんいる。野生の馬も、家畜の馬もいます。それが実際の着想でした。
※トゥサン 『ウィッチャー3』DLC「血塗られた美酒」の舞台となった、ブドウ畑の広がる公国。
『ホワイト・アルバム』のように、人生の楽しかった瞬間へ連れ戻す旅
── レッテンの中で一番好きな場所はどこですか?
Karolina氏:
どこが一番好きか? 湖が好きですね。水面の下も完全に探索できますから。それに、湖の周りや中には興味深い住人たちがいます。だからこの部分には探索する要素がたくさんあるんです。あなたは?
John氏:
『ウィッチャー3』でも川の底に面白いものがあった。もうゲラルトを操作して海を渡るのに何時間費やしたか分からないよ。でも『追憶の調べ』の湖は美しいと思う。本当に美しい。
でも僕にとっては、ダンディリオンの、ジュリアン・アルフレッド・パンクラッツの先祖代々の家を、初めて全体として目にして、その家の中を歩けること。僕にとっては、そこはもう我が家だからね。
── そこに住みたいですか?
John氏:
すぐにでも住むよ。歴史が好きだし、チューダー朝の時代が好きなんだ。チューダー様式の城を持てるなら住むね。そう、まさに、タイムトラベルできるなら過去に戻る。
ウィッチャーが本当にうまいと思うのは、魔法と歴史をすごく良い形で混ぜ合わせて、それでも現実味のある世界に没入させてくれるところだ。あと、サウンドスケープも信じられないくらい素晴らしいと言っておきたい。本当に信じられないよ。頭の中を、世界を、本当に満たしてくれる。
Karolina氏:
チームを代表して、本当にありがとうございます。
John氏:
本当に素晴らしいよ。
── 最後に、ファンへ向けて何か特別なメッセージはありますか? あるいは、『追憶の調べ』でファンにどんな体験をしてほしいですか?
John氏:
去年の10月、ロンドンでウィッチャーのコンサートをやったときのことなんだけど。コミコンなどにも出ているから、人が来て「あなたが一番好きです」と言ってくれることは前から知っていた。感謝されて「つらい時期を乗り越える助けになりました」と言われる。「ゲームが大好きで、ダンディリオンが大好きでした」とかね。
でも、コンサートで大きなスクリーンにダンディリオンが映し出されて、1500人が「わあ」と沸いたときは、本当にすごかった。僕自身もそうなった。そこには圧倒的な喜びがあって、キャラクターを再発見した瞬間に引き戻された。このキャラクターたちを演じてきたことを思い出したんだ。
ファンにはこう伝えたい。Fool’s Theory、この人たちに任せておけば安心だよ。絶対に安心だ。これは素晴らしい旅になる。11年後に戻ってきたという事実、そして今もその欲求が残っているという事実。僕たちは今でも『ホワイト・アルバム』に立ち返るよね。あれは僕たちを旅に連れて行ってくれるから。
ビートルズは、人を引き戻す方法において見事だった。人生の中で本当に楽しかった瞬間に連れ戻してくれるから、また聴きに戻るんだ。ウィッチャーも、この拡張パックもまさにそうなると思う。ファンには、これが素晴らしい旅になると知っておいてほしいね。
Karolina氏:
私はみなさんに、ウィッチャーの物語に触れてほしいですね。期待に応えられることを願っていますし、本当に全力を尽くします。関わる全員が、プレイヤーにまた新しいウィッチャーの拡張を、それも非常に特別なものを届けるために最善を尽くします。
── 本日はありがとうございました!(了)




