ついに、この日がきた……。いや、“きてしまった”と言うべきなのかもしれません。
約3年間に渡りファンたちに“サイコー越えた”瞬間を与え続けてくれた5次元アイドル【※】『ドリフェス!』のファイナルステージドリフェス! Presents FINAL STAGE at NIPPON BUDOKAN 「ALL FOR TOMORROW!!!!!!!」が2018年10月20日〜21日、日本武道館で開催されました。
2015年9月より始動した2.5次元アイドル応援プロジェクト『ドリフェス!』。2017年7月には5次元アイドル応援プロジェクト『ドリフェス!R』として進化を遂げ、スマホアプリゲーム、ライブ、TVアニメ、データカードダスなど幅広い活動を続けてきました。
しかし、惜しまれながら2018年5月1日にスマホアプリのゲームサービスが終了。そして「ドリフェス!プロジェクト」自体が、武道館でのファイナルステージをもって区切りを迎えることになりました。
このファイナルステージは、当初、10月21日(日)のワンデイのみの開催予定でした。しかし、ファンからの熱いエールに応えて、急遽10月20日(土)の追加公演が決定。まさかの決定に、ファンには大きな驚きと喜びが広がりました。
『ドリフェス!』が、ファイナルを迎えるステージは“日本武道館”。日本武道館といえば、多くのアーティストたちが“一度はライブを開催したい”と憧れ夢にみる場所です。それは『ドリフェス!』のキャストとファンにとっても同じでした。
遡ること2016年6月26日、日本武道館と同じ北の丸公園内にあるサイエンスホール(約400席)で開催されていた『ファンミーティング01~応援で叶える1stステージ~』。そこで、石原壮馬さんが、いつかの夢として語った舞台こそが日本武道館だったのです。
そして、ついに念願の日本武道館。
嬉しいはずなのに、最寄り駅である「九段下」駅の改札を出て地上へ。その足取りは、軽いようでどこか重い……。
DearDreamにKUROFUNEに早く会いたい。でも、日本武道館の公演が終わってしまうと、もうDearDreamとKUROFUNEに会えなくなるかもしれない……。
九段下駅から日本武道館へと向かう、傾斜が急な坂道で感じる足の重みが、そんな複雑な胸中をあらわしているかのようでした。
今回は、ファイナルステージのなかでも“ファイナル”となった21日の公演様子をレポートいたします。
【出演者】(敬称略)
<DearDream>
石原壮馬 (as:天宮 奏)、溝口琢矢 (as:及川 慎)、 富田健太郎 (as:佐々木純哉)、 太田将熙 (as:片桐いつき)、 正木 郁(as:沢村千弦)
<KUROFUNE>
戸谷公人(as:風間圭吾)、 株元英彰 (as:黒石勇人)
ファンのエールで埋め尽くされた日本武道館!
10月21日。ファイナルステージの開場は16時(開演は17時)にもかかわらず、筆者が会場に到着した14時には、ファイナルステージを見守るべく、すでに多くのファンが集まっていました。
なかでも目を引いたのは、物販コーナーに掲げられた「武道館みんなで一緒にサイコー超えよう!!!!!!!」という手書きの横断幕。そこには、2次元キャラクターと3次元キャストそれぞれのサインまでありました。……ステージが始まる前から涙がホロリと流れてしまいそうです。
そして、月に一度のライブ配信「ドリフェス!部」で募集されていた、巨大なモザイクアートが会場に設置されており、自分が応募した写真がどこにあるか……。ファンの方がじっくりと探している姿もありました。
さらになんといっても、驚いたのはフラワースタンドの数です! あまりの数に、何機設置されていたのか数えることもできず、パノラマモードで撮影しても、しきれませんでした。
ファンにとっても特别なこの日……。その想いは開場前からヒシヒシと伝わってきました。そして、17時。約3時間半・30曲+アンコール3曲(合計33曲)のステージが開幕となりました。
『ALL FOR SMILE!』から始まる、笑顔全開の夢のステージ
BGMが流れると、ファンの歓声が大きくなり客席のボルテージは急上昇。
スクリーンに2次元キャラクターが映し出され、天宮奏がドリカをキャッチ! 続いて、DearDreamの石原壮馬 (as:天宮 奏)、溝口琢矢 (as:及川 慎)、 富田健太郎 (as:佐々木純哉)、 太田将熙 (as:片桐いつき)、 正木 郁(as:沢村千弦)とKUROFUNEの戸谷公人(as:風間 圭吾)、 株元英彰 (as:黒石勇人)の3次元キャストがキャラクターと同じ衣装でステージに登場しました。
石原壮馬さんの「行くぞ武道館!」という、叫び声がステージに響き渡り、『ALL FOR SMILE! ~DearDream & KUROFUNE ver.~』で、日本武道館二日目のファイナルステージは幕を開けました。
ファンたちは、7人の客席へ向けた仕草・言葉に、客席もクラップやコール、ペンライトで応えます。
“叶った夢の先がスタート”という内容が詰まっている『ALL FOR SMILE!』。「日本武道館でステージをする」という夢を掲げた『ドリフェス!』は、その夢が叶いました、しかし、それは次のスタートでもある……。
1曲めの『ALL FOR SMILE!』は、ファイナルステージに込められた想いが伝わってくるかのよう。スクリーンにはキャラクター7人のKIZUNAレインボーが映し出され、大歓声と共に、1曲目から最高の笑顔が引き出されました。
息つく間もなく、笑顔と共に歌い出された2曲目は、DearDream & KUROFUNEによる『Dream Greeting!』。キャストたちが「みんなで〜」「もっと〜」と客席を煽ると、ファンが一斉にコールで応えます。
「みなさんこんばんはDearDreamです」「KUROFUNEです」と最初のMC。 溝口琢矢さんからは「ここをどこよりもサイコーの空間にしましょう」と情熱をあらわにした言葉が飛び出し、太田将熙さんによる恒例の「この木何の木~?」「片桐いつき!」コールもありました。
戸谷公人さんの「(武道館に船は着けられないため)今日は白馬で来たので」とのコメントには、会場から大きな笑い声が。
全員の個性あふれる意気込みを聞いたところで、石原壮馬さんの呼びかけによる「イケるっしょ!」コールで、息つく間もないユニットソングのウェーブへと突入しました。
5曲のユニットソングでたどる、DearDreamとKUROFUNEの軌跡
MC後はDearDreamが歌う『NEW STAR EVOLUTION』。 この曲は「ここからはじまる無限のキラメキ!」というキャッチフレーズのもと発表されたDearDreamのデビューシングルのタイトルソングです。
2016年、キラキラなスマイルとフレッシュなダンスを武器にミュージックシーンに登場したDearDream。日本武道館でみせた『NEW STAR EVOLUTION』は2016年当時と同じ楽曲でありながらも、大きなステージを飲み込むまでの迫力とオーラが放たれ、アイドルとして成長した「今」のDearDreamの姿でした。
『ドリフェス!』はファンのひとりひとりにとって、たしかな“一番の星”となりました。ここまで“すべてをかけて”くれたキャストたちに、ファンたちは惜しみのないエールを送り続けていました。
続く『PLEASURE FLAG』では、タイトルにちなんで、キャストが大きく旗を振りながら熱唱。TVアニメ『ドリフェス!』1stシーズンのオープニングテーマに採用されたこの曲の歌詞には、“サイコーの先”という言葉が含まれています。
サイコーの先……。それは、形として目に見えるものではないかもしれませんが、こうしてDerDreamとKUROFUNEが作り出す『ドリフェス!』。そして、それに応えるファンのエール。双方の想いがクロスした瞬間に湧き上がる熱量の高鳴り。この日の日本武道館は、しっかりとサイコーの先へたどり着いたのではないでしょうか。
間髪入れずに『Tomorrow’s Song』が鳴り響きます。DearDreamの5人がステージを端から端まで使い、歌声だけでなく、パフォーマンスでもファンひとりひとりへ愛を届けてくれました。
キャストたちのダンスのすべてを見逃すまいと、紡がれる歌声を聴き逃すまいとするファン。「日本武道館に連れてきてくれてありがとう」というファンの気持ちが、色とりどりの「ドリフェス!カード型ペンライト」にあらわれ、ペンライトが揺れるたびに無数のエールがステージに向かってしっかりと羽ばたいていました。
突如、客席を舐めるように、妖しくライトが回り始めます。BGMと共に、スモークの中からKUROFUNEのふたりが登場! ドラマティックな演出に盛り上がるファンをものともせず、ダンスチューンな『ARRIVAL -KUROFUNE Sail Away-』が力強く歌いあげられました。
この曲は2016年11月に発売されたKUROFUNEのデビューシングル。曲中では「KUROFUNE」「Shoot! Raid!(襲来!)」のコール&レスポンスが、アリーナ、スタンド、全員でとそれぞれ行なわれました。
直後、ステージが赤一色に染まると、KUROFUNEが『シナリオ』を披露。先ほどの圧倒的な力を見せつけるパフォーマンスとは対照的に、舞台を所狭しと駆け回り、ファンとの近さを意識するふたり。風間圭吾が憑依したかのような戸谷公人さんによる王子らしいサービスもあり、KUROFUNEのワイルドでセクシーなデュエットに、客席はうっとりと陶酔しました。
MCは、株元英彰さん「KUROFUNE襲来だ!」、戸谷公人さん「ごきげんいかがかな? プリンセス」で始まりました。
客席をブロックごとにペンライトで金と銀に分け、「金・銀・金・銀・金・銀……」とリピート。永遠に続くような“金・銀コール”に客席からは笑い声があがり、客席が金と銀の2色に包まれると「こっち(ステージ)からみたら金色の冠みたい」と株元英彰さん。
そしてKUROFUNE恒例の、ファン出席確認。株元英彰さんが「宇宙から来た人?」と尋ねると無数のペンライトが……。戸谷公人さんが「全員じゃねーかよ」というツッコミを入れました。
そして、「イケるっしょ」コールから流れるように、株元英彰さんは「次はこいつだ!」とバトンを、石原壮馬さん、溝口琢矢さん、富田健太郎さんからなるユニット“TRAFFIC SIGNAL(トラフィックシグナル)”へ渡しました。