それじゃあ1つ面白い話をお聞かせしましょう……
FPS/TPSにハックアンドスラッシュ要素を盛り込んだジャンル「ルーター・シューター(シューティングRPGの一種)」を確立した伝説的シリーズ『ボーダーランズ』。その待望の新作『ボーダーランズ3』が9月13日に発売されるが、『3』はどのような進化を遂げているのだろうか。
そもそも「ルーター・シューター」は、アクションRPG『ディアブロ』シリーズで人気を博したルートシステムをFPS/TPSに盛り込んだもの。その始まり自体は、厳密に言えば2007年にその『ディアブロ』シリーズのクリエイターが手がけたアクションRPG『Hellgate:London』だと思うが、あまり大きな成功には至らず、その2年後に発売された第一作『ボーダーランズ』で確立された。
その後『ボーダーランズ』は2012年に発売した『2』でも協力プレイで遊びながら、銃を撃ちまくり、装備を集めまくるというコンセプトを維持し続ける一方で、2013年には『Warframe』、2014年には『Destiny』と、ルーター・シューター系のジャンルは盛り上がり続けていきた。
今や爆発的な人気を誇るバトルロイヤルゲームの『フォートナイト』も当初はルーター・シューターとしてスタートしたので、『ボーダーランズ』の系譜にある作品だったりする。
また、2016年の『ディヴィジョン』はオープンワールドのルーター・シューターとして大きくヒットし、続く『Destiny2』や『Warframe』でもオープンワールド的な要素が盛り込まれ、また(悪い方向で話題になってしまった)『Anthem』もオープンワールド的なルーター・シューターだった。
文/傭兵ペンギン
「ルーター・シューター」の完成形の発展形がここに
そんな流れに合って、『ボーダーランズ3』はどうなのだろうか。そんな疑問に駆られ、先日都内某所で行われた本作の体験会に参加してみた。
実際にプレイし、一つわかったことがある。それは、開発チームは「ボーダーランズ」の核には手を加えていなかった、ということだ。
前述したようにルーター・シューターはオープンワールドになる流れにあり、『3』もオープンワールドっぽくしてくるかと思いきや、今までとあまり変わらないマップ形式で、いつも通りの「ボーダーランズ」だったのだ。
でもこれは、正しい判断のように思える。
マップは遊んだ範囲では、場所が変われば雰囲気が変わり、敵が湧いて出てくる場所がしっかり用意されているなど作り込みは十分。先述のスライディングやよじ登りもあり、上手く使えば面白い位置取りもできるようになっている。
だだっ広いだけで薄味なオープンワールドより、密度がある方がルーター・シューターとしては楽しいはずであり、実際、普通に面白かった。
そして何より今作は、ルーター・シューターをルーター・シューター足らしめているルート(報酬)部分にかなり力を入れていたのだ。
結局、銃を撃ちまくるだけなら他のゲームでもできなくはないので、ストーリーを堪能した後どれだけ遊べるかは、素敵な装備品を手に入れたくさせるかどうかにかかっているわけだ。逆を言えば、どんなにアクションやその他のシステムが面白くても、ルートがつまんなかったら成立しないジャンルだと言えよう。
今作は過去シリーズからさらに2社銃器メーカーが増え、合計で億単位の銃が登場。ピストルからサブマシンガン、ライフル、ショットガンなどなど基本形があり、さらにセミオート、バースト、フルオートなど撃ち方にいろんな種類を用意されている。
打ち分けは他のルーター・シューターでも見かけるが、奇想天外な銃が出てくるのが『ボーダーランズ』の魅力で、今作はそこにかなり磨きがかかっている。
例えばリロードすると手榴弾になる銃から、扇状に弾が出る銃、跳弾しまくる銃、シールド付きの銃、リロードすると足が生えて勝手に歩き出して戦う銃などなど本当に多彩で、今までどおり各ボスもユニークな銃を落とすようになっているのだ。
さらに今作では、銃の射撃モード(属性など)を切り替えられるものも登場し、一丁で状況に応じてスタイルを変えて戦えるようになった。しかも銃の見た目もスキンのような形で変更が可能となり、銃の収集がより一層楽しいものに。
新要素を足し続けるのではなく、過去作で皆が夢中になった部分を分厚くしていくという方針は、かなりいいと思う。
今回の体験会はオフラインプレイだけだったが、やはり自分たちが見つけたイカした銃を見せびらかし合いながら遊んだら最高に楽しいし、新しい銃も欲しいからもっと遊ぶと楽しい連鎖が続いていくだろう。
そう考えると『ボーダーランズ2』は本当に名作で、今でも色褪せることのない完成された作品なんだということが改めて感じられる。実は『2』は未だに100万人ほどのプレイヤーがオンラインで遊んでいるらしく、それもあって完成された『2』を磨いていくという方針になったのだろう。
ゆえに、いい意味で本当に『2』そのままなのだ。2012年のゲームと同じプレイ感だけど、細かなところは今風にアレンジされており、変わらない面白さがそこにあった。体験会を終え、再び『2』を遊びたくなったのはそのためだろう。
びっくりするほど味の変わらぬゲームプレイ
さて、ここからは体験会で触れた部分のプレイレポートをお届けしよう。
今回は新キャラクターのゼインとアマーラを使用しての体験だった。ゼインは「オペレーティブ」というクラスで、ドローンやバリアなどの戦闘用ガジェットを使って戦うタイプの隻眼の老兵。
一方アマーラは、ボーダーランズシリーズで定番の特殊能力を持つクラス「セイレーン」なのだが、今までの面々とはちょっと違い、パワーを拳に込めて拳を使用するマッチョなキャラクターだ。
体験できなかったが、他にも「ビーストマスター」のFL4K(フラック)と「ガンナー」のモズが登場予定。『ボーダーランズ』シリーズのクラスはどれも面白く、クラスを変えで周回プレイをしたくなるほどバラエティーに富んでいるが、今作もそこは変わってない様子。この体験ではゼインを試してみた。隻眼のイケオジときたらやるしかない。
ここでネタバレしてもしょうがないので、ストーリーに関しては詳しくは語らないが、内容としてはマップを移動しながら来る敵をなぎ倒していくという非常にシンプルなもの。ミッションの最後にはパンチの効いたデザインのボスも登場し、いかにも『ボーダーランズ』らしい作りだ。
今回のデモではサイドミッションも体験可能で、依頼主にコーヒーを届けるという一見して超シンプルなお使いミッションを受諾。
しかし、ユーモラスで予想外な展開の末、結局ド派手な銃撃戦になるあたりが『ボーダーランズ』らしくて楽しい。今作はこういったサイドミッションがかなり用意されているようなので、じっくり遊べそうだ。
でも新要素があるんだよ!
とはいえ新作ということで、新要素は用意されている。まず今作では、プレイヤーの拠点が宇宙船になっており、今までの物語の舞台だったパンドラだけでなく、風景や環境、重力も違ったりする様々な惑星に移動することができるようになった。
その関係で、マップのサイズがシリーズの最大級に。マップもでかいということで今までよりもファスト・トラベルの制限がより減って、使いやすくなっているのだとか。
また、協力プレイでは報酬が平等に与えられるようになり、各プレイヤーのレベルや進行状況の差に関係なく調整された状態で遊ぶというオプションも追加された。
さらに自動販売機での弾薬購入がワンボタンでできるようになったり、近年のFPSでは定番のスライディングとよじ登りアクションが増えたりしている。
グラフィックもぱっと見では同じように見えるかもしれないが、着実に綺麗に派手になっていて、さらに(今回はPCでの体験だったが)軽めに作られているのかエフェクトがたくさん出てもカクつかない滑らかな動作をしていた。
ちなみに、続編が来ると聞くと過去作が遊びたくなるという需要を見越してか、なんと発売から7年経過した今、『ボーダーランズ2』の新DLC「指揮官リリスのサンクチュアリ奪還作戦」が配信となった。『ボーダーランズ3』に直接繋がるストーリーとなっているらしく、ファンは要チェックだ。
ストーリー的なつながりはもちろんのこと、『2』と『3』はクラスが別物だし、なんといっても『2』は凄まじい完成度の名作。というわけで『3』を遊ぶ前でも遊んだ後でも是非合わせて試して欲しい!
『ボーダーランズ3』はいよいよ9月13日発売だ。
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詳しい応募方法は電ファミニコゲーマー公式Twitter(@denfaminicogame)をチェック!『ボーダーランズ3』発売記念!
— 電ファミニコゲーマー (@denfaminicogame) September 12, 2019
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