Steam版で同時接続数26万人超え、モバイル版の配信も始まり勢いが止まらない『遊戯王 マスターデュエル』。
『遊戯王』シリーズ完全初見の初心者から紙の現役プレイヤーまで幅広くプレイされている本作。紙の『遊戯王』歴10年の私も毎日のようにプレイし、なんとか最高ランクのプラチナTier1に到達することができました。
そんな『マスターデュエル』ですが、SNSを見ているとこのような声が多く見受けられます。
・「ランクに潜ったらいきなりソリティア【※】された」
・「ランクマッチで勝ちきれない」
・「プラチナ帯に昇格できない」
※ソリティア
もともとは「1人遊び」を指す言葉。『遊戯王』ではそれになぞらえて、相手が効果の発動や特殊召喚を連続して行い、なかなか自分のターンが回ってこない様子を言う。やっとターンが回ってきたと思ったら、ガチガチに固められていて突破できないことが多い。
このような声がよく見られるのも無理はありません。なにせ、いきなり1万種類以上のカードプールから始まっているわけですから、いまの『マスターデュエル』環境は大魔境と言っても過言ではないからです。実際、トップメタに位置すると言われるデッキでも10種類以上のほどのデッキがしのぎを削るカオス状態なのです。
しかし逆に言うと、これだけ環境が混沌としているからこそ、コピーデッキではなく自分のオリジナルデッキで勝てる可能性も十分に残されているということでもあります。むしろ環境が固まる前の今のタイミングこそ、デュエリストとしての腕前が試される時期だと言えるでしょう。
というわけで、本稿では「目指せ脱初心者、目指せプラチナ帯!」と称して、ランクマで勝ちたい人のためにオススメのカードや考え方を紹介していきたいと思います。
「そもそもどんなデッキを組めばいいの?」「強いデッキを知りたい!」という方には、以前に執筆したデッキの組み方を解説した記事がありますので、そちらをご参照ください。
無課金でもリセマラなしで、いきなり実践級のデッキが組めちゃってヤバい。『遊戯王 マスターデュエル』のシステムが良心的すぎたので、初心者でもすぐにデュエルできるオススメデッキを紹介してみる
前提:ソリティアされたら仕方ない
「『マスターデュエル』始めたら、いきなりソリティアされて負けた」という声をよくお見受けします。まず大前提として、ルーキー〜シルバー帯あたりでソリティアされて完敗した場合、気にしてはいけません。
なぜならその対戦相手はほぼ間違いなく『遊戯王』経験者で、デッキの回し方も強力なカードも熟知しているベテランだからです。たまたま同じ日にプレイを始めて、たまたまマッチングしてしまっただけです。
正直な話、このランクでガチデッキに遭遇した場合、カード資産やカード知識からして対抗手段はほぼないと言っていいでしょう。なので、気にしないでください。
サービス開始初期特有の『経験者が低ランクにいるだけの状態』なため、日が立てば経験豊富なデュエリストはドンドンランク上げてルーキー〜シルバー帯から数を減らしていくはずです。こればかりは仕方がないので、割り切りましょう。
ソリティアが始まったらとりあえずデッキが回っているのを眺めて、エースっぽいカードが出て来たら「このデッキはこのカードが切り札なんだな」程度に見ておくといいでしょう。
サレンダーはレベルも報酬も上がらず、何より知識が増えない。メリットがないため、できるだけ行わないほうがいいです。切り札を覚えて帰るだけでも十分経験値になるので、今後のために見ておくことをオススメします。
(ルーキー帯は敗北しても昇格し、自動的にブロンズ帯になるため割愛します)
ブロンズ帯:まずは自分の使うカードを覚える
【自分のデッキ】を組み、ランクマッチの荒波に揉まれる皆様へ。
ブロンズ帯で大切なのは、『自分の使うデッキを把握すること』です。
このカードは何ができるのか、どうするとエースモンスターに繋げることができるのか。それさえ覚えて実行していけばまず勝てるはずです。相手のカードの効果は出てきたときに読めばいいので、まずは『そのデッキでやりたいこと』ができるようになることが大切です。
あまり強力なカードで穴埋めしなくても、『シークレットパック』から集まったカードを中心にデッキを組んで、かつデッキの強みがわかっているなら難なくブロンズ帯は突破できるはずです。私はルーキー帯から上がった直後の【初期デッキ】にマッチングしまくり、意図せず超初心者狩り状態になってしまい、気が付いたらシルバーにあがっていました。それくらいにハードルは低いので、とにかく「自分がやりたい動き」を目指してカードをプレイしましょう。
もしブロンズ帯で勝てない場合は、自分のデッキとパックで引いたカードを照らし合わせてください。何枚かは【初期デッキ】のカードよりも攻撃力が高かったり、何かしらの効果を持つカードがあると思います。
少なくとも、ソロモードを進めていれば制限カードの『死者蘇生』『サンダー・ボルト』があるはずです。始めのうちはこれらのカードを入れてみてください。
シルバー帯:穴埋めに使っているカードを強化する
シルバー帯になると流石に【初期デッキ】を使って何となくランクが上がる、ということはなくなります。ここからが本番と言っても過言ではないでしょう。
シルバー帯は、【カテゴリ】を中心にデッキを組んでいたり、コンセプトのあるデッキを組んでいるなら、まず突破できると思います。もしここでつまずくようであれば、メインコンセプト以外のカードが弱いままかもしれません。とりあえずでいれたカードを、より強力なカードに入れ替えるといいと思います。
もちろん「高レアレティのカードを使え」、というわけではありません。強力なレア(以下R)とノーマル(以下N)もたくさんあります。同じ『シークレットパック』を開けていれば自然と分解したR/Nのポイントが溜まっているはずです。今回はその一例を紹介します。
初心者にオススメ、汎用性の高い低レアカード
『ファイヤー・ハンド』『アイス・ハンド』共にR
相手に破壊された場合『ファイヤー・ハンド』はモンスターを、『アイス・ハンド』は魔法・罠を破壊して相方を特殊召喚します。除去をしながら戦線維持もできる強力なカード達です。キーカードを引くまでの時間稼ぎになってくれます。
『時械神メタイオン』R
相手モンスターを全て手札に戻し、さらにダメージも与えます。破壊耐性かつ対象に取れないモンスターであってもまとめて一掃できます。エクストラモンスターをエクストラデッキに戻すことができれば相手は再度召喚が必要になるため、かなりの痛手になります。
『時械神メタイオン』以外の『時械神』モンスターも低レアで強力な効果を持つカードが揃っているため、目を通してみるといいと思います。
『壊獣』モンスター N・R
『効果を受けないモンスター』すら突破できる最強の除去手段、『リリース』ができる『壊獣』モンスター達です。多くのシーンでどんなエースモンスターでも問答無用で除去できます。代わりに、相手フィールドに高火力モンスターを残してしまうため、効果で除去することが得意なデッキの場合に採用してみてください。
特に画像の『壊粉壊獣ガダーラ』はプラチナ帯でも活躍する【LL鉄獣】が出す『烈風の結界像』対策になるのでランクが上がった後でも採用が見込めます。
『闇の護封剣』R
相手モンスターを全て裏側守備表示にします。裏側守備表示のモンスター効果は適用されなくなるため、耐性を持っているモンスターでも効果で除去できるようになります。さらに、このカードがある限り表示形式を変更できなくします。
裏側守備表示のモンスターはシンクロ等の素材に使用できないため、相手の盤面が埋まっている状態で発動できれば再展開を一時的に防ぐことができます。個人的にイチオシのカードです。
『月の書』R
モンスター1体を裏側守備表示にする速攻魔法です。コスト不要で特に条件のない便利な1枚です。強力なモンスターを一時的に封じるのはもちろん、各召喚素材となるモンスターに打つことで相手の展開を防ぐことができます。
『月鏡の盾』R
装備モンスターの攻撃力・守備力を、戦闘する相手モンスターの攻撃力か守備力の高いほうの数値+100に修整する装備魔法です。わかりやすくいうと、装備したモンスターは戦闘で絶対勝ちます。破壊されてもデッキの一番上に戻せるので、後続がいれば再装備が可能です。
『激流葬』R
フィールドのモンスターを全て破壊する罠です。自分のモンスターも巻き込んでしまいますが、展開された多数の相手モンスターを一掃できるのは強力です。
『奈落の落とし穴』N
召喚・反転召喚・特殊召喚された攻撃力1500以上のモンスターを破壊して除外します。条件付きではありますが、多くのエクストラモンスターが条件を満たします。また、P召喚やカードの効果で複数体同時に特殊召喚された時に発動すると、まとめて除外できるのは覚えておきましょう。検索するまでSRだと思ってたぐらいには強力なカードです。
『強制脱出装置』R
相手モンスター1体を手札に戻します。エクストラデッキから特殊召喚されたモンスターは再度召喚が必要になるため、『手札に戻す』という効果は聞こえ以上に強力な効果です。
『狡猾な落とし穴』R
自分の墓地に罠がない状態限定ですが、モンスターを2体まとめて破壊します。他に罠を採用していないデッキ以外は採用が難しいですが、コストも無しに好きなタイミングで2体破壊できるのは破格の性能です。
『迷い風』R
特殊召喚されたモンスターの効果を無効にし、更に攻守を半減させます。妨害としてはもちろん、実は特殊召喚されたモンスター相手ならいつでも発動できるので相手の攻撃に合わせて戦闘補助として使用することもできます。また、相手の動き次第ですが墓地から再利用できる効果もあります。
『バージェストマ』罠 N・R
それぞれ『サイクロン』や『月の書』等を内蔵した罠モンスター群です。共通効果で墓地からモンスターとして復活します(この効果がクセ者で、理解するのに少々時間がかかるかもしれません)。
特に画像の『バージェストマ・ディノミスクス』は手札を1枚消費しますが、表側表示のカードを除外できます。私も主に【エルドリッチ】対策でメインに入れていました。モンスターだけでなく、魔法罠にも対応しているのがミソ。
モンスター化した『バージェストマ』は壁になるだけではなく、全員レベル2なのでうまく使えばエクシーズ召喚に繋がるのもポイント。ランク2のエクシーズでは、『幻影騎士団カースド・ジャベリン』『No.45 滅亡の預言者 クランブル・ロゴス』がN・Rの中では使いやすいです。
『幻影霧剣』『デモンズ・チェーン』R
どちらもモンスター効果を無効にしながら、攻撃を封じます。『幻影霧剣』はさらに、対象のモンスターが攻撃対象になりません。相手に発動すると攻撃対象にできなくなるためデメリットですが、自分のモンスターに発動することで高打点モンスターからの猛攻を防ぐことができます。
対象にしたモンスターはリンク素材にして逃げられやすいため、特に理由がなければ自動的に場を離れる『幻影霧剣』を優先的に採用するといいです。
何でもいいのでエクストラデッキを『召喚条件を満たせるモンスター』で穴埋め
『真帝王領域』のように『エクストラデッキにカードが存在しない』ことを条件とするカードを採用してる場合を除いて、エクストラデッキは15枚フルでいれることを推奨します。
同じレベルのモンスターを多数採用しているならそのランクのエクシーズ、チューナーを採用しているなら狙えそうなシンクロ、残りはリンクモンスターで穴埋めしておくといざという時に活躍してくれます。