ゴールド帯:相手のデッキを理解していく
ゴールド帯は強力なデュエリストが増え始めますが、それ以上にデッキの種類も爆増します。
環境デッキだけでなく中堅デッキやテーマデッキと幅広いデッキが存在し、いわゆる「初見殺し」のようなタイプが読めないオリジナルデッキとも遭遇します。そのため、特定の強いデッキへのメタを貼りにくく、初見のカードに対応していかなければいけないため最も苦戦する区域だと言えるでしょう。
『灰流うらら』を適当に使う、といったような小手先の妨害も通用しなくなってきます。マストカウンターを見極めたり、展開されたあとの対処法を知っておく必要があります。
そのため、今の『マスターデュエル』環境で一番の魔境はゴールド帯かもしれません。このゴールド帯を突破できれば実質脱初心者と言っても過言ではないと思います。
さて、そんなゴールド帯ですが私が実際に使って突破したのはこの【花札衛】というデッキになります。
実はこのデッキ、完全に環境外のデッキのため初見の方も多いと思います。いわゆる地雷デッキ(ローグデッキ)というやつですね。
1度だけミラーマッチをしましたが、それ以降一度も遭遇していないぐらい珍しいデッキです。ゴールド帯ではこうした【花札衛】のような地雷デッキとも多く遭遇するはずです。
初見の方はデッキだけ見てもどうやって回るのか、どれがエースなのかもわからないと思います(シンクロがURなのでシンクロが強そうなのはわかるかもしれませんが)。実はこのデッキ、メインデッキ全てのモンスターが『灰流うらら』に引っかかります。が、どれに打てばいいのか見当もつかないでしょう。私も実際に触るまで回し方がわかっていませんでした。
そうなんです、初見のデッキはわからなくて当たり前なんです。
前提知識として「このデッキは〇〇が主体のデッキ」というのはあっても、実際どう回して主体となる動きをするのか理解していないことが多いです。私も自分が使ったことのないデッキの回し方や妨害を受けたあとの起動修正は、正直言ってわかりません。とくに【ドライトロン】のような展開型デッキなんかはさっぱりです。
ではどう知ればいいのか。
一番手っ取り早い方法は、実際にデッキを回してみること。これに尽きます。
実際に使ってみると『灰流うらら』や妨害札が切られたくないカードが見えてきます。「自分で使ってみたときに『灰流うらら』を切られたくないカード」──それはすなわち、「対峙した際に『灰流うらら』を切るべきカード」ということです。
しかし、全てのデッキを組むのは現実的に考えて難しいです。紙でやっていれば友人や対戦相手にデッキをお借りして回してみる、ということができるのですが『マスターデュエル』には現在レンタルデッキのような機能は存在していません。
そのため、次善の手段としては、そのデッキと対戦してみることです。
何度も対戦するだけで、「〇〇はこのカードをよく使うな」「ということは××を止めれば勝てるのでは?」というのが何となくわかるようになってきます。特に、環境デッキは何度も遭遇することになると思うので、嫌でも「このカードを通すとマズイ」というタイミングを覚えることになります。
なので、『このデッキは大体こういうカードを出すからそこを止める』『止まらなければ最終的にこうなるから捲り方を考える』。これだけでもだいぶ勝率は上がると思います。
それでも本当に初見のデッキと対峙してしまった場合、『灰流うらら』は『強欲で貪欲な壺』のように手札が増えるカードか、『増援』のようなピンポイントでサーチするカードに撃ちましょう。少なくともアドバンテージ差をつけられたり、キーカードへアクセスされたりするのを防げるからです。
それでも無理なときは無理なので、知らないデッキの勉強代として割り切りましょう。デュエルには時の運もつきものです。
余談なのですが、先ほどの【花札衛】のレシピに『灰流うらら』が入っていないことに気が付いた方もいるかもしれません。しかしこれは【花札衛】自体が『花札衛』以外のカードをほぼ入れられない特殊なデッキだから入れていないだけです。『灰流うらら』は基本的には入れたほうがいいカードです。
『灰流うらら』等の手札誘発は極論持っていなくても戦えると思いますが、先行を取った相手の行動を全通しすることになるので、それなりに苦戦するのは必至だと思います。『灰流うらら』が入れられるデッキであれば素直に入れましょう。
プラチナ帯到達:脱初心者おめでとうございます!
プラチナ帯に到達すれば、ひとまず『遊戯王』初心者は卒業と言えるでしょう。おめでとうございます!
ただし、ここからさらにプラチナTier1を目指す場合は修羅の道だと思ってください。『灰流うらら』を始めとした手札誘発は当然として、『墓穴の指名者』のようなUR級の妨害札も飛び交うようになります。シルバー帯で紹介した有用低レアカードも、通用しない相手が増えてきます。
私も始めは【花札衛】でTier1を目指しましたが、汎用カードが積めないという理由で早々に諦めて、予め用意しておいた【エルドリッチ】を握りました。それでも勝つのが難しかったため、断腸の思いでUR/SRのカードを割り、汎用カードを作りました。こうして高レアカードに魂を売り渡し、Tier1までたどり着くことができました。力こそパワーです。
プラチナTier1での直近の10試合を振り返ると、【エルドリッチ】に3回、【ドラゴンメイド】【プランキッズ】【LL鉄獣】【閃刀姫】等々の紙の大会でも実績があるデッキに1回ずつと、ほとんど紙の環境と変わってないです。
シングル戦(BO1)なのでメインから特定のメタを数枚入れている方がいるのは、若干紙と違うところでしょうか。とにかく、プラチナ帯の多くは環境デッキを使ってきます。
もちろん環境デッキを使わなければTier1になれないわけではございません。TwitterではさまざまなデッキでTier1を達成したという報告ツイートを見かけますし、実際未知なるデッキに出くわすことも(ゴールド帯ほどではないにしろ)あります。そして対処法を知らないので、負けます。強いです。
しかし、そんな未知なるデッキでも『灰流うらら』『増殖するG』は使ってきます。
もし、プラチナTier1を目指すなら妥協せずに汎用性のあるUR/SRを作っておいたほうがいいでしょう。幸いにも『遊戯王』ではクラスのような特定カードしか使えない縛りがなく、いわゆるスタン落ちという過去のカードが使えなくなるシステムも存在しないため、全てのカードが全てのデッキで(禁止にならなければ)一生使用可能です。
一度生成してしまえば次から使いまわしが利くので、作るかどうか迷っている場合は未来への投資も兼ねてとりあえず作ってしまうことをオススメします。もちろん、次に組みたいデッキが決まっていてポイントを温存したい場合は、それもアリです。
オススメの汎用高レアカード
最後に、プラチナ帯でも使える……いやむしろ必須級といっていい汎用カードをご紹介しておきましょう。私もこのあたりのカードをとりあえずいれてから、本命のデッキ構築を始めることが多いです。それぐらいよく使います。
『灰流うらら』UR
何度も名前を出した手札誘発のカードです。デッキに関連する効果のほとんどを無効にできます。『マスターデュエル』を始める際に「とりあえず作っておけ」と言われた方も多いのではないでしょうか。
なぜこのカードが強いのかというと、『遊戯王』にはマナの概念がないため、先行で封殺する盤面が作れてしまうからです。そのため、後攻でも広範囲のカードをピンポイントで妨害することができる『灰流うらら』は、現在の『遊戯王』における妨害手段を代表するカードとなっています。効果が地味なので強さを感じにくいかもしれませんが、1度の無効で戦況を大きく傾けることができているはずです。
『増殖するG』UR
相手が特殊召喚するたびにドローをする手札誘発のカードです。相手の特殊召喚に合わせて発動することで「盤面を整えきれないままターンを渡してもらう」か、「大量ドローさせてでも展開するか」の2択を迫ることができます。
先述の通り『遊戯王』はマナの概念が存在しないため、先行で盤面を封殺されても大量に引いたカードでひっくり返せるようになります。また、途中で『灰流うらら』を引くことができれば中途半端な盤面でストップをかけられるうえ、大量のカードで反撃が可能となります。
『墓穴の指名者』UR
墓地のモンスターを除外して、そのターン同名効果を無効にする魔法です。先行で引いた場合、上記の『灰流うらら』『増殖するG』を代表とした手札誘発を防ぎながら展開ができます。墓地を利用する【鉄獣戦線】や【エルドリッチ】などにも対処できるため、非常に使い勝手のいいカードです。
『原始生命態ニビル』UR
相手が5体以上召喚・特殊召喚したターンのメインフェイズに、全てのモンスターをリリースして叩きつけることができる攻撃力3000のモンスターです。自分のモンスターも巻き込んでしまうのでデッキは選びますが、「不意打ちでリリース」という最強の除去をまとめて行いながら、攻撃力3000のモンスターを立てられるのはとてもデカい。『灰流うらら』と違い発動中は手札に残るので、『墓穴の指名者』を受けないのもポイント。
デメリットとしてリリースしたモンスターの攻守を合計したステータスを持つ『原始生命態トークン』を相手の場に特殊召喚してしまうので、対処法だけは用意しておいてください。
『PSYフレームギア・γ』SRと『PSYフレーム・ドライバー』N
「自分フィールドにモンスターが存在しない」という条件付きではありますが、モンスター効果を妨害しながら展開できる手札誘発のカードです。こちらも『灰流うらら』と違い発動中は手札に残るため、『墓穴の指名者』を受けません。
先行で使用する場合、相手の『灰流うらら』『増殖するG』等を打ち返しながら更に展開数を増やすことができます。『PSYフレームギア・γ』がチューナーモンスターなのでレベル8シンクロモンスターか、『水晶機巧-ハリファイバー』(UR)に繋げることができます。
『水晶機巧-ハリファイバー』を出した場合は効果でレベル3以下のチューナーモンスター、つまりシンクロを使わないデッキでもデッキに眠る『灰流うらら』『PSYフレームギア・γ』が特殊召喚して即座にリンク3まで繋げることができます。そしてまだ通常召喚をしていないので、更なる展開が可能です。
モンスター効果であれば手札だろうがフィールドだろうが、どこで発動されても止めることができるため、デッキとエクストラデッキに余裕があれば採用してみましょう。
※なお、紙の『遊戯王』では『PSYフレームギア・γ』は制限カードに指定されており、今後『マスターデュエル』でも制限になる可能性があります。現在禁止制限改訂により使用できなくなったカード分の補填方法は不明なのでご注意を。
『天霆號アーゼウス』UR
エクシーズモンスターが戦闘したターンに、自分フィールドのエクシーズモンスターの上に重ねることでエクシーズ召喚ができる攻撃力3000のモンスターです。好きなタイミングでエクシーズ素材を2つ使い、『天霆號アーゼウス』以外のカードを全て墓地に送ります。
対象を取らず破壊でもない除去で、なおかついつでも発動できる超強力なエクシーズモンスター。効果を使い、役目を終えたエクシーズモンスターで攻撃すれば重ねることができてしまうので、エクシーズを使うデッキなら入れておいて損はないです。たまに『死者蘇生』等で相手のエクシーズモンスターを奪い、『天霆號アーゼウス』を重ねることもあるのでエクシーズ不採用でも枠が余ったら入れておくと便利です。
『強欲で貪欲な壺』『強欲で金満な壺』SR
前者はデッキトップ10枚、後者はエクストラデッキからランダムに6枚を裏のまま除外とコストは強烈ですが確実に2枚ドローできるカードです。
『強欲で貪欲な壺』は特定のカードが1枚でも引ければ戦える【閃刀姫】のようなデッキ、『強欲で金満な壺』はエクストラをあまり使わない【エルドリッチ】のようなデッキを使う場合に採用できます。
『金満で謙虚な壺』SR
エクストラデッキを3枚か6枚除外し、除外した枚数だけデッキトップを確認して、その中から1枚手札に加えます。『強欲で金満な壺』と同じくエクストラデッキを消費しますが、こちらは除外するカードが選べるのでより多くのデッキで採用が見込めます。
『ハーピィの羽根箒』UR
相手の魔法・罠を全て破壊します。シンプルな効果ですが、特にデメリットもないので安定の1枚です。
まとめ:脱初心者!ゆくゆくは【魂のデッキ】でプラチナランクを達成するために!
『遊戯王』には1万種類ものカードが存在し、20年以上の歴史があるカードゲームです。20年以上の歴史があるということは当然10年、もしかすると20年やりこんでいるプレイヤーもいるということです。
そんな猛者たちを相手にいきなりプラチナランクはハードルが高く感じるかもしれませんが、何度もデュエルをして、少しずつ知識と経験を蓄えていけば意外とあっさり達成できるかもしれません。きっとカードが応えてくれます。
私も次は環境パワーに頼らず、魂のデッキである【溟界】でプラチナTier1を勝ち取るために調整中です。
見ての通り、魂のデッキである【溟界】は先ほど紹介した高レア汎用カードで1/3が埋め尽くされました(【溟界】を組むために必要なカードが少ないのもありますが)。
このように汎用性の高いUR/SRはポイントを大量に消費しますが、ガチデッキだけでなく好きなデッキにも流用できますので早めに作っておくことをオススメします。
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無課金でもリセマラなしで、いきなり実践級のデッキが組めちゃってヤバい。『遊戯王 マスターデュエル』のシステムが良心的すぎたので、初心者でもすぐにデュエルできるオススメデッキを紹介してみる・最初期のカードから最新カードまで、1万種類以上の膨大なカードプールを収録
・それなのに、初心者でもデッキを組みやすい仕組みになっている
・しかも、今なら無課金でもランクマで戦えるデッキが組めるくらいに石が配られている。なのでリセマラ不要!
・経験者も狙ったカードを集めやすくなっている
・未所持のカードは「同じレアリティのカード3枚」という驚きの低レートで生成可能。この仕様のおかげで、いわゆる「ネタデッキ」「ファンデッキ」も組みやすい