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城郭ライターと共に『ゴースト・オブ・ツシマ』の舞台・対馬の歴史を巡る、「ゲームさんぽ/よそ見」最新回が公開。石垣の表現に見る時代の違いや、江戸時代に発覚した「国書偽造」事件まで、専門家と共に歴史を深堀り

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8月13日、専門家と共にゲームの世界を深掘りするYouTubeチャンネル「ゲームさんぽ/よそ見」にて、新作動画「城郭ライターと行く『Ghost of Tsushima』番外編:対馬プチ観光」YouTubeニコニコ動画で公開された。

今回の動画では、前回に引き続き城郭ライター・編集者の萩原さちこ氏を迎え、『ゴースト・オブ・ツシマ』をプレイ。作中の舞台である対馬の歴史や文化を巡り、石垣の文化や元寇の戦いについて、専門的な見地から解説がなされている。

「ゲームさんぽ」は、各分野の専門家をゲストに招き、その知見を通してゲームの世界を深掘りしていく人気動画企画だ。プレイヤーが普段何気なく見ている風景や事象に、専門家ならではの視点が加わることで新たな発見がもたらされ、その奥深い世界観をより一層楽しめるのが大きな魅力となっている。

動画の序盤、萩原氏は作中に登場する「石の集落」に注目した。津島には実際に石垣の技術に優れた集落が存在し、石の文化が各所に根付いているという。

一方で、ゲーム内に見られる石垣は、隙間なく綺麗に加工されており、鎌倉時代というよりは「江戸時代以降の技術」であると分析。ゲーム的な表現と史実を比較しながら、津島の風土について解説した。

「ゲームさんぽ/よそ見」最新回「城郭ライターと行く『Ghost of Tsushima』番外編:対馬プチ観光」が公開_005
(画像はYouTubeより)

次に話題となったのは、ゲームの物語の根幹をなす「元寇」だ。萩原氏は、当時の日本とモンゴル帝国との「戦いの様式」の違いを指摘。名乗りを上げて一対一で戦うのが当たり前だった日本の武士に対し、モンゴル軍は問答無用で集団戦を仕掛けてきた。

言葉も常識も通じない異国との初めての戦いは、当時の武士たちに「挨拶しないんだ」「これが世界の戦いなんだ」と大きな衝撃を与えたであろうと、そのカルチャーショックの様相について、想像を交えながら語った。

そのほかにも、江戸時代に対馬藩主の宗氏が朝鮮と幕府の板挟みとなり、外交を円滑に進めるため双方の国書を改ざんしたという驚きのエピソードが語られた。この一件は後に家臣の裏切りで幕府に露見するも、将軍・家光は宗氏ではなく主君を裏切った家臣を罰したという。

動画の最後に、萩原氏は本作の世界観について、個々の表現は必ずしも鎌倉時代のものと一致するわけではないとしながらも、「日本の戦国時代だったり江戸時代だったり、知りうる日本の技術とか建物のことを相当調べて作ってくださっている」と分析。

「日本人感覚でありえない組み合わせとかがない」と、その丁寧な作り込みを高く評価し、専門家として「すごく嬉しい」と感想を述べた。

ライター
物心ついたころからFFとドラクエと共に育ち、The Elder Scrolls IV: オブリビオンで洋ゲーの沼にハマる。 ゲームのやりすぎでセミより長い地下生活を送っていたが、最近社会にリスポーンした。 ローグライクTCG「Slay the Spire」の有志翻訳者。
Twitter:@Gre_zzz

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