『どうぶつの森』シリーズが21周年を迎える。「コミュニケーション」に焦点をあてたゲーム性はSNSの発展など時代の変化にも応じて進化。大きな影響力を持つように

 2022年4月14日(木)、『どうぶつの森』シリーズが21周年を迎える。

 シリーズ最初の作品は、2001年4月14日に発売されたニンテンドー64に向けた『どうぶつの森』。ディレクターは『スターフォックス』でディレクションを担当した江口勝也氏と、のちに『スプラトゥーン』シリーズのプロデューサーを務めることになる野上恒氏だ。

 自由気ままに村での暮らしを楽しむ作品で「釣り」や「昆虫採集」、「部屋の模様替え」など、近年のシリーズ作品に受け継がれている要素がすでに登場している。一般的なゲームタイトルと異なり、クリアという概念は存在しない。

 コンセプトとして「複数のプレイヤーが時間をずらしてひとつのゲームを遊ぶ」というものがあり、最初期の構想としてはどうぶつたちを引き連れてダンジョンを攻略する、といった作品になる予定だった。周辺機器「64DD」を用い、当時としては大規模のバックアップデータを用意する前提の仕様であったという。

 しかし、開発初期に周辺機器「64DD」を使用しない方向へ転換。カセットの容量に納めなければならず、結果としてプレイヤー同士のコミュニケーションにフォーカスした作品となった。それぞれ春夏秋冬を表現していた4つの島もひとつに集められ、時間に応じて四季が変化していく形式が取られた。このあたりの経緯については、2008年に行われた「任天堂ゲームセミナー」にて細かく語られている。

初代どうぶつの森
(画像はどうぶつの森より)

 そんな技術的な困難もあった初代作からおよそ8か月後の同年12月には、ニンテンドーゲームキューブ(以下、ゲームキューブ)向けに『どうぶつの森+』が発売。新たなどうぶつや家具が追加されたことはもちろん、化石や名画を寄贈できる博物館システムが実装された。くわえて、初代『どうぶつの森』以上に村ごとの変化の幅が広がっている。

 そして「GBAケーブル」を用いたゲームボーイアドバンスとの連携機能も採用。なんと海岸沖に秘密の島が出現し、島限定の別荘や家具、そこでしか会えないどうぶつなど、数々のお楽しみ要素を用意していた。

 1年半ほどの期間を空け、2003年6月27日には同じくゲームキューブ向けに『どうぶつの森e+』がリリース。どうぶつたちのデザインや会話に変更がくわえられたほか、「カードe+」でどうぶつやデザインを追加できる機能が取り入れられている。

どうぶつの森カードe+
(画像はどうぶつの森カードe+とは?より)

 2005年11月23日、ニンテンドーDS(以下、DS)向けにシリーズ初の携帯ゲーム機向け作品でもある完全新作『おいでよ どうぶつの森』が発売。DSのワイヤレス通信機能により、ひとつの村で最大4人までが同時に遊べるようになった。ニンテンドーWi-Fiコネクション対応タイトルでもあり、オンラインで遠く離れたプレイヤーとも村に集まることができる。

 またDSの特徴的な機能である「すれちがい通信」機能を生かし、現実世界ですれ違っただけの相手とメッセージボトルやオリジナルの星座の交換が可能であった。

 どうぶつやアイテム、アクセサリーなども多数追加されており、美容室や天文台など新たな村の施設も登場。DSの上画面には空が映し出されるようになり、風船やUFOをパチンコで撃ち落としたり、花火大会を楽しんだりといった要素もくわえられている。

おいでよどうぶつの森
(画像は「おいでよ どうぶつの森」ってどんなゲーム?より)

 そんな『おいでよ どうぶつの森』を原作としたアニメ映画『劇場版 どうぶつの森』が2006年に公開、そのエンドロールにて存在が明らかになったのが、2008年11月20日に発売されたWii向けの『街へいこうよ どうぶつの森』である。

 タイトルの通り「街」が追加され、劇場や美容院など村にはない新たな体験が楽しめるように。施設のひとつ「オークションハウス」では「WiiConnect24」を使って友達同士でアイテムを売り買いするなど、オンライン要素も活用されていた。

 また『おいでよ どうぶつの森』からプレイヤーデータをコピーして引き継ぐことが可能。逆にWiiからDSへ「おでかけ」用のデータを送信すると、DSを持ち寄ることでおでかけプレイを楽しむこともできた。

街へいこうよ どうぶつの森
(画像は街へいこうよ どうぶつの森より)

 4年ほどの期間を経て、2012年11月8日にはニンテンドー3DS(以下、3DS)向けに『とびだせ どうぶつの森』が登場。これまではひとりの村人であったプレイヤーが、今作では村長となり、自ら村づくりに取り組んでいく。「公共事業」として橋やベンチなどの公共物を設置したり、「条例」を定めてショップの営業時間を調整するなどの機能がくわえられた。

 3DSの通信機能に対応し、オンラインでお互いの村を行き来したり、南の島でミニゲームを楽しんだりと、マルチプレイ要素も豊富に。「すれちがい通信」では相手の家が「ハッピーホーム展示場」に並び、内装を見学できるようになった。

 そして2016年には大型アップデートが配信され、タイトルが『とびだせ どうぶつの森 amiibo+』へ変更。『どうぶつの森』シリーズのamiiboカードを読み込むと、ランプの精「ゆうたろう」がカードの動物に変身。その状態で勧誘することで、どうぶつ本人が村へと引っ越してくる。

 そして「しずえ」をはじめとするフィギュア型amiiboを使うと、対象のどうぶつに休暇の提案を行える。こちらも『とびだせ どうぶつの森 amiibo+』にて新たに実装されたオートキャンプ場にて、普段は働きづめの彼らがくつろいでいる貴重な姿を見ることが可能だ。

とびだせ どうぶつの森 amiibo+
(画像はとびだせ どうぶつの森 amiibo+ | ニンテンドー3DS | 任天堂より)

 このほか3DS向けには、スピンオフタイトルとして2015年7月30日に『どうぶつの森 ハッピーホームデザイナー』が発売されている。「村」ではなく「部屋」にフォーカスした内容で、プレイヤーは「たぬきハウジング」の社員としてどうぶつたちの住まいの相談に乗っていく。

 経験を積んでいけば、いずれは学校や病院などといった公共施設のデザインに参加する機会も訪れる。デザインした施設は「ツクッター」にてオンライン上に投稿でき、ほかのプレイヤーが作った作品を見学して評価をつけたり、コンテストに参加したりといった遊び方も行うことができた。

どうぶつの森 ハッピーホームデザイナー
(画像はどうぶつの森 ハッピーホームデザイナー | ニンテンドー3DS | 任天堂より)

 Wii U向けには2013年8月8日に期間限定の無料ソフト『どうぶつの森 こもれび広場』がリリース。ネットワークサービス「Miiverse」内の「どうぶつの森シリーズ コミュニティ」を介して文字や手書きのコメント、写真を投稿したり、ほかの人の投稿を見たりするなどのコミュニケーションを取るという、SNSにも近いソフトである。従来のシリーズ作品のように家の内装を飾ったり、村を築いたりといったゲームプレイはない。

どうぶつの森 こもれび広場
(画像はどうぶつの森 こもれび広場より)

 2015年11月21日には、同じくWii Uに向け『どうぶつの森 amiiboフェスティバル』が発売。こちらもスピンオフタイトルで、amiiboをコマとして用いるすごろく形式のゲームとなっている。春夏秋冬の1か月の間にもっとも多く「ハッピー」を集めたプレイヤーの勝利となり、お金(ベル)でカードやカブを買うといった要素を採用。さらに「amiiboカード」を用いるミニゲームも8種が収録された。

どうぶつの森 amiiboフェスティバル
(画像はどうぶつの森 amiiboフェスティバル|Wii U|任天堂より)

 2017年11月21日、シリーズ初のスマートフォン向けアプリ『どうぶつの森 ポケットキャンプ』がリリース。自然豊かなキャンプ場の管理人となり、家具やオブジェを飾ってどうぶつたちの集まる場所を作っていくという作品だ。

 釣りや虫取り、フルーツ拾いなど従来の作品のようなアクティビティを楽しみつつ、どうぶつたちの好みの家具を用意すればキャンプ場に招待することも可能。バレンタインや旧正月など季節にあわせたイベントも多数開催され、サンリオキャラクターズや『スーパーマリオブラザーズ』とコラボした事例もある。2021年11月にはリリースから4周年を記念したプレゼントが配布された。

どうぶつの森 ポケットキャンプ
(画像はどうぶつの森 ポケットキャンプ / Twitterより)

 そして最新作である『あつまれ どうぶつの森』が2020年3月20日にNintendo Switch向けに発売。シリーズではじめて「無人島」を舞台とし家具や道具は島でとれるものを材料に「DIY」で制作するなど、ゼロからの新生活を楽しめる。Joy-Conを用いた「おすそわけプレイ」によるオフラインでの同時プレイも可能となった。

 2021年11月5日に配信開始した追加コンテンツ「ハッピーホームパラダイス」では、リゾート地としてにぎわう島々で別荘づくりをお手伝い。ロケーション選びから部屋、庭のデザインまでを手がけることができる。

あつまれ どうぶつの森
(画像はあつまれ どうぶつの森 ダウンロード版 | My Nintendo Store(マイニンテンドーストア)より)

 発売後には「借金返済RTAトーナメント大会」が開催されたり、コラボした『モノポリー』が海外にて展開されたり、新型コロナウイルスの影響で中止になってしまった結婚式をゲーム内で開くユーザーが現れたりと、多くの話題を呼んだ。発売月には、当時としては史上最多の月刊デジタル販売本数を記録している。

 またスポーツ用品メーカー「PUMA」のコラボスニーカーや「gelato pique」によるルームウェアなど、大手ブランドと連携したグッズ面も充実。さらには「ケンタッキー・フライド・チキン」が公式ケンタッキー島をオープンしたり、日本ハムが「シャウエッセン」のマイデザインを公開したりと、他業種の企業が絡んだコラボも複数行われた。

 ニンテンドー64の時代からプレイヤー同士の「コミュニケーション」を軸に据えた作品作りを行ってきた『どうぶつの森』シリーズ。「GBAケーブル」や「すれちがい通信」、「amiibo」など、各ハードウェアの印象深い拡張機能を数多くゲームに取り入れてきた。

 SNSなどの発展に応じて進化を続け、現代ではゲーム以外の業界における大企業からの注目をも集める、非常に大きな存在感を放つ作品だと言えるだろう。21周年を迎えたシリーズの今後にも期待していきたい。 

ライター
1998年生まれ。静岡大学情報学部にてプログラマーの道を志すも、FPSゲーム「Overwatch」に熱中するあまり中途退学。少年期に「アーマード・コア」「ドラッグ オン ドラグーン」などから受けた刺激を忘れられず、プログラミング言語から日本語にシフト。自分の言葉で真実の愛を語るべく奮闘中。「おもしろき こともなき世を おもしろく」するコンピューターゲームの力を信じている。道端のスズメに恋をする乙女。
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