『スプラトゥーン』シリーズが7周年を迎える。インクを用いた斬新な戦闘システムや期間限定イベント「フェス」などのユニークな取り組みが人気を呼び、一大IPへと躍進

 2022年5月28日(土)、『スプラトゥーン』シリーズが7周年を迎える。

 初代『スプラトゥーン』は、2015年5月28日にWii U向けに発売された対戦アクションゲームだ。ヒトの姿に変身できるイカ「インクリング」たちがプレイアブルキャラクターとなり、インターネット対戦のほか「イカとタコの存亡をかけた」ひとり用モード「ヒーローモード」が実装されていた。

初代『スプラトゥーン』
(画像は『スプラトゥーン』任天堂公式紹介ページより)

 そのゲーム性は三人称視点のシューティングゲーム、いわゆるTPSをベースとしたもの。ただし発射されるのは実弾やエネルギーではなく「インク」であり、そのため「ローラー」「フデ」など一般的な銃からはかけ離れた形状のメインウェポン「ブキ」も登場している。また操作面ではWii U GamePadジャイロ機能を利用し、スティックとジャイロのハイブリッドで操作することが可能となっている。

 最大の特徴は、ゲームが展開するに従ってインクによって地面そのものが互いのカラーに塗られていくこと。敵チームの色で塗られている部分は踏むだけでダメージを受けてしまうが、自チームの色で塗られている床や壁は「イカ」状態になることで素早く移動することができ、また同時にブキに使うインクを補充することも可能となる。

 移動速度やスリップダメージ、弾薬に値するインクの補給など、塗られた床が戦闘に直結する効果を及ぼすためゲームを通して「塗り」の重要度が非常に高い。特に、メジャーなルールのひとつ「ナワバリバトル」は塗った面積の広さを競うルールのため、勝敗にも直結する。

初代『スプラトゥーン』スクリーンショット
(画像は『スプラトゥーン』任天堂公式紹介ページより)

 サービス開始後には、提示された「お題」にそってふたつのチームに分かれ、ナワバリバトルで勝敗を決める期間限定イベント「フェス」が数多く開催された。こちらでは他企業や他ゲームタイトルとのコラボレーションも行われ「赤いきつねと緑のたぬき」「ガンガン行こうぜといのちだいじに」「きのこの山とたけのこの里」など、さまざまなお題のもとプレイヤーたちが激戦を繰り広げた。

 本作のプロデューサーを務めたのは初代『どうぶつの森』でディレクターを担当した野上恒氏。任天堂の公式サイトにて公開されている「社長が訊く『スプラトゥーン』」では、本作の開発秘話も語られており、それによると当初は「イカ」ではなくウサギ」がプレイヤーキャラクターとして用いられていたという。「インクを塗る」という行為の合理的な理由を詰めていった結果、墨を吐く「イカ」というモチーフが用いられたとのことだ。

 初代『スプラトゥーン』は2014年に行われた世界規模のイベント「E3」にて初出展され、大きな反響を呼んだ。2022年3月末時点までで累計495万本を売り上げるなど商業的にも成功をおさめ、任天堂の新規IPとして広く認知されることを達成している。

 続く『スプラトゥーン2』は、Nintendo Switch向けに2017年7月21日に発売開始。前作からおよそ2年後に発売された続編は、基本的なバトルシステムを継承しつつステージやブキ、一部システムなどに変化がくわえられた。新規コンテンツとして4人までで協力して戦うPvEコンテンツ「サーモンラン」や、新たなバトルモード「リーグマッチ」が実装されている。

『スプラトゥーン2』
(画像はニンテンドーeショップ『スプラトゥーン2』販売ページより)

 「サーモンラン」は、凶悪な「シャケ」を退治しながら「イクラ」を集めるといった設定で、オンラインでは不定期にオープンする「クマサン商会」の施設が稼働している時のみプレイ可能。ゲームの結果に応じて「クマサンポイント」がたまり、集めていくことで本コンテンツからしか入手できないアイテムなどを手に入れられる

 ゲーム内はウェーブ制を採用しており、制限時間内に定められた数の「金イクラ」をコンテナへと集めることで進行していく。ウェーブごとに「満潮」や「干潮」といった変化が生じたり、特殊なエネミーが登場する「ハコビヤ襲来」、「グリル発進」、視界が悪化する「霧」などの特殊イベントも用意されていた。

 「リーグマッチ」はフレンドとふたりのペア、あるいは4人のチームを組んで対戦するモード。2時間ごとに指定されたルールとステージでガチマッチを行ってランキングを競い、その順位に応じてメダルを入手できる。こちらは一般的な「ガチマッチ」と異なりランクに相当する「ウデマエ」は変動しない。

 2018年6月14日には有料追加コンテンツ「オクト・エキスパンション」が配信開始。記憶を失ったタコの姿の若者「8号」が主人公のひとり専用モードとなっており、豊富な兵器や仕掛けがプレイヤーを待ち受ける。クリア後にはバトルで使うプレイヤーキャラクターをタコの姿にすることが可能となる。

『スプラトゥーン2』オクト・エキスパンション
(画像はニンテンドーeショップ「スプラトゥーン2 オクト・エキスパンション」販売ページより)

 本作は発売から1週間で67万本以上を売り上げる驚異的なペースで売上を伸ばし、約1か月で国内累計売上本数が100万本を突破(ファミ通.com)任天堂の2020年3月期の決算情報によれば、累計の売上本数は1013万本に達しており、前作をも超える大ヒットを記録した。

 このほか『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』では「インクリング」がプレイアブルキャラクターとして参戦。また2015年に幕張メッセにて開催された「闘会議2015」では実際に玩具の銃を使ってフィールドをインクで塗りつぶしていく「リアルスプラトゥーン」コーナーを展開し盛況を収めるなど、多くの話題を巻き起こしてきた。

 上述の各種フェスのほかにもマンガ『侵略! イカ娘』とのコラボや、CDショップ「タワーレコード」とのコラボグッズの展開、佐賀県とのコラボイベント「Sagakeen」といったゲーム以外の分野でも存在感を示している。2019年にはロンドンの「ヴィクトリア&アルバート博物館」にて展示が行われるなど、海外でもその知名度は確かなもののようだ。

 最新作『スプラトゥーン3』は、2022年9月9日(金)の発売を予定している。すでに、おなじみの「ナワバリバトル」におけるゲームプレイ映像が公開されており、公式サイトでは『スプラトゥーン』シリーズを初めて遊ぶプレイヤーに向けた作品の紹介も行われている。

 すでに公開されている情報によれば、『スプラトゥーン3』ではさまざまな時代の建造物が建ち並ぶ「バンカラ街」を舞台としたバトルが繰り広げられるとのこと。また“哺乳類の帰還”をテーマにした物語を紡ぐひとり用の「ヒーローモード」、『スプラトゥーン2』同様にふたりから4人までのチームで協力してプレイできる「サーモンラン」などのコンテンツが収録されるという。

 また、地面や壁から回転しながら飛び出す「イカロール」、インクで塗られた壁を勢いよく登り飛び上がる「イカノボリ」、「スポナー」を利用して空中から勢いよくスタートを切る「イカスポーン」などの新アクションが登場。くわえて弓のような形状の「トライストリンガー」やカニ型多脚戦車「カニタンク」などの新たなブキの登場も予告されている。

スプラトゥーン3
(画像はニンテンドーeショップ『スプラトゥーン3』販売ページより)

 『スプラトゥーン3』の新情報は、公式Twitterアカウント公式サイトにて随時更新中。最新作の動向もふくめ、大きな飛躍を果たした『スプラトゥーン』シリーズの今後の展開にも注目していきたい。

ライター
1998年生まれ。静岡大学情報学部にてプログラマーの道を志すも、FPSゲーム「Overwatch」に熱中するあまり中途退学。少年期に「アーマード・コア」「ドラッグ オン ドラグーン」などから受けた刺激を忘れられず、プログラミング言語から日本語にシフト。自分の言葉で真実の愛を語るべく奮闘中。「おもしろき こともなき世を おもしろく」するコンピューターゲームの力を信じている。道端のスズメに恋をする乙女。
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