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早期体験版が無料で配信されるから、『ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル R』について熱く語ってみたァァァ───!!

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 ”意外ッ!それは新作!”

 少し前の話をしよう。『ジョジョの奇妙な冒険』は、1986年から連載されている荒木飛呂彦氏の漫画作品だ。

 荒木飛呂彦らしさを追求したグラフィック表現、そして“スタンド”。
 もともとコアなファンから熱狂的な指示を集めていたものが、ネットの普及とともに知名度を爆発的に拡大させ、2012年に満を持してテレビアニメ化を果たす。

 原作の持つ魅力を真摯にアニメーション化した第一シーズンは、演者の熱演もあって大きな盛り上がりを見せた。

 そんな時期に発表されたのが、前作にあたる『ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル』(以下、『ASB』)だった。

 第一部『ファントムブラッド』から第八部『ジョジョリオン』までの、何十年にも渡る作品の過程で描かれてきた魅力的なキャラクターが一堂に会する夢のようなゲームである。

 綺麗事だけを言うつもりはない。たしかにこれは、当時ネットを大きく騒がせたタイトルだ。
 しかし同時に、細部までこだわり抜かれた“ジョジョ愛”に溢れるタイトルであることも、否定できない。

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 かつて、新たな参戦キャラクターが公開されるたびに期待に胸が震えた。
 続編であるその本作『ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル R』の発売日告知トレーラーを見た瞬間、あのワクワクする気持ちが蘇ってきたのを覚えている。

 またあのゲームを新鮮な気持ちで遊べるのだ。
 例えるなら、“我われはこの「スタイリッシュ対戦格闘ジョジョアクション」を知っている!”と叫びたい高ぶりだった。

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 筆者は、前作を楽しくプレイした一人である。だから期間限定早期体験版(以下、体験版)が配信されるこのタイミングで、語りたい。バトルシステムの根幹まで手が加えられた最新作『ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル R』(以下、『ASBR』)の情報とともに、『ASB』が持つ”凄み”の話を。

※この記事は、ジョジョ好きの筆者による『ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル R』の期間限定 早期体験版の先行プレイレポートです。PS5/PS4に向けた早期の体験版は、6月16日(木)16時から6月22日(水)15時59分までPS Storeにて配信予定。

文/穂先ノブアキ


膨大なボリュームと原作再現度にあふれた”ジョジョ愛”の結晶は最高だった

 本作の最大の魅力として挙げたいのは、“ジョジョ愛”だ。
 キャラクター、背景、エフェクト、どれも原作から切り取られたかのような再現度は、『ジョジョの奇妙な冒険』の世界へとプレイヤーをどっぷり浸らせてくれる。

 『ナルティメット』シリーズなどの開発で知られるサイバーコネクトツーが手がけたグラフィックは、発売から10年近く経った今プレイしても美麗だ。
 『ASB』が発売された時点では、まだ第三部もアニメ化されていなかった。だというのに、DLC含めれば40人を超えるキャラクターの一挙一動が、まさに”原作通り”だと感じさせられる。

 少々マニアックな話になるが、40人というのは、あくまで”選択できるキャラクター”の数だ。忘れてはならない、承太郎にはスター・プラチナDIOにはザ・ワールド『ジョジョ』には“スタンド”がある。モデリングの数なら、スタンド1体につき倍のボリュームだと言うべきだろう。

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攻撃ボタンは弱中強の三種類だが、スタンドを出している最中は技の性能が変化するキャラも多い。

 キャラクターの性能にもこだわりは表れている。原作では、物語が進むにつれて、トリッキーな戦術が得意なキャラクターが増えていく。

 第一部のキャラクターは“波紋”を駆使して技性能を向上させる、躍動感あふれるアクションが特徴だ。対して、第六部の徐倫なんかは糸を使った中距離攻撃や特殊移動技を豊富に持つ。第七部のジョニィなんか馬に乗って戦うし、落馬したら原作通りに歩けない

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体験版では徐倫が特殊なタイプ。攻撃のリーチが長く、糸を設置する必殺技もある。

 「プレイアブルキャラ合計○人!」と謳っていても、蓋を開けてみれば、ほとんど同じ性能なのに名前とカラーリングが少しだけ違うキャラが多い、なんてことが日常茶飯事のキャラゲー界隈で、コンパチキャラクターがいないのも、本作の異常な熱量が伝わるポイントだ。
 ボリュームが多いのに、一つ一つのこだわりもハンパじゃないのである。

 『ASBR』ではさらに新キャラクターの実装が告知されているペットショップや、第七部からディエゴ・ブランドーが登場する。

 ディエゴの声優は他のディオと同じく子安武人氏が担当するが、吸血鬼化した一部ディオやスタンド使いの三部ディオとはまた違う、第一部初期の好青年ディオを思い出すような爽やかさを感じる。
 声優の熱演も『ジョジョ』の目玉のひとつだ、新規キャラやアニメ版の新キャストのボイスが、いちファンとして楽しみで仕方ない。

度重なるアップデートで、本格的な対戦格闘ゲームへと成長した

 対戦格闘ゲームとしての側面を見るとき、前作『ASB』には二つの顔があった
 ゲームセンターが賑わっていた頃、基盤で売られる格闘ゲームは買い切りだった。発売されてしまえば、特別な事情がなければそれが完成形。

 だが、オンラインのアップデートが当たり前になった現代のゲームは”ナマモノ”である。日々新しいパッチが開発され、よりユーザーが楽しめるよう進化していく。
 そんな格闘ゲーム界隈でもとりわけ、『ASB』はアップデートによる”調整”の影響が特別大きいタイトルだ。

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時を止める能力や、攻撃を避けるスタイリッシュムーブなど、本作には”ジョジョ愛”をバトルに落とし込むべく意欲的な挑戦が詰まっていた。

バトルの戦略をガラッと変える新システムで『ASBR』はスピーディで楽しい”ゲーム”に到達した

 前置きが長くなったが、本作の話をしよう。
 『ASBR』の動きはダイナミックだ。地上ダッシュやジャンプで一気に相手へ近づき、接近戦を挑む。画面の手前や奥への軸移動もあり、キャラクターが目まぐるしく動き回れる。ゲームスピードが早くなり、動きの躍動感が向上している。低く鋭い軌道のダッシュジャンプが追加され、離れた場所からでもすぐに相手の懐へ飛び込める。

 攻撃ボタンは弱中強の三種類があり、接近したら弱→中→強と順番に押すだけでコンボがつながる。ボタン入力が苦手でも、弱ボタンを連打するだけで自動でコンボが決まる”イージービート”機能で爽快なプレイを楽しめる。
 前作に増して、好きなキャラクターを操作するのが楽しいゲームになっているのだ。

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工夫ができるバトルシステムは多いが、キャラクターの操作はあくまでシンプル。ボタン連打で痛快なコンボを叩き込める。

 “サポートキャラ”もバトルを激変させる新システムは、ボタンを押すと画面の外からサポートキャラが登場し、必殺技で攻撃してくれる。そのあいだメインキャラは自由に動けるから、サポート承太郎のオラオララッシュと同時に攻め込めるわけだ。

 戦略の幅が一気に広がるシステムだが、それと同じくらい“1人で2キャラも選べる”、”好きなキャラでタッグを組ませられる”というキャラゲーの夢も膨らんでくれる。
 格闘ゲーム的には、攻撃をくらっている最中にサポートを出すと敵をふっ飛ばす、いわゆる”バースト”効果が注目だ。

 前作『ASB』の駆け引きの土台だった“スタイリッシュムーブ”は性能を大きく変更
 前作では敵の攻撃が当たる直前に方向キーを入力すると、スタイリッシュなポーズを見せつけながら回避して反撃できる性能だった。それが方向キーを左右に素早く動かし続けると大半の攻撃を避けられるテクニックを生み、自由に技を出しにくいゲーム性になっていた。

 本作『ASBR』ではボタン同時押しで出せる”スタイリッシュガード”になり、構え中に攻撃を受けるとスタイリッシュムーブが発動するようになった。タイミングを誤るとスキができるため、使い所を見極める必要がありそうだ。またマニアックな話だが、本作では通常攻撃を”スタイリッシュガード”でキャンセル可能になっている。

 前作ではスタイリッシュムーブされた側は、動作を中断できる”プッツンキャンセル”でスキを消すのがセオリーだったが、本作では“相手にスタイリッシュムーブされたら自分もスタイリッシュムーブで返せる”のだ。

 お互いにスタイリッシュなポーズを取りながら相手の攻撃を回避していく、”スタイリッシュムーブ合戦”と言うべき攻防は、「どちらが最後にジョジョ立ちをしているかッ!」という、ファンとしても意地を張り続けたくなる視覚的にも楽しい瞬間になっているのだ。

 ゲームスピード向上、サポートによる攻撃手段の増加、スタイリッシュムーブ合戦などワクワクする新システムが山盛りの新作だが、体験版の段階では、少し荒い部分も見えている。

 鋭いダッシュジャンプは爽快だが、高度が低いという欠点もあるため、ダッシュ中に必ず出るのが窮屈にならないだろうか。
 サポートキャラによっては出現から攻撃が遅いこともあり、早い段階で出さないとコンボに組み込みにくい。また、防御時のほうがクールタイムが長いというデメリットもありながら相手の攻撃を一発受け止める性能やバーストが便利すぎるため、防御的な用途が強いのではないか。

 そして…贅沢な悩みだが、格闘ゲームとしての完成度が高くなると、プラクティスモードの設定項目が物足りない。
 細かい懸念があるとはいえ、あくまで発売前の体験版だ、気になった箇所があれば意見を送ってみるべきだろう。

アニメをきっかけに国内外で盛り上がり構想がスタート

 体験会後、本作のプロデューサーを務めるバンダイナムコエンターテインメントの野健太郎氏へのメールインタビューを実施したので、そちらをお伝えしたい。

──“State of Play”が初報だったことに驚きました。テレビアニメの人気や海外人気を考慮しての決断だったのでしょうか?

又野氏:
 『ジョジョの奇妙な冒険』は日本だけではなく、世界中にファンが存在している作品だと考えていたため、ワールドワイドで注目度の高い“State of Play”で初出することで、多くのお客様に驚いていただけるのではないかと思っての決断になります。

──初報の反響、ゲームファンの盛り上がりは非常に高かったと感じております。このような大きな反響をどう捉えていらっしゃいますか?

又野氏:
 私自身もどのくらいの反響があるか、本作の情報を見たお客様に喜んでいただけるかなど、ドキドキしてタイトル情報の初出を迎えましたが、予想を超える反響にとても驚きました。「楽しみだ」という声もたくさん頂戴することができ、うれしい気持ちもありますが、その期待に応えなければいけない、と改めて気を引き締めなおしたことを覚えています。

──本作はPS3用ソフトとして発売された『ジョジョの奇妙な冒険ASB』のリニューアル版となりますが、どのような経緯で本作の開発が決定したのでしょうか?

又野氏:
 『ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風』の放送中に本企画の構想は始まりました。日本でもとても盛り上がっていましたが、負けず劣らず海外でもファンの熱量が高まっているということを感じたことがきっかけです。
 放送当時、現行世代のゲーム機で『ジョジョの奇妙な冒険』のゲームとして、発売から時間が経過したタイトルではありましたが、プレイステーション4の『ジョジョの奇妙な冒険 Eyes of Heaven』の販売が好調に推移していました。アニメをきっかけにファンが拡大していることを熱量の体感だけでなく、ゲームユーザーの拡大という面でも感じました。

 一方、『ASB』はプレイステーション3のタイトルだったため、プレイいただくことができない状況でした。「タイトルは知っているがプレイしたことがない、プレイしてみたい」といった声を耳にすることもあり、『ALL STAR BATTLE』をベースにしつつ、大きくパワーアップさせたタイトルとして蘇らせたいと考え、開発に着手いたしました。

──オリジナル版では41人だったキャラクター数が本作では50人に増加していると発表されています。新規参戦キャラクターはどのように選ばれたのですか?

又野氏:
 「キャラクターの能力や個性を対戦格闘ゲームとして表現ができるか」という点と、「プレイステーション3版ではいなかったような能力」という2軸からキャラクターを選びました。

──オリジナル版から変更した部分と変えなかった部分、それぞれのこだわりを教えてください。

又野氏:
 本作はプレイステーション3から、ゲームシステムの追加、ゲームデザインの変更やモードの見直しを行っています。詳しくは以下となります。

 【ゲームシステムの追加】
・「アシスト」システム:
 プレイキャラクターのほかにアシストキャラクターを選択、ワンボタンで呼び出しが可能。攻撃時にはキャラクターごとに定められた攻撃アクションを発動します。コンボに組み込むことで、より大きなダメージに繋げることが可能となります。また、被ダメージ時には相手の攻撃を妨げるように相手にカットイン攻撃を行います。(防御時に呼び出した時のクールタイム>攻撃時に呼び出した時のクールタイム)

・そのほかアクションの追加:
 ダッシュジャンプやスタイリッシュガード(当身体制をとり、時間中に攻撃をうけることでスタイリッシュムーブと呼ばれる軸移動による回避を発動)を追加しました。

 【ゲームデザインの主な変更】
・アクションのスピードを見直したことによるゲームテンポの改善
・ヒットストップの追加やコリジョンの見直しによる戦略性の向上
・先行入力受付時間の拡大・簡易コマンド入力によるユーザビリティ向上

 そのほかにも各キャラクターの挙動ダメージ値などを見直し、バランス調整をいたしました。これらのシステムやデザイン変更により、プレイステーション3版と比較しても、異なる駆け引きがお楽しみいただけるようになっているかと思います。
 対戦ツールとしてのシステム追加やバランス調整をしておりますが、幅広いお客様にお楽しみいただけるようイージービートシステムと呼ばれるワンボタンコンボ機能もあります。

 【モードの見直し】
 ストーリーモード、キャンペーンモードを廃止し、代わりに原作の印象的なカードでのバトルや本作ならではの、部を超えたバトル(かけあい)が楽しめるオールスターバトルモードを追加いたしました。

──本作はマルチプラットフォームでの展開となりますが、他機種間の対戦などは行えるのでしょうか?

又野氏:
 プレイステーション4/5やXboxOne/SeriesX|Sの対戦は可能ですが、プラットフォームを跨いだバトルはできません。

──新型コロナウイルスによる開発の影響はありましたか?

又野氏:
 リモートでの開発が強いられる場面もあり、苦戦した時期もありました。対面での開発ミーティング設定も難しく、実機を見ながらの打ち合わせができない期間が続いたため、細かなニュアンスのやりとりなども難しかったですね。

──開発陣が考える『ジョジョ』らしさとは? また、どのような部分に注目していただきたいと考えていらっしゃいますか?

又野氏:
 アニメをきっかけに『ジョジョの奇妙な冒険』のファンになった(プレイステーション3版をプレイしていない)お客様には『ジョジョの奇妙な冒険』が持つ独特のタッチを再現したキャラクター表現やこだわりの必殺技演出などに特に注目していただきたいです。
 プレイステーション3版をプレイされたことのあるお客様は、システム追加やゲームデザインの変更に伴う対戦格闘ゲームとしての進化にご注目いただきたいです。

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 軽快、スタイリッシュ、スピーディ。攻撃中にスタンドを本体から分離させる”スタンドラッシュ”など、キャラクターを工夫して楽しく動かせる自由度の高さ、美麗なグラフィックは原作を愛するキャラゲーの最高峰だ。

 それでいて対戦ツールとしても、前作の初期バージョンとはまるで違う歯ごたえを兼ね備えている。

 開発のサイバーコネクトツーは『ナルティメット』シリーズを筆頭にハイクオリティな原作つきゲームを送り出していたが、前作の時点で2D対戦格闘ゲームという伝統あるフォーマットを採用するというのは意欲ある挑戦だった。

 初期こそ永久コンボがあったかもしれないが、度重なるアップデートによって『ASB』は対戦ゲームとして成長していった。
 また、前作ではオンライン対戦が不安定という欠点があったが、ハードが次世代機へ移行し、高速回線も普及した現在では改善されていることを期待したい。

 ずいぶん長くなってしまったが、つまり対戦格闘ゲーム好きの筆者が言いたいのは、「『ASB』って面白いんだぜ、またみんなで遊ぼうよ!」ということだ。
 今回は先行体験させてもらったが、体験版の配信と、発売日が待ち遠しくてたまらない。

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ライター
人生の大半を対戦ゲームとともに過ごしたフリーライター。自転車と猫の写真を撮るのが趣味。ゲームセンターに通う時間が減ったため、競馬とVtuberの趣味を新たに開拓しています。

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