“VR×美少女ゲーム”を追求した結果、シチュエーションではなく“恋愛アドベンチャー”に行きつき、「ギャルゲーの中に入れるゲーム」を生み出した漢たちの軌跡 ― 『恋来い温泉物語VR』はVR業界の新たな一撃となるのか

 本稿は、普通に遊ぶと一般向けのゲームなのだが、追加コンテンツをダウンロードすることで、成人向けのムフフなコンテンツが遊べてしまうVR恋愛アドベンチャー『恋来い温泉物語VR』のタイアップ記事である。

 記事自体は全年齢向けの内容になっているが、このまま読み進めていただく場合は、その点、了承いただきたい。(編集者部)

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 「バーチャル・リアリティ」──俗にVRとも言われるこの単語は、実際は存在していないものを、さもリアルにあるかのように五感を刺激する技術や状況などを意味する。日本語に訳す場合、しばしば「仮想現実」と呼ばれることが多い。

 VRの概念自体は古くからあり、ゲーム業界ではまず90年代頃に動きを見せた。当時を知る方ならば、家庭用ゲーム機「バーチャルボーイ」の名前を聞いたこともあるだろう。しかし、VRとゲームの関係性は大きなムーブメントにはならず、一度沈静化を迎える。

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 しかし2010年代に入ると、ヘッドマウントディスプレイ型VR機器の開発がこぞって始まった。そして2016年に、「Oculus Rift」「HTC Vive」、さらに「PlayStation VR」が登場したため、この年を「VR元年」と称した人も多かった。

 ここからVRが新たな加速を見せるかと期待されたが、斬新な体験に驚いたユーザーがいた一方で、ゲームファン全体への普及もまだ及ばず、カジュアル層の取り込みは時間がかかる見通しとなった。

 新たな機器の普及と発達には、時に爆発的な力が必要となる。パソコン利用者のハードルを一気に下げた「Windows 95」や、映像を高画質で再生できるDVD機器の急速な広まりは、それぞれのアダルト作品にアクセスしたい一部男性層からの熱烈な支持があったことも一因として外せない。

 こうした熱意はVR機器にも向けられ、成年向けにアダルト作品を提供する販売サイトなどが現れた。しかし、セクシー描写を規制するVR機器も多かったためか、「Windows 95」やDVD機器で見られた爆発力に繋がることはなかった。

 新時代の体験と期待を一新に背負ったVR元年が始まってから、早くも6年以上の月日が経つ。今のVR業界は、よく言えば着実に進歩し、悪く言えば大きな飛躍がないまま今日を迎えている。リリースされるVRゲームも、アダルト方面はシチュエーションを限定したものがほとんどだ。

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 そんな折りに発表された『恋来い温泉物語VR』は、VR市場においてほとんど開拓されていない“VR恋愛アドベンチャー”に切り込む作品だ。VRを介したコミュニケーションに加え、一般的な恋愛アドベンチャーゲームと遜色ないボリュームのシナリオを用意。ヒロインたちとの関係性を、シナリオとVRの両輪で描く。そして追加コンテンツをダウンロードすれば、「夜のお楽しみ」が待っているという。

 この新たな試みが、VR業界の新たな一撃となるのか。『恋来い温泉物語VR』の開発を取り仕切る「ULTRANOVA Entertainment」から、責任者兼マネージャーのフジオカ氏、ゲームデザイナーのアオヤマ氏、偉い人(?)のコバヤシ氏、の3人を招き、本作の成り立ちや狙い、そしてVR業界を見据えた未来の可能性について尋ねてみた。

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左から、アオヤマ氏、フジオカ氏、コバヤシ氏

文/臥待弦
編集/クリモトコウダイ

なお、『恋来い温泉物語VR』は、Steamにて早期アクセス版を配信中で、8月4日まで20%OFFで購入することができる。


選りすぐりの変態が「VRゲームを作ろう」となった結果、「美少女ゲームにしよう」にたどり着いた。

──ULTRANOVA Entertainmentは今回新たに立ち上がったスタジオで、『恋来い温泉物語VR』が処女作とのことですが、そもそもどういった経緯でスタジオは立ち上がったんでしょうか?

ULTRANOVA Entertainmentは「VRゲームを作ろう」という発端から始まりました。

そして各方面から選りすぐりの変態として僕ら3名が集結し、そこから色々と考えた結果、「美少女ゲームにしよう」にたどり着いたんです。

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──選りすぐりの変態であるお三方が、色々と考えた結果、ギャルゲーに行きついたと。

男が3人集まって「VRゲームを作ろう」となったとき、「バーチャルな女の子と仲良くなりたい」という考えに至るのは至極当然のことかと思います。何より、集まったメンバーが、美少女ゲームに造詣が深かったため、僕らの強みを生かすという意味でも、最初は男性をターゲットにするべきだろうと話が進みました。

 

そして、人が情熱を傾けて新しいことにチャレンジしていけるほどの吸引力があるものと言えば、やっぱり「女の子とムフフなことがしたい」がかなりのパワーを生むのではないかと思いまして。こういったパワーが、技術を一気に何十年分も進めたりするわけじゃないですか。

──なるほど。そしてその結果、『恋来い温泉物語VR』が生まれたんですね。

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その通りです。

──ただ、昨今のそういったVRゲームの多くは、シチュエーションだけ、といったものが多いですよね。いわゆる、アドベンチャーゲーム的な文脈のVRゲームって意外となくて。なので、コンパクトに作るとすれば、シチュエーションに寄ったほうがやりやすいと思うんですが、あえてアドベンチャー的な要素を踏まえたのはなぜなんでしょうか。

今言われたように、「VR恋愛アドベンチャーがなかった」というのが大きな理由ですね。「ないなら作っちゃえ」といった気持ちで手がけたんです。骨太なストーリーもあり、キャラクターに感情移入ができるコンテンツはまだ少ないのが現状でしたので、「こういうのやりたいよね」と。

ただ、VRには「リアルさ」も必要だと考えていて、限定されたシチュエーションに対して、リアルさを追求していくのがいいんじゃないか、と悩んでいた時期がありました。

 

でも、そこを求めると、今度は「一夜で落とせる女性なんていないよね」といった違和感が出てしまう。少なくとも、リアルとは感じられない人が多いと思ったんです。

 

ならば、ストーリーをしっかりと描き、「あなたが落とすヒロインはこういう女性です」「こういった流れで関係を深めていきます」と見せた方が、VRで体験する意味が出てくると考えました。

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これまでなかったのは確かですが、「だからそこを狙う」という打算的な考えよりも、「こういうゲームがあった方がいい」「自分たちも遊びたい」という想いが強かったですね。

──自分たちの中にある欲求も見据えて、VR恋愛アドベンチャーという方向性に決まったと。

シチュエーション系のVRゲームは、その場限りと言いますか……1ステージで終わってしまうものも多いんですよね。

──分かります。

そのゲームやVRの面白さが分かってきて、より深くのめり込みたくなった時に、ゲームの方が終わってしまう……ということもあります。この「ボリュームの少なさ」は、VRユーザーの多くが感じているところだと思います。

 

そこに不満を持っていた方たちに向け、関係性の過程やストーリーをきっちりと描くことで訴求できるのでは、といった狙いもありますね。

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その意味では、2次創作の同人作品が強いんですよね。関係性はすでに原作で描かれているので、いきなりムフフなシーンでも成立しますから。

──ユーザー側の「好き」という感情も、既に呼び起こされていますしね。

そういったところとも勝負できるよう、関係性から物語まで、一から丁寧に積み上げたのが『恋来い温泉物語VR』です。

 

ちなみに、スタートからエンディングまでは、およそ8時間くらいかかると見ています。またエンディングは、好感度で分岐するマルチエンディング方式で、1番良いエンディングを見るのに最低3周、全てを見ようと思ったら最低5周は必要です。

 

スキップ機能があるので、活用すればもっと早く終わらせられますが、いわゆるトゥルーエンドにたどり着くには20時間くらいかかります。

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──恋愛中心のゲームといっても、ドラマチックなものから日常を描くほのぼの系など、方向性はいくつか分かれると思いますが、本作はどのような切り口になりますか?

やはり、コミュニケーションが主体ですね。何気ない会話のひとつひとつがしっかりと積み上がっていく、というのを重視しました。

 

もちろん、シナリオ展開も重視していますが、どちらかと言うと日常的なものに近いので、ドラマティックというよりは、日常との積み重ねとそこに加わるハプニングですね。

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日常が淡々と続くんですが、その中でちょっとだけ日常とかけ離れたことが起きます。

そこに、ほろりと泣けるシーンが。

最後の最後に、「おっ」と思うような展開もあるんです。

なので、敢えて一言でまとめるならば、魅力的なヒロインと結ばれ、幸せになる物語ですね。

また、これは大前提ですが、アドベンチャーパートだけでも楽しめるように作っています。

間違いないです。

「ギャルゲーの中に入っちゃっいました」みたいなゲーム

──ここからは、様々な想いを受けて作られた『恋来い温泉物語VR』そのものについて伺っていければと思います。

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本作は、プレイヤー自身が主人公になりきり、VR空間の中で幼なじみ姉妹(ヒロイン)とのストーリーを楽しむ、というゲームです。

 

日本のどこにでもあるような温泉旅館が舞台で、そこでヒロインとの恋愛が繰り広げられます。その中には、プレイヤーがアクションを行うパートもあり、ただ眺めるだけのゲームではありません。

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アクションパートはひとつだけでなく、いくつもの種類を用意しました。

例えば、温泉地ならではという点と、VRとの相性の良さから、アクションパートに「卓球」があったりします。また、ヒロインと恋愛をしていく中で、キスなどを行うパートもありまして、そこも能動的に動いて楽しめます。例えば、壁ドンとか(笑)。

そのあたりもアクションパートになっています。

──そしてヒロインは2人いるんですね。

ヒロインのひとり「心梅」のほうは、ツンデレなんですがデレの方が強めです。なのでふたりきりになった時に、スッと距離を詰めてきたりします。

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──おお! VRだけに、物理的にも精神的にも、距離感を詰められたらドキッとしそうですね。

「桜愛」は、緊張しつつも時に大胆な行動を取り、「この子には、こんな面もあるの!?」と驚かされることも。なのに、後々ちょっと反省しちゃったりとか。

──思わず感情で動いてしまい、後で冷静になって恥ずかしくなるタイプですね。

ヒロイン像ひとつをとっても、今回は「2Dの女の子とイチャイチャしたい」というプレイヤーの希望をまっすぐ叶えるようなキャラクターにしました。想像の斜め上を行くような可愛さのヒロインではありません。

──まずは真っ直ぐなヒロイン像で勝負し、VRや恋愛アドベンチャーの盛り上げに繋げたい、という狙いもあってのことですか?

そうですね。『恋来い温泉物語VR』から端を発してVR+恋愛アドベンチャーが流行り、育っていけば、その時にすごいヒロインが出てくれるでしょうし、我々もエッジの効いたヒロインを描きたいと思います。

 

もちろん今回の2人も個性的ですが、比較的色んな方に好んでいただけるようなキャラクターになっていますので、どうぞお楽しみに。

──では、より詳しくゲームの中身について伺って行きます。アドベンチャーゲームがVRになると、構成としても自分が中心に置かれますよね。そうした状況下における美少女ゲームというのはどういったものになるのでしょうか。

「全く新しい感覚!」というほどの強烈なものはないかと思います。ですが、ヒロインとの距離感はVRならではですね。

 

2Dでのヒロインとの距離感もいいものですが、3Dで作られた空間で、ヒロインが目の前にいる。これは、VRでしか味わえない感覚でした

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フジオカの言う通り、従来の延長として考えられる面はあるかもしれません。それこそ、「ギャルゲーの中に入っちゃいました」みたいな想像をしていただくと、ほぼその通りになったかな、という自負はあります。

やっぱり、自分が主人公になれる、というのが大きいですよね。ギャルゲーを遊んだ人はみんな、ヒロインをもっと見たい、別の角度から眺めてみたいって考えると思うんですよ。なら、それはできなきゃまずいよね、って。

 

(本作では)近づいて見ることもできますし、まあその……下の方から覗くこともね(笑)。

──様々な角度から、ですね(笑)。

ただ、それだけだとすぐに飽きてしまう。なので、そこに面白いシナリオを用意したり、ちょっとしたファンタジー要素を加えてみたりと、プレイヤーが飽きないような仕組みを作れたかなと思います。

──飽きない仕組みといえば、アクションパートもそれに該当しそうですね。例えばクライミングだと、どのような理由で本作に盛り込み、如何なる体験が楽しめるのでしょうか?

舞台が温泉地なので、岩場があるんです。で、岩場があれば、クライミングがしたくなっちゃうじゃないですか(笑)。ならば僕らとしては、その体験を提供するべきだと考え、クライミングパートを用意しました。

 

このクライミング自体が結構面白くて。登るポイントが表示されるので、そのポイントに手をかけつつ、トントンと登っていきます。ボルタリングを体験するような感じですね。

──ミニゲームとして、しっかり作り込まれていると。

ちなみに、クライミングで登りきった先に何があるのか、ハプニング的に何かが見えてしまうかもしれませんが、それは我々の意図したものではないと言いますが、クライミングをぜひ楽しんで欲しかっただけでして。

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──クライミングをした結果、必然的に高い場所から何かが見えてしまった、というわけですね?

そうですね、あくまで副次的なものとして。そういったハプニングなどと出会うこともありますね。

──こういった、プレイヤー側がアクションし、何らかのコミュニケーションに繋がる要素は、他に何があるんですか?

もうひとつ、五右衛門風呂があります。ヒロインが入浴しており、主人公が薪をくべたりうちわを仰いだりして、適温を保つミニゲームですね。

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──各種ミニゲームの結果は、例えば好感度の上昇といったゲーム的な要素が関わりますか?

ミニゲームの結果は、ヒロインのコスチューム変更などに関わります。物語的なミニゲームの成功や失敗は、コミュニケーション上のスパイスとしての役目が大きいですね。

温泉にちなんだアクションを通して、没入感の手助けにもなりますし。

──分岐条件になる好感度は、会話の選択肢で得るのがメインですか?

会話の選択肢もそうですが、章が進むにつれて「ふれあいパート」が入るようになり、キスシーンやマッサージなどのふれあいを通して好感度が上がります。

 

「ふれあいパート」はキャラクターを選択して行うので、どちらのヒロインと仲を深めていくかプレイヤーが決められます。

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──例えばマッサージなら、プレイヤーの触り方によって、ヒロインの反応が変わったりするんでしょうか?

そうですね、マッサージなどのふれあいパートでは、ヒロインたちが様々な表情を見せてくれます。逆にアドベンチャーパートだと、そういった要素は敢えて省きました。ヒロインとの会話や雰囲気に没頭して欲しかったので。会話の途中に触って、それにヒロインが反応すると、会話が途切れたり雰囲気が変わってしまいますからね。

──なるほど。では……VRならではということで、この点についてもお伺いしますが、アドベンチャーパートにおけるプレイヤーの視界の自由度はどれくらいでしょうか?

VRなので見渡すことはもちろんできます。自由に歩き回ることはできないですが、探索パートでは、決められたいくつかの場所からの視点に変更することは可能です。

視点は常に360度見渡せる状態ですね。あと、立っている/座っているといったスポットの位置から、ある程度の上下を含め、視界を動かすことができます。

──例えばテーブルの下を覗こうとした場合、可動域はどれくらいまでいけますか?

ほぼ地面に近いところまで下がれます。

──ということは、例えばテーブルの下に落ちたモノを拾う的なシチュエーションがあって、向かいにヒロインが座っていたら……。

3Dで描写しているので、何らかが見えるかもしれませんね。ハプニングとして。意図はしていないんですけどね(笑)。

──3Dで空間を作ってしまった以上、仕方のない話ですね(笑)。

しょうがないですね。

ディティールとして作り込んでしまったので。我々も、クリエイターの端くれですから。

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──で、結果的に何らかが見えてしまうことも……。

ええ、事故として(笑)。

──それは止むなしですね(笑)。

DLCで待っている「夜のお楽しみ」はどこまでイケる?

──そして、本作には成人向けのダウンロードコンテンツが予定されていますよね。なんでも「夜のお楽しみ」とのことですが……。

ズバリ言えば、夜のお楽しみではヒロインを抱くことができます。ストーリーの後半からマッサージなどのアクションパート後にムフフなシーンが追加されます。直前に触れ合ったヒロインは気持ちが昂り、最初はお互いの“快感”を探りながら、カラダを重ね合わせ、そのたびにフィニッシュを迎えます。

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──全工程入り、というわけですね。ちなみに、このアクションパートに成功や失敗はありますか?

この部分に失敗はありません。

どのような形になっても、全部を自分の行いとして受け入れていただき、ヒロインとの思い出にしていただければと思います。

──思い出に、成功や失敗はないんですね。

クライミングは落ちたら失敗ですけど(笑)。

──それは……チャレンジャーなので仕方ありませんね(笑)

「夜のお楽しみ」はアドベンチャーパートの延長でもあるので、完全な自由度はありません。今から正常位を始める、となったら正常位に移行します。ですが、次に騎乗位に移るとなった時、ヒロインの体を摑んで持ち上げる、といった体験も用意しました。

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──体位の変更を、ゲーム的なアクションに盛り込んだと。

確かこれって、業界初でしたよね? シームレス体位変更(笑)。

ええと、若干近いゲームが同人で出てしまったので(笑)。稀に見る、くらいで。

──なるほど、覚えておきます(笑)。

ちなみに、フィニッシュはプレイヤーがタイミングを決められるので、好きなだけヒロインに触れたり、その反応を楽しむことが可能です。

「夜のお楽しみ」でこだわった点といえば、UIもそのひとつですね。例えば右側にメニューを並べ、体位の変更をピッピッと選ぶのではなく、自分の手でヒロインの体を直接動かします。直接的に関わることで得られる臨場感を大事にしました。

──VRだからこそ、「手応え」にこだわったんですね。

まだ「正解」がない、VR恋愛アドベンチャーの世界

──少し話は変わりまして、こういったゲームは、VRの理解度も無論必要でしょうが、美少女ゲームに明るくないと作れないのかなと思います。そのあたり、いかがですか?

自分は、美少女ゲームを一切やって来なかったんです。年齢的に、草食系が多い世代でして。

 

今年30になりますが、周囲でも、やってる人は少ない感じでした。今ほどオタクが受け入れられる環境ではなかったので、美少女ゲームとは縁のない学生時代を過ごしましたね。

 

なので、自分が抱いてきた理想を、この『恋来い温泉物語VR』にぶつけています(笑)。

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──理想ですか。

ギャルゲーは主人公のハーレム状態、つまり主人公=プレイヤーのことを好きな女性しかいないと想像していました。なので、自分のことを好きな女性しかいない世界ってこんな感じで、「こんな女性に愛されたいよね」を体現しています。『恋来い温泉物語VR』は現実のIF世界線でもあり、男性全員が辿り着きたい世界線だと思っています。

自分は、比較的プレイしてきた方かなと思います。昔、「パソコンパラダイス」という美少女ゲームの専門誌があったんですが、そういったものを買い漁っては「いいゲームないかなー」と探していました。

 

当時のコミュニティーは閉じていたんですが、徐々に広がりを見せていき、元はエロゲーなのに一般にも進出する作品も登場しました。有名なところでいえば、TYPE-MOONさんKeyさんなどですね。

 

今回の『恋来い温泉物語VR』も、ムフフはあるけど一般にも受け入れられるようなゲームにしたいとの想いから、そのあたりの作品も参考にさせていただいた部分はあるかなと思います。

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──あの頃に名を馳せた方々は、今も人気クリエイターとして一般向けに活躍されていますよね。刺激になったのも納得です。

僕が初めて女性との恋愛をゲーム上で経験したのは……『牧場物語 ハーベストムーン』でした。

──ちょっと意外な角度から来ましたね(笑)。

あのゲームは結婚なども出来まして、そういった体験がすごく斬新でした。僕が一番好きだったキャラクターはエリィで、毎日ときめきながらお花をプレゼントし続け、好感度をマックスにした覚えがあります。

 

それから7~8年後くらいに『ToHeart2』を遊び、女性と親密になって行く中で、その最後に何が待っているのかを、この作品で学びました(笑)。

──深い衝撃を受けたと(笑)。

『牧場物語』は、結婚して子供も生まれ、「こうやって家族になっていくんだな」と感じました。そして『ToHeart2』では、そこにたどり着くまでの苦労と言いますか、「こういうことをしてたんだな」と(迫真)。

ちょっと何言ってるかわからないですけど。

 

それはともかく、我々はさまざまな美少女ゲームから影響を受けているんですが、その一方で、“VR恋愛アドベンチャー”という部分に関しては、例や参考になるものがないんですよね。

 

なので、今作っているものが正解なのかどうか、分からないという……。

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──確かに悩ましい話ですね。しかし、それでも判断を下さなければならないと思いますが、その時はどのような物差しで図っていますか?

制作陣の欲望をぶつける、ですね。

──なるほど!

制作陣の欲望がバラバラなので(笑)。結局は判断が難しいですが、欲望から議論が生まれます。

 

トークウインドウをどこに出すか、好感度をどういう設定にするのか、アクションパートをどこに入れるか。前例となるVR恋愛アドベンチャーがないので、全て自分たちで考えながら進めています。それは楽しい作業なんですが、苦労している点でもありますね。

ユーザーの声が、VR恋愛アドベンチャーの「正解」に繋がっていく

──率直に言って、VRに「ムフフ」を期待した方は多いと思います。ですが、一般的に広まったVRの一部はそういったコンテンツと距離を置いていますし、アダルト方面でもいわゆる実写などの映像系が多く、「アニメ調の世界」で「可愛い子とムフフ」を求めていた方にとっては、なんともモヤモヤするのが今の現状かなと。

そうかもしれませんね。

──そんな状況の中、『恋来い温泉物語VR』がこの飢えを満たしてくれるのでは、と期待する方もいると思います。そうした、「VR+恋愛ギャルゲー」の分野が物足りないといった実感はありましたか?

そうですね。商売人としての嗅覚というよりかは、我々もひとりのユーザーとして、「そういうゲーム、欲しいよね」という想いがありましたね。「やりたいから、ないなら作ればいい」と。

 

そうした情熱から始まり、お金を出してくれる人を騙して(笑)。

──騙して(笑)。

もとい、予算を確保しまして、企画の方を推進できました。

VRって「なんでもできそう」ってつい思いがちですが、本当になんでもできるようにするのはとても大変なんですよね。なので、そこでみんな、制作することに対して二の足を踏んでしまう。

──そうした躊躇が積み重なって、業界全体がVRに戸惑い気味なんですね。

だけど、VRでアドベンチャーという仕組みなら我々でも出来そうだと見出し、『恋来い温泉物語VR』で切り込むことにしました。

 

この作品を見て「これ行けるぞ」と思ってもらえたら、後に続く方々が増え、VRゲームや恋愛アドベンチャーは盛り上がるんじゃないかと期待しています。

 

その礎にULTRANOVA Entertainmentがなれたら、非常に嬉しく思います。

そうすれば、僕らも色んなVRゲームが遊べますしね。みんな幸せになれます。

 

──まさに理想的な未来ですね。ちょっと大げさな言い方になってしまいますが、ここから「VR恋愛アドベンチャー」の歴史が始まる、といった気概を感じたのですが、この点についていかがでしょうか。

色々なところから怒られちゃうかもしれませんが、我々としてはそういった気持ちで取り組んできましたね。

 

そして、この話に関連することなんですが、ユーザーの皆さんにお願いしたいことがひとつありまして。

──なんでしょうか。

Steamなどでレビューを書いてくださる方がいらっしゃると思うのですが、率直な意見を書いて欲しいのはもちろんのこと、この『恋来い温泉物語VR』を見てからVRゲームを作ろうと動く人もいると思うので、新たな作品を作る上でヒントになるご意見をいただけると嬉しいと思っています。

──プレイヤーの意見が、次に続く人のヒントになるんですね。

レビューを優しく書いて欲しいとか、そういう話ではないですが、「こんなゲームで遊んでみたい!」や「ヒロインとこんなことをしたい!」といった、みなさんのポジティブな「欲望」を教えてほしいです。

 

それが今後の、業界の発展や我々の作品に繋がるエネルギーになります。皆さんがこのゲームで実現できなかったことこそ、VR恋愛アドベンチャーの未来だと考えています。

 

今は「正解」が分からない苦労をしていますし、この「苦労」の先に正解があるわけでもありません。ですが、皆さんが色んな意見を出すことで、「正解」が形作られていくのだと思います。

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──ユーザーの声が、VR恋愛アドベンチャーの「正解」に繋がっていくわけですね。

フジオカさん、めっちゃ良いこと言いますね。それ、準備してたでしょ?

正直、今日はこれが一番言いたいことでした(笑)。なので、ぜひ建設的な意見をお聞かせください。

ぜひ、欲望にまみれた声を(笑)

──欲望が正解を導き出す。なんだか奥が深いですね(笑)。それでは最後の質問になりますが、今後の展望などを教えていただけますか?

我々としては、第2弾、第3弾と続けていく。もうひとつは、業界自体を盛り上げていく。そこに対して、制作以外でも何が出来ることがあれば、積極的に取り組んでいきたいと考えています。

そうですね。あと今後の動きとしましては、英語のUIも用意していますので、海外に向けた展開も行う予定です。より多くの人に遊んでもらえるように。

──こういったジャンルの海外における需要や反応というのは、どういった感じなのでしょうか?

VRへの海外の反応などは若干見えにくいところもありますが、例えばSteamにおける年間売上ランキングのVR部門にて、『VRカノジョ』がここ3年くらいずっとプラチナ入りを果たしています。

 

そうした動きを見るに、ムフフなVRへの興味や欲望は海外でも高いようです。これもひとつの「クールジャパン」として、関心を寄せているのかなと。

国内の売上だけでランクインしている可能性もゼロではありませんが、だとしたらそれはそれで凄いですよね(笑)。

日本のVRユーザーは、全員『VRカノジョ』を買ってる説はありますよね(笑)。ちなみに『恋来い温泉物語VR』は、おそらくOculus Questストアの審査は通らないですね。なので、Oculus Quest単体には出せないんですが、ゲーム表現の幅を許容できるユーザーが多く集まっているプラットフォーム、例えばSteamのような場所であれば、こういったゲームを出していくことができます。

 

また、恋愛アドベンチャーも今後出てくると思いますので、そういった作品の足がかりが増えていくと嬉しいですね。

──プラットフォームによって向き不向きがある一方、海外でも需要があり、まさしく発展はこれからですね。その先駆けとして『恋来い温泉物語VR』が世に出ること、楽しみにしております。本日はありがとうございました!


 人間が求める中でも、「欲望」はかなりのパワフルさを持つ。その力強さは凄まじく、作り手側がその熱量に応えきれない場合もある。あくまで筆者個人の感想だが、そうしたもどかしさがVR業界にあったように感じていた。

 このモヤモヤをユーザーの一部も実感しているとすれば、それを早急に覆すのは至難だろう。仮に、名作のひとつやふたつが出ても、抜本的な払拭までは至るまい。それは作品の力が不足しているのではなく、業界全体の力が足りてないためだ。

 だからこそ、『恋来い温泉物語VR』を通してULTRANOVA Entertainmentが目指す未来に共感を覚え、また可能性を感じた。本作が登場することでどれだけの影響を与えるのかはまだ未定だが、3人の欲望を存分に盛り込んだVR体験によって、ユーザーたちは平静を失う没頭を楽しみ、VR恋愛アドベンチャーの「正解」に繋がるヒントを見つけることだろう。

 作り手が欲して挑戦し、受け手がそれに応える。この循環が巡ることで、「欲望」に応える力を持つVR業界に成長して欲しい。よりよい世の中を願う気持ちもまた、欲望のひとつなのだから。

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