・モンスター娘は人間じゃないから萌えられない
・タワーディフェンスゲームはかったるくて地味
……そんなふうに考えていた時期が、私にもありました。
今は『セントールの悩み』『モンスター娘のいる日常』『異種族レビュアーズ』『モンスター娘のお医者さん』といった作品でモンスター娘を可愛く感じられますし、タワーディフェンスゲームへの苦手意識はコンシューマーゲーム『十三機兵防衛圏』で払拭されました。
その流れで、こちらの新作ですよ。
『モンスター娘TD〜ボクは絶海の孤島でモン娘たちに溺愛されて困っています〜』
この名の通り、「モンスター娘」で「タワーディフェンス」なゲームです。筆者の過去の苦手意識を刺激すること間違いなしの組み合わせです。
ですがプレイし始めてすぐに、「隙あらば抱きついてくるハグ魔」とか、「隙あらば貞操を狙ってくる」淫魔とか、「隙あらば母性全開でバブみを与えてくる」ロリママとか……強烈なおねショタ光線を浴びつづけた結果、すっかりお姉ちゃんモンスター娘やロリママなモンスター娘に夜な夜な萌えまくる日々。
しかも、見た目がギャルゲーで、ストーリーも下ネタギャグが多いコメディ路線にもかかわらず、戦闘シーンは歯ごたえのある本格タクティカルゲームに仕上がっているんです。ゆるゆるだと思っていたら、思いのほかガチなリアルタイムストラテジーに驚きを隠せませんでした。
女の子たちとキャッキャウフフなハーレムギャルゲーと、戦略性の高いタワーディフェンス。硬軟そろった『モンスター娘TD』をマジでオススメしたい。
『モンスター娘TD』の内容や序盤の進め方など、プレイした感想を書き連ねていきます。みんなも、おねショタに染~まれっ!!
文/かーずSP
モンスター娘たちとのキャッキャウフフな孤島生活コメディ、おねショタ性癖が強制インストールされる
ゲシュペンス島に漂流した記憶喪失の少年=プレイヤー。この島で暮らすモンスター娘たちに溺愛されながら、島を荒らす密猟者を退治することになります。まずは世界観設定とあらすじをご覧ください。
神はまず、可愛い少年をお作りになられた。
大地は、神の手で少年をその身に置かれ、思った。
『少年ありがたい』『丁度切らしてた』『泣ける』『ありがとう』『少年助かる』『泣ける』 と。
そんな次第で、母なる大地は少年を愛おしみ、少年の世話をするために、沢山のモンスターを生み出した。
モンスターたちは当初、それは恐ろしい外見をしていたが、少年が怖がるため、その見た目を少しずつ少年に似た形に変えていき、後に少女と呼ばれるものに近しい外見へと変わっていった。
モンスター娘の誕生である。
今「少年」って何回言いました?……すでにこの時点で「おねショタ」成分が溢れんばかりです。
スライム娘のリン、ペガサス娘のスズ、サキュバス娘のクロミ、カッパードラゴン娘のセレン……み~~~~んな主人公のことが大好き。「ご主人くん」と慕ってくれるモンスター娘たちが、年上年下問わず、巨乳貧乳問わず、主人公を溺愛してくれるんです。
ほら、現実で会社とか学校で褒められることって、めったにないじゃないですか。だからもう、このチヤホヤっぷりが、とろけるように甘くてクセになって、「働きたくないでござる。もう一生この島で過ごしたい」まである。
おねショタを軸として、エキドナ娘のミテラスからはママショタ、ユニコーン娘のパステノから浴びるバブみなど、性癖がどんどん歪んでくる~!……だがそれがいい!
あらすじのとおり、物語は軽いノリのギャグが満載で、下ネタも織り交ぜながらの会話劇がめちゃくちゃ面白い。
インキュバス娘? そもそも男性の淫魔のことでは?と思いきや、まさかのふたなり設定。しかも、アソコはもげても生えてくる。さらに可愛らしい風貌なのだ。
メデューサ娘の石化で相手を尿道結石にするとか、種族ジョークもてんこ盛りで、モンスター娘である必然性があるのも良い。
バカバカしいほどの笑いに包まれた、ストレスのない優しいシナリオ……こういうのでいいんだよ(こういうのでいいんだよおじさん)。エロコメの天丼ギャグにたびたび笑いを抑えられません。
このテキストの面白さ、アニメ化もされた『彼女がフラグをおられたら』の竹井10日氏がメインシナリオを執筆されていたと知って納得しました。美少女ゲームファン的には21年前の名作『秋桜の空に』が有名ですね。そういや『秋桜の空に』も、ドタバタの暴走ギャグを畳みかけてくるAVGだったなあ……。
タワーディフェンスの型を破るユニット移動。見た目からは想像つかない本格ストラテジーゲーム
そんな「ゆるふわファンタジー」の皮をかぶりながらも、中身のタワーディフェンス部分は本格的に作られています。特に筆者が気に入っている部分は、
・タワーディフェンスにありがちな受け身で地味なところがない。むしろ能動的なタクティカルバトル
これに尽きると思います。筆者のタワーディフェンスへの苦手意識は、とあるPSP(タイトル忘れました)の低価格ゲームでした。やってくる敵を眺めて、たまに自軍のユニットを配置して、見ているだけ……で、なんなん?と。
ところが『モンスター娘TD』は、むしろキャラを配置してからが本番です。適切なタイミングでスキルを発動させたり、配置したマスから別のマスへキャラを移動させたりと、やることが多いんです。
例えばケットシー娘のニャルタンは、移動中に回避率が90%になり、敵の攻撃を引きつけることができます。なのでプレイヤーが細かくマス移動させることで、ニャルタンの真価を発揮させられます。
また、巨大魔導艦という右からビームを飛ばしてくるボス敵がいます。この攻略には、防御力の高い壁役を用意して、その後ろにアタッカーを動かして、ビームからかばうことが鍵になります。
タワーディフェンス系でユニットが動かせるというのは、実際遊んでみると別ジャンルのような革命です。『伝説のオウガバトル』のようなリアルタイムストラテジーを遊んでいる感覚に近い!
むしろ、なんでこれまでのタワーディフェンスがキャラ移動させてくれなかったのかと……配置に失敗したユニットを動かせないイライラがストレスだったんだなと、『モンスター娘TD』を遊んでから気づきました。
加えて、派手な演出や不利な形勢からの逆転劇も気持ちいい。全員を出撃させた後に、ゲーム速度を3倍にすると、みるみる敵が撃沈されていって、撃破していく効果音がボカボカ鳴る……「俺TUEEEEEE!」しているのが心地よい。
そして獣神(プレイヤーが発動できる、回数制限のある全体スキル)を使うと、ド派手なカットインで神様の大いなる力が発動して、戦闘を有利にする様々な効果が得られます。敵を薙ぎ払ったり、全員のHPを回復させたりと、獣神のスキルで不利な形勢から一気に逆転できるのも、ゲームの快感につながっています。
普段はこんなに可愛いのに、やるときはやる女神、それがビビ神! 強力な範囲攻撃で何度助けられたことか……!
基本ルール解説。近距離型と遠距離型をバランスよく編成しよう
それでは具体的に、『モンスター娘TD』序盤の流れや、気づいたコツなどを紹介していきます。
マップには近接キャラが配置できるマス(剣の丸いマーク)、遠距離キャラが配置できるマス(グルグル模様のマーク)、
どちらも配置できる「ALL」の3種類あります。
以下のクラス(職業)によって、配置できる場所が変わってきます。
ウォリアー:物理攻撃の得意なアタッカー
ガーディアン:敵を多くブロックできる、侵入を拒むタワーディフェンスでは大事な役目。強い分、出撃コストが高い
スナイパー:弓や銃で遠距離攻撃できる
ソーサラー:広範囲へ魔法攻撃できる
ヒーラー:周辺の味方を回復してくれる。敵のダメージが大きいマップで活躍します
スカウト:近距離と遠距離、どちらのマスにも配置できる
サポーター:味方にバフをかけて戦力が増強する
最初は、ガチャで手に入れたレアリティの強い順「レジェンド>エピック>レア>コモン」から10人選んで、パーティを組みます。
キャラクターにも、マップのマスにも、属性(火、水、風、地、光、闇)が設定されています。赤色のマスに火属性のキャラを、緑色のマスに風属性のキャラを配置すると強化されるのですが、最初はそこまで気にしなくても大丈夫です。
序盤の編成はアタッカーとスカウトが4人、ガーディアンが1人、スナイパーとソーサラーで4人、ヒーラー1人がバランスいいのかな、と思います。
参考までに、4章クリア時点でのパーティはこちらです。配布キャラや低レアキャラも文句なく強い(後述)ので、普通にレギュラー入りしています。ガチャ運に頼らなくても強いパーティが作れるのはグッドですね。
こちらが戦闘の基本画面です。真ん中の上部に見えるハートマークが拠点で、ここに敵が入られると、左上に見えるハートマークの数字(この画面では10)から減っていって、0になると攻略失敗となります。
その右に書かれている「5/18」は、「すでに出撃した敵の数/敵の総数」になります。
左下には出撃コスト、出撃人数、まだ出撃していないユニットが並んでいます。時間の経過でコストが溜まっていきますので、キャラの顔の下に書かれたコストの数を支払えば、そのキャラが出撃できる仕組みです。
なお10人パーティ編成のうち、一度に出撃できるのは7人まで。ヒーラーを出撃させればキャラクターがやられにくくなりますが、貴重な一枠が埋まるのがいつも悩ましいんです。いっそアタッカーを増やして素早く敵を倒した方が……? そんな風にアレコレ戦略を練るのも楽しい。
キャラクターの頭上に「!!」がついているのは、スキルが発動できる状態を示しています。キャラをクリックするとスキルを発動できますが、個別に命令を出していくのは面倒なので、右上にある「スキルオート」を押した方が楽です。
戦況に合わせて「スキルオート」をオン/オフ切り替えるだけでもOKだと思います。少なくとも4章クリアまでは何の問題もありませんでした。
レベルアップの能力上昇は微々たるもの。装備を揃えよう
序盤はそうした流れでメインクエストを進めていき、敵が強くなってきたなって感じたら、育成素材クエストの「EXPミルク牧場」を巡回します。手に入れた経験値アイテムの牛乳…もといEXPミルクは、レギュラーのキャラに使って、レベルを上げていきます。
このEXPミルクは常に枯渇しがちです。ショップ内の交換所に毎週ストックが更新されるゴールドコインと育成アイテム類を交換できる場所があるので、数量限定で半額になっているEXPミルクを買えるだけ買っておきましょう。
『モンスター娘TD』の重要な点として、1つや2つのレベルアップでは、それほど強くならないことが挙げられます。大きく戦力アップするのは、
・レベルが30、60の時に、上位職へクラスチェンジしたとき
・武器や防具を装備したとき
この2つです。なのでレベル30で最初のクラスチェンジをしたあとは、武器と防具がドロップするクエストを、スキップチケットを使いながら周回して装備を揃えるのがいいです。
装備を整えておけば、クエストの推奨レベルよりも10以上低くても勝てるようになります。
配布キャラや低レアでも問題なく活躍できる!「ようこそゲシュペンス島へ」は早めのクリア推奨
難易度の低い常設イベント「ようこそゲシュペンス島へ」で仲間になる「【オルトロス娘】トルス」が強いです。範囲の広い遠距離攻撃と、配置する時に敵全体の攻撃を下げるデバフをかけるのが頼もしいので、早めに手に入れて育成しましょう。ついでに、登場した時の「バーン!」ってボイスも可愛いんで必聴です。
レアのモンスター娘「【フェアリー娘】ネリー」も使い勝手が良いです。
彼女の特徴は「配置人数に含まれない」。通常は一度に7人までしか出撃できないところを、8人まで出撃させることが可能になり、グッと戦闘が楽になります。
もしもサポーターが不足しているなら、レアの【ゴブリン娘】アニシラがおすすめです。コスト回復速度が速くなりますので、序盤に出すと、次々に他のモンスター娘も配置できるようになります。
さらに自分と同レベルのゴブリンを配置できる上に、範囲内の味方の攻撃力をアップさせる効果も。
その他にも、HP0でも1度だけ復活する【リザードマン娘】サウラ、配置した瞬間に敵が5秒間停止する【ローパー娘】ネル、男性に特効のある【サキュバス娘】クロミなど、低レアでも活躍の場があるモンスター娘が多いので、いろいろと試し甲斐があります。
「おねショタ+モンスター娘」偏愛ギャグコメディと本格リアルタイムストラテジー、剛柔そろったやりこみ甲斐のあるゲーム
なお『モンスター娘TD』は、クエストに失敗してもスタミナが減りません。なので積極的に先に進めることができますし、戦闘中に失敗したと思ったら、ポーズボタンを押して「やりなおす」を選べば、すぐにリスタート可能です。至れり尽くせりの親切設計にありがとうを言いたい!
それに、パソコンのブラウザ版しかないと誤解している方もいるかもしれませんが、「DMM GAMESストア」のアプリ経由からAndroidスマホにもインストール可能です。外出先でもプレイしてスタミナ消費できるのも個人的にありがたいです。
そんな感じで遊びやすく、飽きさせない工夫がてんこ盛りの『モンスター娘TD』。これはもう、ディフェンスではなくオフェンシブな戦略ゲームです。
なにせ昔の自分自身が、「タワーディフェンスは防衛戦に徹する地味なゲーム」という偏見を持っていましたから……「ジャンル:タワーディフェンス」と書かれているだけでスルーしているのはもったいないよ、ということは強く主張しておきたいです。
たとえばクエストが進むにつれて、こうした巨大モンスターが登場します。ボスの範囲攻撃を耐え凌ぎつつ、侵略してくる小型モンスターを迎撃しながら、ボスキャラにもダメージを与えていく……「ただ守るだけ」のタワーディフェンスとは一線を画すプレイ感覚です。
とあるマップでは、途中までは背景かと思っていた石像がいきなりヒビ割れて、中からモンスターが出てきて襲いかかってくる不意打ちにも驚きました。「タワーディフェンス」というジャンルの固定観念を打ち破る、豊富な仕掛けも魅力です。
前述した巨大魔導艦バトルも、横ラインにビームを放ってくるギミックが楽しかった……最初は手の打ちようがなくて、レベルを上げて挑んでも勝てなかったんですが、「あれ? これってユニットでガードしながら前進していくのかな?」って気づいて、試して、何度かリトライして、ようやく勝利したときの爽快感たるや。
自分なりに攻略法を閃いて、実践して、結果が出たときの喜びに、「そうそう、シミュレーションゲームの面白さってこれだよね!」という快感物質が脳内にドバドバ分泌されます。
さらに「おねショタ」という、別種の快感物質も重なってくるからヘンタイ……いやタイヘンです。基本的にモンスター娘たちは、主人公くんの貞操を狙ってますからね。
下ネタオンパレードの会話劇が疲れた脳みそにぶっ刺さって、夜に遊んでいると変な笑い声が出ちゃう。
密猟者のボスであるエロイーズたちも、『ヤッターマン』のドロンジョ様のような愛すべき敵って感じで、なんだか憎めないんですよねぇ。
……と、ここまで書いてきて、大昔に『カオスエンジェルズ』(1988年にASCIIから発売されたパソコン用ゲームソフト、成年向け)を遊んでいた記憶がフラッシュバックしてきました。昭和末期のモンスター娘の原体験を懐かしみつつ、令和のモンスター娘たちを愛でたいと思います!
また『モンスター娘TD』では8月16日(火)よりメインストーリーの第6章が公開。あわせて同日から開始したガチャにて、新たな武器種「楽器」のモンスター娘が実装されています。
メインストーリー第6章では、主人公の少年が「いやらしい症候群」に冒され死にゆく運命であることを知った一行が神殿の最奥部を目指す新たなストーリーが展開されるとのこと。謎あり、笑いあり、バトルあり、イチャイチャありの『モンスター娘TD』らしさをたっぷり詰め込んだコミカルな物語が描かれていくようです。
そしてサポータークラスの新武器「楽器」を使用する初キャラクターとして【シルバードラゴン娘】アルギュロが登場する「琴奏の白銀竜シルバードラゴン娘ガチャ」が8月29日(月)のメンテナンスまで開催中。「下半身への研究意欲が尽きない」という彼女がピックアップされるガチャとなっています。
「楽器」を装備するモンスター娘は、配置中に自身を除いたすべての味方のステータスをアップさせ、射程内の敵の攻撃力を低下させる力を持つとのこと。クラスチェンジ後には自身と同属性の味方にステータスアップの効果量が上昇する効果も追加されるとのことで、彼女たちの力による新たな戦略にも期待したいところです。
このほかゲーム内アップデートとしては、3段階目の「クラスチェンジ」が実装されたり、スペシャルチャレンジに第5章が追加されたりと、さらなるやり込み要素が登場。まだまだパワーアップを見せる『モンスター娘TD』が気になった方は、ぜひこの機会に参戦されてみてはいかがでしょうか。