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『ゼノブレイド3』のためにゼノシリーズ全部やったけどそんなことよりキャラが可愛すぎる……というキャラへの愛を全て詰め込んでいたら35000字を超えてしまったレビュー

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セナ、本当に強い!

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 さて、ここからは新要素「ヒーロー」に触れていきましょう!

 ちなみにもうこの記事は一万字くらい行ってるそうです! 全体としての進行度は30%……くらいかな? アホみたいに長いのに読んでいただいてありがとうございます……ここから先もアホほど長いので、読み疲れたら適宜休憩を挟んでくださいませ……。

 段々(筆が)ノってきたよー! 戦闘開始、格闘アーツで畳みかけるわ! ここよ、続けて格闘アーツを!! ダブルスピンエ────ーッジ! 俺は生まれた時からスザクだ!! 人の世に、生まれし頃より、戦道! このタイミングを忘れるなよ! へへん、わたしの強さ、見せられたかな? セナ、本当に強い!

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 「ヒーロー」……それはいつもの6人パーティーの7人目として加入する特殊なキャラクター。平たく言えば「追加戦士」とでも呼べる存在。急に「皆さんをこれから処刑しようと思って」とか言い始めるような奴は加入してこないので、そこはご安心ください。

 厳密には全く別の存在なのですが、感覚的には前作の「レアブレイド」【※3】に近い存在なのかと思ったりもします。レアブレイドはガチャっぽいシステムからランダムで排出されるため、プレイヤーによって「所持しているキャラや戦法にバラつきが出る」というところが良いとこでもあり、人によってはあまり好きじゃないポイントでもあったかもしれません(私はかなり好きでしたが)。

 一方、今作の「ヒーロー」は基本的に「ヒーロークエスト」という専用のクエストで加入するため、誰でも全キャラ加入させられます。しかもこの「新キャラクターが加入する」という旨味の塊のようなクエストがあちらこちらで発生しているので、メインストーリーはまだ第3話なのに総プレイ時間は30時間~40時間に達してしまったプレイヤーさんも多いとかなんとか……

※3「レアブレイド」
前作『ゼノブレイド2』の目玉要素。ガチャのような物からレックスたちと共に戦う「ブレイド」が排出され仲間に加わる……というシステムで、低確率で強力な「レアブレイド」を入手できる。人によって手に入れるレアブレイドの順番も全く違うため、クビラを相棒にするプレイヤーも居れば序盤でKOS-MOSを引き当てる豪運の持ち主も居るし、ひたすらナナコオリフラジオレットを周回させ続ける者も居る。私はかなり好きなシステムです。

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 最初に加入するヒーローは「白銀のエセル」

 「ケヴェス最強の戦人」とも呼ばれるコロニー4の軍務長。基本的にヒーローキャラはメインストーリー外で加入するのですが、彼女のようにメインストーリーにガッツリ関わるヒーローも何人か居ます。

 ケヴェスの各コロニーにはその強さによって「土塊(最低ランク)」や「黄金(最高ランク)」などのランク付けが行われる中、エセルのコロニーは元「白銀(No.2)」ランク。なので「白銀のエセル」!

 そんな白銀のエセル最大の魅力は……魅力は…………

 うおっ……デ、デカッ………………!

 いや、もちろん彼女は実際にヒーローとして加入しても強かったり、その武人としての高潔さも魅力だったりするのですが……いやデッカ!!!

 私が以前から提唱している「ホムラ現象」【※4】という言葉があるのですが、彼女はかなりそれに近いエフェクトを巻き起こしている。今作のキャラクターは前作『ゼノブレイド2』のあのドスケベ強烈なビジュアルに比べると、ややキャラクターデザインは落ち着きがあるように感じます。

 しかしエセル軍務長に関しては『ゼノブレイド2』のあの性欲 リビドーほとばしるパッションが戻ってきているような気がする! おっぱい紋章族【※5】やぞ! エセル軍務長で発散しているのか、エセル軍務長で爆発させておくことで力のコントロールをしているのかはわかりませんが……とにかく白銀のエセル、ナイスデザイン!

※4「ホムラ現象」
『ゼノブレイド2』のメインヒロイン「ホムラ」が画面に映る時、やたらと胸囲や脚部に寄る謎のカメラアングルが多いせいで、どんだけメインストーリーでシリアスな話をしていようともそのアングルが気になって全然話に集中できなくなる現象のこと。私が勝手に作った造語です。

※5「おっぱい紋章族」
『ゼノブレイド3』のキャラクター達には身体の各箇所に、「残りの寿命を示す」紋章のような物が付いています。たとえばノアは手の甲、ミオは首元辺りに。そしてユーニとエセルは……胸部の辺りに付いている。私が勝手に作った造語です。

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一応フォローを入れておくと、エセルが加入するヒーロークエストはノアたちケヴェス勢の過去エピソードと絡める形でとても良いシナリオに仕上がっているので、キャラデザ云々を抜きにしても十分すぎるほど魅力的なキャラだと思います。いやにしてもデカいですが。
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 続いて紹介するヒーローは「グレイ」

 こちらはエセルと違い、完全に寄り道をする形で加入するヒーローです。実はヒーローには「7人目の枠で使えるキャラが加入する」に加えてもうひとつメリットがあり、「ヒーローのクラスをノアたち6人でも使用できるようになる」という新クラス解禁も同時に発生するのです!

 たとえばエセルが加入すれば、エセルの「フラッシュフェンサー」という二刀流アタッカーのクラスが解禁! もちろんフラッシュフェンサーのアーツも先ほど紹介した「融合アーツ」に組み込めるので、ヒーローを集めれば集めるほど戦略の幅も広がる!

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グレイの声優は千葉繁氏。「ケヒャアアア──ーッ!」って感じじゃない、渋くてカッコいい千葉繁氏の演技を聞けるのが何か嬉しい。

 グレイの加入によって解禁されるクラスは「フルメタルジャガー」。二丁の銃をメイン武器として使うクラスなのですが……まぁこれがやたら強い。あまり数値的なところは詳しくないので本当に私の感覚の話でしかないのですが……フルメタルジャガーはとにかく火力が出る。

 「敵の正面に特攻ダメージを与える」クイックドロー、「確立50%で防御力を無視しつつ範囲攻撃」のデモリッション、「敵の背面から攻撃した時、与ダメージが150%上がる」フェイタルバレッジ……とにかく覚えている全てのアーツの殺意が高い。クラス名といいお前だけ惑星ミラから来てんのか?

 もちろんこれらのアーツは融合させることで他クラスのアーツと組み合わせることも可能で、たとえば「正面から攻撃した時、与ダメージが100%上がる」効果の「無双炎刃」と先ほどの正面特攻の「クイックドロー」を融合アーツとして放てば、純粋に「強力な正面特攻攻撃が2回発動する」という中々にエグイ火力のアーツが成立する。

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 上記の動画はフルメタルジャガーの違法火力に手を染めたことがある人にはお馴染みであろうフルメタルジャガーユーニのチェインアタックです。何かヒット回数もおかしいし火力もおかしい。

 強いて言えば「火力が出過ぎてタンクに向いていた敵のヘイトがこっちに来て即死しやすい」がフルメタルジャガーの弱点なのではないか……というくらい、凄まじい火力のクラスです。まだ未入手の方は、ぜひ。

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 続いて紹介するのは「ゼオン」

 ここではヒーロークエストの、「寄り道ではあるけど話の重要度もメインストーリー級」という部分に迫っていきます。彼は元々ノアが所属していたコロニー9の軍務長。しかしノアたちはメビウスに敵対するウロボロスとなり、その上、敵国のアグヌスの人間までも連れて帰ってきた。

 ゼオンのヒーロークエストでは、「立場が変わってもノアたちの仲間として接するべきなのか」という軍務長としての責務と、ひとりの友人としての間で揺れる彼の葛藤が描かれます。

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かく言う私も最初はゼオンをゲッセル(ノアの回想に登場するいじめっ子のハイエンター)だと勘違いしていました。

 ゼオンは……とにかくノアに対する感情の湿度がすごい。

 「ノアと昔のように仲間として戦いたい」という思いと、「しかしひとりの軍務長の立場として、もう昔のようには戻れない」という相反する2つの思いがない混ぜになって、何かもう……見てるこっちまでおかしくなりそうな思いの大きさをノアに対して見せる。え、この人ノアさんの元カレですか?

 ちなみにゼオンを7人目の枠に加えて連れ歩いていると、「今度は勝手にいなくなるなよ、ノア」「いなくならないよ、ゼオンは敵に回すと厄介だしな」という激重フィールド会話を繰り広げてくれます。口を開けば全ての言葉が重いヘビーマシンガンが。

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 しかし、そんなゼオンもノアの「変えたいと思うものが見つかったんだ」という言葉を聞き、満足げな笑みをこぼします。いつもは仏頂面なゼオンですが、コロニー9という籠から一羽の鳥のように飛び立っていった友人を見つめるその笑顔は……とても優しくて、温かい笑顔だった。

 狂う!!!!!!!!

 ゼオンのヒーロークエストは、ウロボロス化後のノアとゼオンの再会を出発地点のコロニー9で描き、「ウロボロスになって変わったことの方が多いけど、ゼオンとの友情のように変わらないものだってある」ということを改めてプレイヤーに提示する、とても重要なクエストだと思います。いや、にしてもノアとゼオンの描写がめちゃくちゃ濃いのですが。とにかくこちらもおすすめクエストです。

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 『ゼノブレイド3』の舞台、アイオニオンは極めて特殊な形で人間の生と死が繰り返される世界。

 ノアたちは「命の火時計」を破壊することでその運命に真っ向から立ち向かいますが、もちろんその人によってこの世界の生きること・死ぬことをどのように捉えるのか……平たく言えば「死生観」も人によって千差万別。特にヒーロークエストでは、その「多種多様な死生観」をたくさん見ることができます。

 もはや「死生観大図鑑」とでも言わんばかりの今作の独特な死生観の数々に、「ユズリハ」「アシェラ」の2名のヒーローから迫っていきましょう。

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 まずは前者のユズリハから。彼女が軍務長を務める「コロニータウ」はもはや異様なほど閑散としており、人々の活気や生気のようなものをあまり感じない。少なくとも、これまで登場してきたコロニーには人の生活や営みがあったのですが、コロニータウは不気味なほど、それを感じさせない。

 それもその通り、ここは大森林の中に作られたコロニーだったため、他のコロニーのように戦果を稼ぐこともままならず、ランクが上がらないコロニーとして何とか生きながらえてきた場所だったのです。生命を維持する命の火時計はもはや消えかける寸前、執政官すらもはや訪れない、ただただ朽ちていくだけのコロニー。
 
 そんなコロニータウの状況を見かねたノアたちは命の火時計を破壊してこの状況から脱することを提案するのですが、軍務長のユズリハから返ってきたのは意外な返答でした。

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 「ええ、コロニータウは命の火が減ることを恐れてはいません。少ない命の火が減っていくのを見る日々が終わってしまうというだけ。」

 「誰しも━━━いつかは消えるものでしょう? ここで命が尽きれば、何も見ず、そして何も聞かずに済む……土へと……還るのですから。」

 「私たちは悩んでいる訳でも、恐れている訳でもありません。私たちはそのたびに死んだ人達を土へ還していきました。私たちも、そうなるだけです。」

 そもそもコロニータウは命の火時計が破壊されることを望んでいる訳ではない。いつか消えてしまうのであれば、何も見ず、何も聞かず……枯れ果てて朽ちていく植物のように土へと還る。

 これまでのコロニーはノアたちのように真っ向から命の火時計からの解放を望むものや、少なくとも今の現状を生き延びるために火時計を壊してもらうものなど、形こそ違えど「命の火時計の破壊」は最終地点にありました。しかしユズリハ……もといコロニータウは、そもそも火時計の破壊を望んでいる訳ではない。私たちの目の前にある「死」は、そのまま「死」として受け入れるべきなのだ、と。

 メビウスの敷いた、メビウスが作り出した「生命の時間が定められた世界」に反旗を翻すウロボロス……それとはまた別の形で「命が定められているならば、自然の摂理に悩む必要も恐れる必要もない」とこの世界を捉えているコロニータウ。「この世界は間違っているかもしれないけど、そこでどう生きるかはその人の自由」という価値観を見せてくれるのが、ユズリハのヒーロークエストの好きなところです。

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まぁなんやかんやでコロニータウも火時計は壊すのですが、そこを決めるまでの間に「死ぬことを受け入れていた今までの自分の否定」についてワンクッション説明が入るので、そこも良かったです。
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 後者の「アシェラ」は、コロニー11の軍務長。ケヴェスの本陣でもある「ケヴェスキャッスル」のお膝元のコロニー……つまりは「ケヴェスの最終防衛ライン」とも言える最強のコロニーの軍務長が、何故か仲間として加入する。

 彼女の行動理念、それは「戦って生きるか、戦って死ぬか」。とにかく「命の奪い合い」を愛し、戦場での命のやり取りにこそ自分の生きがい、生命の最大の輝きを感じている。いやただの戦闘狂やんけって感じですが、実際に「死にたがりの戦闘狂」という二つ名で呼ばれているので、本当にただの戦闘狂です。

 そしてアシェラのヒーロークエストは「自分のコロニー11を自分自身で打ち倒せばめちゃくちゃ面白い戦いができるんじゃないか?」という、訳の分からない戦狂いの道楽に巻き込まれます。つまり、コロニー11の軍務長と共にケヴェス最強のコロニー11を陥落させる戦いが始まってしまいます。どういうクエスト?

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 ただ、アシェラも戦いのことしか考えていない訳ではなく、彼女なりの死生観の元にこのような生き方をしていることがわかってきます。

「火時計なんてものがなくても、人はいつか死ぬ……遅かれ早かれね。
 だから、そうなる前に……この世界に刻みつけてやりたいんだよ。
 限られた時に縛られた私達の━━━生きた証ってやつをね。」

「戦うために死ぬのと、死ぬために戦うのは似ているようで違うんだよ。
 “激的”に生きて“劇的”に死ぬ━━━それが私の望む戦場なのさ」

 「“激的”に生きて“劇的”に死ぬ」、まさにアシェラ自身を象徴するような言葉です。ただただこの世から消えたいのではない、ただただ命を奪いたくて奪っているのではない、この少ない一生を劇的に生きて自分が存在していた証をこの世界に残す。何も残せない10年より、激的に戦って生きた証を世界に刻み付けて死ぬ1年の方がいい。またたくような瞬間の命の輝きに己の全てを尽くす。

 『ゼノブレイド3』には「命の使い方」というテーマがあるのではないかと勝手に思っているのですが、このユズリハとアシェラはまさしく「命の使い方を決めるのはその人間自身」という信念を象徴するようなキャラクターなのではないかと、私は感じています。

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 『ゼノブレイド3』の数多あるヒーロークエストの中で、私が最も好きなヒーロークエスト……それがこの「マシロ」のヒーロークエスト。もちろん他のシナリオも魅力的ですが、こればっかりは間違いなく「私が一番好きなヒーロークエストはマシロ」と断言できます。

 ゲーム中盤に解禁される「カデンシア地方」というRPGの常識を覆すような超巨大な海マップの中、ポツンと佇む孤島のコロニー「コロニーミュー」を舞台にマシロのヒーロークエストは展開される。

 マシロが軍務長を務めるコロニーミューの第一印象、それはハッキリ言って「不気味」

 おくりびとの居ないコロニーミュー。孤島に辿り着くやいなや、数多くの兵士がそのまま死体として転がっていたり、コロニー自体の空気はそれこそ団結力の強い小学校のひとつのクラスに見えるほど仲良しで、「みんなで力を合わせて戦う!」と全員で掛け声を上げながら戦ったり、食料や生活などのコロニーの運営も仲間同士で助け合って行われている。

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「全く大人がいない」と言うと少し語弊があるのでフォローしておきますが、一応保護者ポジションの「イチカ」という副官がひとり居ます。

 イマイチ文面ではその怖さが伝わりにくいかもしれませんが、ここまでのコロニーミューの描写には、ほとんど「大人」【※6】の存在が登場していません。戦いも、コロニーでの生活も、ほとんど「子供」だけで行われている。

 その子供たちだけで生活しているコロニーミューの和気あいあいとした空気は、このアイオニオンでは異質極まりなく映る。まるで大人がおもちゃを用意した子供たちのお遊戯のような、ごっこ遊びのような、誰かが見ている幸せな夢の中のような……

※6「ゼノブレイド3における大人と子供の区別」
「この世界で人間は10年しか生きられないなら全員子供なのでは?」と思われる方も居るかもしれませんが、ノアたちの肉体の発育がほとんど大人と同じくらいなように、一応アイオニオンの人間にも「大人」と「子供」の区別は存在しています(6年生きた頃に大人と同じ身体つきになっているキャラも登場しているほど、我々に比べて肉体の成長が早い)。しかしコロニーミューには、まだほとんど子供同然の人間ばかりが暮らしている。なのにひとつコロニーとしては成立している。

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 コロニーミューの誇る一面の花畑、その名も「弔いと希望の花畑」

 ここはコロニーミューの仲間とお別れする度にマシロが花の種を植え、一面に美しい紫の花が咲き誇った、その名前の通りの花畑。墓標でもあり、コロニーミューの憩いの場でもある、美しい一面の薄紫の花畑。どうでしょう、コロニーミューの異質さ、徐々に徐々に伝わってきてますでしょうか。

「立ち止まることは死ぬことです。勝ち取らなきゃ“明日”は来ない。」

「でも、みんながここにいたこと、忘れたくなくて。みんなのことも、みんなと出会えたコロニーミューも。」

「この気持ちを見つけたから、“明日”が悲しくなくなったんだ。
 だから━━━逃げない。」

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 そしてコロニーミューの現状を見たノアたち自身も、このコロニーの異質さに徐々に気付き始めます。明らかに未熟な子供たちだけでコロニーの運営が成り立っていること。コロニーにつき基本ひとりは居るはずの執政官がどこにも見当たらないこと。そもそも命の火時計が搭載されていてそのコロニーの象徴でもあるはずの「鉄巨神」すらもどこにも存在しないこと。

 今になって振り返ってみれば、このコロニーミューのシナリオの展開の仕方はちょっと「ミステリー」っぽいとも思います。

 これまでの『ゼノブレイド3』で描かれてきた「コロニーは生活基盤も含めて少なくとも大人数の大人たちが運営する」「コロニーには必ずひとり執政官が居る」「コロニーには必ず命の火時計と1体の鉄巨神がある」という大前提を踏まえた上で、この前提を全てひっくり返してくるのがマシロのヒーロークエスト。

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「人は見たいものしか見ない」などの些細なセリフにもヒントが小刻みに散りばめられているのがマシロのヒーロークエストの特徴。

 小説『空の境界 上』の綾辻行人氏の解説にて、「物語を構成する情報が、百枚のカードに分割して示されているとする。始まりの段階ではカードは全て裏向きに伏せられている。これらが一枚ずつ開かれていくことによってストーリーが進行する。ストレートな物語の場合は、カードを開く順番もやはりストレートな訳である。(中略)ミステリというものはそもそも、この『カードの開き方』にある種の特別な(=トリッキーな)策を弄することによって成り立つジャンル」と書かれていたのを、私はやたらと覚えています。

 なので、この情報開示のタイミングをシャッフルすることで徐々に違和感を醸し出してくるマシロのクエストは個人的にちょっとミステリーっぽいと感じました。

 そしてついに明かされる執政官の正体……それはコロニーミューでたったひとりの大人の「イチカ」だった。

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 コロニーミューに魔物やケヴェスの兵士をけしかけていたのもイチカだった。コロニーミューを守るためにみんなで戦っていたのもイチカだった。コロニーミューの鉄巨神を隠していたのもイチカだった。コロニーミューが運営できるように子供たちを手助けしていたのもイチカだった。

「現実ってつまんないよね。だから誰も見ようとしないし━━━きれいな夢を追いかける。夢だけ見てれば良かったのに」

「それでもマシロはあきらめないから、夢で終わらせようとしないから。そのまっすぐさが皆を奮い立たせたの。誰かを応援したいって気持ち……私もマシロに教わった。」

「━━━友達なの!間違ってても、友達なの!!」

「だから、私も一緒に戦う!イチカちゃんを苦しめてるものと私も戦うから━━━だから、『夢』だなんて言わないで」

 子供たちが皆で頑張って作り上げたひとつの世界、夢物語のようなコロニーミュー。その夢を壊さないように守り続けたのもイチカだった。もしくは、イチカ自身の「見たかった夢」がコロニーミューだったのか。夢から覚め、きれいな夢だけを追いかける子供の時間も終わる。お遊戯を続けるには、子供たちは大人になりすぎてしまった。

 しかし、それでも。それでもマシロはイチカのことを「友達」と呼ぶ。たとえイチカがこれまで自分たちを騙し続けていたとしても、イチカが間接的に仲間のことを殺していたとしても、それでもイチカとコロニーミューで友達として一緒に暮らしてきたこれまでの時間は偽物なんかじゃない。「執政官アイ」はコロニーミューの敵かもしれないけど、「イチカ」はコロニーミューの大切な、大切な仲間だった。

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 全てを終えた時、コロニーミューの見えない鉄巨神はその姿を現す。弔いと希望の花畑……仲間たちの墓標とマシロの希望の花畑の上に、コロニーミューの鉄巨神は隠されていた。

 マシロのヒーロークエストの名前、それは「透明な夢」

 マシロの追いかけていた一点の曇りもなく希望に満ち溢れた夢のこと、仲間の墓標と仲間の夢の上にそびえ立つ透明な鉄巨神のこと、イチカがコロニーミューの子供を欺くために、守るために作り上げた見えることのない「夢」のこと…………。

 このクエストをクリアした時に大きく表示される「透明な夢」というクエストのサブタイトル。この演出まで含めて、初めて「マシロのヒーロークエストは完成する」とすら思うほど多重に意味と思いが折り重ねられたこの言葉。

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マシロのヒーロークエストはシナリオの完成度も高い分、示唆的な演出や比喩表現も多く使われているため、一度でその全てを理解するのは難しいかもしれません。かく言う私も半分理解してるかしてないかだと思います。クエスト内のシナリオだけでなく、コロニーミュー内のNPCのセリフやキズナグラムを確認することで徐々にその物語の意図を読み解いていくのも面白さのひとつです。

 マシロのヒーロークエストで最も驚かされたのは、やはり「これまで描かれてきたゼノブレイド3のヒーロークエストのテンプレートに対してカウンターを撃っている」というところです。前述の子供しかいないコロニー・不在の執政官・見当たらない鉄巨神の3点もそうですが、何よりも「コロニーの人間を守ろうとする執政官」という存在が極めて異例。

 『ゼノブレイド3』で敵対する執政官及びメビウスは人間の寿命を吸い上げて生きながらえる存在。つまりコロニーの人間そのものが餌であり、養分でもある。だからこそ、基本的に執政官は人間を見下しているし、コロニーの人間も良くて「自分の手足」程度にしか思っていないことが多い。

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本文に入りきりませんでしたが、三下だらけのメビウスにも「執政官エックス」のようなそこそこキャラ立ってる奴も居ます。ただ、執政官エックスは私の『ゼノブレイド3』唯一の不満点というか……なんというか……もうちょいどうにかならんかったか?

 しかし、イチカは歪な形とは言え「守ろう」という意志を見せていたし、何よりも「コロニーのひとりの仲間」として暮らし続けていた。ノアたちが訪れなければ、コロニーミューはもしかしたら永遠に覚めることのない夢の物語を見続けていたのかもしれない。

 エセル、ゼオン、アシェラ……数々のコロニーを周り、ちょうど「悪い執政官が居てソイツをぶっ飛ばせば解決」というテンプレートに慣れてきた辺りでこのコロニーミューがぶち込まれる。

 序盤でも中盤でもなく、「カデンシア地方に辿り着いた辺り」という、「ちょうどプレイヤーがゼノブレ3に慣れてきたタイミング」にこのコロニーミューと邂逅を果たす。ここの登場タイミングも計算されていたとしたら相当上手いヒーロークエストだと思います。

 いつか必ず、夢は覚める時が来る。でも、きっと、それが楽しい夢だったのなら……素敵な夢だったのなら……夢を見ていたその人は、ずっとその夢を忘れることはないでしょう。

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へへん、私の強さ、見せられたかな?

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 なんと恐ろしいことに、これらのヒーロークエストにはさらに一段階上の「覚醒クエスト」というものが存在する。今作のクラスには「ランク」の概念が存在しており、ランクの上昇によってそのクラス専用のスキルやアーツを他のクラスでも使用できるようになったりする。簡単に言えば「上限解放」ってやつですね。

 そして……まぁ……お察しの通り、この「覚醒クエスト」も全ヒーローと主人公6人の初期クラスに用意されているし、メインクエスト同様ボリュームモリモリカットシーンモリモリでお出しされます。

 今サクッと計算してみたのですが、「主人公初期クラス6人分+特殊な仕様で覚醒クエストが共有されているヒーロー2人分+残り17人のヒーローの加入&覚醒」で、現時点の『ゼノブレイド3』のヒーロークエスト&覚醒クエストの総数は約40近くに昇るそうです! 合計40件近くのメインストーリーに匹敵するボリュームのクエストが、キミを待っている! モノリスソフト、あんたらどうかしてるぜ!!

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コロニーミューに居る一人称がボクの「ヒマリ」……くん?ちゃん?が私のイチオシNPCです。

 一部例外はあるかと思いますが、多くの覚醒クエストはヒーロークエストから地続きの内容になっていることが多く……つまり、マシロのヒーロークエストにも「続き」が存在します。気が狂う。

 マシロの覚醒クエストでは、イチカを失った後のコロニーミューをどのようにひとつの「コロニー」として運営していくべきなのか、イチカが執政官であったことをコロニーミューのみんなに伝えるべきなのか、夢から覚めたあとに立ちはだかる様々な現実にマシロが立ち向かいます。

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 「苦しいなんて思う自分が、いやだ。成長しない自分が、いやだ。」

 「会いたいなんて思う自分が、いやだよ……イチカちゃん……」

 そして執政官が居なくなった今も、マシロはイチカのことを忘れることができなかった。忘れられるはずもなかった。マシロの覚醒クエストは、あれだけの強烈なインパクトを残しておきながらも、その実態が割と謎に包まれていたイチカ……もとい「執政官アイはどんな人間だったのか?」というパーソナルな部分にも踏み込む内容のクエストとなっています。

 そもそも執政官の人となりが掘り下げられることなど滅多にない中、執政官アイは覚醒クエスト丸々一本使って「彼女は一体何を考えていたのか」ということが解き明かされている辺りにコロニーミュー周りの異様さを感じます。まさにコロニーミュー解答編。

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「イチカの隠密拠点」という専用マップが出てきた時には流石に笑いました。
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 コロニーミューより遥か遠くの島にポツンと置かれたイチカの拠点には、コロニーミューに属する人間の評価をまとめた書類や、イチカがケヴェスの兵士に擬態する時の人間のデータなどが置かれていた。

 何気にメインストーリーではあまり明かされることのなかった「メビウスの実情」にこの覚醒クエストで踏み込んでいるのも中々にすごい。これくらい重要な話があと40近くあるってことですからね。

 そんな隠密拠点の中に、ひときわ異彩を放つ宝箱のようなものがあった。その箱の中には、これまでマシロたちがイチカの誕生日にプレゼントしたものが、たくさん詰め込まれていた。マシロと一緒にお揃いの物を拾った貝がら、コロニーミューのみんなで作ったお守り……イチカが暮らしていたコロニーミューは全て夢幻の中の出来事だったのかもしれないけれど、それでも……この「思い出」は形として残り続けていた。

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 少し他の覚醒クエストと関わってくる話になってしまうのですが、ユーニの覚醒クエストにて、「戦果を挙げ続け『黄金』ランクに達したコロニーは、メビウスから直々に滅ぼされる」という夢も希望もない真実が執政官エックスの口から明かされます。エックス曰く、「コロニー間でのランク付けがあった方が戦争を続けるモチベーションになるから」だそうです。……酷い世界だろ、ここは!!

 ここでまたマシロの覚醒クエストに話を戻しますが、コロニーミューを守るならまだしも、「イチカが意図的にコロニーミューのランクが上がることも下がることもないように調整していた」のはヒーロークエスト内では謎に包まれたままでした。しかし、このエックスから語られたコロニーランクの真実を踏まえると……もうお分かりでしょう。

 イチカ、読解難易度高えよ!

 そんなマシロの覚醒クエストのタイトルは……「さよならリセット」

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 コロニーミューの話は、ある程度読み手側に解釈を委ねている部分も大きいと思います。コロニーミュー内どころかアイオニオン中に散りばめられたこの世界のルールや情報をかき集めて、初めてひとつの「解」が得られるのかもしれません。

 読解力も情報量も求められるクエストではありますが、その分イチカの行動の理由に「気付けた」時の衝撃は他のクエストでは中々得られるものではありません。何より、シナリオの完成度に関しては冗談抜きでトップクラスだと思います。間違いなく、労力と手間をかけて読み込む価値のあるクエストです。

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 さて、主人公6人の覚醒クエストにもひとつ触れましょう。
 まぁ……お察しかもしれませんが「タイオン」の覚醒クエストです。

 メインストーリー第3話にて触れられ、タイオンが過去に失った「ナミ」より託されていた「この写真に映っているサフロージュの花を探して欲しい」という願いが、この覚醒クエストで回収されます。おい! もうメインストーリーやろこれ!!

 タイオンとナミの所属していたコロニーラムダ。そこの軍務長を務める「イスルギ」とナミの過去も、タイオンの覚醒クエストでは明かされます。実はナミはコロニーラムダ出身ではなく、イスルギがたまたま流れ着いた「サフロージュを育てているコロニー」で出会った女性だったのです。

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 そしてイスルギと出会ったナミは……「外の世界を見たい」と願ってしまった。このサフロージュを育てるコロニーから抜け出して、彼と共に外の世界を見たい。イスルギはそんな彼女の想いに応え、ナミをコロニーラムダへと連れて帰るのだった。

 だが、タイオンを守るべくナミはその命を散らしてしまった。本来、死んだ兵士は同じコロニーに生まれ変わることもあるらしいのですが、ナミはコロニーラムダではないサフロージュのコロニーから連れてきたため、もう一度イスルギと巡り合うことは……できないのでしょう……

 「ゼノブレイド3の世界において生殖の概念はない」と先ほど書きましたが、「恋」に近い感情すら全く芽生えない……というわけではないのも面白いところです。特に、このイスルギとナミの間には人間で言うところの「恋」と言っても差し支えのないような、そんな思いが芽生えていたように私は感じました。

 この「アイオニオンの人間に恋は生まれるのか」という部分があまり明言されないのも、奥ゆかしさを感じて好きです。

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 そしてサフロージュを育てるコロニー、「忘却のコロニー」に辿り着いたタイオンを待っていたのは……一周前の自身の記憶を失った、子供のナミだった。

 一応説明しておくと、女王のゆりかごから生まれた兵士は死んで肉体が消滅すると、再度ゆりかごから子供の状態で生まれてきます【※7】。この際、生前の記憶はリセットされるため、新しく生まれてきたナミはイスルギのことも、タイオンのことも、コロニーラムダのことも綺麗さっぱり忘れ去っています。

 ……酷い世界だろ、ここは!!

 もうこの記事だけで4回ぐらいメツになってる気がしてきました。でもゲーム後半になると本当に登場人物の7割くらいは「酷い世界だろ、ここは!!(要約)」と叫んでいるので、『ゼノブレイド3』は高橋哲哉という名の歪んだ聖杯が叶えた真のメツブレイドなのかもしれません。

※7「ゆりかごによる肉体の再生と、記憶のリセット」
基本「戦場で肉体が消滅した」場合は再生されるのですが、成人の儀で女王から直々に消滅させられた場合は、もう二度とその身体は復活しません。ある意味では……救済とも取れるかもしれません。また、記憶のリセットに関しても一部キャラクターは再生される前の自身の記憶がフラッシュバックすることもあり、完全な消去とは言えない……かもです。

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 この覚醒クエストの凄まじいところは、メインストーリーにて語られた「子供のタイオンを守る大人のナミ」という過去の構図が、転生を経て「子供のナミを守る大人のタイオン」に逆転しているところ。あの時自分を守ってくれたナミのように……あの時彼女を失ってしまった失敗から成長した自分を、憧れのナミさんに見せるかのように……

 『ゼノブレイド3』はこの転生を繰り返すシステムが基盤にあるからこそ、人間の「別れと再会」が幾度となく描かれるゲームです。悲しい別れを経て、また巡り合う者。美しい別れの後に、もう出会わない者。繰り返される輪廻の中で、生まれ変わる度に別の物語が生まれる。

 特にこの世界観の上に描かれる「悲恋」の話は、もはや得意分野と言っても過言ではないというか、ゼノブレ3の十八番と言っても過言ではないというか……とにかく「悲しい恋」を描かせたらこのゲームの右に出る者は中々居ないかもしれません。「死生観大図鑑」であると同時に、「悲恋大全集」でもある『ゼノブレイド3』をよろしくお願いします。

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「あなた達は違うのでしょう?哀しい世界を変えようとしている。違いますか?」

「あなた達のような人がいるのなら、そこは━━━きっと素敵な場所です。
 私は、それを見てみたい━━━」

 終わりのない再生と破壊が繰り返されるアイオニオン。そこは哀しい世界かもしれないけれど……タイオンのような人が生まれるのであれば、素敵な世界でもあるかもしれない。

 『ゼノブレイド3』の根底にある命の連鎖と思いの継承。「何度繰り返しても、また出会う」という再生の中で語られる人の愛や人の想い。正直、最初に今作の世界観を見た時は「なんすかこれ?」とも思いました。しかし、いざ触れてみると、この世界でしか描けない、この世界でしか語れない別れと出会いがたくさんあった。アイオニオンだからこそ、生まれる恋があった。

 この世界そのものが悪役かもしれないけど━━━、私は結構、アイオニオンが好きです。

※ここから先は、『ゼノブレイド3』のメインストーリーの核心的なネタバレに踏み込んだ内容が書かれています。記事冒頭でも注釈を書きましたが、ここから先はクリア前に知ってしまうと本当の本当に『ゼノブレイド3』の体験を損なってしまうかもしれないので、クリア前の方は、ぜひクリア後にもう一度訪れていただければと……。それでもよろしければ、読み進めてくださいませ。

得手も不得手もフォローする!

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 悲恋大全集こと『ゼノブレイド3』で描かれる最大の哀しい恋、それが「執政官エヌと執政官エム」

 ノアたち主人公の前に幾度となく立ちはだかる最強の執政官であり、何故かノアとミオに酷似した外見のふたり。その正体は……「最初にメビウスに立ち向かったノアとミオ」だった。

 要は初代ノアと初代ミオ。この世界に現存するウロボロスの遺伝子を受け継いだ人間は執政官エヌと執政官エムの子孫にあたる存在であり、全ての始まりとも言えるふたり。

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 メビウスを撃破し、この世界を終わらせるため、何度もメビウスに挑んだノアとミオ。メビウスに殺されるミオ。全てを捨てて逃げ続けたその果てに雪山で尽き果てたミオ。子供を授かり、たった10年の寿命で自分の子よりも先に死んでいくミオ。……何度繰り返そうとも、ミオは必ずノアよりも先に死んだ。何度ノアが救おうとしても、ミオが助かることはなかった。

 幾度となく人生を繰り返し、その度に哀しい別れを迎え、また出会う……執政官エヌと執政官エムに『ゼノギアス』のフェイとエリィを重ねる方も多かったのではないでしょうか。

 そんな時、ノアはメビウスからある提案を持ちかけられる。「メビウスになれば、ミオを救える」と。ノアは……たったひとりの愛する女を選んだ。この世界の命運よりも、自分が産んだ子供たちよりも……自分を愛してくれた女を守ると決めた。

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 ゲーム終盤、メビウスたちは「今を維持する」存在なのだと明かされますが、まさにこの執政官エヌ自身もミオというたったひとりの愛する女性のために、全てを犠牲にして「今を守り続けた」のだと思います。

 だが、ミオは消滅した。気が遠くなるほどの時間、人間を殺して維持し続けた「今」は、全てを失っても守りたかった「あの時間」は、執政官エヌの目の前で暖かな笑顔を溢しながら消えていった。

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「何故だ!何故こんなことを!!
 俺と往くのではなかったのか!?ミオッ!!
 俺は……お前のために━━━━━━」

「想いなら疾うの昔から変わらずここにある。お前だ、ミオ。お前との時こそ……俺の全て。そうか、消えたか。消えてしまったのなら再び紡げばいい。俺と、お前の時を、最初から。」

「ノア━━━我が残影よ。お前が彼女を縛るのならば━━━お前を消滅させ、奪ってやる。俺のミオを!!あぁ、奪うまでだ。その女は、俺の物なのだから。」

 私が『ゼノブレイド3』で一番好きなキャラは、執政官エヌです。愛する女のために頑張ったのにそれでも失い、なればと全てを犠牲にしてもなお失い、永遠に今にしがみつき続けようとする男とか……好きになる要素しかなくない?
 
 なんだかんだ執政官エヌも元を辿ればノアの先祖の存在なので、執政官エムに対しては割と優しく振る舞っていたのですが……ここに来て「その女は、俺の物なのだから。」と溢れ出す思いが止められなくなってるのもマジで最高。

 美形が苦悶に歪むさまというのは、見ているだけで健康にいいよね。

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そもそもこの執政官エヌの闇堕ちノアみたいな顔が好みの男すぎる。

 ……というLAみたいな理由も半分あるのですが、一応真面目な理由としても、『ゼノブレイド3』の「命を繋げていくこと」という主題を執政官エヌが担っているのも好きなところです。

 そもそも執政官エヌとノアは何が違うのか?

 それは「ミオのために全てを犠牲にした」か、「ミオ以外にもたくさんの仲間を得た」かの違いだと私は思います。愛する女のために世界を捨てたったひとりで戦い続けたエヌと、ランツやユーニにタイオンにセナたち……多くの仲間を得たノアとの対比をここで見せているのだと感じました。

 ただ、そのエヌの選択は決して間違いではない。

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「父さんはここまでだ━━━
 だけど、父さんと母さんの想いは━━━
 命は、お前へと繋がっている。」

「お前は、独りじゃない。辛いこと、悲しいこと、苦しいこと、色々なことがこれから先、お前を待っているだろう。もう無理だとあきらめかけることもあるだろう。それでも歩くんだ。仲間を見つけ、一緒に歩き続けるんだ。」

「父さんと母さんがそうしたように━━━━━
 いつでも━━━ 側にいるよ━━━」

 まだメビウスになっていない頃のノアが消える前に、ミオとの大切な子供に想いを託すシーン。私はここが『ゼノブレイド3』で一番好きなシーンです。このふたりの子供からウロボロスの遺伝子が受け継がれ、気が遠くなるほどの長い時間を経て、現在のノアとミオに辿り着く。

 この時にノアが残した「仲間を見つけ、一緒に歩き続けるんだ。」という言葉が、想いが、幾星霜もの時を経て、たくさんの仲間を得た「ノア」として執政官エヌの前に現れる。

 世界を取り戻すために戦い、たったひとりの愛する女のために「今」を守り続けた執政官エヌ。でも……彼自身は間違っていた訳じゃない。彼が始めた物語が受け継がれ、彼が繋いだ命が受け継がれ、彼が託した想いが受け継がれ、巡り巡って「ノア」と「ミオ」が彼を救済するためにその手を差し伸べた。

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 執政官エヌの存在に対し、「それも間違いではない」という答えが提示された時、私は一番「あっ、このゲームは信頼しても良いゲームだ」と思いました。守ることも、留まることも、ひとつの想いの形。

 ミオを守ろうとしていたことも「ミオ」は分かっていた。彼の想いそのものは否定しない。「後悔」から生まれたのが執政官エヌかもしれないけど……その選択自体は、その行為自体は、きっと間違いではない。少なくとも私はそう思います。

 優しいな。何て優しい瞳なんだ━━━

どうか━━━未来が、あなたと共に、ありますように━━━━━

 昨年開催された坂口博信氏と吉田直樹氏【※8】の特別対談。その対談内にて語られた、吉田氏のこの言葉を、私はなんかやたらと覚えている。

吉田氏:
 今RPGを作っていて、ちょっと「ツラいな」って思うところが、グラフィックスリソースのコストが上がりすぎていて、かつリアルスケール……嘘がつけない尺度になってくると、世界を救う大冒険が描けないんですよ。

坂口氏:
 ああ、そうか、話もリアルにならざるを得ないから、スケールがちょっと小さくなる。

吉田氏:
 そうなんですよ。でも「ファイナルファンタジー」シリーズのファンの人が見たいのって、「とある国のとある場所のお話」じゃないと思うんですよね。

 そこをどうやって表現するかという所は、これからすごく難しくなる。割り切る所をズバッと割り切ってまとめていかないと、発売する前にあまりに時間がかかりすぎるとか、完成しきらないみたいな所が出てくると思うので……その「世界を股にかける大冒険」っていうのをビデオゲームで表現するのは結構難しくなってきているとは正直思います。

 グラフィックの進化に応じて、RPGの中で描かれるスケールや尺度もどんどんリアルになっていく。そんな中で、世界を股にかけ、巨大な敵と戦う大スケールのRPGを作り込むにはすごくコストがかかるし、時間もかかる。だから、「ファイナルファンタジー」シリーズのようなリアルスケールの大冒険をビデオゲームで表現するのはどんどんハードルが上がってきている……。

 私はゲーム開発に1ミリも携わったことがないので門外漢もいいところですが、これを聞いた時には「確かに……」と思いました。私みたいなアホでも知った気にさせる吉Pのトーク力、流石ですね。

※8「坂口博信氏と吉田直樹氏」
ファイナルファンタジーの生みの親にして現ミストウォーカーCEO坂口博信氏と、『FF14』プロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏。一応『ゼノギアス』はスクウェアから発売されているので、完全に無関係とは言えなくもないです。え、苦しい……?

 が、『ゼノブレイド3』及び「ゼノブレイド」シリーズは……そんなハードルが上がり続ける世界を股にかける大冒険RPGを真っ向から作り続けてきたゲームだと思います。超巨大なフィールドに、超巨大なモンスター、世界を救う大冒険のストーリー。

 「ゼノブレイド」シリーズは「スケールの大きさ」にかけては最強クラスのRPGだと私は思います。とにかくデカい。話も、世界も、総合的に見たゲームの物量も。

 ここ最近で『ゼノギアス』『ゼノサーガ』『ゼノブレイドクロス』などのゼノシリーズを一気にプレイしていて特に思ったことは、このシリーズは「世界を描く」「世界を作る」ことにかけてはどこにも引けを取らないゲームだということです。

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 任天堂の故・岩田聡氏がそのデバッグ費用を見て「なんですか、これは!」と叫んだらしい『ゼノブレイドクロス』のもはや異常とすら思える超巨大かつ美麗なフィールド。正距円筒図法によって地形まで細かく描かれたワールドマップや、上はシェバトに下はゼボイム遺跡まで高度差によって全フィールドを比較する図まで掲載され、もはや奇書とすら言える『ゼノギアス』設定資料集【※9】……。

 とにかくこのシリーズが「世界を作ること」に対して傾ける情熱は尋常ではない。

※9「ゼノギアス設定資料集」
『ゼノギアス』で描きたかったであろうその全てが載っており、並の覚悟で本を開くと数ページにも及ぶ事象変異機関ゾハルの解説で頭が爆発する名著。名著……?駿河屋で25000円しました。25000円やぞ25000円!!!

「ゼノブレイド」高橋哲哉 ×「ペルソナ」橋野桂:対談──作家性とは何か? 世界で評価されるJRPGの旗手が掲げる美学をめぐって

 また、当サイトにて掲載されている「ゼノブレイド」シリーズにて総監督を務めるモノリスソフトの高橋哲哉氏と『ペルソナ3~5』のプロデューサー兼ディレクターの橋野桂氏による対談にて、「RPGで世界を作ること」について、このようにも語られている。

橋野氏:
 高橋さんはずっとRPGだけを作ってこられたんですか?

高橋氏:
 RPGだけですね。なんで作ってるんだろうって、自分で思う時もありますけど。根源的にはそれが好きなんだな、というのがあると思います。嫌いなものを作ってもしょうがないなと。

 ただ、なんで自分が作っているのかと考えると、子どもの頃からコンプレックスの固まりだったので、もしかしたら神の視点に立ちたいと思っているのかもしれないですね、自分の作った世界の中で。

 自分自身もそこに入りたいという思いや、「世界のすべてを作ってみたい」という欲求が昔からどこかにあって、それにいちばん近いアプローチをできるのがRPGなのかなって。

「ゼノブレイド」高橋哲哉 ×「ペルソナ」橋野桂 「RPGで“世界のすべて”を作ってみたかった」

橋野氏:
 現実ではできないことを体験できるという発想自体は、「ゼノブレイド」も同じだと思うんですよ。
 
高橋氏:
 でもアプローチの方向は、まったく違うでしょうね。身近な体験や思い出から入ってこられるのが「ペルソナ」シリーズだと思いますから。「ゼノ」の場合はもっと漠然としているというか、夢想的というか。

 絶対にそんな世界には行けないねというもの、現実には望んでも得られないものを求めたいというところが、もしかしたら原点にあるのかもしれないです。

「ゼノブレイド」高橋哲哉 ×「ペルソナ」橋野桂 「現実では望んでも得られないものを夢想するのが、ファンタジーの原点」

 対談内において、ゼノシリーズが内包する巨大な世界を産み出す高橋氏の原動力について語られている通り、この「世界を作る」ということに対する狂気的なまでのモノリスソフトの作り込みは『ゼノブレイド3』においても発揮されている。

 ちなみに上記の対談、「『ゼノブレイド』を作る時に任天堂にジオラマを持って行った」みたいなエピソードとか、橋野さんのペルソナ側の話も面白いので、お時間があればぜひ読んでみてください。

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 よく、「人間は生きていく上で、軸足をいくつか持っていた方がいい」なんて話を聞く。簡単に言えば、リアルの居場所とネットの居場所、仕事の居場所と趣味の居場所、自分が生きていく生活スペースのようなものを複数持っておくこと。

 そうすれば人間的に、精神的に余裕が生まれる……なんてことらしいが、理論の正否はさておき、私は「RPG」もこの「軸足」のひとつに加えられると思う。画面を通して架空の世界を覗くRPG。夢のような世界に直接足を踏み入れるRPG。「もうひとつの世界」とも捉えられるRPGは、地獄のような現実を生きていく上での「軸足」足りえるのではないか……私は割と真剣にそう思っている。

 だって実際私は疲れている時に『FF14』とか『ゼノギアス』とか遊んだら「うおおおおやっぱRPGやってる時が一番生きてるって感じするぜ!!!」と思ったし、「軸足」とまでは言わずとも、現実を生き抜くための「支柱」足りえると、かなり本気で思っています。

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 だからこそ、現実を生きる上での「軸足」足りえるほどの、広大で、壮大で、美麗で、どこまでもどこまでも広がる「世界」を描く、「ゼノブレイド」はすごい。

 そんな「世界」を描きつつも、「その世界の中で生きる『人間の愛おしさ』を描く」ことにまで挑戦したのが、今回の『ゼノブレイド3』だと思います。

 ノア、ミオ、セナ、ランツ、タイオン、ユーニのウロボロス6人に各地のコロニーで生きる人々。アイオニオンの世界で生きる人間たちはみな、私達の常識からかけ離れた世界でも強く生きていた。

 「永遠に続く戦争の中で、たった10年しか生きられない世界」と言われてもあまりピンと来ていなかったところに、「この世界で生きる人間の姿や愛おしさを克明に描くこと」で感情移入させられたのは本当に意表を突かれました。

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 旅の中でこの6人が楽しそうにしているところを見る度に、「この旅が終わらなければいいのに」と思う。この6人が仲良くしているところを見る度に、「この子たちが10年しか生きられない世界は悲しすぎる」と思う。この6人との別れが近付けば近付くほどに、「この子たちはなんて愛おしいんだ」と思う。

 とにかく『ゼノブレイド3』が終わった時、私はみんなが大好きになっていた。一番この子たちと別れたくなかったのは、私自身だったのかもしれない。もうノアとミオが2人で楽しそうに笛を吹いているところを見ることはできない。もうランツとセナが2人で筋トレしている姿を見ることはできない。もうタイオンとユーニが2人でイチャコラしてるところを見ることはできない。私はみんなと離れたくなかった。

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 全部が全部そうではないかもしれないけど、このアイオニオンで描かれる物語の中のキャラクターは、「人」として描かれていたと思う。「ゲームのキャラクター」ではなく、「この世界で生きている人間」として。

 世界の中で生きている人間の気持ちにどこまでも寄り添い、どこまでも心情を突き詰める人の描き方は、こちらまで「ノアたちも頑張って生きているのだから、こちらも真剣に向き合わなければ」と、アイオニオンに心を引き込まれる。そして何より……彼らとお別れするのが辛くなる。『ゼノブレイド3』が、ずっと続けばいいのに。

 私は、「キャラが愛おしいと感じれば、ゲームはそれでいい」と思っている節がある。これは決して投げやりな考え方ではなく、その作品の中で描かれているキャラの行動や心の機微が誠実に描かれているのであれば、それだけで私は嬉しくなる。

 私は、何よりも「人」を大切にして欲しい。物語の中の「人」が愛されていれば、私にとってそれ以上の喜びはない。そんな私にとって、『ゼノブレイド3』は最高のゲームだった。

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 だからこそ、私を真剣な気持ちにさせてくれた、私が現実を生きる上での「もうひとつの世界」になってくれた、何より人を愛させてくれた、みんなに最大の感謝を送りたいです。

 ノア、ミオ、セナ、ランツ、タイオン、ユーニ、ありがとう。あ、リクとマナナもね。まるで私も、あなた達の仲間になってこの世界を旅しているようでした。この想い出は、この世界のことは、一生忘れません。どうかみんなも、お元気で! 私もみんなから、前を向いて歩くことの大切さを教わりました! 本当に、ありがとう!!

 どうか━━━未来が、あなたと共に、ありますように━━━━━

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 ……………はい、という訳で『ゼノブレイド3』のレビュー、いかかだったでしょうか。

 おそらく、大多数の人は「記事が長い!!!!!」と思っていることでしょう。本当に長々とお付き合いいただき、ありがとうございます。長すぎて若干目が疲れてしまった方、お早めに目を休ませてくださいませ。

 『ゼノブレイド3』はNintendo Switchにて好評発売中。生きるために戦い、戦うために生きる。過去と未来を繋ぐ、命の物語。アイオニオンで生きる彼らの姿を、ぜひあなたの目にも焼き付けてください。 

 では、最後に…………

 DLC待ってま~~~~~~~~~~~~~~~~す!!!!!!!!!!!!!!!!!!

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ライター
転生したらスポンジだった件
Twitter:@yomooog

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