『サイバーパンク エッジランナーズ』が面白すぎて『サイバーパンク 2077』まで始めてしまった男の話

 はっ やっ くっ 撃ってっよォォォォォォォォ~~~~~~~~ッ!!!!!

 いっつもキモいんだよ!!!
 黄色の服なんか着やがって────────ッ
 お母さんに買ってもらったのか!?

 …………え、私……なんか言ってたか? あ、ああ……気にしないでくれ。サイバーサイコ化が進んでいるのかもな…………今抑制剤を打つよ。

 やぁ、読者のみなさま。みんなは、「ネットで流行ってるとこを見てたらつい触れちゃったもの」とかって、あるかな? 漫画、アニメ、ゲーム、映画……もはや濁流のように情報が流れ続けるインターネットが張り巡らされた現世には、いくらでもコンテンツが溢れている。

 私の場合、最近だと『追放されたチート付与魔術師は気ままなセカンドライフを謳歌する。~俺は武器だけじゃなく、あらゆるものに「強化ポイント」を付与できるし、俺の意思でいつでも効果を解除できるけど、残った人たち大丈夫?~』(漫画版)とかかな……………

 ……ってそうじゃなくて、『サイバーパンク エッジランナーズ』ですよ! ちょうどこれこそが私にとって直近で最も「ネットで流行ってるとこを見てたらつい触れちゃったもの」に該当する作品!!

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『サイバーパンク エッジランナーズ』公式サイトより

 そもそも私は『サイバーパンク 2077』に触れていないから、そこまで注目していた作品ではなかったのですが……もう周りの人がみんな「面白すぎる」「これはすごい」と言ってるもんだから……ついネットフリックスと再契約して見ちゃったじゃないか!! この責任、どう取ってくれる!?!?

 もう開幕から私がミーハークソ野郎なのが露呈していますね。またはてなブックマークであることないこと書かれる気がします。まぁ~~~~~~~~~~良いんだ! そんな細かいこと気にしてたら、ナイトシティじゃ速攻で手足もがれて脳天グチャグチャのミンチの人間ハンバーグにされちまうぜェ!?!?

 ようこそ、鋼<メタル>は肉<ミート>に勝り、人の命なんて路上の痰と腐ったピザぐらいゴミみてえに吐いて捨てられる煌びやかで鮮やかな享楽の理想郷、ナイトシティへ! おいおいおいおいおいおいおい、何ビビってんだよ、せいぜい楽しもうぜ、エッジの向こう側に辿り着くまでのこの夢みたいな時間をよォ!! ヒャハハハハハハハッ!!!!

文/ジスマロック
編集/実存

※この記事には『サイバーパンク エッジランナーズ』のネタバレがかなり含まれています。「全然ネタバレ気にしないぜ!」って方はそのまま読み進めていただいて問題ないです。「ネタバレが嫌なので読み終わった後にはてなブックマークに『ネタバレされました』と書く自信がある」方は、できればここで引き返すことをオススメします。よろしくお願いいたします。


Let You Down/期待を背に

 高度なテクノロジーと人体改造が一般化した巨大都市「ナイトシティ」にて、アウトローの傭兵「サイバーパンク」の道を歩んだ少年の物語を追うのがこの『サイバーパンク エッジランナーズ』。

 ボロアパートに動かない洗濯機、過労気味の母親……とてもじゃないが華やかとは言えない環境で暮らしている主人公の「デイビッド」。そんな境遇とは対称的に、エリート企業「アラサカ」の社員を育成する一流の学校に通っているデイビッドは、学校の中では貧乏であるからと富裕層のぼっちゃんからイジメを受けていた。

 ナイトシティにおいて、自らの肉体を強化する「インプラント」の存在は絶対的。高価なインプラントで肉体を強化した富裕層の人間には安価な弱小ポンコツインプラントで勝つことなど夢のまた夢。

 お金がないからと機材のアップデートを怠った結果、学校でトラブルを起こすデイビッド。高級カンフーインプラントに身を包んだアラサカの重役の子供に一方的にボコボコにされるデイビッド。帰り道に交通事故に遭い、保険に加入していなかったためほとんど見殺しの状態で死んで行った母親…………。

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「Cyberpunk: Edgerunners — Official Trailer | Netflix」より

 お金がないッ! 権力がないッ!! 何より……力がないッ!!!

 小銭持ちのボンボン共の手足を地面に這いつくばらせて靴を舐めさせられるような……他者を踏みにじる絶対的な力が……欲しいッ!! そんな全てを失ったデイビッドは、ある時人間の限界を超越した高速移動を可能にする「サンデヴィスタン」がインストールされた軍用インプラントを手に入れる。

 ナイトシティを生き抜くためには何が必要なのか?

 道端で困っている老婆を助ける無償の優しさ? 違うなぁ!

 夜風に想いを馳せる感性の美しさ? 違うなぁ!!

 誰も殺さないし人を利用したりもしない道徳心? 全ッ然違うなぁ!!!

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「Cyberpunk: Edgerunners — Official Trailer | Netflix」より

 金だ! 権力だ!! 暴力だ!!!

 シンプルだろ? カンタンだろ? プリミティブだろ? 力があれば金が手に入る。金があれば権力も手に入る。権力があれば好きな女も手に入る。

 そんな暴力と喧騒が全てを支配し、街中人間の血で塗りたくられたスプラトゥーンみてえな気の狂ったナイトシティを生き抜く力、「サンデヴィスタン」を手に入れたデイビッドが、一流のサイバーパンクとして、一流のエッジランナー<ギリギリを生きる者>として大成していくまでの物語が『サイバーパンク エッジランナーズ』ってことだ。せいぜい楽しめ!

Smooth Criminal/裏稼業

 早速本題で申し訳ないンだけど……この『サイバーパンク エッジランナーズ』ってアニメのすごいところは、見てると猛烈に『サイバーパンク 2077』をやりたくなってくるところだ。

 私は実際に『サイバーパンク 2077を遊んでないから「あっ、やべっ、ゲーム欲しい」って気持ちにさせられたけど、もう既にゲームを遊んだ人は2周目に入ったり再起動したり、さらなる猛者はこのアニメを見終わった後にTRPGを始めたりしてるらしい。もう文字通りナイトシティから帰ってこれなくなっちまう悪魔のインプラントじみたアニメなんだよ、コイツはな!

 『リトルウィッチアカデミア』『SSSS.DYNAZENON』などでお馴染みのTRIGGERのビビッドな色彩よって描かれたナイトシティの街並みを見ているだけで、なんでか知らんが不思議とナイトシティに行きたくなっちまう! あ、ああ、あああああああ! ダメだ! またクリアするかどうかもわかんないのにいたずらにゲームを増やすんじゃねえ! 『サイバーパンク 2077』を買ってはいけない!!

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『サイバーパンク エッジランナーズ』最終予告編 ※公共の場での視聴はお控えください より

 今作の監督は『パンティ&ストッキングwithガーターベルト』でもお馴染みの今石洋之氏。あ? 何? さっきから例に挙げるアニメがいちいち偏ってる? いいんだよこういうのは私の好みを押し付けるスタイルで!!

 実は私、「これまで見た中で最も好きなアニメを一作挙げろ」と言われたら、『フリクリ』【※1】と即答してしまうくらい『フリクリ』が好きなんだけどさ、「フリクリの今石洋之」つったらやっぱ今石監督が絵コンテと作画監督を担当してる第5話「ブラブレ」だと思うんだよ。

 特にあの5話のジョン・ウー感バリバリの床屋でのハル子の銃撃戦シーン。あそこには「今石洋之のガンアクションの良さ」みたいなものが詰まってる。そう思うワケ。ほんで何が言いたいかって『サイバーパンク エッジランナーズ』でもあのフリクリ5話の銃撃戦みたいな今石洋之ガンアクションの良さをメッチャ堪能できる! ボロボロ落ちる薬莢! 飛び交う銃弾!! 鮮烈のマズルフラッシュ!!!

※1「フリクリ」
GAINAXとPrroduction I.Gにより制作されたOVA。監督を鶴巻和哉氏、脚本を榎戸洋司氏、キャラクターデザインを貞本義行氏が務め、国内外にて人気を博した作品。現在のTRIGGERのスタッフも今石氏を筆頭に何名か制作に加わっている。私が何を言っているのかよく分からない人は『フリクリ』を見てください。特にそれとは関係なく『フリクリ』は見ておいてください。とにかく『フリクリ』は見てください。

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『サイバーパンク エッジランナーズ』最終予告編 ※公共の場での視聴はお控えください より

 そんでこの『サイバーパンク エッジランナーズ』の銃火器や各種インプラントの描き方が、俗っぽく言ってしまえば「販促」に繋がってると思うんだよね!

 なんつーか、ウルトラマン見て怪獣のソフビが欲しくなるとか、『仮面ライダーギーツ』見てデザイアドライバー欲しくなるとか、『機動戦士ガンダム 水星の魔女』を見てガンダム・エアリアルのプラモが欲しくなるとか、そういう「劇中で使われてるあのカッコいいアイテムが私も欲しい!!」って感覚で、『サイバーパンク エッジランナーズ』を見てると『サイバーパンク 2077』を遊びたくなるんだよ!

 デイビッドのサンデヴィスタンの高速移動も、中から砲身が飛び出すあのメインの武器腕も、レベッカのショットガンも全部欲しくなるだろ!? 使いたくなるだろ!? そういうことさ!!

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 そして『サイバーパンク エッジランナーズ』はその銃火器によってオモチャみたいに飛び散る人間の肉片や身体中から噴き出す鮮血のグロ描写もエッジランナーしちゃってんのよ!

 公式のティザームービーに「※公共の場での視聴はお控えください」と注意書きされちゃってるくらい、エッジの向こう側に片足を突っ込んだエログロ描写が今作は満載!!

 えっちなことってさぁ……嬉しいよな…………!!!!!

 いや、そういう直球の下ネタを言いたいわけじゃねえんだよ。何かさぁ、興奮するとかリビドーを掻き立てられるとかそういう野性的な話じゃなくってさあ、エッチな物が画面に映るとさぁ、心の底から嬉しくなっちゃうよなァ!? この感覚、わかるかい?

 まぁとにかく『サイバーパンク エッジランナーズ』はそんな嬉しくなっちゃうスケベ表現も満載なんだ。嬉しいなぁ、嬉しいよなぁ!? 嬉しくなっちゃうよなぁ!?!? 水星ってお硬いのね、サイバーパンクじゃ全然ありよ(ミオリネ・レンブラン)。

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『サイバーパンク エッジランナーズ』最終予告編 ※公共の場での視聴はお控えください より

 今作のセクシー担当かつメインヒロインの「ルーシー」はもう最ッ高に魅力的。声優を務める悠木碧氏のちょっとアダルティックなんだけど、まだ少し幼さを残しているかのような塩梅の演技もめっちゃ良い。

 そもそもキャラデザがかわいいし、服装もセクシーかつスタイリッシュだし、ビジュアルも中身も完璧なんだぜ、ルーシーは。そんでルーシーは「ネットランナー」【※2】っちゅう……まぁ要はめちゃくちゃすごいハッカーみたいな存在なんだけど、そのハッキングをするたびに身体を冷却しなきゃいけないから、全編通してやたらと氷のお風呂に浸かるシーンが多いんだ! やったぜ!!

 もう辛抱たまんなくてエッジランナーズが見たくなっちゃったスケベ野郎は、今すぐこんな記事ゴミ箱か三角コーナーにでもぶち込んでネトフリに行きやがれ!! いってらっしゃ────い!!!

 『サイバーパンク エッジランナーズ』はそんなファム・ファタールなルーシーとデイビッドが運命的な出会いを果たし、恋に落ちるジュブナイルムービー的な側面も実はあるんだな、これが!

※2「ネットランナー」
「めちゃくちゃすごいハッカー」ではあまりに雑な気がするので一応フォローを入れると、「コンピューターシステムやプログラム言語、キラーウイルスの作成や改造に熟知した電脳戦のプロフェッショナル」のこと。どれほど屈強な肉体の傭兵だろうと、本気のサイバーデッキを携えたネットランナーのハッキングには敵いません。実はこの記事、『サイバーパンク エッジランナーズ』の空気感を文章という媒体で表現するために筆者がアルコールを摂取した状態で書いたため、こういう真面目な解説コーナーでは後日、アルコールの抜けた正気ジスロマックが書いています。

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「Cyberpunk: Edgerunners — Ending Theme | Let You Down by Dawid Podsiadło | Netflix」より

Girl on Fire/炎に包まれて

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『サイバーパンク エッジランナーズ』公式サイトより

 じゃあここで『サイバーパンク エッジランナーズ』の大前提にある面白さに触れていくんだけど、やっぱこのアニメって「ストーリー」が面白いんだよ!

 つーかそもそもアニメの出来が良い。いやまぁ出来が良くなかったらここまで話題にもならないのは道理なんだけど、やっぱ単純に映像として面白いし、毎話毎話にキッチリ盛り上がり所が用意されてるし、「次も見たい!」って視聴モチベーションが途絶えることのない次回へのクリフハンガーの作り方も上手い!

 特にこの『サイバーパンク エッジランナーズ』は「一気見しちゃった」と言ってる人が体感的に多いような気がするくらい、一度見始めたら最後まで止まらねえ暴走特急みたいなアニメなのさ!

 私はどっちかって言うとアニメはリアルタイムで見たい派だから、サブスクがやりがちな全話一挙配信は別に良いとも悪いとも思わないけど、このアニメばっかりは全話一挙配信とめちゃくちゃ相性が良かったのかもな? だって……これが1週間に1話だけだったら、生殺しもいいトコだぜ!?

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『サイバーパンク エッジランナーズ』公式サイトより

 まず第1話はさっきも書いたけど人生どん底のデイビッドが一発逆転の軍用インプラントの「サンデヴィスタン」を手に入れるとこまで。第2話ではそんなデイビッドの運命の女、ルーシーとの出会いが描かれる。どこかミステリアスな魅力を湛えたルーシーとデイビッドがふたりで月面ブレインダンス【※3】を楽しむ第2話の迸るような煌めきはもう……最高潮だぜ! ナイトシティにも青春<ジュブナイル>はあるんだよなぁ!

 まぁ、結局ルーシーはデイビッドからサンデヴィスタンを奪い返すためにハニトラ仕掛けてただけなんだけど……。第3話ではまんまとハニトラにかかったデイビッドが、サンデヴィスタンの元の持ち主のメイン率いるエッジランナーたちの元で働かせてくれないかと命がけで懇願し、「デイビッドのサイバーパンクとしてのデビュー」が描かれる!

 こんな感じで『サイバーパンク エッジランナーズ』は毎話毎話ナイトシティの喧騒みてえに目まぐるしくストーリーが動くから、大前提として飽きない! 面白い!! 気が付いたら最後まで突っ走っちまってる!!!

※3「ブレインダンス」
先ほどに引き続きアルコールの抜けた正気ジスロマックのサイバーパンク用語解説です。「ある人物が撮影(記録)した自身の体験やその時の記憶を、映画を見るような手軽さで“追体験”できるテクノロジー」のこと。ルーシーの持っていた月面のようなロマンティックなものから、アダルトビデオのようなものまで、そのジャンルは多岐に渡る。

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「Cyberpunk: Edgerunners — Official Trailer | Netflix」より

 そして第6話では、デイビッドが属するサイバーパンクチームのリーダー格、「メイン」の死が描かれる。まだまだ未熟なデイビッドの兄貴分としても、チームを引っ張るリーダーとしても大切な存在のメインだったが……エッジランナーにはいつか死が訪れるものなのさ。

 この世界には「サイバーサイコシス」という「身体に移植されたハードウェアやソフトウェアの行動改造によって引き起こされるパーソナリティ障害」みたいなものがあるんだが……まぁもっと簡単に言うと「身体を改造しすぎて人間性を失い、精神までバグっちまった」状態のことだ。

 メインはそのサイバーサイコシス化を引き起こして、6話で死んじまう。じゃあ第7話からどうなるのかって言うと、メインに変わってチームのリーダー、一流のサイバーパンクになったデイビッドの姿が描かれるんだよ! まさに第6話と第7話が『サイバーパンク エッジランナーズ』の第1部から第2部への転換点ってコト!!

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「Cyberpunk: Edgerunners — Official Trailer | Netflix」より

  第7話以降のデイビッドは生前に「俺が死んだらこれはくれてやる」と託されていたメインの武器腕を装着し、さらなる肉体改造で身体も巨大化してるし、首もシャンクスくらい太くなってる。デイビッドに憧れる後輩ができちゃうくらい、自分の母親と同じくらいの年の人間の殺しも厭わないくらい、一流のサイバーパンクになったデイビッド。

 ここからの『サイバーパンク エッジランナーズ』はナイトシティを駆けるトップエッジランナーのデイビッドが伝説になるまでを描くんだよ!

 『サイバーパンク エッジランナーズ』及び『サイバーパンク 2077』の世界観において重要な言葉がひとつある。それは、「サイバーパンクはどう生きるかじゃない、どう死ぬかだ」。常に己の限界に挑みながら刹那的なエッジを生きる者たちにとって、明日明後日も平和に暮らせるかどうかなんて大した問題じゃない。

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『サイバーパンク エッジランナーズ』最終予告編 ※公共の場での視聴はお控えください より

 自分の死に際に満足できるか?

 自分が心の底から渇望するものを手に入れられるか?

 これまでの人生に刻み付けた己の轍に後悔しないか?

 それがサイバーパンクにとっては一番大事なことなんだ。だから、『サイバーパンク エッジランナーズ』で描かれるエッジランナーの死は、決して全てが悲惨なものってわけじゃないと私は思う。これはとにかく人がメチャクチャに死ぬアニメだし、その死に様もガキに羽根をむしられて飛べなくなったトンボの方がいくらかマシだろって凄惨なモンばっかだが、決してそれが美しくない訳でもないと思う。

 だって、それこそがサイバーパンクの生き様だからだ。エッジの向こう側に辿り着くために生き抜いた人間の死に様、とくとテメエらの眼球に焼き付けて帰れや! じゃあ、デイビットはどうなっちまうのか? ルーシーは?? 2人の恋は一体どこに向かうのか???

 それは………………………

 今すぐネットフリックスに加入して『サイバーパンク エッジランナーズ』を見やがれ────────────ッッッッッ!!!!!!!!!!!

 高みを目指して、派手にくたばれ!

「えへっ」ってなんだよ……!!

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 よぉみんな、オイラ、パイモンだぞ!!

 えっ、全然パイモンに似てない……? すみません、あまりにもパイモンを再現できるパーツが少なすぎてこれが限界でした……。えへっ!

 「えへっ」ってなんだよ……!!

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 ってあああああああああああ!!!!!!

 気が……気が付いたら『サイバーパンク 2077』を買っている!!!

 な、何故……? あんなに「積みゲーが増えるだけなんだからアニメに影響されて買っちゃいけない」って前振りしたのに何故……?? 記憶がない! 私は買っていない!! 気が付いたら勝手に『サイバーパンク 2077』を買っていた!!!

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 でも……もうひとりの私が買っちゃうのも仕方ないんじゃないか? 『サイバーパンク エッジランナーズ』を見たら、誰しもが「ああ、私もナイトシティに行ってみたい……」と思ってしまうのは……人間の節理なんじゃないのか?

 そして『サイバーパンク エッジランナーズ』には、アニメで描かれたあの世界にそのまま飛び込むことができる究極のブレインダンス、『サイバーパンク 2077』が存在する。

 この、「アニメで描かれた世界に行ってみたい、直接あの世界を自分の足で歩いてみたい」という誰しもが一度は映像作品に対して抱くであろう欲望が、『サイバーパンク 2077』を買ってしまえば、そのまま叶う。これは……恐ろしいことな気がしてきた。

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 実際にこのゲームを遊んでいて一番驚かされたのが、『サイバーパンク エッジランナーズ』という作品の「驚異のロケハン力」

 『ラブライブ!サンシャイン!!』の静岡県沼津市や『ふらいんぐうぃっち』の青森県弘前市、『ガールズ&パンツァー』の茨城県大洗町などなど……「実在する街を舞台にしたアニメ作品」は、多数存在している。これらの作品はロケハンや舞台の再現をしっかりと行っており、作中に登場した場所を実際に訪れるファンの間での「聖地巡礼」も盛んだったりする。

 そして、『サイバーパンク エッジランナーズ』は、「ひとつのゲームの中で描かれた『ナイトシティ』という街」に対して、この舞台の再現を行っている。これが中々にすごいと私は思う。

 もちろん『サイバーパンク 2077』はオープンワールドで表現されたナイトシティの街並みも魅力的なゲームだが、にしたって「ゲームの中の街をアニメで徹底再現する」というアプローチは、その労力も手腕も尋常ならざるものだ。

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 つまり、『サイバーパンク 2077』では『サイバーパンク エッジランナーズ』の「聖地巡礼」ができるし、本当にアニメで使われていたあの場所が実際にゲーム内に存在するんだからそれだけでテンションが上がる!

 そもそも主人公「V」の部屋がデイビッドの部屋と完全に同じ間取りなのだから、もう開幕から「デイビッドの部屋じゃん!」とテンションが上がってしまうし、本当に街中をふらふら歩いているだけでアニメで見た光景が目に飛び込んでくる。本当に「アニメの舞台になったところに旅行に行って、適当にぶらぶらしながらロケ地を探す」あの感覚を、ゲーム内で味わうことができる!!

 この「作品の舞台になった場所を実際に巡っている時の楽しさ」を「ゲーム」で味わうことができるのは……中々に新鮮な体験。ここから『サイバーパンク エッジランナーズ』に続いて、ゲーム内聖地巡礼系アニメがどんどん増えるのかも(もちろん先達は何作かあると思いますが)……。

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Vの部屋とデイビッドの部屋は間取り自体は同じですが、窓から見える景色がちょっと違うので、厳密には「同じ間取りの別の部屋」だと思われます。

 たとえばデイビッドの学校までの通学路や、メインたちがひと仕事終えた後に打ち上げをしていた酒場、ルーシーとデイビッドがふたりで走っていたランニングコース……探せば探すほど『サイバーパンク エッジランナーズ』の舞台が見つかる。

 私はアニメからゲームに入ったので、あのアダムスマッシャーがゲーム内に登場した時も、「アダムスマッシャー!アダムスマッシャーじゃないか!!」と謎にテンションが上がってしまいましたし、「やっぱりアイツってゲームにも居たんだ……」とアニメ側のファンサービスに逆の順番で気が付きました。

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 実は『サイバーパンク 2077』にはアニメの配信開始に合わせたアップデートが実施されており、デイビッドが背負っているエッジランナーマークのところに行くと……ある特殊なブレインダンスやクエストを受注することができたり……とにかく私みたいな「アニメからゲームに入ってきた」人にも向けたファンサービスが多数用意されている! なんたる高待遇!!

 そして、「ナイトシティで伝説になった者の名前のカクテルを飲むことができる」アフターライフでは、『サイバーパンク エッジランナーズ』の主人公、「デイビッド・マルティネス」の名を冠したカクテルを頼むことができる。

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 すばらしい!!! パァン

 すいません、あまりにも良すぎて柏手の安になりました。そのくらい、『サイバーパンク 2077』には『サイバーパンク エッジランナーズ』を好きになってくれた人に向けたファンサービスがたくさん盛り込まれています。

 もちろんアニメの要素だけでなく、『サイバーパンク 2077』自体もとても面白いゲームです。ありえないくらい作り込まれたナイトシティに、これから伝説になる「V」の姿を描くストーリー……アニメの聖地巡礼をしたくて買ったのに、うっかりナイトシティから出られなくなっちゃうかも。キアヌもいるよ!

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ちなみに私はジャッキーが一番好きです。

 『サイバーパンク エッジランナーズ』はネットフリックス独占で全話好評配信中!

 そして『サイバーパンク 2077』はPS4、PS5、Xbox One、Xbox Series X/S、Steamなど含めたWindowsの各種プラットフォームで販売中! ぜひ、どちらも合わせて楽しんでみてください! 私はもしかしたらTRPGの方も始めるかもしれません。

 というか、アニメを見終わったら確実に買いたくなります。今のうちに覚悟しといてください。

※ここからは『サイバーパンク エッジランナーズ』の第9話、第10話……つまり今作の最終盤のネタバレに触れています。まだ今作を最終話まで見ていない方は、ここで一旦引き返して、ぜひ最後まで見た後にまた訪れてくださいませ。あっ、大丈夫です。もうお酒は抜けてます。ここからは結構真面目なことを書いた……と思います。どうか、お気を付けて。

My Moon My Man/私の月、私の恋

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『サイバーパンク エッジランナーズ』最終予告編 ※公共の場での視聴はお控えください より

 『サイバーパンク エッジランナーズ』は夢を追いかけ、受け継ぎ、呪いのように抱え続けた少年少女の物語でもある。そして何より、デイビッドとルーシーは、そんな「恋」のためにエッジを駆け抜けた。ふたりの美しくて、尊くて、煌びやかで、鮮やかで、刹那的な……。ナイトシティの夜景にも負けない、流星のように一瞬で瞬いて消えてしまう輝き。だからこそ、このふたりを、私も愛してしまうのです。

 実はこの記事でたったひとり、まだ触れていないキャラクターが居ます。彼女の名は「レベッカ

 最序盤から登場していて、チームのムードメーカー兼マスコット的な存在でもあるちょいロリータな感じの彼女。次々とメンバーが死別していく第7話からの展開の中で、最後まで「デイビッドの仲間」として寄り添い続けたキャラクターでもあると私は感じています。声優を務める黒沢ともよさんの写実的な演技もとっても素敵。

 彼女こそ、最も「サイバーパンクはどう生きるかじゃない、どう死ぬかだ」を体現した人間なのではないかとも思います。ナイトシティ自体は街そのものが災害のような都市だと思いますが、そこに生きる人間は……どうにも情に弱かったりする。彼女もナイトシティを体現するかのような邪知暴虐ガールなんですけど、なんていうか……結構人間臭い。

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「Cyberpunk: Edgerunners — Official Trailer | Netflix」より

 第9話ではもうメインと同じように肉体改造に耐え切れずサイバーサイコ化が進行するデイビッドの姿が描かれるのですが、そこでデイビッドはレベッカに「俺がヤバくなったらサイコ化を抑える9倍抑制剤を打ってくれ」とお願いを託します。

 実はルーシーに負けないくらい、デイビッドのことが好きだったレベッカ。それはライクでもあり、ラブでもある。デイビッドは今、愛するルーシーを取り返すためにアラサカのテッペンを目指している。そんなデイビッドを愛しているからこそ、レベッカは愛するルーシーを救い出そうとするデイビッドの願いに応えてあげるのです。

 サイバーパンクはどう生きるかじゃない、どう死ぬかだ。彼女が最後に選んだ「死に方」は、バカで、最悪で、ガキで、それでも愛する最高のエッジランナーのデイビッドと最後まで共に戦うことだった。レベッカも最終話でグチャグチャにされてしまう。その死に際は本当に儚い。けど、美しくて、最高にカッコイイ。彼女こそ、サイバーパンクの生き様を体現した……最高の女だと思います。

 「母さん! ありがとう! 母さん……行ってみるよ! アラサカタワーのテッペンに!」

 「わあったよ……行こうな、テッペンに。」

『サイバーパンク エッジランナーズ』 My Moon My Man/私の月、私の恋

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『サイバーパンク エッジランナーズ』最終予告編 ※公共の場での視聴はお控えください より
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「Cyberpunk: Edgerunners — Official Trailer | Netflix」より

 「俺が君を月に連れて行くよ。約束する。」

 「月に行きたい」というルーシーの夢を聞いたデイビッドが、ふたりで交わした約束。先に言ってしまうと、最終話で主人公のデイビッドは死んでしまいます。しかし、それもまた、「どう死ぬか」なのです。

 『サイバーパンク エッジランナーズ』は、デイビッドというどん底に居た少年が一流のサイバーパンクになり、どう死ぬかまでを描く物語。その最後は……愛するルーシーの「月に行きたい」という願いを叶えるために使うと決めていたのでしょう。

 「サイバースケルトン」という重力を操作する禁断のサイバーウェアを装着し、人間としての肉体はもはや胴体しか残っていない。サイバースケルトンの強力無比な力を使うたびに、人間性は失われていく。もはや人間ではなく、ただの「化け物」になり果てたデイビッド。しかし、それでも「ルーシーの夢を叶えたい」という思いだけは、ずっと抱き続けていたこの恋だけは、最後の最後まで捨てなかった。

『サイバーパンク エッジランナーズ』が面白すぎて『サイバーパンク 2077』まで始めてしまった男の話_032
『サイバーパンク エッジランナーズ』最終予告編 ※公共の場での視聴はお控えください より

 「この街からキミを守る方法は、これしか思いつけなかった。母さんもメインも守れなかった。キミだけは、守りたいんだ。」

 「私なんか守らなくていい。あんた自身が生きてくれていれば、それだけで良かったのに!」

 「俺のことはいいんだ。何もない俺の代わりに、君が君の夢を叶えて欲しい! それが俺の夢だ。そのためなら、他の何を失っても悔いはない。」

『サイバーパンク エッジランナーズ』 My Moon My Man/私の月、私の恋

 「My Moon My Man/私の月、私の恋」。『サイバーパンク エッジランナーズ』最終回のサブタイトル。サイバーパンクはどう死んで、どう名を残すかの存在であると同時に、夢を追う存在でもある。デイビッドは、最初から大きい夢は持っていなかった。でも、一緒に夢を叶えたいルーシーと出会った。だから、ルーシーの夢を叶えてあげるのがデイビッドの夢だったのかもしれません。

 でもルーシーは……デイビッドに生きていて欲しかった。私の月<My Moon>は叶ったけど、私の恋<My Man>は叶っていない。ルーシーにとって、とっくにデイビッドは月よりも大切な存在になっていた。このナイトシティという光の牢獄から抜け出して、ふたりきりで月に行って欲しかった。それは私の願いでもあったのに、デイビッドってやつはそれを叶えず、自分の最後の願いを託していきやがった。伝説になりやがった。

『サイバーパンク エッジランナーズ』が面白すぎて『サイバーパンク 2077』まで始めてしまった男の話_033
「Cyberpunk: Edgerunners — Official Trailer | Netflix」より

 「月」というものは……常に嘘を付いている。実は自分では光っていない。太陽の光の反射で光っているだけなのだから。でも、太陽より月の方が信じられる。月は太陽と違って見つめることができるから。

 ……なんて、誰かが言っていたような気がしますが、月は彼の夢であり、恋でもあった。この月明かりのように暗闇の中でも煌めく恋こそが……彼女の夢でもあった。

 母親、メイン、ルーシー……出会った人の夢を背負い続けてきたデイビッド。そんな彼の願いを最後に背負ったのは、ルーシーだった。

 なんてありきたりな恋の物語だ。なんてありきたりな伝説だ。でも……私が、語り継いでやるよ。エッジを生きたお前らの生き様を。

 So what do you wanna do, what’s your point-of-view There’s a party soon, do you wanna go?

 A handshake with you, what’s your point-of-view? I’m on top of you, I don’t wanna go

 ’Cause I really wanna stay at your house And I hopе this works out.

「I really wanna stay at your house」

ライター
転生したらスポンジだった件
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