今まで日の目を見ることのなかった、幻の作品
更に、メガドライブミニ2には、開発まで完了するも様々な事情から発売には至らなかった、いわゆる “幻の作品” が収録されています。
そんなソフトの1つが、『スターモビール』。マインドウェアにより1992年に開発が完了した本作のゲームジャンルは、アクションパズルです。
ちなみにですが、本作のタイトルは『スターモービル』ではないので注意が必要です。……私も原稿を書き上げる直前まで、ずっと間違え続けていました。
本作のゲームルールは非常にシンプルで、次々に空から落ちてくる流れ星をステージ中央に設置された天秤の上へ置いていき、バランスを保ち続けるだけ。
落ちてくる星には、その色によってそれぞれ重さが設定されているため、そのことを考慮して、天秤の良きところに星を配置していかなければなりません。バランスが悪くなり過ぎると星は天秤から落下してしまい、この落下した星の数が一定数に達するとゲームオーバーになりますが、各レベルごとに設定されている数の星を天秤に乗せることが出来れば、レベルクリアとなります。
そして、もう一つの本作における重要な要素が、同じ色の星で挟むと間にある星を消すことができるということ。天秤の上から消去した星たちは、カウント上では天秤の上に乗っかっているものとして処理されるため、ノルマ達成のために積極的に星を消していきたいところ。
しかし、星が消えるということは、天秤のバランスも大きく変わるということでもあります。そのため、意図していないところでうっかり星を消してしまい、天秤が大きくバランスを崩した結果、天秤上の全ての星が落ちて夜空に消えていくという大惨事が発生することも。
シンプルなルールながら、星の色を見てどこに置いていくべきなのかを瞬間的に考えるのはかなり大変。序盤のレベルでは星を置いたら危険な場所を教えてくれますが、途中からはそれも無くなるため、しっかりと自分の力で考えられる力を身につけていかなければなりません。個人的な意見ではありますが、本作は、何度も繰り返しゲームをプレイすることで、コツや感覚を掴んでいき、コツコツとスキルを上達させていくゲームではないかなと思います。
星空と星座をイメージした世界観の本作は、ゲームルールもさることながら、とにかく雰囲気が素晴らしいので、ちょっと時間ができた時にゆったりとプレイするのに最適です。
まさかの完全新作
初移植のアーケードゲーム、発売されなかった幻の作品と収録タイトルをご紹介してきましたが、『メガドライブミニ2』の勢いはまだまだ止まりません。なんと本作には、開発から行われた完全新作がいくつも収録されているのです。
まずは、『パーティークイズ MEGA Q 2022』。前作のメガドライブミニに収録されていた、様々な形式のクイズに挑戦して得点数を競うクイズ番組を模したクイズゲーム、『パーティークイズ MEGA Q』の新作で、問題が2022年仕様に一新されています。
確かに、古いクイズゲームをプレイしていますと、発売当時に旬だったことをネタにしたクイズや、当時と今で正解が変わっているクイズが出題されるということがよくあります。
私の個人的な意見としては、そういったような理不尽とも言えるクイズも、それはそれで当時の状況を知ることのできる興味深く面白いもの。むしろそういうクイズが出題されるからこそ、レトロなクイズゲームをプレイするのが好きだったりもします。
しかし、これらのクイズに対してストレスを感じる人がいるというのも紛れもない事実でしょう。
実際、友人との対戦中に、この1問で勝敗が決まるという局面で、当時と今で正解が違うクイズを出題され、不正解してしまった瞬間は、興味深いとかいう感情よりも先に声が出てしまいました。古いクイズというのは、史料的価値こそあれど、ガチでクイズをやりたいときには思考の邪魔になってしまう厄介な代物なのです。
それにしても、古いクイズゲームが抱えるこのような問題を、“ゲームの大枠は全く変えずに中身のクイズだけを大幅に入れ替えたゲームを新たに作る” という手法で解決してしまうとは、思いもよりませんでした。
そして、本作を実際にプレイしてみると、『パーティークイズ MEGA Q』の発売当時にはどう考えても存在しなかったであろうクイズが続々と出題されていきます。これで、『パーティークイズ MEGA Q』をプレイしたときには出来ていた「当時のことはよく知らないからなー」という言い訳が一切通用しなくなりました。
『パーティークイズ MEGA Q 2022』のベースとなっている『パーティークイズ MEGA Q』は、様々な趣向を凝らした形式のクイズが出題される非常にクオリティの高いクイズゲームなので、問題が古いことによって生じるストレスが排除された『パーティークイズ MEGA Q 2022』は、盛り上がること間違いなし。
1人プレイでもCPUを相手にかなり白熱した勝負を楽しむことができますが、USBハブと人数分のコントローラを用意すれば、最大5人で遊ぶことができるため、家族や友人と楽しむのもオススメです。
ちなみにですが、クイズ番組を模した本作では、ゲームの途中で上の画像のようなCMが流れます。クイズだけでなくCMも2022年仕様で、実在の商品を紹介する細かいこだわりも素晴らしいですね。
さて、無事にクイズ大会を制し、ホクホク顔で次にやるゲームを探していたところ、更に驚愕のゲームが私の眼前に立ち現れました。
それがこの『パーティークイズ SEGA Q』。その名が指し示す通り、SEGAに関するクイズのみが出題されるという、通常の家庭用ゲーム機で発売されることはまずありえないであろうマニアック過ぎるクイズゲームです。お遊びやおふざけとも言えるこういった趣のゲームがあるのも、色々なゲームが収録されている『メガドライブミニ2』ならではですね。
……幻の作品が収録されているという話をしていた辺りからずっと思っていましたが、ちょっと気合い入れすぎじゃないですか?
正直なところ、SEGAについて深く知っているという自信はありませんが、これまで集めてきたゲームソフトの数だけは無駄に豊富ですし、それなりのゲーム好きであるという自負もあります。物は試し、ゲームマニアの端くれとして、自分の知識がどこまでのものなのかチャレンジしてみようじゃありませんか。
いや、むっず!
取り扱う問題ジャンルの性質上、かなりの難易度の高さになるであろうことは覚悟していましたが、こちらの想像を余裕で超えてきました。
メガドラで発売予定だったテトリスに関して、私が持っている知識といえば、開発が進められるも発売されなかった幻の作品としてメガドライブミニに収録されたという程度が精一杯。さすがに発売予定だった年月日を正確に覚えてはいません。
その後も、「ひょっとすると、自分は今、異国語を聞いているのではないだろうか。」そんな風に思ってしまう時間が多発。正直、どの程度のマニアックさの問題が出題されているのか、そのレベルすらも判別できない状態でした。
そして、本作で出題されるSEGAクイズは、ゲームソフトに関するものだけではありません。中にはこのような、ほぼ芸能問題とも取れるようなクイズも出題されます。
セガ本社が羽田にあったことも知らないですし、ロケ地になっていたのも知らないですし、選択肢のテレビドラマも探偵物語以外知らないですし……
かなりの難易度であることには疑いの余地がない『パーティークイズ SEGA Q』ですが、出題されるクイズ全てがマニアックというわけではありません。上の画像のような、答えとなるゲームそのものを知らなかったとしても、問題文や選択肢から答えを導き出せるクイズも中には存在しています。
ちなみにですが、『マイケル・ジャクソンズムーンウォーカー』は、マイケル・ジャクソン本人が監修を担当した作品で、その美しいアクションと異色なゲームコンセプトから密かな人気がありメガドライブミニ2に収録されることが期待されていたソフトの1つでもあります。
推測でしかありませんが、権利関係が大変なのかもしれないですね。『マイケル・ジャクソンズムーンウォーカー』は、テレビ番組『トリビアの泉』で紹介されたこともあるのですが、私の記憶が確かならば、その時も権利関係の問題で、書籍化の際には収録されなかったはずです。
……すみません、完全に脇道に逸れてしまいましたが、話を戻したいと思います。
様々なクイズが出題される中でも特に驚いたのが、こちらの問題。まさかメガドライブを扱った『しくじり先生』の回をネタにして、番組内の1フレーズをクイズにしてくるとは夢にも思いませんでした。これはカルト問題もカルト問題なのではないでしょうか。
まぁ、このクイズについては、オードリー若林さんのワードセンスを考えたら “違法建築” 一択ですね。この問題は無事に正解することができました。
……これからの余生は、ゲームマニアではなくお笑いマニアとして過ごしていければと思います。
そして最終結果は、マイナス90点でボロッボロのボロ負け。このままではいけないと果敢に攻めた結果ではあるのですが、全く答えが分からず勘でボタンを押したクイズが多数あったことはまぎれもない事実です。
いやー、SEGA一社だけを題材にしてこれだけの数のクイズを作ることができるわけですから、ゲームの世界って本当に奥深いものなんですねー。
さて、まとめになっていないまとめを書いてお茶を濁さなければならないほど、私の成績は散々だったわけですが、このゲームはマニア同士で集まって一緒にプレイすれば大盛り上がりすること間違いなし。『パーティークイズ MEGA Q 2022』と同様、最大5人での対戦が可能です。
ただ、1人で黙々とプレイするとなると、よっぽどのマニアの方でない限り、ちょっと辛い気持ちになってしまうかもしれません。私は問題が分からなさ過ぎて寂しさと虚しさを味わいました。逆に、正解することが出来たときの嬉しさは半端じゃないんですけどね。
ちなみに、『パーティークイズ MEGA Q 2022』では、SEGA以外のゲームのクイズも出題されます。クラッシュが正解となるこちらの問題、誤答選択肢が非常に分かっている選択肢なのが個人的には嬉しいところ。クラッシュ・スパイロ・ラチェットは、海外生まれのアクションゲームの主人公たちで、クロノアは日本生まれのキャラクターですが、クラッシュと同じ獣人キャラという共通点がありますね。
そんなSEGA以外の会社のゲームクイズにも、割とマニアックな内容のものがちらほら。通常のクイズ番組では出題されないような問題ですが、『メガドライブミニ2』を買うような層に向けては出しても大丈夫だろうということなのでしょうか。
さて、続いてのゲームは『スペースハリアーⅡ』。
こちらのタイトルは、「もしメガドライブにスプライトの拡縮機能があったとしたら?」という発想から開発が進められた作品。なんでも、メガドライブの本体と同時に発売されたローンチタイトルである『スペースハリアーⅡ』を、新技術を駆使することで、よりアーケードゲーム風に仕上げたとのこと。
相も変わらずこの手の知識が乏しいので、説明文だけでは具体的に何がどう変わったのか全く理解できていません。
ですが、幸いにもメガドライブミニに、通常のメガドライブ版『スペースハリアーⅡ』が収録されていますので、ちょっと比較をしてみましょう。
こちらが、メガドライブミニの『スペースハリアーⅡ』で、
こちらがメガドライブミニ2の『スペースハリアーⅡ』。
……スコア表示などに多少の違いはあるものの、見た目からは違いがほぼ分かりませんね。先ほども似たような展開があったような気がしますが、今回の2作品の場合は、プレイ画面の滑らかさが明らかに違います。メガドライブミニ2の『スペースハリアーⅡ』は、メガドライブミニの『スペースハリアーⅡ』と比べて圧倒的に画面が見やすく、快適なプレイ感が提供されているのです。
もともとのメガドライブミニの『スペースハリアーⅡ』でも、非常に楽しめる名作でしたが、今回のリメイクとも言うべきメガドライブミニ2の『スペースハリアーⅡ』は、これまで以上に『スペースハリアーⅡ』というゲームの面白さが分かりやすく、ダイレクトに伝わってきます。
これもまた画像では全く伝わらない凄さ、映像の美しさがあるというのがやるせないところ。是非とも、実際にプレイをして爽快感を確かめていただきたい作品です。
さらに、メガドライブミニ2には、メガドライブでは忠実な移植が不可能だとされていた『スペースハリアー』も、新技術を活かして収録されています。
複数人でのプレイも楽しめる
さて、ここまでは1人プレイを楽しむことができるソフトをご紹介してきましたが、先ほども触れましたように『メガドライブミニ2』は、別売りのHUBと追加のコントローラを用意すれば、最大で5人まで対戦が可能となっています。
本ハードには複数人でプレイするゲームも豊富に揃っているので、今回は妹に協力をお願いして、対戦プレイをしてみることにしました。
まずは、妹にタイトルだけで選んでもらった『メガパネル』をプレイ。
本作は、同じ図柄のパネルを縦か横に3つ以上並べて消していくという、非常にシンプルなルールのパズルゲームですが、そのパネルの動かし方に特徴があります。各プレイヤーのプレイエリアには1つだけ黒い隙間が用意されており、この隙間に上下左右のどれかのパネルを移動させていきます。要は15パズルのようなシステムのゲームですね。……伝わらなかったらごめんなさい。
このゲームでは、一定時間が経過することによってプレイエリアの一番下にパネルが一列ずつ挿入されていき、パネルたちがせり上がります。パネルが挿入された時に、画面の上限を超えてしまうとゲームオーバー。
基本的には楽しいパズルゲームである本作ですが、若干の不満点も。
それは、ゲームオーバーギリギリの状態になっても音楽が全く変わらないということ。多くのパズルゲームでは、プレイヤーがピンチになると、BGMや効果音がこちらの不安を煽るものに変化し、プレイヤーのどちらかが危機的状況にあるということを教えてくれるのですが、本作の対戦ではBGMが一切変わらないため、ピンチになっていることに気が付かずにいつの間にか負けていたという事態がしばしば発生。「あっ」「えっ」と、こっぱずかしさと気まずさが流れる時間が何度もありました。
初めてプレイするパズルゲームは、どうしても視野が狭くなり周囲に目が向かなくなりがちなので、BGMが変わらないと焦燥感が生まれずに何の対策も施さないまま静かに負けてしまうとは、思わぬ落とし穴でした。普段何気なく遊んでいるパズルゲームにも、計算された工夫が色々とあり、システムとして洗練されているんだなぁとされているんだなぁと、思いもよらぬ形で本作は感動を与えてくれました。
他のパズルゲームにはない独特のシステムの本作ですが、そのシステムそのものは直感的にも分かりやすく取っつきやすいので、初心者同士でもすぐに楽しく対戦をすることができるゲームとなっています。
次に遊んだのは、私が選んだタイトル『イチダントアール』。本作は、様々なミニゲームが収録されているパーティーゲームで、メガドライブミニに収録されていた『タントアール』の続編となります。
今回はコンペモードを選択し、ゲームスタート。
このモードのルールはいたってシンプル。
ボード上に書かれたミニゲームで勝者を決め、勝者はルーレットを回して出た数字と同じ数だけボード上を進み、止まった場所に書かれたミニゲームで再び勝者を決める……つまり、ミニゲームとルーレットを繰り返して、ゴールであるお城を目指すゲームです。
収録されているミニゲームは、シンプルで分かりやすいルールで盛り上がるものが多いですね。シンプルであるがゆえに実力が出やすく、熱中度もかなり高め。
しかし、気楽にゲームを楽しむ我々の目の前に、とんでもないミニゲームが出現しました。それが、12匹の猿から同じ動きをしているペアを見つけていくというミニゲーム。6組のペアを相手よりも先に作ることが出来れば1点を獲得することが出来ますが、その途中で一度でも間違えてしまえばマイナス1点。ルールだけを見ると簡単そうですが、これが意外と難しく、しっかりと動きを見ていないとペアを間違えやすいため、集中力が必要です。
で、このミニゲーム最大の問題点が、この猿たちの動きが独特で、じっと見つめていると頭がおかしくなりそうになること。チャカポコとした奇妙な軽快さのあるBGMも、こちらを苦しめてきます。
私「ドラクエのふしぎなおどりってこういう感じなのかもね。」
妹「うるせぇ話しかけんな。」
などという会話が繰り広げられるも、そんなことはお構いなしに休憩も挟まずミニゲームは進行。次第にMP、つまるところ集中力が削がれてミスが増えていき、後半は「もう無理だって」「頭バグらせる気か」「何の拷問だよ」「いっそ殺せ」と、テレビ画面に向かって罵声が浴びせられ続けるという他人にはお見せできないような状況に。
「もうこれだけ差がついているんだからここは勝たせてくれ。さっさとコントローラを置くんだ」と提案するも、双方静かな負けず嫌いなのが質の悪いところ。お互い一歩も譲らず「お前がやめろ」「お前がコントローラ置け」と言い合いつつ猿の凝視を続行します。
長かった戦いよさらば!!
予想よりも遥かに長引いてしまった猿ゲームもようやく決着の時を迎え、無事に勝利をもぎ取ることが出来ました。少なくとも15分はプレイしていたであろうと思われる、長く苦しい戦いでした。実際のプレイ時間は、5分程度だったようですが。
「もうこのゲームは二度とやりたくない」などと憔悴しきった声で喋っていると、
私のキャラクターがお城に到着!
「いやー、これでやっとクリアだね。良いゲームだった」「次はどのゲームやる?」などと話していますと、
急にドラゴンとの戦闘が始まりました。
「聞いてねーよ!」「なんだこれは!」「もう終われよ!」などと、テレビ画面に向けられる罵声が復活。そういえば、王様がゲーム冒頭でドラゴン退治がどうのこうのって言っていたような気がしますね……。やはり、人の話はしっかりと聞いておかなくてはいけません。特にゲームの中では。
親切にもゲーム側が、“ドラゴンが放つ火の玉を打ち返せ!” とドラゴンの攻略法を教えてくれたのですが、少し独特なキャラクターの操作性を上手く掴めず、残念ながらドラゴンに傷一つ付けることすらできずに敗北。
「あの精神状態じゃ本領発揮できなくても仕方ないね」「ドラゴンは倒せなかったけど楽しかったねー」と話していると画面が切り替わり、そこにはすごすごとボード上を引き返していく、愛すべき我がキャラの姿が。
これはもしや、どちらかがドラゴンを倒すまで永久に終わらない……!?
驚きのあまり声が出なくなってしまった2人のプレイヤーを尻目にゲームは淡々と進行。まるで、先ほどのドラゴン退治など存在しなかったかのように、次のミニゲームが始まりました。
ここにきてようやく事実を受け入れた2人。堰を切ったようにギャアギャアと喚き散らします。やかましい兄妹ですね。
そして、どちらも「もう止めよう」とすら言わなくなり、引き下がる気配が一向にありません。もう止めたいと思っているのに負けを認める発言をしたくなくてゲームを続けてしまうなんて、厄介な兄妹ですね。
猿のふしぎなおどりの効果でMPが枯渇してしまったのか、前にプレイしたことのある簡単なミニゲームでもミスが連発。一つ一つのミニゲームのプレイ時間が少しずつのびてきました。
そんな中始まったのが、チキンレースのミニゲーム。コース上を走る車のブレーキをタイミングよく踏み込み、黄色いエリアのより先端で車を止めることが目的という超シンプルなルール。これも先ほどから何度かプレイしており、すぐに決着をつけられるような簡単なゲームです。
……どうやら、いつの間にか双方相当に疲弊していたご様子。どちらも黄色い線の中に止まれないという泥仕合が繰り広げられます。
どれほどギリギリで車を止めようと、貰えるポイントは勝者に対し1ポイントだけ。ボーナスポイントは一切ありません。そして、ミスをしてしまうと他のミニゲームと同様、全員仲良く平等にマイナス1ポイント。プレイヤーの得点がマイナス3ポイントよりも少なくなることは無いようですが、ゲームが長引くにしたがって、集中力が失われるだけでなく焦りも生まれ、さらにミスが加速。時々もらえる1ポイントもすぐにミスで失ってしまいます。
「1ポイントを獲得するのは大変なのに、1ポイントを失うのはこんなにも簡単なのか」
「……信用みたいだな」
「……あと金」
会話内容も殺伐としてきました。罵声を言う元気すら無くなってきたところで
「はい、もうやめ!終了!終わりだ終わり!」
両者ともにマイナス3ポイントになる状況が3度発生したところで、ドクターストップにより試合終了。
……ゲームこそ尻切れトンボで終わってしまいましたが、プレイが終わってからもしばらくの間、「あそこがキツかった」「あのゲームが面白かった」と、和気藹々と感想を語る事ができたというのは、本作がゲームとしてのパーティーゲームとしての魅力を確かに持っているからでしょう。
そして、『メガドライブミニ2』には、2人用のゲームとして『ふたりでぷよぷよSUN』が収録されています。こちらは、ぷよぷよシリーズ第三作『ぷよぷよSUN』から「ふたりでぷよぷよ」のみを取り出した作品。
2P対戦以外存在しないという、あまりにも尖りすぎているコンセプトからもお分かり頂けるかとは思いますが、こちらは『メガドライブミニ2』オリジナルの作品です。
2P対戦しかできないという制約こそありますが、落ちものパズルゲームの歴史に名を刻む名作のシリーズ作品ですから、プレイすれば大盛り上がり必至のタイトルでしょう。
おわりに
さて、ここまで時間をかけて色々なゲームを紹介してきましたが、実は『メガドライブミニ2』に収録されているタイトルの半分も紹介することができていません。
プレイすることのできるゲームタイトルの豊富さもさることながら、その他にも、壁紙を変更したり、プレイ画面の画質を当時のテレビを思い起こさせるブラウン管っぽくして楽しむことができるCRTフィルターを搭載するなど、『メガドライブミニ2』は、様々な形でプレイヤーを楽しませてくれます。
本ハードは、当時を知るクラシックゲームファンはもちろんのこと、これからクラシックゲームをやってみたいけれど、どれから手をつけていいか分からないという方にも入門編としてオススメできます。
価格は、税込みで10978円。そう聞くと高く感じるかもしれませんが、収録されているタイトルは、メガドライブで入手しようとすると1本で10000円を超えるものもザラにあるので、そのコストパフォーマンスは圧倒的。是非とも購入して長時間遊んでいただきたいハードとなっています。