みなさん、運動はしてますか?
筆者の「面倒くさいものランキング」第1位は圧倒的に「運動」です。なんなら立ち上がることすら面倒くさいじゃないですか。歩数計が1日100歩に満たないこともよくあります。
とはいえ筆者は「運動がいかに大切か」ということも身をもって実感しておりまして。
じつは1日10分程度の運動から始めたところ、信じられないくらい体調が改善しました。ぶっちゃけ1日10分の運動でもだいぶ面倒くさいのですが「体調」と「運動」を天秤にかけると「運動は面倒くさいけど体調のためなら仕方ないな」と思えるわけです。
そんな感じで運動を始めたのが2019年の秋のこと。気づいたら『Fit Boxing』のプレイ時間は393日で950時間ほどになっていました。
『Fit Boxing』シリーズのいいところは、その手軽さ。ジョイコンを持ったらすぐに始めることができます。
たとえば朝と夜に5分ずつプレイすると1日10分くらいの運動量になるので、筆者のように普段まったく運動をしていない人にとっては効果てきめん。特に冬の寒い時期なんかは軽く運動すると身体がほどよく温まり、仕事などの作業効率がめちゃくちゃに上がります。
ということで筆者は『Fit Boxing』および『Fit Boxing 2』を健康アイテムとして愛用してきたのですが、シリーズ最新作『Fit Boxing 北斗の拳 ~お前はもう痩せている~』(以下、『Fit Boxing 北斗の拳』)が12月22日に発売となりました。
『Fit Boxing』と『北斗の拳』が融合するなんて、だれが予想できたでしょうか。たしかに親和性は高そうではあるものの、実際のところどうなのか気になります。
そこで電ファミ編集部は、発売に先駆けて行われた体験イベント「世紀末身体(カラダ)創(づくり)伝説~序章~」に参加させていただきました。本稿ではイベントの様子に加えて、過去シリーズと最新作『Fit Boxing 北斗の拳』の違いについて紹介いたします。
文/柳本マリエ
「地獄のラオウスムージー」を飲んでみる
会場は吉祥寺の駅からほど近い「吉祥寺 ZENON SAKABA」という『北斗の拳』にゆかりのあるお店。店内に入ると『北斗の拳』の世界がありました。
食事については「軽くつまめるものが出るのかな」と思っていたら、まさかのビュッフェ形式。肉・魚・野菜・カレーなど、さまざまな種類の料理が並んでいました。
さらにドリンクの種類も豊富でした。特に後半が気になります。
・緑茶
・黒烏龍茶
・クラフトジンジャーエール
・100%オレンジジュース
・地獄のラオウスムージー(グリーンスムージー)
・ババァの水プロテインドリンク(グレープフルーツ味)
・シナモン香るチャイミルクティープロテインドリンク
筆者が1杯目にいただいたのは「シナモン香るチャイミルクティープロテインドリンク」。あまりのおいしさに「うっま!」と声が出ました。もう名前からおいしさが溢れているので納得です。
そして2杯目にいただいたのは「地獄のラオウスムージー」。照明の関係で色味が伝わりにくいかもしれませんが、緑色のどろっとした液体に赤い “なにか” が入っていました。
こちらはグリーンスムージーで、赤い “なにか” は「いちごの果肉」とのこと。正体がわかると急においしそうに見える不思議。実際に飲んでみたらめちゃくちゃおいしかったです。
過去シリーズにはなかった「バトルモード」が新しい
ひと通り食事もいただいたところで、体験会が始まりました。会場で体験できたのは、『Fit Boxing 北斗の拳』の「自由組手 フリー」と「ザコバトル」と「ボスバトル」という3つのモード。
「自由組手 フリー」は従来のシリーズと同様に、『北斗の拳』の主人公であるケンシロウやその宿敵達が「師匠(インストラクター)」となりプレイヤーを指導してくれるもの。ケンシロウが真面目に「ワン ツー」などリズムを取ってくれる時点で笑ってしまいます。
なんといっても『Fit Boxing 北斗の拳』の最大の特徴は、過去シリーズにはなかった「バトルモード」。長く続けているとどうしても単調になりやすいエクササイズに対して「ザコやボスを倒す」という目標があるとモチベーションが変わってきます。
また、『北斗の拳』らしく「北斗百裂拳」などの必殺技が使えるところは、おもしろさとエクササイズが見事に融合している部分ではないでしょうか。
「北斗百裂拳」でパンチを連打させるところは『北斗の拳』だからこそ。ただパンチを要求されるだけだとそこに動機がないのでなかなかやる気が起きなかったりするのですが、「百裂拳を打つ」ならちょっとおもしろくてつい打ちたくなってしまいます。
これまで『Fit Boxing』は運動不足解消のためにやってきましたが、初めて「ゲームとしてやってみたい」と思いました。自分に対しての「メリットのため」ではなく「興味」が勝ります。
『Fit Boxing』らしさと『北斗の拳』らしさをどのように融合させるか
会場では『Fit Boxing 北斗の拳』のおすすめポイントなど、イマジニア株式会社の家庭用ゲーム責任者である萱沼恒三氏へのインタビューも行われました。
──『Fit Boxing 北斗の拳』発売の経緯を教えてください。
萱沼氏:
イマジニアがもともとコアミックスさんと「マンガほっと」というアプリを共同運営していまして、その打ち合わせのあとに『Fit Boxing』の話が出たんです。そういうきっかけではあったんですけど、最終的には「百裂拳を打ちたい」という声が大きくなりました(笑)。
──開発で苦労されたところはありますか?
萱沼氏:
『北斗の拳』というすごく大きいコンテンツの中で、「『Fit Boxing』らしさと『北斗の拳』らしさをどのように融合させるか」という点に苦労しました。たくさんの方の期待に応えたいと思い、結果的にすごくいい作品になったと思います。
──ここだけで言える裏話はありますか?
萱沼氏:
ゲームはすごく長い時間をかけて作るんですが、今回は『Fit Boxing』という元があったのでゴールは見えていました。ただ、「どのキャラクターを出すか」という問題がありまして……。
我々はサラリーマンなので「このキャラクターでいきます」と承認を得ないといけないんですけど、それを選ぶ方々が『北斗の拳』をよくご存知で、さまざまなご意見をいただきました(笑)。愛されている作品なんだと感じた瞬間です。
──『Fit Boxing 北斗の拳』のおすすめポイントを教えてください。
萱沼氏:
「『北斗の拳』のキャラクターを倒したい」という要望にお応えし、今回は「バトルモード」があります。しかしこれは同時に『Fit Boxing』からの要望も拾うこととなりました。じつは「最初からコンボをやりたい」という声が多かったんです。開始すぐにバトルモードでコンボを打てるようになったことはおすすめポイントのひとつとなりました。
もうひとつは『北斗の拳』のキャラクターがインストラクターとしてしゃべるんです。ボイスの量が多い。ラオウとかがめちゃくちゃ優しく叱咤激励してくれるので、原作とのギャップを味わっていただけると思います。慣れないと笑ってしまうかもしれないですけど(笑)。キャラクターの新しい魅力ではないかと思っています。
「キングオブコント」ファイナリストのゾフィーによる『北斗の拳』コント
さらに、「キングオブコント」ファイナリストのゾフィーも登場しました。コント「プロ野球選手と病気の少年」がお披露目。「てめえらの血は何色だ」や「あべし」などの『北斗の拳』ワードに会場が湧きました。
また、体験会での高得点者にゾフィーのサイン色紙が渡されるシーンも。100ポイントという高得点を出した女性に『Fit Boxing』で高得点を出すコツを聞いてみたところ「日々の継続」とおっしゃっていました。過去シリーズもプレイ済みとのこと。
そのほか、オリジナルグッズがもらえる催しやガチャガチャなどもあり、3時間近くにおよぶ体験会は幕を閉じました。
正直なところ、『Fit Boxing』と『北斗の拳』のコラボを最初に知ったときはネタ的なタイトルかと思っていたんです。あまりに異色すぎて。
しかしながら『北斗の拳』は『Fit Boxing』との親和性が高く、また、原作のイメージとのギャップもおもしろいので過去シリーズを持っていても新たに「ほしい」と思えるタイトルでした。
運動は面倒くさいですが、運動不足な人ほど5分でも10分でもやると変化が出やすいと思うので、この機会に始めてみてはいかがでしょうか。
『Fit Boxing 北斗の拳』は12月22日からNintendo Switchにて発売中。