『鉄拳8』のクローズドネットワークテスト(CNT)のWEEK1が7月21日から7月24日にかけて開催され、WEEK2が7月28日から7月31日まで開催されている。
『鉄拳』シリーズ1作目の稼働は1994年から開始され、すでに30年近くの歴史を持った言わずと知れた人気作。シリーズ累計5400万本以上の世界販売本数を誇り、多くのファンが期待を寄せる最新作の発売がいよいよ目の前に迫っています。
この記事を担当する私は『ストリートファイター』『ギルティギア』シリーズなどの2D格闘ゲームをメインにプレイしており、『鉄拳7』に限ってはほんの少しだけ触ったことのある3D格闘ゲームの初心者です。
そのため、細かいところまで語ることはできませんが、この作品を触った時の「楽しそう感」がすさまじかったことをまず最初に伝えたいです。「早くて重い!」ということが、いかに格闘ゲームにおいて正義なのか。これこそが殴り合いの楽しさであり、”鉄”の”拳”と書いて「鉄拳」であることを肌で感じることができました。
なお、今回のCNTで使用したコントローラーはPS5純正のDualSense。アケコンを買うのはハードルが高いなと思っている方に、どれだけ純正コントローラーでプレイできるかがお見せできれば幸いです。
美しすぎるグラフィック
今回開催されたCNTの概要について。使用できるキャラクターは仁、一八、準、ポール、ロウ、キング、ラース、ジャック8、シャオユウ、ニーナ、リロイ、リリ、飛鳥、ファラン、ブライアン、クラウディオの16キャラクター。バトルステージはUrban Square (Evening)、Yakushima、Rebel Hangar、Sanctum、Arenaの5ステージ。
個性豊かなキャラクターが勢ぞろいなのはもちろんのこと、『鉄拳』シリーズといえばステージギミックが非常に特徴的なことで知られています。代表的なものは「WALL BREAK」で、他にも「HARD WALL BREAK」、「WALL BLAST」、「BALCONY BREAK」といったギミックが存在します。
そして、ゲームを起動した瞬間に一気にプレイヤーを引き込むのが、美しいグラフィックです。『鉄拳7』の時点で十分すぎるくらいに美しかったのですが、今作はパッと観るだけでわかるほどに前作と比べても高精細。関節の動きや肌の質感、筋肉の盛り上がりから衣装のカッコよさまで全てが最新作としての威厳を発揮しています。
重い打撃なのに、キビキビとしていて気持ちがよい
まず、キャラクターを動かして思ったことは「非常に動きがキビキビしている」ということです。今まで公開されていたトレイラーやキャラクター紹介映像だけでは、キックパンチの動きが重厚で若干もっさりとしている印象を受けましたが、その重厚さをしっかりと保ちながらキビキビと操作ができるので非常に爽快でした。
コンボに関しても先行入力がかなり効くため、タイミングがシビアな場合やコンボの締めに関しては連打していてもコンボが成立します。『鉄拳』シリーズのイメージは技がめちゃくちゃ多く、空中に浮かして壁に近づいたらコンボを変えないといけないなど大変なイメージがありましたが、全然そんなこと気にしなくても楽しいのが初心者としては嬉しいポイントですね。
そもそもコンボをつなげて大ダメージを出す以前に、自分が繰り出した攻撃の一発一発が対戦相手に当たることが楽しくて、プリミティブな対戦ゲームとしての楽しさが詰まっていました。
『鉄拳』シリーズは技が多いことが参入の壁だと個人的に思っていましたが、公式が用意しているコンボや主力技だけをとりあえず練習すれば十分に深い読み合いを展開できるので、はじめのうちはあまり細かいことは気にしなくてもよさそうです。
コンボは長くなれば長くなるほど複雑な操作を要求されて練習が必要になってきますが、本作ではコンボ練習の画面に入るとボタンを押すタイミングで音が鳴ってくれるため、リズムに乗ってコンボをつなぐことができるので練習も比較的楽です。
技の硬直などを把握することは非常に難しいですが、音を聞いてタイミングさえ分かってしまえば初心者でも簡単にコンボをつなげることができるので、非常に良いシステムだと言えます。
また、細かいことですが対戦に関する「ゲームオプション設定」もなかなか気の利いた仕様でした。コントローラー振動設定のオンオフはもちろん、クロスプレイのオンオフも選択が可能です。
ロールバック設定に関してはより絵飛びを軽減する「グラフィック優先」と、より入力レスポンスを優先する「レスポンス設定」を変更できるため、ラグが気になる方はここら辺の設定を変えていけばいいかもしれません。ちなみに、筆者がオンライン対戦をしているうちは一切ラグは気にならなかったので、どうしても上手く動作しないという方は設定の変更を試してみるのもいいかもしれません。
新要素「ヒートシステム」がお手軽最強攻め手段
もともと、1ラウンド1試合の時間が短くゲームスピードが早い印象のある『鉄拳』シリーズですが、今作は独自の新システム「ヒートシステム」によってそれが加速している印象を受けました。
ヒートは発動すると様々な効果が得られ、アグレッシブに攻めるチャンスとなるシステムとなっていて、1ラウンドに1回だけ発動可能となっています。
ヒートの発動の方法は2種類あり、ひとつは「ヒートバースト」といった「R1」を押すことによって発動できるもの、もうひとつは「ヒート発動技」といったキャラクターごとに用意された特定の技を使用することによって発動します。そして、「ヒートバースト」はガードとヒットを問わずに自分が有利な状況で攻めを継続できるため、おもむろに発動してもオッケーです。
「ヒート状態」になると「ヒートダッシュ」といった強力な接近技を使うことができるので、とにかく相手に近づくことができなくて困ったら「ヒートダッシュ」でガンガン相手に触りに行って択を仕掛けていくとよいかもしれません。密着まで持ち込んだら、格闘ゲームの醍醐味である“読み合い”が生まれていきます。
ほかにも、「ヒート状態」中は攻撃をガードされても回復可能ゲージとしてダメージを与えることができたり、特定の技がキャラクターの個性や特徴に応じて大幅に強化されるため、とにかく攻めに特化したシステムだと言えるでしょう。
もうひとつ重要なシステムは、体力が一定値以下になると「レイジ状態」となり攻撃力がアップする「レイジシステム」。
「レイジ状態」になると、全ての技の攻撃力が上がり、削りダメージも受けづらくなります。さらに、「レイジアーツ」といったダメージが高いうえに相手の攻撃を受け止めつつ繰り出すことのできる、逆転の必殺技のようなものも発動することができます。
これらの対戦序盤に使用できる強力な技「ヒートシステム」、対戦終盤で使用できる「レイジシステム」が1分弱程度の1ラウンド内に目まぐるしく展開していくのが『鉄拳8』の特徴なのです。
初心者必見の「スペシャルスタイル」
さらに本作には、各キャラクターの技やコンボを簡単な操作で発動することのできる「スペシャルスタイル」といった操作方法が導入されています。この操作は「L1」ボタンを押すことによって対戦中にも切り替えることができる優れモノ。
各攻撃ボタンにそのキャラクターのおすすめ技とコンボが搭載されており、ヒート状態やレイジ状態になると、割り当てられるボタンがその状態に応じたアクションへ変化し、対戦をアシストしていきます。
格闘ゲームを全くやったことのない方は、これを使ってコンボをすればいい感じに対戦している感が出るし、確定反撃などの反応が遅れてしまう方はこれを使えば簡単に確定反撃をとることができるかもしれません。
ただし、出せる技が非常に限られてしまうのが難点。攻撃がかなり単調になってしまうため、試合中に切り替えながら使うか、この機能のブラッシュアップを待つのが吉かもしれません。
3D格闘ゲーム初心者の私でも、『鉄拳』らしい面白さを感じることができた上に、すさまじいやりこみへの期待度が高まる本作。なにより美しいグラフィックと、気持ちよすぎる操作感が新たなファンを引き込んでいく可能性を秘めています。
PS5だけではなく、XBOX SERIESとSteamでも楽しむことができるWEEK2の開催が7月28日から31日となっているのでお忘れなく。