みなさん、一狩りやってますか???
私は最近サボり気味……でも今回参加した『モンスターハンターオーケストラコンサート 〜狩猟⾳楽祭2023〜』で、久々にハンター魂が奮い立たされました。いやなんかもう……、セトリが殺しに来てるんだよな……。
事前に公開されていたセットリストの一部だけでも、ハンター魂をそそらせる曲ばかり……!『モンスターハンターライズ:サンブレイク』(以下、サンブレイク)中心と言いつつも、過去作から登場したモンスターの楽曲も余すことなく収録されていてお得すぎる……!
当時の楽曲をアレンジしているところも旧来ファン的には嬉しいポイントで、拡張コンテンツを含まない『モンスターハンター ライズ』までしか遊んでいない筆者でも、『サンブレイク』での復活モンスターの楽曲を楽しむことが出来ました。
事前に公開されていたセットリスト
・妖艶なる舞/タマミツネ
・悪逆無道/マガイマガド
・銀翼の凶星/バルファルク
・終わりなき迷路/樹海:Sunbreak ver.
・朱に染むる夜宴/メル・ゼナ
・深淵から迫る絶望/ガイアデルム
・閃烈なる蒼光/ジンオウガ
・壮麗纏いし銀盤の貴人/イヴェルカーナ
・大風に羽衣の舞う 〜 嵐の中に燃える命
・百⻯ノ淵源
など
今回はオンラインでの参戦となりましたが、実際に現地で聞いてみたい!と思わせる魅力の詰まったコンサートとなっていたので余すことなくご紹介できればと思います!
文/Squ
オーケストラなのに「和」?ゲームイメージを損なわない不思議な空間が家中に広がる!
『モンスターハンター ライズ』(以下、『ライズ』)でずっとずっと聞き続けたメインテーマ「カムラ祓え歌」でコンサートがスタート。ここから「妖艶なる舞/タマミツネ」や「悪逆無道/マガイマガド」といった“和”を基調とした狩猟曲が続々と演奏されていきます。
三味線や尺八、琵琶といった普段のオーケストラコンサートではあまり見ることのない楽器が続々と登場。『ライズ』は『モンスターハンター 3』以来に本格的に遊んだ『モンスターハンター』シリーズだったこともあり、鮮明に記憶がよみがえってきました。導入として完璧すぎた……。
『モンスターハンター クロス』で初登場した海竜種モンスター「タマミツネ」は、個人的に好きなモンスターの一体ということもあり、もうなんだろう……言葉にできない。
「妖艶なる舞/タマミツネ」の演奏が終わると、『モンスターハンター』シリーズのプロデューサーを務める辻本 良三氏が登場。
数曲に1回のペースでトークが挟まるのは、現代的なオケコンという印象を受けますね。登壇中には「今回が初めてのオーケストラコンサート」というお客さんに挙手を求める場面もありましたが、配信で確認できる限りでも相当数いる様子。最近はゲームもオーケストラへの導線になるんだなぁと驚きました。
そして「悪逆無道/マガイマガド」では琵琶のソロから楽曲がスタート……、オケコンで琵琶のソロってなんだよ!?
マガイマガド戦の狩猟曲は、モンハンっぽいけどモンハンっぽくない独特な雰囲気が特徴的です。今回の公演ではさらに木管楽器が追加されたアレンジになっているとのことで、より笛の音が強調されているように感じました。
めちゃくちゃカッコいいのはいいのですが、体験版でボコボコにやられまくった記憶まで蘇りました……、とはいえ「この曲で実際にマガイマガドと戦えたらめちゃくちゃエモくね?」と思わせる神アレンジでした。
14年越しのメインシリーズ登場で話題となった“あのモンスター”の楽曲も
今回の『狩猟音楽祭 2023』ではいくつかの楽曲が新譜として披露されました。その中でも別格の異質さを放つ狩猟曲が、『モンスターハンター フロンティア オンライン』(以下、『フロンティア』)に登場する「エスピナス」専用曲としてアレンジされた「終わりなき迷路/樹海︓Sunbreak ver.」です。
2019年に同作がサービス終了していたことや、ゲーム性・ゲームエンジンの違いなどから参戦が難しいと考えられていたとのこと。しかしエスピナスの『サンブレイク』参戦は当時の『フロンティア』ユーザーのなかで大分話題になっていた様子。
もともと、エスピナスが登場する樹海エリアの汎用BGMだったらしいのですが、『フロンティア』ユーザーさんたちの中にはこのモンスターを思い出す方も少なくないとのこと。
フルオーケストラということもあり、実際にゲーム内で使用されている民族音楽のような雰囲気をもつバージョンとは大分異なった印象を受けました。
筆者自身『フロンティア』をきちんと遊んだことはなかったものの、発表当時は知らないモンスターがまだまだいることに興奮したことを覚えています。これ、『Monster Hunter Online』も救いあったりしますかね……?
「和」の次は「エレキギター」!?休憩明けからぶっ飛ばすぜ!
今回の公演では一度休憩のタイミングがあったのですが、休憩明け一発目は「閃烈なる蒼光/ジンオウガ」。休憩明けそれ!?飛ばし過ぎ……!
「カムラ祓え歌」をオープニングとして捉えると1幕目と2幕目のスタートが「タマミツネ」「ジンオウガ」になってるのなんかめっちゃいいな……。
和のイメージが強かった1幕目序盤と打って変わって、今度はジンオウガの電撃を彷彿とさせるエレキバリバリな楽曲に仕上がっていました。でも『ライズ』仕様らしく三味線と尺八もいる……、欲張りセット!?
ジンオウガさんは素でカッコイイんですけど、やっぱり夜フィールドで水色の電光が走るのがもっとカッコいい……!大好きすぎて、一生周回していましたね。一番長く遊んでいたのが『モンスターハンターポータブル 3rd』(以下、『3rd』)だったこともあり、印象に残っているモンスターの一体でもあります。
脳裏によみがえる凶暴なジンオウガを体現するかのような鋭い尺八の音色、そして大迫力の管楽器。最後の盛り上がり前にはエレキギターのソロパート。おなかいっぱいだよぉ……。
ギターソロの途中で尺八がメロディーラインを奪ったり、まるで縄張り争いを繰り広げるかのような光景に固唾をのみました。
演奏終了後には再び辻本氏らが再登壇。ジンオウガが人気なのは間違いないモノの、実際のところどのモンスターが一番人気かよくわかっていないようで、「20周年の節目を迎える2024年のタイミングで人気投票をやってみたい」とのこと。
確かにモンハンで総選挙に類するものをやっているのは今までにみたことがないので、個人的にも気になります。
ありがとう……ありがとう……。
やはり、一番苦労したモンスターの曲が流れると、ウルッと来てしまうのは人間の性なのでしょうか。中学校の帰りに駅ビルで友人たちに助けられながら『3rd』を遊んでいたわけですが、あれから大分経っちゃいました。
あの友人たちが今何をしているのかはわかりませんし、明らかに思い出補正がかかっているかと思いますが、それでも「アマツマガツチ」を倒せた時の喜びを超えるものはなかなかありません。
霊峰に現れた、あの神々しい姿。今思うと、なにに苦労してたのかまったく思い出せませんが、あの時散々聞いていた曲というのは、いつになっても忘れないものです。
フルオーケストラになって、より神々しさが増したような気もするアマツマガツチ戦BGM。『サンブレイク』でも登場するようなのですが、もうそそられちゃいますね……!10何年前の曲ってホント?
もはや『モンスターハンター老人会』
思い出に浸りながら曲を聴いているとあっという間に終盤へ突入。すると「本日のコンサートは次の曲でプログラム“上は”最後」なんていう司会の方の唐突なブッこみが……。辻本氏も多少驚いている様子。つまり、一曲だけではない!?
でも、締めは「百⻯ノ淵源」……。ほうほう、ボーカル付きね。なるほど。でも、これを超えられるものって言ったら、やっぱり「英雄の証」をやってバーンと盛り上げてクライマックスなのかな。そう思ってた時期が私にもありました。だって今まで流れてないんだもの、ふつうそう思うでしょう?
想像をいい意味で裏切られました、本当に。いや、これはズルい。散々「『ライズ』と『サンブレイク』中心に構成してますよ~~~」って前置きしてたのに、前置きしてたのに!!!
「⽣命ある者へ」いきなり流すとかありえます???
もうなんか、涙腺がどっかいきました。旅に出ました。『サンブレイク』まだ遊べてないから知らない曲多いなぁ……、って遊んでないことを後悔してたんですけど、もうなんか「何?」みたいな感じで。
気づいたら終わってるし、栗田さん(指揮者)どっかいっちゃうし。戻ってきたと思ったら「大敵への挑戦」……シェンガオレンさん!?!?!?
『モンスターハンター3』ときて、『モンスターハンター2』のメインテーマまで来たよ、なるほどねパターン読めてきたヨ!ここで「英雄の証」を演奏するんだネ。聞いたことのあるイントロきたネ、これはもう勝利確定演出だヨ。
……と頷いていたら、曲目が「Monster Hunter」なことが判明。この流れで曲名がタイトルなのは一番やっちゃいけないやつだって、ダメだって!!!配信中の解説によれば、2009年に初めて開催された狩猟音楽祭でも披露された「英雄の証」を主軸に構成された楽曲とのこと。
メインフレーズまでの焦らしがめちゃくちゃ長い分、あのメロディラインが聞けたときの気持ちよさが半端ない……、まさにオオトリを飾るに相応しいといっても過言ではない、強烈な衝撃が響き渡ったのです。
致命傷で済んだ(?)
20周年を1年勘違いしてないか???こんなに飛ばしてて大丈夫なのかこのゲーム???とりあえず理解したのは、わけわからないくらい濃厚で濃密で意味のわからない最高の2時間だったということ……。
正直に言って、久々に触れたモンハンコンテンツがこのオケコンで本当に良かったと思います。最近はお仕事でゲームを遊ぶこともそれなりに増え、必然的に趣味で遊ぶゲームというものが減ってきていました。仕事と趣味の両立ってムズカシイ(もっとも積みゲーは腐るほどある)。
そんななか今回のオケコンを通じて純粋に『モンハン』を遊んでいたことの思い出が呼び起こされ、活を入れられたというか、なんというか。
ただ、筆者は最近、以前『モンスターハンター:ワールド』ともコラボした某MMOで光の戦士になってしまったので『モンハン』を遊ぶ時間なんてマジでないはずなんです。ただ、なんか気づいたら買ってました……。あの最後の応酬はヨクナイッテー。
当分筆者は友人とロックラックかエオル〇アにいると思うので、もし見かけた際は優しくしていただけると助かります、ハイ。
そしてなんと、今回筆者が視聴させていただいた公演は、2023年9月3日までアーカイブ視聴が可能とのこと。エモさを存分に味わえる最高の2時間となっているので、ご興味のある方は是非体験してみてください。