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「東京ゲームショウ VR」を一足先に体験してみた。スマホでも参加できる手軽さで、「仮想空間の入門編」としてピッタリかも?

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 子どものころからゲームに没頭してきた筆者にとって、「E3」「gamescom」、そして「東京ゲームショウ」といったいわゆる“ゲームの展示会”はとてつもなく大きな存在でした。 

 とくに「東京ゲームショウ」は、関東圏内で開催されています。なので、ゲームが好きで日本に住んでいるのであれば、これだけ行きやすい巨大ゲームイベントに行かない手はないのです。……が、開催場所は千葉県。関東からのアクセスはよくとも、参加できない人が多く存在するのも事実です。

 海外開催であれば、しょうがないか~で済みますが、なんかちょっと悔しい……。という方向けのコンテンツが今回ご紹介する「東京ゲームショウ VR」(以下、TGS VR)です。

「東京ゲームショウ VR 2023」レポート:「仮想空間の入門編」としてピッタリかも?_001

 初開催は2021年。COVID-19が猛威を振るう中、「ゲームショウ自体がゲームになる」をコンセプトに初のオンライン展示を行う会場として展開された施策となっていました。

 母体である「東京ゲームショウ」では、今回から感染対策などの制限が大きく撤廃されることとなりますが、オンライン会場を用いた展示は継続。「TGS VR」はフェードアウトすることなく、さらに大きく進化を遂げているようです。

 今回、実際の開催に先駆けて「TGS VR」を体験する機会をいただきましたので、普段VRゲームやオンラインゲームに触れているプレイヤーとして「TGS VR」の魅力を掘り下げていきたいと思います。

文/Squ

舞台は“ゲームが生まれる不思議な世界”

 前述のとおり、「TGS VR」は「ゲームショウ自体がゲームになる」をコンセプトに展開されている施策です。

 今回の舞台は、“ゲームが生まれる世界”に存在する浮遊島「ゲームアイランド」。プレイヤーは空中を進む船で島へと向かうことになりますが、お話ししている裏でダウンロードが進行中。話が終わるころにはダウンロードも完了しており、すぐに島へと足を踏み入れることが可能となっています。

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オープニングシーンの様子(※開発中の画面です)

 出展社・協賛社スペースは、複数の天空に浮かぶ島々で構成されており、我々はゲームの世界を旅しながら各ブースに立ち寄ることに。

 中央に、国の象徴「ゲームツリー」がそびえる「コア空間」を軸に、各社のブースが岩山や森林、砂漠・オアシスといった形相の異なるエリアに並びます。

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TGS VR2023」は仮想空間の入門編としてピッタリ

 いちおう人並みにVRSNSに触れてきた筆者としては、実際に体験する前にいくつか気になるポイントがありました。VRというプラットフォームは「酔い」「長時間遊びにくい」といった諸問題をかなり抱えているのです。

 各社それぞれの改善策を打ち出してきていたり、ここ数年で普及率が大きく変わってきていることは事実ですが、気軽に人に勧められるか?と言われると個人的にはまだ少し怪しいところ。ただ「TGS VR」は確実に違いました

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 対応プラットフォームはWindows PCによる平面でのプレイのほか、各種VRデバイスを利用できます。そして、今回からスマートフォンにも対応。腰を据えずにさらに気楽に参加することが可能になりました。

 ただ、対応プラットフォームが増えると、必要になるのは十分な最適化です。TGS VRは、1つのチャンネル(部屋のようなもの)に対して最大50人のユーザーが参加可能な仕様となっているとのこと。
 ……ですが、そうなんです。すでにVRSNSを遊んだことのある読者のなかには疑問符が浮かぶ方もいることでしょう。本当にそんなこと出来るの?と。

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※開発中の画面です

 体験会で使用されていたPCはそれなりのスペックのマシンが用意されていたように感じますが、お話をうかがった限りでは、MetaQuest 2単体でプレイしていても50人同時接続時の負荷はそこまで高くないようです。
 あまり負荷がかからないというポイントはVR酔いを軽減するうえでかなり重要な要素となりますが、個人的にはスマホでまともにプレイできるのかどうかという点も気になっていたので、正直驚きました。

 TGS VRは、株式会社ambrが開発する独自基盤技術“xambr(クロスアンバー)”を利用しています。広く普及しているプラットフォームはいくつかあるものの、どれも自由度が高いことからユーザーが制作したコンテンツによる負荷上昇が大きい傾向にあります。そのため、開催側で独自の基盤を用意しているという部分は大きな強みとなっているはずです。

 国内でもかなり普及しているMetaQuest 2はAndroidベースのVRヘッドセットとなっており、中身はスマホのようなもの。そう考えてみると、最近のスマートフォン端末であれば十分に動くと推察されます。
 スマートフォン版はVRでのプレイに対応しておらず、よくあるスマホゲームのような操作性になっているとのことなので、最近のゲームをプレイしているユーザーにとっては慣れ親しんだプレイ感覚になっているはずです。

「ゲームショウ自体がゲームになる」ってどういうこと?「TGS VR」はまさに“遊べる展示会”

 先ほどから「ゲームショウ自体がゲームになる」というコンセプトがかなり大きく出ていますよね。この「TGS VR」では、展示会を歩き回るという行為そのものがゲームシステムとして取り込まれているんです。

 “動画視聴”や“写真撮影”といった行動がクエストのクリアにつながり、参加企業ゆかりのアバターを獲得出来たりストーリーが進行していきます。
 これは昨年の「TGS VR」にも搭載されていたシステムで、世界中のユーザーから好評を博していたとのこと。

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 なかには2時間から3時間でクリアしてしまうユーザーもいたとのことで、リアル会場でRTA企画が開催される「東京ゲームショウ2023」と一緒に楽しんでみるのもありかもしれません。

 一般参加者からしてみれば、展示会の大きな醍醐味といえば「新作ゲームが発売前に試遊できる」という点。
 ただ、オンライン開催という都合上、そういった取り組みを「TGS VR」上で実現することはかなり難しいはず。ならそこで差異をつければいいじゃない!という発想につなげられている点はかなり好印象でした。

没入感を高めてくれそうな秘策がありそう?

 そのほかに、「いいな」と思ったところがあるとすれば“目線の低さ”です。TGS VRで採用されているアバターは身長が約140cm程度となっており、全てのモノを大きく感じることができるのです。

 今回の体験会では大きさを体感できるものがそこまで多くなかったのですが、実際にブースが設置されるとゲームキャラクターたちがそれなりのサイズ感でお出迎えしてくれるとのこと。岩山エリアの巨大ゴーレム像でさえも大きく感じるので、これと同程度かそれ以上のサイズで設置されることを考えると開催前からワクワクしてきます。

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岩山エリアに鎮座する巨大ゴーレム像(※開発中の画面です)

 過去のTGS VRでは、『デス・ストランディング』のサムの部屋や『アイドルマスター スターリットシーズン』に登場する765プロをはじめとした「ゲーム世界の再現」も実施されています。
 現時点では具体的にどのようなブースが設置されるのかわからないものの、これは明確に没入感を高めてくれる要素になりそうです。

まとめ

 ここまで「東京ゲームショウ VR」についてご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。9月21日から開催される「東京ゲームショウ 2023」とあわせて開催される本施策。

 名称にVRとはついているものの、PCのみ、スマートフォンのみといった環境でもプレイできるので、VRを持っていなくても仮想世界に触れられるいいチャンスとなっています。ひとりでの参加だけでなく、知り合い同士での参加も可能。仲間うちで予定をすり合わせて展示を見て回るのもいいかもしれません。

 開催期間は2023年9月21日(木)午前10時から2022年10月1日(日)午前0時まで、対応プラットフォームはPC(Windows)、iOS・Android、Meta Quest 2(App Lab / Link機能)、Oculus Rift・Rift S、HTC Vive・ Vive Proシリーズ、Valve Index。参加には事前にアプリのダウンロードが必要なので、あらかじめ準備しておくといいでしょう。

ライター
最近ゲーム業界にサメ映画ブームが来ている気が・・・え? 『スター・ウォーズ』のゲームが出すぎて手が回らない毎日。1日36時間欲しい。

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