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世界に3本しかない超貴重な実物版『ファミコレADV シュタインズ・ゲート』がお披露目! 秋葉原ラジオ会館で『シュタゲ』15年目に向けての布石が打たれた

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 今年の10月15日で14周年を迎えた、MAGES.の想定科学ADV『シュタインズ・ゲート』(以下、『シュタゲ』)。本作の聖地ともいえる東京・秋葉原の秋葉原ラジオ会館とのコラボが9月23日から10月20日まで開催中だ。イベント期間中は、館内で1000円以上の買い物をした人にオリジナルステッカーがプレゼントされるほか、ビジュアルパネルも設置されている。

 そうした中、特に力を入れて行われたのが10月13日から15日までの3日間。こちらでは、秋葉原ラジオ会館10Fのイベントスペースでゲームの原画やパネルなど貴重な資料が展示されていたほか、グッズの販売も行われていた。また、同じく秋葉原ラジオ会館1Fのエントランスでも特別なキッチンカーが登場し、イベントを盛り上げていた。

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 『シュタゲ』は2009年10月15日にXBox360版で発売され、タイムリープを繰り返していきながら物語の始まりと結末が見事に結びついていくというシナリオの完璧さに、SFファンならず多くの人が感銘を受けた作品なのではないだろうか。

 また、登場するキャラクターたちも個性的で、作品の魅力を大きく押し上げているところも『シュタゲ』シリーズの特徴だ。その後様々な機種に移植されていったほか、続編やスピンオフ作品の発売、アニメ化などもあり、日本のみならず海外でもファンを獲得し続けているといった状況だ。

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キッチンカーに貼られていた、XBox360版『シュタゲ』のポスター。

 今回は、特別な展示が行われていたイベント最終日である10月15日に取材を行っている。当日はあいにくの雨模様で、当初予定されていたいとうかなこさんのスペシャルライブも直前に中止になってしまうというハプニングはあったものの、それでも多くのファンが会場に足を運んでいた。本稿では、その模様をレポートしていく。

文/高島おしゃむ


ファンなら1度は味わってみたい「ジューシーからあげ」と「ドクペ」が無料配布

 秋葉原ラジオ会館の1Fエントランスで行われていたのが、キッチンカーによる飲食の無料配布だ。『シュタゲ』といえば、主人公の岡部倫太郎がこよなく愛する飲み物「ドクターペッパー」が有名だが、それに加えて椎名まゆりが作中で食べている「ジューシーからあげ」をセットで、先着500名に無料配布していた。

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 しかし、取材開始となる14時の時点ですでに無料配布の整理券はすでに配布終了。実際に整理券を手に入れた人がこのセットをもらうための列もできあがっており、なかなかの盛況っぷりとなっていた。

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 キッチンカーは16時ぐらいまで稼働していたのだが、終了後に「ジューシーからあげ」を試食させてもらうことができた。作中でも語られているように、まさに外は少しカリッとした感じになっており、中身の肉は柔らかめでジューシー。それでありながら、よくある冷凍食品のような味わいとは大きく異なり、かなり本格派で美味しく頂くことができた。

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 この「ジューシーからあげ」自体はカップに入れられていたのだが、そこにも今回のイベント名である「オペレーション グラズヘイム」の文字とオカリンのイラストが描かれたシールが貼られていた。もうひとつの「ドクターペッパー」も、コカ・コーラ ボトラーズジャパンから提供を受けており、大きなパネルが設置されているなど、宣伝効果も高かったのではないかと思われる。

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 キッチンカーの稼働終了後に登場したのが、岡部倫太郎の顔抜き看板「だれでもオカリン」だ。これを設置する少し前から人がだんだんと集まりだし、今か今かと待ち構えている様子であった。

 ちなみにこの顔抜き看板では、スタッフがスマホを借りて代わりに記念撮影をするといったシーンも見られたのだが、参加している人の多くが海外からの観光客だったところも印象に残ったところである。

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16時過ぎから18時頃までと、わずか2時間のために作られた顔抜き看板「だれでもオカリン」。

ゲームやアニメの貴重な資料や「ドクター中鉢記者会見場」のフォトスポットも登場!

 10月13日から15日の3日間、秋葉原ラジオ会館10Fのイベントスペースで行われていたのが特別展示とグッズ販売だ。会場に着くなり、やけに人であふれかえっていると思ったのだが、この入り口付近に設置されていたのが劇中の序盤にも登場した「ドクター中鉢記者会見場フォトスポット」である。

 白バックの背景に、「ドクター中鉢 タイムマシン発明成功記念会見」と書かれたパネルと一緒に、まるで自分がドクター中鉢になりきった感じで写真が撮れるということで、多くの人が列を作って記念撮影を楽しんでいる様子だった。

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一体何事かと思うぐらい人が集まっていた。
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会場入り口付近に立てられていたパネル。
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スタッフの方にモデルになってもらい、「ドクター中鉢記者会見場フォトスポット」で撮影したところ。

 こちらのイベントスペースでは、道順に従って移動することで初代『シュタゲ』から『STEINS;GATE 比翼恋理のだーりん』以降の作品の貴重な資料を見ていけるような展示になっていた。線画で描かれたものと彩色が施された絵を見比べることもできるようになっており、それぞれのパネルの前で写真を撮影しているファンの姿も多く見られた。

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ゲームやアニメの貴重な資料が展示されていた。

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各キャラクターの様々な表情が描かれており、なかなか興味深いものとなっていた。

ラボメン勢揃いのパネルに加えて巨大なタイムマシンも急遽展示が決定

 イベントスペースに用意されていたフォトスポットは「ドクター中鉢記者会見場」以外にも、いくつか用意されていた。そのひとつが、未来ガジェット研究所のラボメンが勢揃いした等身大パネルである。ゲームやアニメで見るのとは異なり、実際に大きなサイズでキャラクターたちを間近に見ると、また違った感動が生まれる。

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ラボメンたちのパネルもズラリと並べられていた。

 もうひとつ、本作を象徴するものとして登場するのがタイムマシンだ。本当は15日に行われる予定だった屋上でのライブステージ上に設置される予定であったが、雨の影響もありイベントスペースで展示されることになった。このタイムマシンだが、実際に目の前で見ると、思ったよりも少し小さいなという印象だった。それもそのはずで、劇中で描かれているものよりも、実は少しだけ小さめに作られている。

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このサイズではオカリンは乗り込めないが……展示用に作られたタイムマシンだ。

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 このタイムマシン自体は、今から8年ほど前に『シュタインズ・ゲート ゼロ』のときに作られたものである。その間少しホコリを被ってしまっているような部分もあるのだが、逆にそれがタイムマシン感を醸しだしていた。また、タイムマシンのすぐ隣には、メタルうーぱが飾られていたのだが、こちらはタイムマシンとは逆にかなり大きめのサイズで再現されていた。

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巨大すぎるメタルうーぱも登場!

 もうひとつ、タイムマシンの横に飾られていたのが、オカリンや牧瀬紅莉栖が身に付けていた白衣だ。こちらには、声優陣や企画・原案を担当した志倉千代丸氏のサインなどが書かれており、こちらも人気のフォトスポットとなっていた。

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 会場内には、ファンがメッセージを描き込むことができるボードも2ヵ所に設置されていた。それぞれが思い思いの言葉やイラストを書いていたのだが、日本語だけではなく英語やハングルなど海外からのファンの書き込みもあり、世界中からこの会場に訪れているのがわかった。また、プロデューサーの松原達也氏のメッセージも書き込まれていたが、イベント開始前にこちらはあらかじめ書いたものを掲載したわけではなく、実際にこの場に訪れて書き込んだものだそうだ。

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メッセージボードは2ヵ所設置されていた。
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中には海外からの書き込みも……!?
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プロデューサーの松原達也氏のメッセージも見つけることができた。

世界に3本しか存在しない貴重なファミコン版も!

 イベントスペースでは、これまで発売されてきた各種のゲームやグッズの展示も行われていた。特にソフトはかなりの数展示されており、中には「こんなものまで出ていたのか」と驚かされるものもあった。それらの中でも、このケースの中に飾っておくこと自体が怖いとスタッフが語っていたのが、ファミコン版の『ファミコレADV シュタインズ・ゲート』だ。

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すべてはここから始まった!
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こんなパッケージもあったのかと感心させられた。

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オカリンが使っていた携帯のレプリカも展示されていた。

 ゲーム自体は、Nintendo Switch版『STEINS;GATE ELITE』の初回特典のダウンロードコンテンツとして作られたものだが、実際にカセットやパッケージ、マニュアルも作られていた。実はこの実物版の『ファミコレADV シュタインズ・ゲート』は、世界に3本しか存在しないのだという。実際に目の前で見ると、マニュアルもかなり丁寧に作られており、このまま製品としてリリースしてもらいたいほどの出来映えであった。

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 グッズは、缶バッチやアクリルスタンドぬいぐるみのほか、これから発売予定のスケールフィギュアなども飾られていた。また、劇中の7月28日に物語がスタートすることから「シュタゲの日」として一般社団法人日本記念日協会に認定されているが、その登録証も一緒に展示が行われていた。

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左のフィギュアはこれから発売が予定されているものだ。

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こちらが「シュタゲの日」の記念日登録証。

グッズは売り切れが続出! ゲルバナ味のラクトアイスも自販機で販売

 グッズ売場は、最終日の午後ということもあり、かなりのアイテムが売り切れとなっていた。また、うーぱ缶バッジなどが当たるカプセルトイも設置されていたのだが……こちらもすでに売り切れ状態であった。同スペースではCDも販売されており、こちらはCD1枚につきジャケットイラストが描かれたカードが、ランダムで1枚プレゼントされていた。

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こちらがグッズ売場コーナー。

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 もうひとつ、事前にチェックしていなかったものとして、当日の会場で気がついたものがある。それが、イベントスペースがある10Fに設置されていた「ゲルバナ味のラクトアイスが出てくる自動販売機」だ。てっきりゲルバナ味のジュースだと思って自腹で購入。ひとつ1000円とかなりお高めであったが、なんと凍った状態で出てきたのでそのまま自宅に持ち返ることに。後で確かめたときに、初めてこれがアイスであることに気が付いた。

 そこで、翌日にあらためて冷凍庫に入れ直して食べてみたところ、かなりのボリュームのアイスであった。国内製造の生ホイップが使用されており、たしかに味わいもバナナよりそちらの方が強い印象だ。

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ゲルバナ味のラクトアイスが売られていた自動販売機。

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そして幻の屋上ライブの会場へ

 この日の取材現場に着いたときに、真っ先に聞かされたのがラジオ会館の屋上で行われる予定だったいとうかなこさんのスペシャルライブの開催中止であった。しかし、すでに会場の設置自体は済んでいたといこともあり、特別に報道陣に公開が行われた。

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幻となってしまった、スペシャルライブのステージ。ここにタイムマシンも設置される予定だった。

 ちなみにラジオ会館の屋上に来たのはこれが初めての体験だったのだが、それまで見たことがないような秋葉原の街並みを眺めることができるようなスポットとなっていた。また、皮肉なことに、この会場を撮影しているときに、薄らと日差しもさしてきており、もう少しだけ天候が前倒しで良くなればかなり盛り上がったのにという悔しい思いも浮かんだ。

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ステージ上からの眺めはこんな感じだ。

 ちなみにこの日のスペシャルライブは元々生配信される予定だったのだが、急遽別会場に移して行われている。そちらの模様は取材することはできなかったのだが、YouTubeでアーカイブが残っているので、ぜひそちらもチェックしてみてほしい。

15年目に向けての1st operationは完了!

 今回のイベントの作戦名は「オペレーション グラズヘイム ~歓喜の宮殿作戦~」だ。宮殿というのは、このラジオ会館を見立てたものだが、ここで気になったのは英字で書かれた「1st operation」の部分である。この日はちょうど『シュタゲ』が発売されてから14年目だが、このイベントは15年目に向けての布石ともなっているのだ。

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「1st operation」の部分に注目!

 つまり、「1st operation」とあえて名付けられているということは、これから15年目に向けていくつかのオペレーションが行われることを匂わしているともいえるのだ。アニバーサリーとなる15年目にどんな発表が行われるのかということも気になるが、まずはそちらに向けてますます『シュタゲ』熱が加速していきそうである。

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こちらはスタッフが着用していた10周年のときのシャツ。今から来年の15周年が楽しみだ。
ライター
ライター/編集者。コンピューターホビー雑誌「ログイン」の編集者を経て、1999年よりフリーに。 現在はゲームやホビー、IT、XR系のメディアを中心に、イベント取材やインタビュー、レビュー、コラム記事などを執筆しています。

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