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「責任とってね」「地獄の底まで一緒」「あたしと生きてよ」──。少女たちの“巨大感情”をあまりにも濃密に描いた『クライマキナ』が関係性オタク大歓喜の一作だった

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それぞれ異なるけど、尊い愛情表現

 物語の根幹に関わるため詳細は伏せるものの、レーベンとエノアもとんでもない愛情を見せてくれるふたりだ。「かわいい天使」と初対面からかなり高い好感度を見せるレーベンと、クールながらもかわいらしいエノア。このふたりが絆を深め、お互いを思いやるその過程は、ミコトとアミとはまた違った爆発力を秘めている。

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 アミは作中一貫して愛を「見返りを求めないもの」と言葉にしている。無機質なこの世界だからこそ、彼女たちの持つ感情や想いはより際立つ。彼女たちのそれぞれ異なる愛情表現は、一見して少しわかりにくかったりもするが、確かに相手を想っていて、それが言葉や行動に滲む。その尻尾を掴んだとき、その関係性の尊さに打ちのめされるのだ。

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身悶えるくらい甘酸っぱいやりとり

 ここまで関係性におけるシリアスな面の描き方について紹介してきたが、本作ではもちろんレーベンとレノア/ミコトとアミによる身悶えるほどの甘い会話も楽しめる。

 会話パートは、ストーリーの進行に必須の「重要会話」と、進行度に合わせて解放されいつでも読める「自由会話」のふたつに分けられおり、前者はシナリオ本編、後者は概ねキャラクターたち自身や関係性を深掘りしていくようなものだ。

 プレイの終盤で解放される自由会話のひとつである「愛してるゲーム」は甘い会話の最たるところだ。「愛してる」と言い合い、照れたり笑ったりした方が負け。もちろん想像しているとおりの恥ずかしさと愛おしさがぎゅっと詰まったエピソードになっている。

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 さらに、本作では「上位世界の記録」という会話が2024年7月まで月に1度、継続して公開されている。特定のステージをクリアすることで、それぞれの月に合った旬な話題でガールズトークを楽しむことができるもので、公開されている部分だけでも思わず口角が上がるようなかわいらしい会話が確認できる。

コンビ間だけじゃない愛

 レーベンとエノア/ミコトとアミの2組には強固な結びつきが見られるが、本作ではこれ以外の登場人物たちによる愛も描かれる。エノアの姉妹機であるゾーエーはエノアをよく気にかけているほか、自身の子飼いの兵隊「トリニティ」にも愛着を持っているようだ。

 こうして尊く美しい愛情が描かれる傍ら、狂気に満ちた歪んだ愛情も描かれている。

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アクション部分をプレイすることでトキメキもひとしお

 少女たちの関係性を描くシナリオはそのセリフだけでも胸を打つが、戦闘パートをプレイすることでさらにその解像度は上がる。

 本作のアクションはやや難易度が高めに設定されている。レーベンたちに襲いかかる機械たちは基本的には何の手加減もしないため、ときには何度かリトライを繰り返してでも敵の攻撃を見切る必要がある。この難易度の高さはそのまま、彼女たちの掲げる目標を遂行することの難しさを感じさせるものだ。

 死闘を繰り広げてやっとの思いで箱庭に帰還すると、プレイヤーすらも安心感に包まれる。そこで彼女たちの互いを深く思いやる言葉を聞いたとき、この世界で「家族」になること、帰る場所があることの尊さを感じることができる。

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 なお、戦闘の難易度が下がる「カジュアルモード」も搭載しているのでアクションに自信がなくても本作を楽しむことが可能だ。筆者はカジュアルモードでほぼ全編をクリアしたが、極端に難易度が下がってやりごたえがないということもなく、スキルを駆使しながら爽快感のある戦闘を楽しむことができた。

 今回、初めてのセールとなる本作。自身でプレイするからこそ感じられるこの「尊さ」をぜひ体感してほしいし、彼女たちがどのような形の愛を育んでいくのかを見届けてほしい。

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ライター
ベヨネッタとロリポップチェーンソーでゲームに目覚めました。 3D酔いと戦いつつゲームをする傍ら、学生をしています。
Twitter:@d0ntcry4nym0re

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