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「子どもの頃の悪夢」みたいな世界を探索するかわいくて不気味なアドベンチャーゲーム『ノウ』が開発中。子どもならではの解像度で容赦ない死を描く【東京ゲームダンジョン4】

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押し入れ、鏡、日本人形。子どもの頃の「怖い」は、今でもうっすらとした不気味さを感じる瞬間があるだろう。『ノウ』はそんな子どもの頃の「怖い」という感情を思い出させてくれるアドベンチャーゲームだ。

道中で出会う「カイブツ」は敵なのか味方なのかわからず、舞台となる「学校」も自分の知っているあの楽しい学校とも違うムードが漂う。児童向けホラーのような、子どもの解像度で描かれる不気味さはグロテスクや大人向けホラーとは異なった趣を感じさせてくれる。

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(画像は


1月20日・21日(土・日)に開催された「東京ゲームダンジョン 4」にて展示されていた体験版をプレイすることができたため、本稿ではそのプレイレポートをお届けする。

文/anymo


舞台は「子どもの頃の悪夢」のような世界

本作は、おはな世界氏が制作する横スクロールのアドベンチャーゲーム。不気味な世界で目覚めた主人公は「私の指示に従え」と言う謎の声とともに、コラージュのようなグラフィックによる独特の平面感で描かれる世界を探索する。

本作の大きな特徴は、主人公たちが「子ども」であるかのような表現だ。グラフィックはどこか絵本のようでかわいらしさすら感じるものの、一貫して背景は暗い。「子どもの頃の悪夢」のような独特の解像度で描かれる容赦ない死亡描写や不気味さが本作ならではの恐ろしさを感じさせてくれる。

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探索中はそこかしこに存在する「カイブツ」と会話したり、協力したり、時には避けながら進む必要がある。敵対的な「カイブツ」は捕まれば即死だ。敵対しないものが優しいビジュアルをしているかといえばそういうわけでもなく、不安を感じながら会話をすることとなる。

グロくないけど「死」は描く、容赦ない演出

試遊中に出てきた敵対的な「カイブツ」は、攻撃範囲に入ってしまうと巨大化して上から降ってくる、そして即死。つまりぺちゃんこに潰されているのだが、このときに主人公の体は「ぺちゃんこになったカラフルな何か」として表現される。

このシーンは解像度の高いグロテスクさに頼ることなく死を描きながらも、トレードマークである帽子が落ちていくことで他ではない主人公が死亡したことを表している。子どもであることが推察される主人公たちと同じ目線・解像度で冒険することができるうえ、それが余計に死の唐突さを際立って表現していると言える。

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さらに、死亡してすぐに同じ地点からリスタートできるのも死によってこの世界から逃れることができないような絶望を感じさせる。謎の声と同じ目玉のようなアイコンとともに「修復中」の文字が出てくる演出とあわせて、この不思議な世界の正体や物語の真相への興味をかきたてるのだ。

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作品を彩る「カイブツ」たち

今回試遊した探索パートでは、先に進むためにカイブツと会話したり、アイテムを探してきたりといったプレイを楽しむことができた。カイブツはみな恐ろしげな見た目をしているが、会話することができる個体も存在しているうえ喋り方もそれぞれなようで、独特の愛嬌を感じさせる。

最初に出会う紫色の体が特徴的な個体は、言葉が得意なようではない。対して、その次に出会う木のような姿の個体はスラスラと喋る。それどころか若干高圧的で、依頼を達成しても「それじゃ足りないな」と追加のお願いをしてくるような図々しい感じで、それぞれに個性が見られるのだ。もちろん、先述の通り攻撃範囲に入るだけで即死攻撃を仕掛けてくる個体も存在している。

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触れるだけでゲームオーバーになる「カイブツ」がいる以上、会話できるだけ友好的とも言えるが、この世界では急に襲ってきそうな不安も感じる。本作の物語や世界の謎、「カイブツ」たちの正体も気になるところだ。

『ノウ』は2024年内に発売予定。Steamストアページも公開されているのでウィッシュリストに追加しつつ、おはな世界氏の公式X(旧Twitter)をチェックの上続報を待とう。

ライター
ベヨネッタとロリポップチェーンソーでゲームに目覚めました。 3D酔いと戦いつつゲームをする傍ら、学生をしています。
Twitter:@d0ntcry4nym0re

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