1月30日は『Fate/stay night』が発売された日だ。
2004年1月30日にTYPE-MOONから発売された18禁PCゲーム『Fate/stay night』は武内崇氏、奈須きのこ氏らの同人サークル「TYPE-MOON」がゲーム会社として、商業デビューした第1作目だ。2000年に発表された同人ノベルゲーム『月姫』が話題となったTYPE-MOONの新作ということで、発売当日から大きな反響を呼んで大ヒットとなった。
『Fate/stay night』は日本の地方都市「冬木市」を舞台に、持ち主の願いを叶える「聖杯」を巡って7人の魔術師が争う物語だ。本作がユニークなのは、魔術師(マスター)がそれぞれ「サーヴァント」と呼ばれる使い魔と契約して使役している点だ。
サーヴァントは歴史上や伝説上の英雄の霊であり、その「真名」が明らかになると英雄としての弱点を知られることにもつながるため、通常はセイバー(剣士)やアーチャー(弓兵)といったクラス名で呼ばれている。そのため『Fate』の物語には、サーヴァントの特徴や能力から真名を推理するという名前当ての要素も加わっている。
『Fate/stay night』は3部構成で、第1部「Fate」では主人公の高校生・衛宮士郎と、彼に召喚されたサーヴァント・セイバーの物語が描かれる。第2部「Unlimited Blade Works」では、士郎の同級生で魔術師の遠坂凛と、彼女のサーヴァント・アーチャーの物語が語られる。そして第3部「Heaven’s Feel」は、士郎の友人である間桐慎二の妹・間桐桜の物語となっている。
ゲームの発売以来、高い人気を誇っている『Fate/stay night』は、2006年に第1部「Fate」を中心にしてTVアニメ化されたほか、第2部「Unlimited Blade Works」が2010年に劇場映画、2014~15年にTVシリーズとしてアニメ化されている。さらに第3部「Heaven’s Feel」は2017~20年に、劇場映画3部作としてアニメ化されている。
前述したとおり、『Fate/stay night』は18禁のPCゲームとして世に出たが、2007年には18禁要素を削除した上で新規エピソードを追加した『Fate/stay night [Realta Nua]』が、PS2で登場。2012年には同作がPS Vitaでも発売されたほか、2024年現在はPCやスマートフォンでもプレイできる。
『Fate/stay night』を起点として、『Fate』の世界はゲームや小説、アニメなど、幅広いジャンルへと広がっている。
2005年には、新たなキャラクターも登場する18禁版のファンディスク『Fate/hollow ataraxia』が発売されており、こちらの一般版も2014年にPS Vitaで発売された。また2006~07年には、『Fate/stay night』より10年前の聖杯戦争を描く前日譚の小説『Fate/Zero』が虚淵玄氏により執筆されており、2011~12年にはこちらもTVアニメ化されている。
さらにゲームでは、現在とは異なる未来で行われる聖杯戦争を描くRPG『Fate/EXTRA』シリーズや、対戦格闘ゲーム『Fate/unlimited codes』、コーエー・テクモゲームスとのコラボで江戸時代の物語を描くアクションRPG『Fate/Samurai Remnant』など、さまざまなタイトルが展開されている。
そして2015年よりサービスが開始されたスマホゲーム『Fate/Grand Order』(『FGO』)は、リリース直後こそ不具合などの問題が起こったものの、日本国内はもとより世界中で大ヒットを記録。『FGO』には2024年現在、400騎を超えるサーヴァントが登場している。
2024年に『Fate/stay night』の発売から20周年を迎えて、『Fate』の世界はこれからもさらなる拡大を続けていくはずだ。『Fate』が今後どのような発展を遂げるのか、大いに期待したい。