3月22日は『バイオハザード』第1作目が発売された日だ。
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1996年3月22日にカプコンより発売された、初代PlayStation用ソフト『バイオハザード』は、謎と危険に満ちた洋館を探索し、ウイルスに感染してゾンビと化した人々や怪物たちと戦いながら脱出を目指すサバイバルホラーゲームだ。
発売当初は完全新規のオリジナル作ということであまり注目されていなかったが、スリリングな恐怖が味わえるその面白さが口コミで広がり、日本のみならず全世界で大ヒットを記録。続編やスピンオフが多数制作されて現在も続く人気シリーズとなっただけでなく、ハリウッドでの実写映画化も大ヒットした。
ホラーゲーム自体は『バイオハザード』以前から存在していたが、本作が大ヒットしたことでゲームジャンルとして定着。ゲームだけでなく映画など他のメディアのホラー作品にも、『バイオハザード』は大きな影響を与えている。
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『バイオハザード』では、ラクーン市警察署の特殊作戦部隊「S.T.A.R.S.」に所属する2人の隊員、クリスとジルのうちどちらを操作するかを選択できる。ゲームの大まかな展開はどちらを選んでも同じだが、選んだ主人公によって共に行動するキャラクターや敵の配置が異なり、ゲームの難易度が変化する仕組みになっている。
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本作は、部屋や廊下の一角から全体を見渡す固定視点でキャラクターを操作する独特のスタイルとなっている。怪物たちに立ち向かうための銃弾の数なども限られており、ゆっくりと襲いかかってくるゾンビに対しては銃弾を節約してナイフで戦ったり、ときには戦うことを回避したりといった判断が必要になる。一方で、窓を突き破って突然飛び出してくるクリーチャーも存在するなど、プレイヤーを脅かす演出が随所に盛り込まれている。
ちなみに視点に関しては『バイオハザード4』で、カメラがキャラクターを後方から常に追いかける形となり、シューティング色がより強くなった。その後のシリーズでも、主観視点でVRでもプレイ可能になるなど、作品ごとに新たな恐怖を描くさまざまな試みが行われている。
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ゲームの人気を受けて、2002年には実写映画『バイオハザード』が公開された。映画版はゲームの設定や要素を採り入れつつも、ミラ・ジョヴォヴィッチがオリジナルの主人公アリスを演じるなど、独自のストーリーが展開されている。この実写映画版も大ヒットを記録して、全6作が制作される人気シリーズとなった。
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さらに2021年には、よりゲーム版に近い新たな実写映画『バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ』も公開された。また実写映画以外にも、CGアニメ映画や実写ドラマシリーズといった映像作品も制作されている。
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『バイオハザード』第1作目は、1997年に敵の配置などが異なるアレンジモードが追加された『バイオハザード ディレクターズカット』が初代PlayStationで発売されている。さらに1998年には、初代PlayStationの新たなコントローラに対応した『バイオハザード ディレクターズカット デュアルショックVer.』もリリースされている。ちなみに『バイオハザード ディレクターズカット』は、2018年に発売された小型ゲーム機「PlayStation Classic」にも収録されている。
『バイオハザード』第1作は、2002年にゲームキューブで『biohazard』としてリメイクされた。基本的なストーリーは同一だが、ハード性能の向上でグラフィックが大幅に変更されているほか、新たな敵が登場したりマップや謎解きが変わっていたりと、ゲームとしての印象は大きく異なる。PS4/Xbox/Switch/PC(Steam)でリリースされている『バイオハザード HDリマスター』は、このリメイク版となっている。
『バイオハザード』第1作目は、2024年現在もなお広がり続けている『バイオハザード』シリーズの原点であり、またサバイバルホラーと呼ばれるゲームジャンルの原点でもある。かつてプレイした人もまだプレイしたことのない人も、その恐怖を改めて味わってみてほしい。