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『アサシン クリード シャドウズ』は、ステルス&コンバットのどちらも楽しめる「ひと粒で二度おいしい」新作だった。忍と侍、ふたりの主人公でゲームプレイがガラッと変わる

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日本舞台の『アサシン クリード』、やりたい! ……そんな願いが、もうまもなく実現する。

シリーズ最新作『アサシン クリード シャドウズ』は日本の安土・桃山時代を舞台に、忍の奈緒江と、黒人の侍・弥助のふたりを主人公とした物語を紡いでいく。特筆すべきはプレイするキャラクターに応じ、ステルス重視かコンバット(戦闘)重視か、ゲームプレイの方向性ががらりと変化する構造だ。

同じミッションでも、奈緒江で静かに忍び込むか、弥助で正面切って戦うか、その選択によってプレイフィールはまったく異なるものになるだろう。言うなれば、「ひと粒で二度おいしく」なった新しい『アサシン クリード』なのである。

今回、アメリカ・ロサンゼルスで行われたイベント「Ubisoft Forward」にて、本作のゲームプレイを紹介するセッションに参加することが叶った。実際のプレイ映像、そして開発者へのインタビューとともに、『アサシン クリード シャドウズ』におけるステルス・コンバットの両面についてうかがい知ることができたので、本稿ではそちらを紹介していきたい。

……の前に、大事なことをひとつ。

本作、ゲーム内でイヌが撫でられます! うれしい!!

伝統的な“アサシン”を思わせる忍・奈緒江のステルスアクション。新要素「匍匐」で隠密の幅はさらに広がる

あらためての紹介になるが、ダブル主人公制の『アサシン クリード シャドウズ』では、ひとつのクエストでも弥助(侍)・奈緒江(忍)のどちらでプレイするかによって攻略の方法が大きく変化する。さらに同じキャラクターでも異なるアプローチで攻略に臨むことが可能なため、同じミッションでもさまざまな遊び方が可能であるという、その幅広さを今回のゲームプレイ映像では何より感じさせられた。

というわけで、今回はゲームプレイの中から印象的だった部分をピックアップしてご紹介していきたい。なお、題材となったミッションの目的はとある小規模な城に侵入し、奥にいる大名(=ターゲット)を倒すこと。まず最初に、夜に奈緒江が潜入するという、ザ・ステルスなスタイルでの攻略の様子から見ていこう。

奈緒江は『アサシン クリード』伝統の軽快なパルクールや「鍵縄」を使って屋根を伝い歩き、「鷹の目」を思わせるスキルで敵の位置を確かめ、高所からの急降下暗殺や「クナイ」による遠距離からの一撃で障害を排除していく。さらに本作からの新アクションである「匍匐」は草むらなどに伏せることにより、発見されるリスクを大きく減少させられるようだ。

夜間ということもあり、潜入の間には手裏剣で灯りを消し、闇に紛れる一幕も。池の中に潜って竹筒で呼吸する「水遁の術」的なアクションも非常に忍らしく印象に残る。最後は池の中から飛び出してターゲットを暗殺し、隠密と奇襲を軸とする『アサシン クリード』らしいスタイルで任務を完了した。

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▲水遁の術

このようにステルスアクションを得意分野とする奈緒江だが、実際にゲームを遊ぶ上では戦闘重視での攻略も可能とのこと。今回のイベントでは「昼」に同じ任務を攻略するという形で、奈緒江を使った戦闘主体のゲームプレイも映し出された。

奈緒江の武器は刀と鎖鎌のふたつで、特に鎖鎌は広範囲を薙ぎ払うように攻撃でき、対多数との戦闘では重宝しそうな印象を受ける。敵の攻撃を弾き、スピード感のある連撃で斬りつける流麗なアクションは見ごたえがある一方、鎧を着こんだ重装の敵に正面から挑んだ際には苦戦する様子も見られ、このあたりは後述する弥助のアクションとの差を大きく感じさせるものだった。

奈緒江のゲームプレイは古典的な『アサシン クリード』らしさを感じさせるものであり、そこに昼夜や四季の変化による環境要素がくわわることで、ひと口にステルスと言えど、幅広いアプローチが可能であることがうかがえた。新たにくわわった「匍匐」のアクションも、ステルス攻略の大きな手助けとなってくれそうだ。

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正面から突撃、斬り合い上等。豪快すぎる弥助のコンバット・スタイルも爽快そう

奈緒江のステルスアクションに続いて映し出されたのは、同じミッションを弥助でプレイする模様だった。その先述はなんと「敵の待っている門から堂々と侵入していく」という豪胆すぎるもの。刀と重々しい「金棒」、そして火縄銃を振るい、真正面からの立ち合いで敵を屠っていく戦闘上等のスタイルだ。

特に金棒の威力はすさまじく、たやすく敵の兜を叩き割り、弾き飛ばすほど。道を塞ぐ門をタックルでぶち壊し、大量の障子を突き破りながら猪突猛進する姿の迫力はすさまじく、会場からも感嘆の声が漏れるほどで、奈緒江のゲームプレイとは対照的な荒々しさ、力強さに満ち満ちている。

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▲タックルで扉をぶち破る

特に戦闘中には「敵の兜(防具)を破壊する」シーンが数多く見られ、本作で戦闘を組み立てていくうえで重要な要素のひとつとなることがうかがえた。また敵の攻撃を弾いて攻撃の機会を作り出したり、居合切りのような特殊な攻撃を繰り出す様子も確認できた。

正面切っての戦闘となるとやはり弥助の力強さが活き、同じ重装の敵でも倒すまでのスピードが奈緒江と比べると段違いに早い。敵の首を叩き落とすような、凄惨で強烈なトドメの一撃の描写もインパクト抜群だ。名有りの敵にトドメを刺す際には画面が白黒調になる演出もあり、非常に見栄えがいい。

ここまで紹介してきたように、本作では同じミッションも奈緒江・弥助のふたりから好きな方を選択して攻略できる。ステルスの奈緒江、戦闘の弥助と得意分野ははっきり分かれているが、ステルスしかできない・戦闘しかできないというわけでもなく、同じキャラクターでも違ったアプローチで攻略に臨めるため、幅広さ・奥深さが本作の大きな特徴と言えるだろう。

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そして、弥助については戦闘のみならず、のどかな村を歩くシーンもわずかながらお披露目。鮮やかな緑の木々と、アクセントになる華やかな桜、そして田んぼではたらく人々……と、いかにも昔の日本らしい風景が確認できた。侍である弥助に対し、村の人々が道を譲り、頭を下げる様子も当時の身分制度を思わせ、印象的だったポイントだ。

そして村の中を歩く中では、なんと「柴犬」と弥助が触れ合うシーンも。この柴犬がかなりのモフモフ感の持ち主であり、作中で大いにプレイヤーを癒してくれるだろう。ちなみにデモプレイの後に行われたインタビューによれば、柴犬のほかにもたくさんの動物が登場するそうなので、こちらも楽しみのひとつとしたいところである。

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ゲームディレクター・Charles Benoit氏インタビュー

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▲Charles Benoit氏

──本日はよろしくお願いいたします。シリーズ中でも初めての日本が主要な舞台となる『アサシン クリード シャドウズ』ですが、まず本作が日本の歴史の中でも「安土・桃山時代」を選んだ理由は何だったのでしょうか。

Charles Benoit氏(以下、Benoit氏):
はい、私たちは戦国時代の後期にあたるこの「安土・桃山」という時代が、日本の歴史の中でも特に面白い時期だったと考えています。いくつもの大名が野心を抱えて争い、誰が天下を統一するのかを競い合っていた。ある種、日本のひとつのターニングポイントとも言える時期だったのではないでしょうか。

──なるほど。確かに織田信長を代表に、歴史にも名を刻む人物が何人も現れた、群雄割拠の時代ですよね。ゲーム内では、弥助の主人である信長をはじめとした歴史上の偉人たちは登場するのでしょうか? また、実際の歴史上に起こった大きな出来事などは主人公たちの物語にかかわってくるのでしょうか。

Benoit氏:
そうですね! 信長はもちろんですが、豊臣秀吉、徳川家康といった人物が登場します。ちょっと面白いところでは服部半蔵や、宣教師として日本を訪れていたルイス・フロイスも現れます。

また、実際の歴史上にあった大きな出来事についてはストーリー中でも触れられます。実際の歴史と、ゲームオリジナルのフィクションの設定が織り交ざり、ゲームの中心となる弥助と奈緒江、ふたりの主人公たちの物語が描かれていきます。

──ちなみに、過去の『アサシン クリード』シリーズ作品にはいわゆる“現代編”と呼ばれるパートがありましたが、今作では現代日本は描かれるのでしょうか?

Benoit氏:
今作ではプレイアブルな現代編パートはありません。ストーリーには現代も絡みますが、こちらの詳細については続報をお待ちください。

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──弥助と奈緒江、ふたりの主人公によって大きくプレイフィールが異なるのも本作の特徴のひとつかと思います。こうした構造を実現するため、特に工夫した点などはありますか?

Benoit氏:
ひとつ挑戦的だと考えているのは、ゲームの進行状況、キャラクターの成長にまつわる部分ですね。今作ではプレイするキャラクターが偏っていたとしても、ふたりが同じタイミングで、同等に成長するような形にしました。

また、確かに奈緒江はステルス、弥助はコンバットを得意としていますが、それでもプレイヤーによっては「奈緒江で戦闘がしたい」、「弥助でステルスがしたい」という方もいらっしゃると思います。そういう方に向けて、ふたりとも得意分野以外の部分でも、ある程度は戦えるような調整をしています。

──思うに、ここまでふたりのプレイスタイルが大きく異なると、マップデザインなども難しかったのではないでしょうか。ステルス重視で進んだプレイヤーも、戦闘重視で進んだプレイヤーも、両方が満足できるように攻略ルートをデザインする必要があったわけですよね?

Benoit氏:
おっしゃる通り、本作ではゲーム中で攻略するエリア──例えば「城」なんかは30か所ほどが登場するのですが──そのレベルデザインを考えるとき、ひとつの目標に対して少なくともふたつのルートを視野に入れる必要がありました。

具体的に言いますと、奈緒江を使ったプレイでは屋根伝いに高所を渡り歩いていくパターンが多いでしょう。逆に弥助は奈緒江のような動き方はできないので、敵がふつうに歩いているような道を通って進むことになります。このどちらを選んでも、それぞれに楽しみがあるようなデザインを心がけて制作しています。

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──ステルスアクションでは、今作でついに「匍匐」が導入されるわけですが、この動きを取り入れたのにはどんな理由があったのでしょうか?

Benoit氏:
まずひとつの理由として、「匍匐」というのはステルスアクションの中でもすごく自然な動きだと思っています。なので、「匍匐できないのはおかしい」というところで今作で導入しました。

また、日本の古来の建築を見ると床が浮いていて、地面との間に空間があるものが多いですよね。こうしたスペースをゲームプレイに活用できるように、というのも理由のひとつとしてあります。

──日本らしさの表現の一環として、本作では“四季”の要素も印象深いポイントでした。四季の移り変わりによってゲームプレイにも変化が出るとのことですが、具体的にはどのような違いが生まれてくるのでしょうか。

Benoit氏:
多くは自然環境の変化ですね。例えば、春には育ち切っていなかった草むらが、夏には生い茂って隠れやすくなっていたり、冬には雪や氷の落ちる音に気を付けなければならなかったり、という具合です。

四季はストーリー進行によっても変化しますが、ふつうにゲームをプレイしているだけでもどんどん変わっていきます。というのも、同じロケーションでも季節が変われば攻略の仕方が変わったりするので、まさに四季折々の姿を楽しんでいただきたいわけですね。

──今回のゲームプレイ映像では、弥助がイヌを撫でている姿が非常に印象的でした。作中にはイヌ以外にも動物が登場するのでしょうか?

Benoit氏:
はい、たくさん登場しますよ! ただし、狩りをすることはできません。代わりというわけではありませんが、小動物を描くミニゲームがありまして、描いた作品は隠れ家に飾ることもできます。

──ありがとうございます。それでは最後に、日本舞台の本作について、特に日本のプレイヤーに注目してほしいポイントをお聞かせください。

Benoit氏:
そうですね、ゲーム内には日本に実在した建築物がたくさん登場します。中にはまだ現存しているものもあれば、すでに失われてしまったものもあります。日本のプレイヤーの皆さんには、ぜひ本作を通じ、あらためて日本の古い文化に触れてみていただければと思います。(了)


多くのファンから待ち望まれてきた、日本舞台の『アサシン クリード』。冒頭でも書いた通り、その願望はいよいよ叶おうとしている。

思うに、ひと口に『アサシン クリード』シリーズと言っても、タイトルごとにさまざまな特色があった。ステルスアクションを原点としつつも、ときにコンバットに寄った作品が生まれ、そのどちらも包み込むように発展してきたのが本シリーズではないだろうか。

そして本作『アサシン クリード シャドウズ』は、ステルス・コンバットのそれぞれに寄ったダブル主人公という形を取ることにより、「両方の要素を一本で楽しめる」非常にぜいたくな体験に挑戦しようとしている。こうした構造を実現できた背景には、過去のシリーズ作品で培われてきた技術やノウハウが活用されていることも想像に難くない。

野心あふれる注目の新作『アサシン クリード シャドウズ』は、11月15日に発売を迎える。日本を舞台にした『アサシン クリード』がどのような作品になるのか、今から楽しみなところだ。

ライター
1998年生まれ。静岡大学情報学部にてプログラマーの道を志すも、FPSゲーム「Overwatch」に熱中するあまり中途退学。少年期に「アーマード・コア」「ドラッグ オン ドラグーン」などから受けた刺激を忘れられず、プログラミング言語から日本語にシフト。自分の言葉で真実の愛を語るべく奮闘中。「おもしろき こともなき世を おもしろく」するコンピューターゲームの力を信じている。道端のスズメに恋をする乙女。

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