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「御剣怜侍」という男にかけられた愛と熱量が半端じゃない。『逆転検事1&2 御剣セレクション』は御剣好きのための御剣を突き詰めた作品だった。新たに追加されたミニキャラは、線の一本一本から濃縮された御剣の味がする

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天才検事・御剣怜侍とは、『逆転裁判』シリーズに登場する主人公のライバルキャラ”である。

『逆転検事1&2 御剣セレクション』プレイレポート:「御剣怜侍」という男にかけられた愛と熱量が半端じゃない_001

『逆転裁判』シリーズの主人公は、努力と根性でドン底から勝利をもぎ取るアツい弁護士・成歩堂龍一。そんなキャラクターが主人公ならライバルになるのは当然、才能とコネで常勝を重ねるクールな検事・御剣怜侍だ。この2人の対比に違和感を覚える人はいないだろう。

ならば、御剣怜侍はライバルになるべくして作られたキャラクターなのか?

結論から言うと、全くそんなことはない
御剣怜侍は成歩堂に匹敵する主人公力を誇るキャラクターなのだ。

『逆転検事1&2 御剣セレクション』には、そんな御剣への愛がこれでもかというほどあふれていた。以下、ゲームのプレイを通じて御剣怜侍というキャラクターを噛み締めた感想が気持ち悪いくらいに語られるが、どうかお付き合いいただきたい。

文/逆道
編集/anymo

御剣はただの「人気の出たライバル」じゃない

ゲームの起動前に、まずは御剣との出会いを思い返してみる。

登場したばかりの御剣は、とにかく嫌味で上から目線、そして成歩堂(とプレイヤー)の嫌がることをとことんやってくる典型的な悪役だった。そこを成歩堂に叩きのめされたうえ、最終的にはその身を救われることになる。

一度は捨てた夢を成歩堂に見出した御剣は諸々ありつつも、苦楽を共にし、良き協力者として、切磋琢磨するライバルとして、成歩堂と共に歩んでいくことになるのだ。ここまでテストに出ます。

『逆転検事1&2 御剣セレクション』の時系列は、上記の諸々が終わり、御剣と成歩堂が互いに信頼関係を結んだ後。

本作はそんな御剣が海外出張から帰ってくる所から物語は始まる。開幕30秒、御剣を出迎えたのが……。

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この状況である。

開幕ピンチである。命の危機である。

そしてこの危機に対し、御剣が放った言葉は──。

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これである。

命の危機だぞ。もうちょっと危機感持ってくれ。裁判の証拠品とは違うんだ。
しかし、御剣は動じない。

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なぜ動じないか。上記のセリフを読めば、理解していただけるだろう。
御剣は神経質そうな見た目に反して、単純に胆力がものすごいのだ。彼が落ち着いているのはハッタリでも何でもなく、本当に犯人を逃がすつもりがないからなのである。天才にしてこの冷静さ。御剣検事、恐るべし。

これではまだ「強めのライバル」といったところだが、御剣の格をさらに一段階押し上げる要素がある。

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この顔である。

御剣はものすごい胆力を持つが、決して鉄壁の心を持つわけではない。虚を突かれれば動転するし、罵倒されるとしっかりダメージを受ける。そして何より、彼は精神的に致命的な弱点をいくつか抱えている。そのひとつは、他でもない成歩堂への敗北体験だろう。

だが、ちょっと表情差分が崩れた程度では諦めないのが御剣という男。数秒後には涼しい顔を取り戻し、反撃に打って出る。クールであり続けることはできないが、その圧倒的才能で意地でもギャグキャラ化しない「おもしれー男」なのだ。

ここまででも十分に御剣はすごいキャラであると言えるが、彼の魅力はこれだけに留まらない。このゲームがただのライバルキャラのスピンオフではなく、主人公・御剣の物語だと言える理由があるのだ。

それは、御剣の持つ「アツさ」である。

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ライバルである成歩堂と同等に、下手したらそれ以上に、御剣は諦めが悪い。それは検事が勝利することへの、すなわち事件の正しい犯人を裁くことへの果てしない情熱を持っているからだ。何度負けても己の正義のために決して諦めない心、これを主人公力と言わずしてなんと言うのか。

クールなイケメン、自信に裏打ちされた胆力、そこに影を落とす敗北体験、けれど決して諦めない……これこそ、『逆転検事1&2 御剣セレクション』で存分に掘り下げられる「御剣らしさ」なのだ。

顔の良い男・御剣のビジュアルの作り込みがエグい

気を取り直して、ゲームプレイも見ていこう。

このゲームの特徴は『逆転裁判』本シリーズと異なり、実際にマップ内でミニキャラクターを動かして捜査を行える点だ。イベントシーンもADV形式とミニキャラによるアニメーションを織り交ぜながら進んでいくので、臨場感が格段に高くなっている。

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ゲームを起動して最初のエピソードも、御剣が歩いて来るところから始まった。ビシッと伸びた背筋に、きっちり握り込まれた拳。いかにも御剣の歩き方という感じだ。

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……?!
鞄を取り落とした?!よく見たら表情もしっかり動いている。

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もしかしてその流し目振り向きポーズも固有グラフィックですね?!

気が動転して敬語になってしまった。

いや、ゲーム全体のオープニングにあたるシーンなわけだし、もしかしたらここだけ特別モーションにこだわっているのかもしれない……。

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そんなことなかった!!!!

腕組みして指をトントンするアレも、やや気だるげに指を差すアレも、「チッチッチッ」と指先を振るアレも、御剣お馴染みのあらゆる表情とモーションが指先に至るまでミニキャラで完全再現されている

『逆転裁判』では見えない下半身の部分まで見えるので、御剣がわりと全身でアクションしているのが分かってしまった。ぬるぬる動く御剣を見るのに忙しくて、全然話が入って来ない

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紆余曲折あって今回のワトソン役・イトノコ刑事も合流し、ようやく捜査開始。御剣も操作できるようになったが……

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うおおおお!御剣が走ると胸のヒラヒラがパタパタする!髪がなびく!ジャケットの裾もはためいている!どう考えても表現が細かすぎる!御剣を見るのに忙しくて全然捜査が進まない!

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クラシック版のドット絵ビジュアルと見比べると、解像度がめちゃくちゃ上がっているのが分かる。ドット絵の時点で既にしっかり御剣の味が滲み出しているのだが、モダン版のグラフィックでは御剣という存在がより鮮明に描かれているのだ。線の一本一本から濃縮された御剣の味がする

よく見れば、走りモーションもキャラクターによって個性が出ている。御剣は歩幅に比べて腕の振りが小さいのだが、イトノコ刑事はそれはもうぶんぶんと腕を振って走るのだ。こうしたミニキャラクターの動きはストーリー進行に応じてギャラリーで解放され、じっくり眺めることもできる。至れり尽くせりだ。

というか、こんなに小さいミニキャラクターなのに御剣がしっかりイケメンに描かれているのが本当にすごい。高い鼻筋や眉間のシワ、スマートな輪郭など、御剣をイケメンたらしめる要素が細かくミニキャラに落とし込まれているのだ。もはや「御剣はイケメンであるべし」という執念を感じる。

ミニキャラクターの顔が良いということは、ADV状態の御剣はもう……。

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ああ~顔が良い~~!!!

御剣の立ち絵が動く度に目が奪われて本当に推理が進まない。筆者は『逆転裁判』シリーズをプレイ済なので御剣のビジュアルが世界遺産級であることは既に良く知っているのだが、それでもスマートなモーションと解像度の高いグラフィックが圧倒的な説得力で御剣の顔の良さを脳に捻じ込んでくる。勝てない。

さらには……

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御剣が気絶している?!

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御剣が捕まっている?!?!

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御剣が俺の知らない顔をしている?!?!?!?!?!

『逆転検事1&2 御剣セレクション』では基本的に現場がそのまま捜査の舞台になる。つまり、『逆転裁判』シリーズで成歩堂が出会う「法廷の御剣」とは違う「現場の御剣」を見ることができるというわけだったのだ。

お馴染みの顔も、初めて見る顔も、御剣のあらゆる表情を綺麗なグラフィックで描いた本作。どれだけ見ても飽きない御剣の表情への作り込みには、ただただ感動するばかりであった。

「天才検事」が主人公だとミステリーゲームはこうなる

御剣には、成歩堂とは決定的に違うところがある。
それは御剣が「天才」であるという点だ。

端的に言えば、御剣は頭がいいのだ。ものすごくいい。それでいて金もコネも地位も経験もある。天は御剣に万物を与えたのである

そんな天才を主人公にしてしまったら、ミステリーゲームの謎解き部分が崩壊してしまわないか?という懸念があるかもしれない。その懸念を払拭してくれるのが、本作独自の謎解きシステム《ロジック》だ。

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《ロジック》は、御剣の頭の中をシステム化したものだ。この画面には、御剣が発見した情報が並んでいる。手に入った情報を組み合わせ、新たな情報を導き出すことで謎が解けていく。

ポイントは、この画面には「御剣が発見した情報」しか並ばない、というところである。

御剣は天才だが、神ではない。自分の知らない事実について推理することはできないのだ。だから事件を解決するためには、自分の足で現場を歩き、情報をひとつひとつ集める必要がある。その点において、御剣は成歩堂やイトノコ刑事と同じ一介の人間であると言えるだろう。

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では、御剣の「天才性」はどこに現れるのか?
それは御剣の推理の早さにある。

御剣は、普通の人なら「何かおかしいな」で終わる情報を決して見逃さない。本来ならば調査の進展によって徐々に明らかになる情報を、御剣は《ロジック》の組み立てによってピンポイントに射貫くことができるのだ。

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御剣の頭脳は、捜査中もフル回転している。捜査や《ロジック》以外でも、御剣が目の前で起きた出来事に触発されて情報を得ることもある。

つまり、プレイヤーたる我々が《ロジック》画面で見ているのは、天才・御剣が精査し、事件に関連があると結論付けた情報たちなのだ。プレイヤーはそこで情報と情報を繋げ、御剣の推理が確信に至る一手を体験するのである。

先にこのゲームでは「現場がそのまま捜査の舞台になる」と述べたが、それはこう言い換えることもできるだろう。御剣なら裁判を待たず、現場で事件を解決してしまえるのだと。

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このような名探偵にしか許されないセリフも、御剣なら許される。

また、本作には『逆転裁判』シリーズでおなじみの「つきつける」も存在する。証言や証拠のムジュンを見つけ、それを大声とともに相手につきつけることで新たな真実を暴く『逆転』シリーズの代名詞とも呼べるシステムだが……。

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なんと御剣レベルにもなれば、現場に直接証拠をつきつけることができる。御剣は証言や尋問を通して状況を整理するステップを飛ばし、目に入ったムジュンをその場で解決してしまうのだ。

あくまで裁判での攻防をテーマにした『逆転裁判』シリーズとは違い、捜査と同時に推理がぐいぐい進んでいくのが『逆転検事』シリーズの大きな特徴と言えるだろう。これも、御剣の天才的頭脳があってこそである。

もはや御剣に溺れていると言ってもいい

このゲームがいかに「御剣怜侍」という男に全力を注いでいるか、実のところまだまだ語り尽くせてはいない。ギャラリー画面のビジュアルにまでしっかり御剣要素が染み込んでいるし、捜査中のあちこちに挟まれた「逆裁節」とも言える小ネタ的なやり取りでは御剣の無駄に個人的な情報がたくさん出てくる。

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ゲームをプレイして強く感じたこと、それは開発陣がいかに御剣というキャラクターを愛しているかということだ。ちょっとしたフレーバーテキストの一文からロード画面に至るまで、このゲームは御剣への愛に溢れている。御剣というキャラクターにとことん向き合っているからこそ、ないがしろにされている要素は一つとして存在しない。

胸元でヒラヒラが跳ねる繊細でイキイキとした走りモーションも、御剣の天才的頭脳を体験できるロジックシステムも、「御剣ならこうする」、「御剣だからこうなる」という確かな説得力を持ってそこに存在している。このゲームを作った人々は、めちゃくちゃ御剣のことが大好きだ。絶対そうだ。

筆者はそれなりに時間をかけて本作をプレイしたが、御剣の魅力がとめどなく流れ込んできてちょくちょくキャパオーバーに陥り、イトノコ刑事で息継ぎをしているような状態だった。

『逆転検事1&2 御剣セレクション』は2024年9月6日(金)に発売予定。Nintendo SwitchやPlayStation 4、Xbox One、PCなどといった幅広いプラットフォームで楽しめるので、遊びやすいプラットフォームで存分に御剣に溺れよう。

イラストレーターの岩元辰郎さんによる「異議あり!」は続投。描き下ろしビジュアルやフルHDサイズにあわせた背景など、こだわりに迫る。プロデューサー・橋本 賢一氏、西田峻佑氏インタビュー

さらに、今回のプレイにあわせて『逆転検事1&2 御剣セレクション』のプロデューサー陣にメールインタビューも行った。

プロデューサー:橋本 賢一氏
2008年カプコン入社。『逆転検事『逆転検事2』のパブリシティを担当。開発へ異動後は『ロックマンX DiVE』『逆転裁判456 王泥喜セレクション』のプロデューサーを担当。『逆転検事1&2 御剣セレクション』プロデューサーおよび逆転シリーズプロデューサー。

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プロデューサー:西田 峻佑氏
『逆転検事1&2 御剣セレクション』プロデューサー。2024年1月に発売された『逆転裁判456 王泥喜セレクション』でアソシエイトプロデューサーを担当。

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──『逆転裁判』シリーズはさまざまなコンソールに展開されています。そんな中で『逆転検事』も新たに展開することとなった経緯を教えてください。

西田氏:
「逆転裁判456 王泥喜セレクション」の開発を進めていた中、2022年に入ったあたりで「逆転検事がまだ移植されていない」ということで、移植の企画を始めました。日本はもちろん海外からも移植の要望は多く頂いており、『逆転検事』だけはローカライズされていたのですが、それ以外は初ローカライズになります。

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──操作パートのミニキャラは今見てもまったく遜色のないドット絵にも思えます。ミニキャラのビジュアルを新たに追加することに決めた理由はなんですか?

西田氏:
やはり携帯機専用のものから今回大画面でもプレイが可能になるのでグラフィック全てを高画質にする必要があり、
ミニキャラクターの高画質化も必須だと考えていました。

ただどうやって高画質化するかが非常に難しかったポイントで、単純なフィルターでは思った出来にならず、3Dやドットのフルスクラッチ等試行錯誤した結果、新グラフィック描き下ろしでいこうという結論になりました。

劇的に変わっていますが、表情など見ているだけでも楽しいくらいのクオリティになっています。
思い入れのあるドットのミニキャラでも遊んで頂きたいと考えていましたので、無理を言ってドット絵も残しておくことにしました

──ユーザーの間では縦横比が違うことによって背景が描き足されていることも話題となっていました。プレイヤーに特に注目してほしい場面はありますか?

西田氏:
フルHDサイズの画面に合わせて背景やイベントシーンの左右を描き足し、画面の密度をアップさせています。

『逆転検事2』の3話に登場する12星座美術館の展示物など、これまで小さくてよく見えなかった文字やディテールなども見えるようになっていますので注目してください。さらに見えるようになった背景の文字までローカライズ対応しています。

──ミツルギの「異議あり!」はイラストレーターの岩元辰郎さんが担当していますが、本作でも続投となるのでしょうか?

西田氏:
続投しています。今回のリマスターにあたり、ニンテンドーDS版のデータ圧縮された音声データではなく、
圧縮前の音源を調整しているので、少しノイズが減ってより良いお声になってます。(了)

ライター
なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『ドラゴンクエスト』シリーズで育ち、『The Stanley Parable』でインディーゲームに目覚めた。作った人のやりたいことが滲み出るゲームが好きです。

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