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「美少女スマホゲーム」の世界に閉じ込められるホラゲー『MiSide』の演出が凄い。抜群の臨場感でホラゲーなのに「美少女」も高品質。『ドキ文』的な怒涛の展開にも注目

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突然ですが、可愛い彼女とゲームの世界で過ごしたいですか?過ごしたいですよね(威圧)。

『MiSide』は、そんなあなたの願望を叶えてくれるかもしれない素敵な恋愛ゲームです。

『MiSide』先行プレイレポート。美少女スマホゲー世界からの脱出を目指す_001

このゲームであなたは本作の唯一のヒロイン「Mita」ちゃんと共同生活を営みながら、2人の愛を育んでいきます。一緒にゲームをしたり、時には料理などの家事を手伝ったり、さまざまなアクティビティを通じて絆を深めていきましょう!

ゲームは見下ろし型の2D視点と一人称の3D視点の2つが用意されており、育成シミュレーションゲームのようにMitaちゃんを育成するパートや、目の前にいるMitaちゃんと触れ合う没入感溢れるパートなど、非常に多彩な恋愛模様を楽しむことができます。

Mitaちゃんとのドキドキ溢れる生活が楽しめる恋愛アドベンチャーゲーム、『MiSide』はSteamでリリース予定です

という前置きはほとんど嘘で、実は本作はホラーゲームとなっています。

※以降ネタバレを含みますのでご注意ください。

文/植田亮平
編集/りつこ

ヤンデレ系ヒロインと恐怖の物語が始まる……

本作はインディゲームクリエイターのAIHASTO氏が送る、ヤンデレ系ヒロインが主軸のホラーゲームである。

一見綺麗で可愛いらしい恋愛ゲームだが、物語序盤のシークエンスを終えてからは一転……。ゲーム世界からの脱出を目指す、サスペンス展開目白押しのスリリングなゲームへと変貌する。

早い話、少し前に一世を風靡した恋愛ADV『ドキドキ文芸部!』と、物語の構造は近しいと言える。

正直なところ、本作の本質的な部分について知りたいのであれば、この記事を読むよりもSteamストアページにて公開されているデモ版を遊んだほうがよろしいと思われる。

デモ版では序盤の終わりまで、つまりこのゲームの「ネタバラシ」まで遊ぶことができるので、読者諸賢はぜひともまずその目で確かめていただきたい。

この手のゲームは鮮度が命である。
ネタバレを防ぐために、この記事でもホラー部分を示す画像はあえて提示しない(本当は用意できなかっただけだけど)。

いや、それどころか、既に時点でこのゲームの紹介は8割がた終わっていると言ってもいい。

それほどまでに本作は初見プレイのインパクトを重視している。とにかく自分でプレイしてみるのが肝要なゲームだろう。

『MiSide』先行プレイレポート。美少女スマホゲー世界からの脱出を目指す_004

細かい部分のこだわりもGOOD

さて、ここから先の部分は本作のこだわりについて語ろうと思う。

ここまでの説明を聞く限り、本作は「恋愛からホラーへ」という展開のインパクトに全てを賭けたゲームのように聞こえるだろうが、実はそうではない。

『MiSide』は展開以外の要素でもかなり凝っている。

例えばUIを例に挙げよう。

本作のUIは基本的に「宙に浮く」形態で表示される。画面の前面に張り付くのではなく空間上に表示されるこの仕様はVRゲーム等で良く見られるものだが、これは本作の「ゲームの世界に入り込んでしまう」という設定に大きな説得力を与えている(実際にVRとしても出してほしい)。

また、UI以外でもゲーム画面に対するこだわりが見られる。プレイヤー(ゲーム内の主人公)が行動する際のカメラのちょっとしたブレや画面上に表示される手の表示などは、ほとんどVRゲームといっていいほどの没入感である。

『MiSide』先行プレイレポート。美少女スマホゲー世界からの脱出を目指す_005

さらに、冒頭で述べた「部屋中に置かれているさまざまなモノにインタラクトが可能」というのも本当だ。正確に言えば字義通りに全てのものに触ることはできないのだが、目立つ小物や家具等には必ずインタラクションできる。

また、モノに限らない仕掛けもたっぷりで、部屋全体においてもギミックが用意されている。

ここまで挙げたスクリーンショットはどれも明るい部屋の写真ばかりだが、本作はもちろんホラーゲームである。なので、部屋全体も物語の進行に応じて少しずつ様子がおかしくなってくる。

たとえば部屋と部屋を繋ぐドアは部屋間の移動の際、プレイヤー自身がかならず開ける必要があるのだが、ドアの先が普通の部屋だとは限らない。ある時は間取りを変え、ある時は全く知らない場所へといざない、そしてある時には何度も同じ部屋に繋がって……。

といったように、ドアを使ったホラー演出にも気合が入っている。

その恐怖演出は例えるなら初代『バイオハザード』『P.T』などを彷彿とさせる。私がプレイしたホラーゲームでは久々にドアを開けるのが怖くなる作品だった。

『MiSide』先行プレイレポート。美少女スマホゲー世界からの脱出を目指す_006

Mitaちゃんが可愛い……?

ここまで本作の演出についてのみ語ってきたが、最後にヒロインであるMitaちゃんにもフォーカスを当てたい。

当然だが、本作でプレイヤーが直接インタラクションする最も重要な対象はMitaちゃんである。彼女を撫でたり、彼女と話したり、あるいは彼女の目を盗んで秘密の隠された場所を探索したりと、全ては彼女を中心に展開してゆく。

そういった点では、本作をギャルゲーとして楽しむことも可能だろう。もちろんギャルゲーの”体”であり本当はギャルゲーとは違った方向へ進んでいくゲームだが、それにつけてもMitaちゃんの可愛さは本作の一人称視点も相まって非常に強調されている。

まあ、その分恐怖も非常にリアリティがあるのだが。

もちろん私も本作の全てを遊んだわけではないので、Mitaちゃんの「正体」については知る由もない。しかし、ホラーゲームへ切り替わったときのMitaちゃんが持つ怖さは、前半の可愛らしいMitaちゃんとほとんど同じ臨場感を持ってプレイヤーに迫ってくる。

そのうちプレイヤーは常に見張られているような感覚を抱き、彼女の視線が常に自分に向いているように感じてくる。そして、見られている恐怖から逃れようと彼女を避ければ避けるほど、ドツボにハマっていくのである。


気が付けばもう手遅れ、振り向くとそこにはMitaちゃんが立っている。

高クオリティーなギャルゲーから臨場感あふれるホラーへと移り変わるこのスリルを、是非とも味わってほしい。斬新なインパクトをもった意欲作、『MiSide』はSteamでリリース予定だ。

『MiSide』先行プレイレポート。美少女スマホゲー世界からの脱出を目指す_007

ライター
大阪在住のゲーマー。ゲームに限らずアニメ、映画など気になったものは何でも取り込む雑食系。オープンワールドのゲームやウォーキングシミュレーターなどが大好き。最近はオンラインゲーム『League of Legends』にドハマりしているが、プレイの腕はイマイチ。
編集者
ゲームアートやインディーゲームの関心を経て、ニュースを中心にライターをしています。こっそり音楽も作っています。

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