自分の何倍もの大きさの強敵と真正面から相対し、力と力でぶつかり合っていく……そういう「漢の闘い」を存分に味わえる。
それがネクソンの新作ゲーム『The First Berserker: Khazan』だ。
本作は、オンラインアクションRPG『アラド戦記』(『Dungeon & Fighter』)の世界観をベースとする、シングルプレイ用のハードコア・アクションRPG。原作『アラド戦記』を開発するNeopleが同じく開発を担当している。
プレイヤーは無二の大英雄でありながら、反逆の濡れ衣を着せられたあげくに追放された大将軍・カザンとなり、彼の命を狙う帝国軍と戦いつつ、自身の没落の真相を暴いていく。
2024年8月21日から8月25日にかけてドイツ・ケルンで開催された巨大ゲームイベント「gamescom 2024」にて、本作が初めてプレイアブル出展されることに。現地でさっそく触ってみたので、その感想をお届けしよう。
取材・文/実存
ビジュアルもアクションも高品質な死にゲー
本作を触ってみて、まず目を引くのはその美麗なグラフィックだ。
3Dセルアニメーション/トゥーンレンダリングとフォトリアルの“ちょうどいいとこ取り”とも言えるような独特なタッチは、ダークで荘厳な世界観の魅力をよりいっそう引き立たせている。
とくに見事なのはボスキャラの迫力だ。
この高品質なグラフィックに、メリハリのある豪快なモーションが合わさって、とてつもない「強敵感」が演出されている。
しかも実際に何度も死んでは再チャレンジしなくてはならない手ごわさも備えており、ハードコアなゲームとして申し分のない「格」を備えている、といって過言ではないだろう。
力と力でぶつかり合っていく、「漢の闘い」を味わえるゲーム
本作は基本的なシステムとしては、いわゆる「死にゲー」の文法に則っており、言ってしまえばフロム・ソフトウェアの『SEKIRO』に近いゲーム性となっている。
ジャストガードを駆使して敵の攻撃を弾き、敵の体勢を崩し、チャンスを作って追撃を叩き込む。ガードで対処できない危険な攻撃には「予兆」が表示され、ジャンプやステップで避ける判断も求められる。
そうした基本システムは踏襲しつつ、本作がよりハードコアなアクションとして特徴的だったのは「どっしりとした地上戦」をメインに据えているということだ。
たとえば、試遊させていただいたボス戦のひとつでは、主人公「カザン」がフルアーマーに身を包んでおり、チャンス時に大ダメージを叩き込むことができる近接スキルや、敵の攻撃に合わせてカウンターを放つことができるスキルなど、バトルで上手く使うと優位に立てるさまざまなスキルが用意されていた。
機動性を活かして縦横無尽に駆け回ったり、俊敏な動きで回避する……というよりも、自分の何倍もの大きさの強敵と真正面から相対し、力と力でぶつかり合っていく……そういう「漢の闘い」を存分に味わえるゲームなのだ。
少なくとも試遊の範囲内の話だが、主人公の武器はすべて「二刀流」だった。盾を持たず、二振りの大斧で巨大な敵の攻撃を弾くそのさまは、まさしく漢だった。
ちなみに、冒頭でも述べたように、本作はオンラインアクションRPG『アラド戦記』の世界観をベースとしている。
恥ずかしながら筆者は『アラド戦記』を未プレイなのだが、それでも本作を楽しむことに何ら支障はなかった。むしろ、本作を遊ぶことで原作での「カザン」の扱いや彼の没落の理由が気になり始めた。
それぐらいには、総じて高品質なゲームとなっているので「IPモノ」や「原作モノ」と見てしまうのは非常にもったいない。死にゲー好きの方や、チャレンジングなゲームが好きな方はぜひチェックしてみるべきだろう。
『The First Berserker: Khazan』はネクソンより2025年にPC (Steam)、Xbox Series X|S、PlayStation 5にて発売予定だ。