「協力型のゲーム」と言われるとどんなものを思い浮かべるでしょうか。おそらく「ワイワイと遊ぶ」とか、「友達と家族と遊ぶ」みたいな印象が強いかもしれません。
でもたまに思うんです。もっとちゃんと腰を据えて、キッチリ連携をとって、本当に考えながら遊ばないといけない「辛口」なゲームがあってもいいのではと。大抵の協力型ゲームは、序盤はやさしめで後半は難しめといったステップアップ形式の作品が多いように感じます。
では、今回筆者が遊んだ『Wild Woods』(ワイルドウッズ)はどうでしょう。
う~ん、こんなカワイイ猫ちゃんが出てくるゲームが、辛口なわけないかぁ!!
ない……よな?
2024年9月26日から9月29日にかけて開催されている「東京ゲームショウ」にてプレイアブル出展されていた本作をプレイする機会に恵まれました。本記事ではその感想をお届けします。
見た目とは裏腹に、考えることめちゃくちゃ多し!
本作で目に付くのはやはり、そのキュートなビジュアルでしょう。この手のかわかわアニマルからしか得られない栄養素、あると思います。
この猫ちゃんたちは、我々プレイヤーが操作することになるキャラクターなのですが、それなりに種類がいる様子。プレイ時には自分好みの見た目で遊ぶことが可能となっているようです。
ゲームとしては、味方と協力して馬車を守りながらステージを進行していくといういたってシンプルなもの……なのですが。
そこに「リソース管理」「PvE」「ハクスラ」「ローグライト」などやりたいことを詰め込んでやったぞ!と言わんばかりの‟よくばりセット感”が合わさることで、ある種悪魔的な作品に仕上がっているのです。猫ちゃんのかわいさはいったいどこへ……。
ただ、欲張りセットといえど、それぞれの要素の塩梅は絶妙でルールも非常に明快。辛口といえど、かなり素直なゲーム性をしていると言えるでしょう。
くわえて、管理すべきリソースも3つとそこまで多くなく、「照明兼足場の木材」「回復アイテムの花」「馬車をアップグレードするコイン」と用途もシンプルにまとめ上げられていることから、ゲーム感をつかむのは比較的容易なのではと感じました。
連携必至!死なないことが何より大事
ゲームプレイでの大きな特徴としては、「夜」の概念があげられるでしょう。道中ランダムなタイミングで時間が夜へと変化します。日中の穏やかな雰囲気から一変、森は暗く深い姿へと表情が変わります。
夜になると、馬車に灯がともりプレイヤーたちを明るく照らしてくるのですが……、ひとたび馬車から離れると猫たちは凍えだしてしまうのです。
寒さは死に直結、戦闘よりもはやい速度でダウン状態となってしまいます。本作では、敵として登場する「ウサギ」や「アナグマ」以上の脅威と言えるかもしれません。
なお、全ての物資は馬車にストックをしておくことが可能となっています。そのため、昼間は素材集め、夜は馬車周辺から離れないといったプレイングを軸に方針を考えていくとよさそうでした。
また、体力の回復が必要なときに花がない!火が消えちゃったけど木がない!など道中様々なトラブルがプレイヤーたちを襲います。万が一に備えてある程度のリソースを確保しておく必要性があるわけですが、じつはそれ以外にも生き延びる手立てが存在するようです。
ステージ中には道の分岐が存在することがあり、プレイヤー間の多数決で行き先を決定します。戦闘を選ぶことも出来れば、馬車のアップグレードを選択することもできるし、敵が出てこなさそうなチョイスをしてリソース確保を優先するといった様々な選択肢が出現します。
現在のリソース状況や、味方の体力、参加しているプレイヤーの実力などを加味して適切な選択を目指すことがこのゲームを攻略するカギなのかもしれません。
『Wild Woods』は現在開発中で、Daedalic Entertainmentより発売予定。TGS2024ではホール3、ブース番号N-02のドイツパビリオンにて出展されています。