メカ腕、メカ脚、メカ頭。SFといえば、四肢や頭をメカ化させるサイバネティクスがつきもの。サイバネティクスといえば、SF。(異論は認めます)
サイバネ、いいよな!
ただ、「サイバネティクス」とか「サイボーグ」に着目したゲームを見ることは多くなく、要素として存在しても常に一人称視点だから見えない……みたいな悲しいことも起こりがち、かも。
短いスパンでドンドンと切り替えていけるような作品ってないのだろうか。軽率に改造手術をしてみたい人、少なくないはず……!?
オッサンがサイバネで強化されるSFゲーはないのか!えっ、ある!?
2024年9月26日から29日まで開催された「東京ゲームショウ」では、多数のインディーゲームも展示されていました。今回は複数のホールにまたがって展開されていたこともあって、まさに「宝の山」状態、魅力的なゲームをたくさん見ることが出来ました。
今回ご紹介するゲーム『血戦溶炉』もそのひとつ。もう「おっさんが体を改造しながら戦うローグライト」というテーマがとてもささる……!
幸いにも東京ゲームショウで出展された本作を試遊することが出来たので、本記事ではその様子をレポートしていきます。
ステージを追うごとに、おっさんがゴツくなる!
本作はいわゆる、「ハックアンドスラッシュ」や「ローグライク」の要素を取り込んだ、戦闘重視かつパーマデスありなハードコアジャンルのゲームです。
監獄からの脱出を目的とした作品なのですが、舞台が未来の惑星ということもあってか出現する敵は「変異モンスター」や「機械軍団」。設定を聞いただけで盛り上がってきた。
重火器や鈍器こそあれど、やはり一番頼れるのは拳という世界で、肉弾戦を繰り広げます。この脱獄という物語的目標と、ハクスラジャンルの組み合わせが思いのほかハマっており、緊張感を高める重要な要素となっていました。
もっとも印象的なのは、なんといってもデカいボスを倒すとアップグレードできるおっさんの体!
四肢だけでなく、頭を丸々改造したり出来るのもポイント。さらには心臓まで改造できちまう……!
身も心も機械になってしまう。そんな体験が出来るのも最高なのですが、サイボーグ化って大抵一度きりという印象かも?それだとなんかちょっと寂しい……。そこで絡んでくるのが「ローグライク」的パーマデス要素。
パーマデス(パーマネント・デス)は、永久死なんて意味合いを持つ言葉。挑戦は一回きりで、死んだら最初からという所謂「鬼の所業」タイプのシステムを指しています。このパーマデスというシステム、ネガティブな印象も持つことから好みがわかれる要素だと思うのですが……。
死にまくれるってことは、いろんな改造が試せるってこと!?
なお、武器やそのほか細かなアップグレード含む要素はランダムに抽選された選択肢の中からチョイスすることになります。
「毎回同じ改造になる」といったシチュエーションが起こりにくいため、違ったキメラ改造が楽しめるんですよね。パーマデスがポジティブになっている、スゴい……!
デス頻度はかなり高め!?シビアだけど爽快なアクションに痺れる!
先ほどご説明した通り、本作のデスタイムはかなり早め。ゲーム序盤から相当数の死を味わうこととなり、上のステージに到達することは容易いことではないでしょう。実際、筆者が30分ほどプレイした中でも詳細な回数を覚えていないくらい死の赤画面に遭遇していましたからね。
デスタイムが短いといっても、プレイヤーの実力だけでなんとかしろ!とはならないのがこのゲームのいいところ。
進行度に応じて貰えるポイントを利用した、恒久的なアップグレードが可能となっており、主人公の初期ステータスをあげることや、新たなコンボルートを解放することも可能となっているようです。単純なゲームの上手さ以外にも上位のレベルに進む手だてが用意されているというわけですね。
なお、これらのアップグレードは主人公の見た目に影響することはなさそうなので、毎プレイ違ったメカメカしさを楽しむという面白味は損なわれていないようです。
まだ使ったことのない改造パーツや武器種が出てくることも、違った楽しさ。キャラの見た目を引き継げるわけではないので“追及!”とまではいかないものの、毎回違ったプレイングや見た目のゴツさに挑戦できるという意味での新鮮さはピカイチで、非常にやりごたえのある作品となっています。
今回ご紹介した『血戦溶炉』、発売日は未定という状態ではありますが、Steamでは先行するかたちでゲームの序章を楽しめる体験版『血戦溶炉:鬪獣の檻』が配信中。体験版とは思えないほど長く遊べるので、興味のある方はぜひプレイしてみてください。