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約12万円もするゲーム機「PS5 Pro」ってぶっちゃけどうなの? 総額約50万円の環境を用意して本気で試してみたらスパイダーマンの「お尻」がめちゃくちゃ映えた

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PS5 Pro……ぶっちゃけ、たけぇ!!!【※】

つい先日正式発表された家庭用ゲーム機「PlayStation 5 Pro」(以下、PS5 Pro)。その約12万円という価格に世のゲームユーザーたちがざわついていたのも記憶に新しいでしょう。

……やっぱり「ゲーム機」として考えると、10万円をゆうに超えているという点で驚きが勝ってしまうというのは事実。あると思います。

※ぶっちゃけ、たけぇ!!!
ここでいう「高い」は、一般ユーザー的価値観での「高い」であり、製品性能を基準としたものではありません。

そのPS5 Proが、どういうわけか我が家にくるらしい。手汗ドバドバ、冷や汗ダラダラ。

先日の東京ゲームショウやテクニカルプレゼンテーションで公開されている情報から、ある程度どんな体験ができるかはわかっているわけですが、やはりそれだけの値段のものが我が家にやってくると思うと丁重にお迎えしなければいけませんよね!!!

というわけで、4KテレビAVアンプを用意しました。対戦よろしくお願いします。

「PS5 Pro」レビュー・感想・評価。総額約50万円の環境を用意して本気で試してみた_001
4K有機ELテレビ「X8900N」(画像は東芝公式サイト REGZA 製品ページより)
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最大11.4ch対応AVアンプ「AVR-X3800H」(画像はデノン公式サイト AVR-X3800H 製品ページより)

上記の総額約50万円(※購入時)

これだけあればソニーの新兵器「PS5 Pro」にも太刀打ちできるはず……。はず!

それなりに整った環境での使用感がわかれば、割とどんな環境でも楽しめるのでは? という浅はかな考えから始まった今回の体験企画。実際リビングに設置してみると、

なんだか背伸びしたくなるぞ!?

自室の小さなモニターで遊びがちな筆者が久々に構築したリビングでのゲーム環境。ちょっとお高めなゲーム機「PS5 Pro」を導入してみたゲームユーザーとしての率直な感想をお届けできればと思います。

※株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメントから商品の提供を受けています。
※キャプションに「PS5 Proで撮影された、4K画像」と記載された画像は、解像度が3840×2160になっています。

文/Squ
編集/柳本マリエ


『Marvel’s Spider-Man 2』で体感する最新グラフィック

今回筆者が体験したのは、スパイダーマンとなって冒険を頼めるアクションゲーム『Marvel’s Spider-Man 2』。本作は、2018年にリリースされた『Marvel’s Spider-Man』、2020年にリリースされた『Marvel’s Spider-Man: Miles Morales』の直接的な続編にあたる作品です。

『スパイダーマン』といえば、現在でもコミックや映画などで展開が続く、言わずとしれたアメコミヒーロー。個人的には2002年公開の映画『スパイダーマン』の印象が強いのですが、本作は映画と同じくソニーが展開する作品なだけあって、当時見ていた映画版と遜色ない雰囲気が醸し出されているのが非常に印象的でした。

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本作にはマイルス・モラレス(左)とピーター・パーカー(右)が登場する。前者はアニメ映画『スパイダーマン:スパイダーバース』の主人公なので、知っている人も多いかも!

まず驚いたのは、発色の良さ。『Marvel’s Spider-Man』シリーズの特徴的な要素として、スパイダーマンになりきってニューヨークの街なかをかけめぐるというものが存在します。本作は既にスパイダーマンの存在が知れ渡っているということもあり、街中にスパイダーマンを称えるアートが点在しているのですが、

カラフル~~~!

HDR(ハイダイナミックレンジ)に対応していることで、パキッとした映像が目の前に広がります。ニューヨークのレンガ造りの壁にデカデカと描かれているで、ゲーム中ではかなり目立つ存在。ストーリーを進めるためにウェブスイングでビル群を駆け抜ける際も高頻度で見かけるのですが、ついつい眺めの良さそうなビルに長居してしまいました。

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PS5 Proで撮影された、4K画像

この「ビジュアル面での魅力」はさまざまな場面で効いてきます。下記画像は映画でも馴染み深いサンドマンとの戦闘シーン。「ビリビリ電気で攻撃しようぜ!」という状況なのですが、エフェクトひとつひとつが非常に派手で豪快です。

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PS5 Proで撮影された、4K画像

とくに白系統の色の明るさが綺麗。あんまりやっちゃいけないことなのですが、電気を真っ暗にして遊ぶともう気分は映画館。画面が明るいので、文字通り部屋全体に光が満ちるんです! 爆発が起こればウーファーで家が揺れ親にも怒られるので、爆音はほどほどにしないといけません。

サンドマンとの戦いの途中では、マイルスが街の反対側までふっとばされてしまうのですが、「これ全部リアルタイムってマジ……!?」「これだけの距離をこのビジュアルで!?」と驚いてしまいました。やっぱり、PS5元来の超高速ロードも関係しているのでしょうか。

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PS5 Proで撮影された、4K画像

上記画像の奥の砂モヤは直前まで戦っていた場所。このまま超高速で戦線復帰できるのもすごいです。

また白も黒もハイコントラストで描画されるおかげか、心なしかお尻も強調されている気がする。こういうヒト感がリアリティに繋がる(気がする)。

最初からこんな戦いを見せられてしまうともう後戻りはできません、プレイする手が止まらない……! PS5 Proで描かれる奥深い世界観が、己を侵食するシンビオートのように自分をスパイダーマンの世界に染めていきます。

ただ、本当にスパイダーマンになりきろうと思ったら「犯罪者との戦い」だけではいけませんよね。ピーター・パーカーやマイルス・モラレスという人間そのものに感情移入することも必要です。くぅ~、スパイダーマンの人間ドラマ、大好きなんだ。

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左がマイルス、右がピーター。
とてつもなく陳腐な感想で申し訳ないのですけど……、ムービー中はマジで映画を見てる気分になる

たとえば、ピーターにフォーカスしたパートでは、ピーターが思い出の家を失いかけていたり、教師をクビになったり。スパイダーマンとしての活動以外でも苦境に立たされている状況が重く描かれています。

個人的に常時スーパーヒーロー状態のゲームで遊ぶ機会が多かったこともあり、本作におけるストーリー上での緩急が非常に映画的だと感じられました。

ついさっきまでウェブスイングでマンハッタンを駆け巡っていたのに、次のシーンでは家賃滞納を告げる無慈悲な請求書を見ているし、そのまた次のシーンでは親友のハリー・オズボーンといっしょに自転車で住宅街に繰り出している。ヒーローのヒーローじゃない瞬間にフォーカスされることで、彼らが抱える葛藤が垣間見えます。

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そんな日常シーンを盛り上げるのもまた、美麗なグラフィック。ちょっとテクニカルな話にはなってしまうのですが、「リアルタイムでの反射」ってめちゃくちゃ性能を要求する表現だと思うんです。

レイトレーシングと呼ばれるこの機能ですが、いまPCで「4K」「レイトレーシング」なんてやろうものなら、場合によってはPS5 Proよりお高いものが必要になることも。

それを「自室でも!リビングでも!」なんて言うととんでもないことになってしまうわけで、そこは素直にPS5 Proに軍配があがるかも。本当にそう思わせるくらいしっかり動いてくれました。

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手前の風船にはピーターが、廊下にはハリーの姿が反射して写っている。家庭用ゲーム機でありながらキャラクターの動きに合わせてリアルタイムに演算するなんてクレイジー(褒め言葉)。

そんな誰も注目しなさそうなところに大事なスペックを割いてしまっていいのか心配になってしまいましたが、人間って思いのほか細かいことに気づく生き物。これまでは「ゲームだし別にしゃーないか」なんて思っていたところも、レイトレーシングの魔の手に飲まれると通常のグラフィックでは満足できなくなってしまうのじゃ……。

PS5 Proは無印PS5と何が違うの?

PS5をすでにお持ちの方はご存じかもしれませんが、PS5でリリースされるゲームの多くには、映像を綺麗に表示する「グラフィック優先」とグラフィックはほどほどにゲームの処理を最優先としてフレームレートを向上させる「パフォーマンス優先」という2種類のモードが存在します。

ハードウェアに合わせて最適化されがちな家庭用ゲーム機において、この選択肢が存在するのは少し異質。なんせ、グラフィックを優先すると近年のゲームで一般的な指標と言われている60FPSに到達できなくなってしまいますからね。

PS5 Proでは、“それを両立できるようにしましたよ!” というのが主な変更点となるのですが、端的に言ってしまうとPS5 Proというゲーム機は「周辺の環境まで含めて妥協をしたくないユーザー向けの製品」だと感じました。周辺の環境によっては宝の持ち腐れになってしまうかもしれないので、購入を検討する際はしっかりとリサーチすることが大切かもしれません。

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画面はPS5 Proのもの。とんでもなく雑に説明すると、PS5 Proでは「ヌルヌルでめっちゃいいグラフィック」か「ほどほどにヌルヌルで超めっちゃいいグラフィック」を選ぶことになる。

なお、今回筆者がPS5 Proの検証に使用した機材は東芝の4K有機ELテレビ「X8900N」とDENONのAVアンプ「AVR-X3800H」。映画や音楽用にリビングに設置されていたものですが、まさかゲーム機でもフル活用できるようになるとはすごい時代だ……。

ちなみに、『Marvel’s Spider-Man 2』では、前述の「グラフィック優先」にあたる「忠実度優先(Pro)」設定でプレイしています。あれだけのグラフィックを秒間30フレームで動かせること自体も驚きですが、なによりもこのレベルの動作をリビングでPCを使わずに行えることに驚き。

くわえて、今回「忠実度優先(Pro)」設定で遊んでいる限りでは、フレームレートに関して気になるポイントはまったくと言っていいほどなかったのも驚き。

筆者の現環境でPS5 Proの仕様とわかりやすくマッチしていたものは以下の通り。

・4K/120Hz VRR入力(低遅延でヌルヌル綺麗に表示)
・HDR (より高精細に色を表現)
・5.1チャンネルのサラウンド出力

VRRや120Hz対応はともかくとして、最低限PS5 Proというゲーム機を楽しむのであれば、4K/HDR対応のテレビは用意したいところ。デカければデカいほど、お得です。なお今回筆者が使用したような120Hz対応のディスプレイに表示する場合、一部モードで実行フレームレートが上がることもあるとのこと。

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リビングに置くと価値が結構わかりやすい。“ゲーム体験” を重視したい方へ

ゲーミングPCを買ってからというもの、リビングでゲームをする機会は減り、仕事も趣味も自室からというのが常になっていました。かといって、自室でガチガチの環境を組むこともなく、2.1chのステレオ環境と大きめのテレビがあるくらい。「ゲームはヘッドホンでまともに遊べればいいだろう」くらいに思っていた節があったのかも……。

正直、ゲーム機のこと舐めてました。

しかしながら、久々にゲーム機をリビングに設置して腰を据えて遊んでみると、めちゃくちゃ快適。PS5 Proで強化された表現力と、無印PS5から引き継がれたストレスのない超高速ロード。立体感のあるサラウンドオーディオ。リビングでこの体験ができてしまうのは控えめに言ってヤバい。ここまでしっかり環境を揃えた自分へのご褒美にも感じられました。

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そのような恩恵を受けるには、今回筆者が体験した『Marvel’s Spider-Man 2』のようにゲーム自体がPS5 Proに対応している必要があります。そのため、未対応のタイトルについては「ただ単純に実行速度が向上するだけ」という場合もあるでしょう。

実際に体験してみて、「高騰気味なゲーミングPCを導入するよりコスパがいい説」を改めて考えさせられました。PS5 Proによって受けられる恩恵はたしかにあります。「どの部分にも妥協したくない!」という方は導入を検討してみてはいかがでしょうか。

「PS5 Pro」は2024年11月7日発売予定。価格は税込11万9980円となっています。

ライター
最近ゲーム業界にサメ映画ブームが来ている気が・・・え? 『スター・ウォーズ』のゲームが出すぎて手が回らない毎日。1日36時間欲しい。
編集
幼少期からホラーゲームが好き。RPGは登場人物への感情移入が激しく的外れな考察をしがちで、レベル上げも怠るため終盤に苦しくなるタイプ。自著『デブからの脱却』(KADOKAWA)発売中
Twitter:@MarieYanamoto

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