あの「リンケージ調合」も完全再現!? もちろん「たる」のセリフもある怒涛のこだわりっぷり
ここからは『アナザーエデン』のライザコラボにおける「分かりまくってるポイント」をいくつか紹介したい。
まずは『ライザのアトリエ』のメインともいえる採取や調合。ライザ本編でも、品質や特性の厳選で広いマップを夢中で走り回った記憶が蘇る方もいるだろう。
『アナザーエデン』にもしっかりとそのシステムは再現されていて、採取道具を使用してフィールドでアイテムを採取することができる。
しかも本コラボでは、ただ素材を採取できるだけでは終わらない。ちゃんと「ハンマーを使ったらこの素材」、「草刈り鎌を使ったらこの素材」……といったように『ライザのアトリエ』にもあった道具の切り替えのシステムを完全に再現しているのだ。
正直なところ、「こんなに手が込んでることある?」と戸惑った。普通に道具を使って素材取れるだけでも満足度かなり高いのに、さらに切り替えも搭載されているなんて思わないよ!
そしてフィールドで採ってきた素材はもちろん調合に使用する。そして調合ももちろん…
うおおおお! マテリアル環もしっかり再現されてる! 別に指定されたアイテム入れるだけでも調合してる感じになるのに、ちゃんとリンケージ調合できてるよコレ!?
そう、本コラボではちゃんと『ライザのアトリエ』の調合ができるのだ。そして恐らく品質の良し悪しで完成するアイテムの効果も変わる。しかも調合時の背景再現へのこだわりもすごい。
筆者は中身を見るまでこんなに手が凝ってるコラボになっているとは思わなかった。ほかにも嬉しいポイントを挙げると、しっかり「たる」のセリフが用意されていたりもする。
さらに調合時はライザ本編でも流れる曲「秘密の隠れ家」が流れ、ボタンの決定SE(効果音)なんかも『ライザのアトリエ』のものになっている。かなり細かいが、これらもファンには嬉しい気遣いだ。
『アナザーエデン』の世界でも変わらず、『ライザのアトリエ』に限りなく近しいゲーム体験ができるのは、結構すごいことなのではないだろうか。
戦闘シーンの「フェイタルドライブ」も圧倒的な出来栄え。……これもう「2DRPG版ライザ」じゃない?
そして今回のライザコラボは、採取や調合の再現度が高いだけではない。もちろん戦闘システムへの力の入れ方もハンパないのだ。
『ライザのアトリエ』本編でも、調合で作成したアイテムを装備して戦闘などに使うことができるが、本コラボ内でもライザ・クラウディア・アンペルの3人は「コアアイテム」を装備することが可能となっている。
コアアイテムは調合で作成することで入手することができ、装備したアイテムに応じてバトル中に使用できるスキルが変化するというもの。戦闘に挑む前にセットすることができるので、アイテムの効果や後述の「オーダースキル」との相性なども考えて装備するといいだろう。
そしてそのオーダースキルだが、こちらは『ライザのアトリエ』と“ほぼ同じ”と言っても過言ではない。
これは戦闘中にライザたちが「~属性で攻撃して!」などのオーダーを出してくれるので、それに応えると追加で攻撃が発生するというシステムだ。ライザ本編を遊んだことのある方には親しみ深いシステムであると同時に、ややこしいものでもないので、『アナザーエデン』プレイヤーにも取っつきやすいはず。
そして、戦闘中にライザ・クラウディア・アンペルがスキルを使ったり、オーダースキルを達成していくと「タクティクスレベル」が上昇する。タクティクスレベルが上昇すると当然、必殺技「フェイタルドライブ」を発動することができる。
……あれ? これもう完全に『ライザのアトリエ』の戦闘の流れじゃないか? しっかり戦闘BGMも「啓蟄、嬰の足」流れてるし!?
そして今回、アンペルのフェイタルドライブを見ることができたので、実際にライザ本編と比較してみることにした。
に、似てる……!
『アナザーエデン』はデフォルメキャラのため、等身などの正確な比較などはできないが、それでもモーションはすさまじいほどの原作リスペクトを感じる発動シーンになっていた。戦闘は実質的に『ライザのアトリエ』のようなシステムにもなっていたし、先ほどの採取・調合とあわせ、どれだけ「アトリエ」要素を詰め込んでいるんだろうか……。
はじめのうちは、『アナザーエデン』は戦闘がサイドビューのコマンドバトルなので、アクション要素が強い『ライザのアトリエ』のバトル要素を盛り込むのは難しいのではないかと筆者は感じていた。
しかしライザ本編にもあるコアアイテムやオーダースキル、フェイタルドライブなどのシステムが『アナザーエデン』側に巧みに落とし込まれており、もし「『ライザのアトリエ』が2Dだったら、こんな感じだったのかも!」という妙な納得感まで覚えてしまった。
それと、戦闘シーンでは個人的にクラウディアがフルートを持って戦闘しているところがアツい。少しネタバレになってしまうのだが、『ライザのアトリエ2』以降ではクラウディアの武器が弓になってしまう。なので初代ライザでしか見ることができない、ある意味貴重な戦闘シーンを再度見ることができて懐かしさを感じた。
ちなみにクラウディアのフェイタルドライブシーンでは、しっかりと青いフェニックスのような鳥も登場していた。そもそもキャラクターの立ち絵の時点で各キャラのフェイタルドライブのデザインになっているので、もはやいちいち反応するまでもなく、むしろ「当たり前」のような雰囲気にさせてくる『アナザーエデン』に感服しっぱなしだ。
このように、『アナザーエデン』にあまり触れてこなかった筆者でも、『ライザのアトリエ』の要素がたっぷりと盛り込まれた本コラボに夢中となってしまった。細かいところにまで全力で力を入れてくれるの、コラボ相手側のファンとしては嬉しくてたまらない……。
キャラクターはもちろん、コラボストーリーも両ファンが楽しめる内容となっていたし、『ライザのアトリエ』ファンにはおなじみのゲームシステムがばっちりと再現されていたのは正直驚かされた。
「キャラクターが参戦!」みたいなコラボは昨今よくある話だが、『アナザーエデン』では、コラボストーリーやシステム、はたまたイベントスチルやロゴまで細部にわたってものすごい熱意で制作されているのではないかと思う。本作のコラボに対する熱量が、少しでもこの記事を通じて伝わっていれば幸いだ。
『アナザーエデン』の『ライザのアトリエ ~常闇の女王と秘密の隠れ家~』コラボは12月5日から開始予定。『ライザのアトリエ』の世界が忠実に再現されている本コラボに興味のある方は、ぜひこの機会に『アナザーエデン』をプレイしてみてはいかがだろうか。