ネクソンのPC&スマートフォン向けMMORPG『HIT : The World』のオフラインイベント「聖物占領戦 テストマッチイベント」が、12月7日に東京・板橋区にあるeスポフィールドで開催された。
このオフラインイベントのメインとなっていたのが、10月23日のアップデートで追加されたコンテンツの「聖物占領戦」だ。この「聖物占領戦」は、ギルド同士が聖物を奪い合うGvGコンテンツとなっており、今後こちらを活用した公式大会なども行われていく予定である。
今回のイベントは「聖物占領戦 テストマッチイベント」と題されていたが、公式大会の開催に向けて安定した運営ができることを目指して実施されたものだ。今回は、11月13日まで申し込みのあったユーザーの中から選考が行われており、そちらで選ばれたプレイヤーを3つのギルドに分けて勝敗を争うという形式で実施された。
こちらの記事では、当日のイベントの模様をレポートする。
第1試合は、公認エバンジェリストチームとテーマ曲を手掛けた歌手チームの対決
今回のテストマッチでは、2回の予選が行われたあと、勝ち残ったチームによる決勝戦が実施された。イベントで採用されたルールは4チームによるトーナメント戦で、予選2試合と決勝を含む全3試合で実施。試合はBO3形式となっており、2本先取したチームが勝利となる。
試合で使われたものは、2025年2月に実装される予定の「“カスタム版”聖物占領戦」だ。キャラクター自体は運営から提供されたものを使用。勝利条件は、「先に2500ポイントを取る」または、「対戦終了時の得点が高いチーム」だ。
初戦の対戦は、Aチームの「チーム反王」とBチームの「チーム椎名」だ。「チーム反王」は、『HIT : The World』の公認エバンジェリストとしてイベントなどにも出演している反王ケンラウヘルさん率いるチームだ。一方の「チーム椎名」は、『HIT : The World』のテーマ曲「Let’s HIT」を提供していることでもおなじみ歌手の椎名慶治さん率いるチームである。
予選の第1試合初戦から注目の戦いとなったが、椎名さんは「戦闘力がほぼ同じということもあり戦略や戦術、そして絆で勝利する。もし負けたら解散です!」と対戦前に意気込みを語っていた。
一方椎名さんへのメッセージを聞かれた反王ケンラウヘルさんは、「椎名さんは歌を歌う人。私はゲームをする人。この格の差ってやつを見せてやろうと思っています」と、並々ならぬ対戦意欲を見せていた。
「聖物占領戦」、マップ上に4つある聖物を占領してポイントを稼いでいくルールだ。本来は50対50の大人数でプレイするのだが、この第1試合は17対18人で行われており、「チーム椎名」がひとり少ない不利な状況となっていた。
開幕から圧倒的なリードを保っていたのが、「チーム反王」だ。ボスを取ることで「チーム椎名」が逆転の目もあったのだが、こちらも「チーム反王」がさらに有利な状況に持っていく。そのままの勢いで、「チーム反王」が1本目を先取していた。
第1試合の2本目で「チーム椎名」が取り返すことができれば、3戦目に突入。逆に「チーム反王」が勝利すると、そのまま決勝戦進出が決定する。ゲーム序盤は、聖物占領状況は2-2と拮抗した状態が続いていたのだが、途中から「チーム反王」が徐々に押していき聖物占領状況が4-0の状態になってしまう。そのまま2本目も「チーム反王」が勝利し、決勝戦への進出が決定した。
第2試合は「チームふぃの」と「チームてぃに」の激突。『HIT : The World』の最強ギルドのメンバーも参加
第2試合は、Cチームの「チームふぃの」とDチームの「チームてぃに」の対決に。「チームふぃの」を率いるのはKiKi2 castra所属のふぃのさんだが、サブリーダーは、なんとリアル兄弟とのこと。一方の「チームてぃに」は、Anica3 PARADE所属のてぃにさんが率いるチームだ。こちらは『HIT : The World』の最強ギルドのメンバーが含まれているということもあり、注目が集まっていた。
1本目は、「チームふぃの」がアグレッシブな攻めを見せたが、「チームてぃに」も負けじと戦い、互角に近い戦いが続いていく。しかし、聖物占領状況が4-0で得点もダブルスコアで稼いでいた「チームてぃに」がその勢いを無くすことなく最後まで突き進み、そのまま勝利を掴んだ。
初戦では圧倒的な力の差を見せつけた印象だった、「チームてぃに」。2本目の開幕はお互いに聖物占領状況が2-2という互角の状態でゲームが進んでいった。「チームてぃに」が攻め込むも、「チームふぃの」の守りが堅いこともあり、拮抗した状態が続いていく。
最初のボスを取ったのは「チームふぃの」であったが、若干ポイントが有利になったものの、得点や聖物の状況はあまりかわらず互角の状態に。しかし、ボスを倒したことによるバフ効果もあり、「チームふぃの」が徐々にポイントを稼いでいく。その後2番目のボスを倒した「チームふぃの」が2本目を取り返し、この日初めての3本目の対戦に突入することになった。
次に勝ったほうが決勝戦への進出が決まる3本目。ノーガード戦法で攻めてきたのが「チームてぃに」だ。しかし、序盤は得点や聖物の状況は互角といった状態に。ボスを抑えるために中央のエリアを押さえていた「チームふぃの」を、左右から挟み込むように攻める「チームてぃに」。だが、先に押さえていた「チームふぃの」がボスを倒すことに成功する。
「チームふぃの」がポイントで有利な状況になっていったが、勝敗を決める2体目のボスが出現。ここで「チームてぃに」が見事獲得に成功。最終的には、ボスのバフ効果もあり「チームてぃに」が大逆転を決めて勝利を収めた。
全サーバーで戦う大規模PvPフィールドや、新地域、新クラスなど巨大コンテンツが追加。12月のアップデート内容と2025年のロードマップが発表
こうして勝ち進んだチームとチーム。2組の決勝戦が行われる前に発表されたのが、12月のアップデート情報だ。ここで新たに開発統括プロデューサーに就任したパク・チョンチョル氏と、海外開発ディレクターのキム・ドヒョン氏が登壇。
パク氏は、「開発当初から皆様のご意見に耳を傾けるというお約束を守りつつ、これからも頑張っていきます」と挨拶。キム氏は、今回のアップデート情報には日本だけのものも含まれているとアピールしていた。
運営のそめや氏からは、今後の方針が発表された。ひとつ目は「日々の成長体験」だ。こちらは、ゲームプレイを通じてステータスの育成ができるような、コンテンツの定期的なアップデートを約束するというものである。ふたつ目は、「目標となるコンテンツ」。こちらは、3つの施策やコンテンツを中心にゲームプレイの楽しさを提供していくという。
続いて、メインとなる12月のアップデートの紹介が行われた。
12月11日より、全サーバーで戦う大規模PvPフィールド「虚無の激戦地」(日本仕様)が実装され、サーバー群を超えた連合形成「チームシステム」が追加される。この「虚無の激戦地」は、一定期間に行われるシーズン制のコンテンツで、毎月1回のみ7日間実施される。なお、初回は12月11日から12月17日の間に実施される。
12月18日に追加されるのが、新地域の「モンベラ」。モチーフは「忘れ去られた機械都市」で、フィールドの中に状態異常が多発するという特性があるとのことだ。
さらに、新地域とあわせて領地ボスも導入されることが決定。その新領地ボスとして登場するのが「コルタメン」だ。ランダムターゲットによる無差別攻撃と、範囲攻撃で複数同時にダメージを与えてくる点が特徴。そして、スタンを誘発する「感電」も使用する。
12月18日のメンテナンス後から、年が明けて1月31日までは期間ログインイベントの「Happy HolidaysログインボードⅠ」が開催される。装備復旧チケットや「イブリースキキ」確定召喚チケット、啓示者の古代クラス選択チケットⅣ(キャラ帰属)が含まれる豪華な内容となっている。
12月18日のメンテナンス後より、クラスチェンジイベントも開催。こちらは全クラスが対象で、ショップで「オールクラス変更権」を100ゴールドで購入することでクラス変更が可能。チケットの販売期間は1月1日の23時59分までで、クラスの変更ができるのは1月8日のメンテナンス前までとなっているので注意しよう。
12月18日より開催されるクリスマスイベントでは、クリスマス仕様のイベント用フィールドが登場する。また、クリスマス限定クラス外見の追加や、イベントダンジョン「雪山の山荘探検」が追加される。これ以外にも、12月11日にギルド祭壇や古代装備獲得挑戦イベントが実施されるほか、12月18日に新規アクセサリー「アミュレッタ」がアップデートで登場する予定だ。
さらに、2025年のロードマップも発表。1月から2月にかけて、「没落者の隠れ家」の新地域が追加、「パーティダンジョン」に65レベルが追加される。さらに、今回のイベントにも使われている「聖物占領戦」にカスタムマッチモードが追加されるほか、公式大会の参加者募集や予選を実施。それらにくわえて、「モンベラ」のサブゾーンも追加される。
3月から4月にかけては、「聖物占領戦」の公式大会の予選と決勝を実施、「レシティの研究室」に5階が追加される。さらに、待望の新規クラスとして「御剣(みつるぎ)」が実装。それに加えて、MMORPGとしては珍しいバトルロワイヤルモードの「生存の戦場」が実装される予定だ。
「チーム反王」と「チームてぃに」による決勝戦が開幕。2025年には大会も
盛りだくさんなアップデートとロードマップの発表ののち、予選を勝ち上がってきたAチーム「チーム反王」とDチーム「チームてぃに」による決勝戦が開幕。ルールはこれまで通りBO3で行われ、3試合のうち2本取ったチームが優勝となる。
「チームてぃに」はやや受け気味の状態で1本目が開幕。しかし、徐々に強さを発揮し、早い段階で聖物を獲得し3-1の状態に持っていく。聖物の取り合いをしている間にボスが出現。ここでも「チームてぃに」がボスをあっという間に撃破していく。
この流れが全く止まることなく、「チームてぃに」はポイントをどんどん積み上げていきダブルスコアに近い状況になってしまう。このままの勢いは最後まで変わることなく、「チームてぃに」が1本目を獲得していた。
優勝が決まる可能性もある2本目。「チーム反王」が中央から攻めていくのに対し、「チームてぃに」はサイド側から攻めていく。それぞれ聖物を抑えて2-2の互角の状態が続いていくが、1体目のボスを取るために早めに当たる両チーム。ここでは「チームてぃに」が押し気味だったが、ボス自体は「チーム反王」がスティールに成功しポイントを稼いでいく。
ボスのバフ効果もあってか、スコアもダブルスコアに近い状態で「チーム反王」が優勢であった。そこで、「チーム反王」が2体目のボスも獲得し、そのまま2本目を奪取。
泣いても笑ってもこれが最後の試合となる3本目だが、開幕の動きはひとつ前の試合と変わらず。スコア的にも互角の状態でゲームが進行していく。1体目のボスは先に陣地に入っていた「チーム反王」が獲得し、有利な状態に持っていく。このままの状態が続くと「チーム反王」の勝利が見えてくるのだが、「チームてぃに」が3-1で聖物を抑え逆転を狙っていく。
勝敗にも大きく影響する2体目のボスは、「チームてぃに」が見事獲得。ボスのバフが掛かったこともあり、ポイントを逆転することに成功する。「チーム反王」はカウンターを狙うものの、先に「チームてぃに」が2500ポイントを獲得し優勝を決めた。
すべての試合が終わったのち、最後にパク氏から「今日は私も競技を見ながら、手に汗が出る緊張感がありました。頑張っていただいた皆様、ありがとうございます」というコメントが語られ、イベントを締めくくった。
『HIT : The World』は今回のテストマッチを踏まえて、来年はいよいよ大会が開催される。また、バトロワなど新たなコンテンツも登場する予定なので、今後の展開にも注目していこう。