3月7日は『弟切草』が発売された日だ。
『弟切草』は、1992年3月7日にチュンソフト(当時)から発売されたスーパーファミコン用ソフト。チュンソフトのパブリッシングタイトル第一弾で、映像とBGMを使って小説を楽しめるサウンドノベルシリーズの1作目となっている。
サウンドノベルとは、チュンソフトによるアドベンチャーゲームの新ジャンルで、ビジュアルノベルの先駆け的な作品。表示されるテキストを小説のように読み進めていくのだが、効果的に音楽が流れることで没入感と臨場感、そして緊張感を高めていた。

『弟切草』では、主人公とその恋人である奈美を中心にストーリーが進んでいく。ふたりは人里離れた高原にデートに来ていたが、クルマが操作不能になって事故を起こしてしまう。そんな彼らは古びた洋館にたどり着き、さまざまな事態に巻き込まれていく……。
ホラーテイストで物語は描かれていくのだが、ときにはコミカルな演出もあり、プレイヤーを飽きさせない内容となっている。また、特定の条件で遊べるようになる”ピンクのしおり”は、ちょっとアダルトな雰囲気で多くのプレイヤーを魅了した。

ゲーム中では、実在する植物”弟切草(オトギリソウ)”にまつわる伝承、主人公らに関わる重大な秘密などが、ストーリー展開に応じて明らかになっていく。


プレイヤーが選択した判断によって展開やエンディングは変化。いずれの選択肢を選んだとしてもゲームオーバーにはならず、必ず何かしらのエンディングが見られることも本作の特徴である。周回するごとに新たな選択肢が増え、それによってさらにシナリオも分岐していく。こういった点も、本の小説では味わえないサウンドノベルの醍醐味と言えるだろう。

サウンドノベルシリーズは、1994年11月25日にはスーパーファミコンで『かまいたちの夜』が発売。1998年1月22日にセガサターンで『街』、2007年10月25日にプレイステーション3で『忌火起草(いまびきそう)』、2008年12月4日にWiiで『428 〜封鎖された渋谷で〜』、2011年12月17日にプレイステーション3とプレイステーション vitaで『真かまいたちの夜 11人目の訪問者』が発売されている。