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堀井雄二、東府屋ファミ坊も寒さに耐えた!! 『オホーツクに消ゆ』ゲームの舞台となった北海道で開催されたファンミーティングツアーをレポート

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ツアー2日目:流氷は見られないけどカニ爪で盛り上がる

網走駅前に8時集合。バスで紋別を目指す。

休憩で寄った道の駅「サロマ湖」で、一部の参加者たち(主に筆者)が、店内で流れるBGMが素晴らしいとざわめく。その曲は「Samba Saroma」。店員さんに聞くと、札幌のミュージシャンに作ってもらったそうだ。CDも売られていたので購入したところ、それが最後の1枚だった。上野氏が欲しそうだったからプレゼントしたら代金をくれた。いい人だ(笑)。

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紋別の観光名所「カニの爪」。1983年開催の「流氷アートフェスティバル」の際に制作された

紋別の名所「カニの爪」を訪問し、しばし休憩。ツアー参加者とクリエイター諸氏が談話を楽しむ時間となった。一緒に記念写真を撮ってもらう人もいて嬉しそうだ。

頃合いを見てバスで移動し、ランチへ。ここでは炉端焼セットが用意されていた。網の上で新鮮なカニ、ホッケ、ホタテ、エビがジュウジュウと音を立てている。「これこそがオホーツクの味だ!」と、クリエイターもツアー参加者も嬉しそう。昨夜の夕食あたりから、ツアー参加者同士がうち解けて、ここでさらに交流が深まっていたようだ。

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オホーツクの海の幸を堪能

お腹いっぱいに食べてからは、一部の人が直売所でお土産を送る手配をした後、再びバスへ。ほんの少しの移動で紋別港に到着し、かまぼこ販売のノボリがある「出塚水産直売所」の駐車場にバスが停まった。

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紋別港。巡視船が停泊していた

「またお土産購入ポイントかな?」と思って辺りを見渡すと、なんとそこにはゲームに登場する「港湾管理事務所」があった。現在は「紋別市水産製品検査センター」「紋別市水産製品研修センター」などが入居しているそうだ。

参加者はゲーム内を再現するべく、そこら辺で寝そべって死体の姿で写真を撮ったり撮られたりしていた。また、今回の参加者のひとり、元LOGiN編集者の柏埼コタロー氏が、ゲーム画面風のフレームを持参しており、記念撮影役を買って出ていた。

そのほかにもグルメ志向の参加者は、直売所で揚げたてのかまぼこやソフトクリームを食べるなど満喫していたようだ。

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「港湾管理事務所」の前で、なんとなく堀井氏が佇んでいたところ、自然と撮影会が始まっていた。ジー・モードのスタッフが大きなニポポ(※ゲーム内に登場する民芸品)を渡し、堀井氏がニコニコ顔で抱えている。

このニポポはジー・モードの各種イベントでたびたび登場しているもので、今回も公式Xアカウントにて、「ニポポの旅」としてツアー報告が行われていた。ちなみに、このニポポの胸にあるメダルは、週刊ファミ通のクロスレビューで殿堂入りした際の記念品とのことだ。

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ゲーム内で「港湾管理事務所」として登場した建物の前でニッコニコの堀井さん

次の訪問地は紋別公園。ゲーム内では連鎖殺人の背景が判明する場所だ。雪が積もる上り坂の先にある慰霊碑へ進むと、特徴的なテトラポッドの土台は雪に埋もれていた。

ゲーム内では海難事故の慰霊碑となっているけれど、実際は港湾殉職者慰霊碑であった。慰霊碑の文字がある面が、ゲームでは逆向きになっているが、これは背景との組み合わせを考えた結果だという。同じ向きだと慰霊の趣旨を書き換えたことになってしまうから、これは正解だと思う。

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紋別公園の慰霊碑。碑銘は裏面にある
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フレームに収めるとこんな感じ

さらに雪の坂を上って展望台へ。紋別の街を見渡し、その向こうにある海を望む。参加者から「流氷が見えた!」と声が上がったけれども、残念ながら筆者が撮影した写真には写っていなかった。

なお、紋別には気象台の測候所がなく、紋別市が独自に観測を行っている。その情報によると、ツアーで訪れる前日の13時に、沖合で流氷を確認したとのことだ。

次の立ち寄り地点は「氷紋の駅」。ここは1989年まで、JR北海道の名寄本線の紋別駅であった。

札幌駅や網走駅からの直通列車もあったけれど、名寄本線の廃止によって駅も廃止となり、その跡地はスーパーマーケットや温泉施設になっている。スーパーマーケットは地元ならではの商品が並んでいておもしろい。ゲーム画面と同じ場所はないけれど、ボスもこの店を訪れたかも?

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旧紋別駅構内に残された駅名標や動輪

観光地訪問はまだまだ続く。次の訪問地は、オホーツクタワーと砕氷船ガリンコ号だ。オホーツクタワーは海岸から突き出た防波堤の途中にあり、その上階は流氷で埋め尽くされた海を眺める「氷海展望塔」、水面下は海の中を見られる「海中展望塔」となっている。

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「氷海展望塔」。もう間もなく流氷で埋め尽くされる

紋別公園までは穏やかで、時折小雪が舞う程度の天気だったが、ここに来て強風、高波に見舞われた。海上はまだ明るいのに、海中展望塔の窓の外は真っ暗であった。

この海中展望塔はミニ水族館も兼ねており、クリオネや海の生物が展示されている。クリエイター諸氏やツアー参加者も熱心に見学しており、ゲームを忘れて普通の観光客になっていた。

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「海中展望塔」で展示されていたクリオネ

オホーツクタワーで、もっとも盛り上がったのは「カニの爪くじ」。1回1500円のくじで、カニの爪のぬいぐるみを四サイズからひとつもらえるのだ。小サイズのぬいぐるみでも、野球のグローブよりひとまわり大きい。これがツアー参加者にウケまくりで、ほとんどの人の手がカニ爪になってしまった。

オホーツクタワーの公式Xによると、このカニ爪くじは大人気で、1年分を見込んでいた初回ロットが約1か月で売り切れてしまったそうだ。

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クリエイターの皆さんがカニ怪人になってしまった……(笑)

本日最後の観光地は「砕氷船ガリンコ号」。名前の通り、船首のドリルで流氷をガリガリと砕きながら進む船だ。

しかし残念ながら本日は流氷が無く、高波で航海は危険とのことで、砕氷船ガリンコ号の勇姿は見られず。堤防の内側をめぐる遊覧航行となってしまった。

それでも参加者は、自然にできたグループで談話したり、甲板に出て風と景色を楽しんだりと楽しそう。海から眺める紋別の夜景もロマンチックだった。

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ガリンコ号。ちなみに砕氷船は南極観測船でも活躍している

バスを降りて今夜の宿へチェックインを行い、今晩も行われるファンミーティングの会場へ向かう。

なお、ツアー2日目の観光ルートを設定する際は、紋別市役所や、紋別の非公式ヒーロー「モンベモン」の関係者にもご協力をいただいていた。なかには『オホーツクに消ゆ』のファンもいて、ゲーム内に紋別が登場することを、誇らしく思ってくださっているそうだ。

ただ、この近隣地域では大人数を収容できる施設が少なく、ツアーの参加者全員を収容できる会場を探すのは困難だったそう。そうして、ようやく見つけた和風スナックにてファンミーティングが開催された。

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ホテルの近くにはゲームで登場した「はまなす通り」も

まずは食事を楽しみつつ、1日目に実施したペーパーテストの答え合わせと、上位得点者の発表が行われた。このときの司会は筆者が行ったのだが、増田氏の出題内容が面白く、別途メールで届いた解説を披露したところ大いに盛り上がった。

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食事タイム。恵方巻のカニはかまぼこじゃなくて本物だと気づいたかな?

出題内容から一部抜粋すると、「PC版で設定されていたボスの名前は?」、「野村真紀子が住んでいたアパートの名前は?」、「次の人物のうち、髭を生やしているのは誰か?」、「一番髪の長い女性は誰か?」、「北浜ホテルの料金、シングルとダブルの組み合わせは?」などの選択問題や、「札幌の居酒屋の名前を書け」といった記述問題があり、難度もさまざまである。

ちなみに「札幌の居酒屋の名前を書け」は引っかけ問題で、正解は「コロポックリ」ではなく「なまらうまい」である。コロポックリは炉端焼き屋なのだ。

また、「知床五湖で発見された男性の名前をフルネームで書け」の正解は、「井用邦雄」である。「いもちくにお」までは思い出せても、「用」を書ける人は少なく、とくに難度が高かったようだ。

最後の設問は、「堀井雄二氏が初めて世に出したゲームは何?」で、正解は「ラブマッチテニス」である。

だが、回答者の中で、ラブマッチテニスと記述しつつも「堀井氏がライターだった頃、月刊誌の連載で読者にプレゼントしたゴルフゲーム」と添え書きした人がいた。このことを堀井氏に確認したところ、「ありましたね。でも、その前に占いゲームも配ってます。あの頃はいろんなソフトを作って配ってました」とのこと。

したがって今回の採点時は、「世に出す」は「市販する」と再定義して、「ラブマッチテニス」を正解とした。それにしてもファンの知識はすごい。

実は、テストが0点の人もいて、「『オホーツクに消ゆ』をプレイしたことがありません。ごめんなさい」と書かれていた。

あとで直接聞いたところ、このツアーに参加した理由は「尊敬するクリエイターとお話しできるから」だという。なるほど、そういう参加動機もあるのか。ゲームファンとゲームクリエイターが、一緒にゲームのロケ地を巡るツアーって、とても珍しいのかも。

また、「この方々が関わったゲームを遊びたい」と、今回のツアーを通じて購入を決意したという。ゲームで見た景色を旅するのと、旅で見た景色をゲームで発見するのも、どちらもきっと楽しいはず。トラベルミステリーゲームならではの体験といえるだろう。

テストの回答でひとしきり盛り上がった後は、「トークタイム」だ。

和風スナックのカウンターの奥にクリエイター陣が並び、その向かい側の席にツアー参加者が座って会話ができる。10分間の入れ替え制で、ツアー参加者の全員が誰かしらとみっちりお話しできた。

端から見ると、まるで就職相談会のようだったけれども、皆さんとても楽しそう。また、カウンター席の入れ替えで移動すると、食事で座っていた席が「ばしょいどう」になることで、参加者同士の親睦もいっそう深まっていた。『オホーツクに消ゆ』のファン同士、誰とでも、うち解けて話せる関係になっていたようだ。

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ガールズバーっぽい雰囲気ですな(こら)
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ガールズバーの例えは撤回。就活説明会かと思えるくらい熱心な会話が交わされていた

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ライター
鉄道ゲームプレイヤーだった鉄道ライター。1990年代にPCゲーム雑誌「LOGiN」の広告営業を担当し、フリーライターに転じてからは「A列車で行こう」シリーズのガイドブックを担当しました。じつは西暦2000年ごろに日本最初のeスポーツライターとして韓国のWCGにも取材に行ったっけな。現在は鉄道系ライターとして、赤字ローカル線や整備新幹線、水素エネルギー、自動運転など、やや面倒くさいテーマ(笑)に取り組む日々。2021年に日本の旅客鉄道路線を完乗。新路線が開業するたびに乗りに行ってます。
編集者
元4Gamer。『Diablo』 『Ultima Online』 『EverQuest』 『FF11』 『AION』等々の、黎明期のオンラインRPGにおける熱狂やコミュニティ、そこから生まれたさまざまな文化は今も忘れられません。

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