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ツアー3日目:ロケ地訪問と流氷物語号乗車の旅

今日は月曜日。都合によりクリエイターとジー・モードスタッフの皆さんは、ひとあし先に紋別空港から東京へ帰ってしまわれる。ツアーの参加者は、憧れの方達に見送られて恐縮しながら網走へ向けて出発した。

そういったなか上野氏は、引き続きツアーに同行してくれた。バスの中では『オホーツクに消ゆ』のCDをセットしていたけれど、上野氏の強い希望で上述の「Samba Saroma」に交換し、参加者の眠気を吹き飛ばしてくれた。

能取岬が見える場所で記念撮影を行う。ここは、『オホーツクに消ゆ』のタイトルバックにもなった場所だ。このときのためにツアー参加者が持参した、ゲームの画面パネルも大人気で、皆が景色と重ねて撮影していた。それにしても、上野氏が手がけたBGMが脳内で再生されそうな景色だった。

『オホーツクに消ゆ』クリエイターとファンが一緒に“聖地巡礼”を行う北海道ツアーにスタッフとして同行してみた_034
ゲームのタイトル画面のロケ地(厳密には海岸に降りたところだが)

続いては、能取岬の灯台付近で下車して散策。網走駅で昼食のお弁当を積み込んで、道の駅「流氷街道網走」にて休憩とお土産ショッピングを行った。

次に向かった場所は、網走港「ぽぽ260防波堤」だ。観光するなら防波堤の先端に行ったほうが楽しいはずだが、ツアー参加者が真っ先に始めたのは「死体ごっこ」。そう、ここは『オホーツクに消ゆ』で、第3の死体「白木雄九郎」が発見された場所なのである。

参加者たちは次々と寝そべり、ゲームのフレームに合わせて写真を撮っていた。このツアーの主旨は、ボスになりきってロケ地を巡るというものだが、なぜか死にたがる人が多い(笑)。

そしてバスは、観光列車「流氷物語4号」に乗車するために、知床斜里駅へ向かう。
流氷物語は2両編成の観光列車である。一般客に混じって、ツアー参加者とスタッフ合わせて60名以上が加わるので、混雑を避けねばならない。今回のツアーでは網走、知床、網走、紋別、知床と、繰り返し行ったり来たりしているのだが、それにはこういった事情も関係しているのだ。

そのため今回は、少しでも空いている4号を選んだ。しかも4号なら、途中の浜小清水駅で20分停車し、車内で買えないコラボグッズも購入できる。

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知床斜里駅から「流氷物語号」で網走に戻る

あいにく車窓から流氷は見えなかったが、参加者同士はおしゃべりをしたり、冬の北海道の景色を見たりして楽しそう。

海側は強風で荒れるオホーツク海、反対側は北海道ならではの白い大地。観光放送によると、原生花園駅周辺は初夏に色とりどりの花が咲くそうで、その頃に再び訪れたくなった。約1時間の列車の旅はとても短く感じられた。

また、筆者と上野氏は、ツアー参加者の大学院生が見せてくれた自作のアプリに驚いていた。大学の学食のメニューをすべて収録していて、予算を入力するとオススメのメニューをアドバイスしてくれるそうだ。すごい。コンビニに売り込めば良いのに!

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車窓からは荒れ狂うオホーツク海が見られた。これも観光客にとっては珍しい景色だ
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コラボグッズ販売コーナーは行列が絶えない
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今年から車内では紙芝居が行われている。北浜駅の100年の歴史を紹介する内容だ

網走駅からバスで、最後の訪問地の「網走刑務所」へ。観光地となった「博物館網走監獄」ではなく、本物の網走刑務所である。そう、『オホーツクに消ゆ』で重要なヒントとなった「涙彫ニポポ」を作った、「浦田甚五郎」が収監された場所だ。

また追加シナリオでは、浦田甚五郎が服役した理由が明かされる場所でもあり、ファンミーティングツアーの最後に訪問する地としてもふさわしいだろう。

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網走刑務所の正門。刑務所であるため、大声を出すなど受刑者を刺激する行為は厳禁だ

網走刑務所の門前にある店舗では、刑務作業で作られた品物が販売されている。もちろん、ここで売られているのは「涙彫」ではない、普通のニポポだ。

だが、流氷物語号では特注品の「涙彫ニポポ」が販売されており、それは網走刑務所で作られている。2021年に「流氷物語号×オホーツクに消ゆ」のコラボを実施するときに、記念グッズとして最初に出たアイデアがこの「涙彫ニポポ」で、網走市がニポポの商標を持っていたことから実現に至ったそうだ。

刑務作業品に特注をお願いできるか、網走市の担当者にダメ元でお願いしてみたら、まさかの「OK」の返事が。ただ、刑務作業品ということもあり定期的な増産は難しく、売り切れた後の次回入荷は未定とのことだった。

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刑務作業展示場。ボスはここで涙彫ニポポの新情報を得た

涙彫ニポポを作ってくれた刑務者さんに感謝しつつ、厳粛な気持ちでバスに戻る。これにてファンミーティングツアーのすべての行程を消化した。JR利用者組は網走駅で、飛行機利用者組は女満別空港で別れ、それぞれの思い出を胸に帰路についた。

3日間、僕らと行動を共にしてくれた網走バスの運転手さん、車内でご当地の楽しい話を聞かせてくれたガイドさんに感謝。そしてなにより、ゲームの聖地巡礼を盛り上げてくれた、「MOTレール倶楽部」の皆さんにも感謝。それと、このツアーのためにファミコン本体と『オホーツクに消ゆ』を買ったのに、パスワードを忘れて続きをプレイできなかった添乗員の庄野さんもありがとうございました。

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このツアーの2週間後となる2月15日、網走地方気象台は「流氷初日」を発表。2月18日には、北浜駅の海岸に流氷が漂着した。

最後に、2027年の流氷シーズンから、JR北海道が新たな観光列車「青い星」を運行する予定だそうだ。また、現在の車両を使った「流氷物語号」は、2026年の運行をもって終了する予定だという。それに伴い、『オホーツクに消ゆ』とのコラボ列車が今後どうなるかも未定となっている。

「だったらさ、来年は最終列車に乗るツアーをやろうよ」と塩崎氏。

実現できるといいな。

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ライター
鉄道ゲームプレイヤーだった鉄道ライター。1990年代にPCゲーム雑誌「LOGiN」の広告営業を担当し、フリーライターに転じてからは「A列車で行こう」シリーズのガイドブックを担当しました。じつは西暦2000年ごろに日本最初のeスポーツライターとして韓国のWCGにも取材に行ったっけな。現在は鉄道系ライターとして、赤字ローカル線や整備新幹線、水素エネルギー、自動運転など、やや面倒くさいテーマ(笑)に取り組む日々。2021年に日本の旅客鉄道路線を完乗。新路線が開業するたびに乗りに行ってます。
編集者
元4Gamer。『Diablo』 『Ultima Online』 『EverQuest』 『FF11』 『AION』等々の、黎明期のオンラインRPGにおける熱狂やコミュニティ、そこから生まれたさまざまな文化は今も忘れられません。

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