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ハードコアなソウルライク『The First Berserker: Khazan』のバトルが壮絶すぎる。序盤のボスで43回も死ねた

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『アラド戦記』のスタイリッシュなアクションと、『ダークソウル』のジリジリとした戦いと、『SEKIRO』ライクな剣戟アクションと、ハクスラの要素が融合したら、このような姿形になるのだろうか。

3月28日にPC(Steam)/PS5/Xbox X|S向けに発売されたアクションRPG、『The First Berserker: Khazan』をプレイして、筆者はこのようなことを考えてしまった。

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本作ではさまざまな戦い方ができ、それでいてハードコアという名の下に、すべての要素が調和している、異様なアクションRPGだ。しかも、こう見えて意外と親切設計で、ソウルライクの入門用としてもうってつけの作品である。

筆者がなぜそう感じたのか。これから語っていきたい。

執筆/囲図囿図囲
編集/kawasaki

『アラド戦記』の面白さをソウルライクとして昇華

本作の主人公「カザン」は、ネクソンが運営中のMORPG『アラド戦記』の800年前の世界で、ペル・ロス帝国の大将軍だった人物である。そんな彼が反逆者の濡れ衣を着せられ、壮絶な復讐の旅の末に、“最初のバーサーカー”へと変貌する物語がたっぷりと描かれている。ちなみに、アラド戦記の未経験者でも問題なくプレイできるので、その点は安心してほしい。

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カザンの主な使用可能武器は、速攻が際立つ二刀流の「刀斧」、重厚な一撃を打ち放つ「大剣」、連撃で敵を突き崩す「槍」の3種類が用意されている。ソウルライクのゲームとしては少ないと感じるかもしれないが、物足りなさはまったくない。

というのも、どの武器もビジュアルやモーション、そしてサウンドの造り込みが半端ないのである。なかでも筆者のお気に入りの大剣は、重くて分厚く、一振りごとに画面が震えるほどの演出で、“魂でぶん殴っている”感があり大満足だ。

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さらに、新たなスキルをアンロックしていくことで、もともと苛烈だったカザンの戦闘スタイルは、いっそう激しさを増していく。ひとつの武器に対して5種類もの専用ツリーがあり、しかもスキルポイントはいつでも振り直し(リスペック)が可能。ゲームの進行状況や敵に応じて、スタイルを気軽に変更できるのだ。

このような親切設計は、本作の随所に見られる。ソウルライクである本作は、幾度となく死にまくって試行錯誤を重ねるわけだが、そういった際のストレスを感じにくい。個人的には“快適に死んで貰うためのシステム”だと勝手に納得している。

そうして、敵の攻撃をくぐり抜けたあとの“ご褒美”として、敵に対して圧倒的に、かつスタイリッシュにコンボを叩き込むわけだ。

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ハードコアかつフェアな“気力“のリソース管理が面白い

本作の面白さのキモは、最重要リソースである“気力”の管理に集約されている。この気力は、既存のソウルライクになぞらえて言うのであれば、“スタミナ”と“体幹”の両方を兼ねたものだ。つまり気力は、様々なアクションを繰り出すときだけでなく、敵からの攻撃を受けたときにも減少する。

しかも、気力がない状態で敵から攻撃を受けると脱力状態となり、この時間は比較的長めだ。己の命運を、完全に敵にゆだねることになってしまう。

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何も考えずにプレイしていると、気力はすぐに底をついてしまうわけで、これはあまりにも無情である。実際、今回のプレイにおける筆者の死因の大半が、気力管理のミスによるものであった。

逆に言うと、気力の管理さえしっかり行えれば、多くの状況下で“だいたいなんとかなる”ようにアクションが整えられているのが、このゲームをめちゃくちゃ面白くしている。

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あらためて紹介すると、“弱攻撃”は消費する気力が少ないが、敵をひるませるには手数が必要だ。そして、相手を崩しやすい“強攻撃”や“チャージ攻撃”は、使用時に多くの気力を必要とする。

そして、気力の自然回復は非常に遅い。激しい戦闘の中では、時が止まってしまったかに感じられるほどだ。つまり、いったん気力が大きく減ってしまうと、敵からの一発が命取りになりかねない状態が長引くわけだ。

とはいえ、気力が落ち込もうとも、積極的に攻撃を繰り出さねば戦局を有利に進められない。そのため、気力を無駄に消耗しないためにも、一方的な攻めの展開以外では、丁寧な立ち回りが求められるのだ。

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そして本作がユニークなのは、気力のシステムが適用されているのは、なにも自分だけではないということ。相手も同じように、被ダメージによって気力が減少するし、これが0になれば脱力状態に陥る。たとえボスであろうと同じだ。

気力の奪い合いを制し、脱力状態に陥ったボス敵を一方的に袋叩きにできるこの瞬間が、楽しくないわけがない。本作はカザンのみならず、相手にとってもハードコアで、とてもフェアなのである。

なお、致命攻撃の“ブルータルアタック”を決めることができれば、カザンの気力は全回復する。さぁ、元気いっぱい、戦闘継続だ!

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相手の気力を萎えさせる剣戟アクションが楽しすぎる

防御も重要で、本作ではガード回避の2種類が用意されている。
ガードの展開中は、ほとんどの物理攻撃を無効化できる。ただし、防御不能な攻撃も存在し、加えて属性攻撃では一部のダメージが貫通してしまう。しかも、構えている最中は気力の回復速度も落ちるため、過信は禁物だ。

ただし、タイミングがバッチリの“ジャストガード”を決められれば、自らの気力の消費量を大幅に抑えられるだけでなく、敵の気力を削ることも可能だ。これは個人的に、『SEKIRO』の剣戟アクションを彷彿とさせられ、実に楽しい。

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一方の回避は、その直後に攻撃を繰り出せるのが大きな特徴だ。回避攻撃は通常攻撃よりダメージが大きく、しかもどのような種別の武器を使ってもモーションが早い。大剣による素早い回避攻撃で、雑魚敵をサクッと処理できるのは気持ちがいい.しかも“ジャスト回避”に成功すると攻撃が強化され、敵の気力も大きく削れる。

ただし、回避はガードと比べて無敵時の判定がシビアだ。しかも、敵の攻撃はプレイヤーキャラにかなり追従してくる仕様となっており、回避に失敗すると攻撃をモロにくらってしまう。ここは要注意だ。

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ガードと回避の使い分けに関しては、手堅く攻めたければガード、より攻めを重視したいのであれば回避、といったチョイスになる。ただし、敵や状況によって、どちらも使いこなせるに越したことはない。

たとえば、回避できないほどの素早い連撃を繰り出す敵に対しては、ガードで受け止めるのが確実だ。一方で、ガードを貫通してくる攻撃もあり、これに対しては回避するしかない。スキルツリーを通じて、ガードや回避を強化したり、新たな特殊効果を付与したりもでき、防御方面もかなり奥が深い。

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ライター
ストア派とシカゴ学派の観点から人生をゲームとして生きている。ライターとしてはクラス選択したばかり。esportsは嗜む程度で、ほとんど追う専・観る専。好きなゲームジャンルは、ハクスラ・放置ゲー・宇宙ゲー・工業ゲー。特に、『Factorio』には無上の喜びを感じ、クリアまでに1000時間かかるMODを完遂することが夢。趣味は漫画を読むことと、書籍とゲームを積むこと。3度の飯ほど『弐瓶勉』作品が好き。
Twitter:@abaranche
編集者
元4Gamer。『Diablo』 『Ultima Online』 『EverQuest』 『FF11』 『AION』等々の、黎明期のオンラインRPGにおける熱狂やコミュニティ、そこから生まれたさまざまな文化は今も忘れられません。

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