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発売3日で100万本を突破したフランス産JRPG『エクスペディション33』序盤の進め方を解説してみた。「回避」と「パリィ」はどっちが重要? 混乱しやすい「ピクトス」と「ルミナ」も紹介

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4月24日に発売されてから3日で100万本を売上げ、5月7日には販売総数が200万本を突破するなど、すさまじい勢いで人気が広がるフランス産JRPG『Clair Obscur: Expedition 33』(エクスペディション33)。

海外レビュー集積サイトMetacriticでは、PC版のユーザースコアが「9.7」という高評価を獲得(掲載時点)。国内でもパッケージ版ソフトの発送が数週間待ちになるECサイトも現れるなど、世界中を巻き込んだ大賑わいを見せています。

こういった盛り上がりから、本作へと興味を持った読者の方々も多いと思うのですが、やはり巷でよく耳にするのは「戦闘が難しい」という声。

……わかります!!!

そこで本稿では戦闘周りに焦点を当て、戦闘に慣れるコツを含めたゲーム序盤の進め方をお伝えしたいと思います。ターン制コマンドRPGなのに「戦闘時に求められる技術量がアクションゲーム級」という少し独特な作品なので、慣れていない人にとっては戸惑ってしまうかもしれません。そんな方のお役に立てれば幸いです。

文/Squ
編集/柳本マリエ


どんな話だったっけ? ざっくりおさらい

本作は、ベル・エポックのフランスから着想を得た幻想的な世界「ルミエール」を舞台に展開される、ターン制コマンドRPGです。アートと死、運命と抗いが交錯する物語の中心にいるのは「ペイントレス」と呼ばれる謎多き存在。

年に一度ペイントレスは目覚め、巨大なモノリスに “数字” を描き出します。その数字に等しい年齢の人々は呪いによって塵となり、消えてしまうのです。年を追うごとに描かれる数字は小さくなり、犠牲者の数は膨れ上がっていきます。

そして今回、描かれたのは「33」。その数を目前に、最後の希望を託された第33遠征隊が結成されます。彼らの使命はただひとつ。ペイントレスを止め、この死の連鎖に終止符を打つこと。遠征隊は、ペイントレスが再び目覚めるその前に、決着をつけなければなりません。

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(画像はMedia | Clair Obscur: Expedition 33より)

「パリィ」と「回避」どっちが重要? まずは “守り” を覚えよう

はじめて本作に触れる人の中で懸念点として大きく挙げられそうなのが、戦闘時の「パリィ」でしょう。コマンドバトルなのに、リアルタイムで攻撃に反応してボタンを押す “あの” パリィがあるんです。

『スーパーマリオRPG』のジャストガードのようなシステム……といえばピンとくる人もいるかもしれませんが、本作のパリィは格段にシビア。敵の攻撃モーションに応じてかなりの精度でタイミングを合わせなければならず、わざとディレイ(タイミングをずらすこと)をかけてくる攻撃も少なくありません。

まるでハードなリズムゲームをプレイしているような感覚で、ボス戦ではたった一度のミスが即死につながってしまうような場面もザラに存在します。

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(画像はMedia | Clair Obscur: Expedition 33より)

そんな難しさを誇るパリィですが、じつはゲーム序盤なら「必須」というわけではありません。なぜなら本作にはもうひとつの防御手段として、「回避」が用意されているからです。こちらは判定の猶予が長いためパリィにくらべて成功しやすく、攻撃の無力化が可能。はじめのうちはこちらを中心に立ち回るのが安全策と言えるでしょう。

というのも、この戦法は本作の開発元も推奨しているもので、公式Xでは初めて相対する敵に対して回避を使用して攻撃の間隔を掴み、タイミングを覚えてからパリィに挑戦することが提案されています。

「まずは回避から始めて敵の動きを覚えよう。そうすれば、いつでもパリィの練習ができるようになるはずだ。回避のほうが少し簡単だから、パターンを覚える余裕もできる。とにかく、練習あるのみ!」(筆者訳)

……とはいえ、やはり最終的にはパリィを使いこなせるようになっていることが求められてきます。というのも、すべての攻撃でパリィを成功させることで発動する「カウンター」攻撃が非常に強力だからです。

とくにボス戦では「カウンターをどれだけ決められるかどうか」も勝敗に大きく関わると言っていいでしょう。本作の戦闘は「できるなら回避で耐える」そして「覚えたらパリィを決めまくる」というプレイヤー自身の成長が求められるシステムになっているのです。

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(画像はMedia | Clair Obscur: Expedition 33より)

なお、ユーザーの中には「パリィをトライしつづけて身体で覚えるべきだ」とする派閥もいる様子。あまりにも “死んで覚えろ派” が多かったせいか、開発元も「間違いだった」として「カウンターが成功するようになるまで死に続けることが本当の戦略」と訂正しています。

「オーケー、間違ってたよ、わかったよ。本当の戦略は、何度も死にながらカウンターを決めることだったんだ。それが第2の選択肢だ。」(筆者訳)

おい、ちょっと待て!!! さっきと話が違う!!!

積極的に狙いたい「属性相性」と「弱点」、序盤はカウンター以外でのダメージも意識しよう

パリィからのカウンターは本作の華。とはいえ序盤のうちは「狙えるときだけ狙えばOK」くらいの気持ちで大丈夫でしょう。というのも、それ以外にも敵に大ダメージを与える方法がちゃんと用意されているからです。

その鍵となるのが、「属性相性」と「弱点/急所」の概念。本作には火、雷、虚無といった様々な属性が存在し、それぞれが相性を持っています。

相性の良い属性は実際に攻撃を当ててみるまでわかりませんが、ビジュアルから予想可能な敵も多いので「こいつはボディが布で構成されているから炎が弱点かな?」とか「海の敵だから雷が弱点かな」といった直感も有効かもしれません。

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一方、急所はいわゆるクリティカルが出やすい部位のこと。敵によって異なりますが、頭だったり腫れ物だったり、フリーエイムによる射撃攻撃で撃ち抜くことで大ダメージを与えることが可能です。

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たとえば、このランセリエという敵の場合、急所は頭の青いコアのようなもの。序盤のうちは急所を撃ち抜くだけでHPを大きく削ることができるほか、後半のボスでは弱点を撃ち抜くことで特定の行動を遅らせたりといった恩恵が発生することもあるようです。

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戦闘がラクになる大事な要素「ピクトス」と「ルミナ」とは?

「やっぱりまだパリィ苦手かも……」という人の救世主になってくれるのが、「ピクトス」というアイテムの存在です。

ピクトスは簡単に言えば、装備することで常時ステータスや効果が強化されるパッシブスキルの塊のようなもの。例えば「HPが少ないほど攻撃力アップ」「回避時にAP(行動に必要なポイント)を獲得」「受けるダメージを常に50%カット」など、パリィに頼らずとも生存率をグッと上げてくれる性能のものが揃っています。

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とくに、回避にボーナスがつくピクトスは序盤の命綱とも言える存在。まだ敵のモーションを覚えきれてないときは、こうしたピクトスで自分の立ち回りを補強しながら、少しずつ慣れていくのがオススメ。

そしてうれしいことに、これらのピクトスは装備して戦闘すると「習得」が出来てしまうこと。一度覚えてしまえば、ピクトスを装備していなくても「ルミナ」と呼ばれるリソースの範囲内で効果を発揮することが可能となっています。

ルミナはキャラクターごとに許容量が設定されているため、すべての効果を同時に発動するといったことはできませんが、特定のアイテムを使用してルミナの容量を大きく増やすことが可能で「自分のプレイスタイルに合わせた構成」を組めるというのが本作のおもしろいポイントです。条件や構成次第では億を超える桁違いなダメージを引き出すことも可能なんだとか……。

ルミナとピクトスの存在は、パリィが必須に思えるこのゲームにおけるプランBとして非常に頼りがいのある要素です。自分なりのビルドをみつけて、好きなプレイスタイルで旅を進めていきましょう。

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(画像はMedia | Clair Obscur: Expedition 33より)

スキルビルドやキャラクター同士の組み合わせを意識しよう

さて、ここまで「パリィをどう克服するか」を主軸にお話ししてきましたが、じつはもうひとつ見逃せない軸が本作にはあります。それが、スキルビルドとキャラクター同士のシナジーです。

各キャラクターはそれぞれ、独自の戦闘システムを持っています。攻撃で使用した属性を貯めておくことでスキルに追加効果を付与できるキャラクターもいれば、

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(画像はMedia | Clair Obscur: Expedition 33より)

スキルを使用するごとに「構え」が変わり、その構えに応じて与ダメージや被ダメージが変化(+追加効果が発生)するキャラクターがいたり、

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(画像はMedia | Clair Obscur: Expedition 33より)

攻撃するたびにホイールが進んでいき強化対象が変わるほか、倒した敵に変身して攻撃するキャラクターまでいます。

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(画像はMedia | Clair Obscur: Expedition 33より)

書き出しているだけでも要素が盛りだくさんなのですが、「とりあえず好きなキャラクターを並べて突っ込む」だけでは、徐々に火力不足や立ち回りの限界に訪れることに……。

だからこそ意識したいのが、役割を理解してスキルを噛み合わせることです。

実際に筆者が終盤まで使い続けていたお気に入りコンボをひとつ紹介しましょう。序盤にパーティへ加入する「マエル」というキャラが持っている「デガジュマン」というスキルは、敵の弱点属性を2ターンのあいだ「火」に固定するというもの。

そこに同じく序盤で加入する火属性のスキルを多く持った「ルネ」を組み合わせて火傷の継続ダメージを狙うという、シンプルながら強力な構成です。

このデガジュマンから火属性特化の攻撃をぶつける流れが刺さる場面は想像以上に多く、筆者はこれだけで数多くのボス戦を突破しました。

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こうした連携コンボの発見と実践こそが、本作の戦術的なおもしろさ

ピクトスやルミナを活かしたキャラクター強化以外にも、スキルの相乗効果を探っていくことで、回避やパリィの枠を超えた自分だけの戦法が見えてくるはずです。

ちなみに、パーティ構成は戦闘時以外ならいつでも変更することが可能。そのため、詰まったら組み直すといった行動も必要になってくることでしょう。この試行錯誤を楽しんだ人こそ、本作の戦闘をもっと深く味わえるのかもしれません。

難しいけど、それがいい。自分だけの “遠征” を楽しもう

本作の戦闘は、コマンドベースのRPGらしからぬ、反射神経とパターン認識能力が求められるという、ひと筋縄ではいかないゲームシステムです。

けれど、そのぶん自分の成長がしっかりと実感できる設計とも言えそうです。これって、キャラクターの成長が描かれるRPGとしては、ある意味 “らしい” システムなのではないでしょうか。

最初はパリィのタイミングも掴めず、避けても被弾して、スキルやピクトスも目当てのものが手に入りません。でも、パリィがうまくなってきたり、強力なピクトスが手に入ったり、ハマるビルドが見つかったり、ふと「勝ち方」が見えてくることがあるんです。

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(画像はMedia | Clair Obscur: Expedition 33より)

その瞬間が、このゲームの戦闘における醍醐味です。

たとえ序盤でつまずいても大丈夫、焦らずに行きましょう。この世界の行き着く先はひとつかもしれませんが、進み方はひとつではありません。

自分だけの “33回目の遠征” を、じっくりと味わってみてください。

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(画像はMedia | Clair Obscur: Expedition 33より)
ライター
最近ゲーム業界にサメ映画ブームが来ている気が・・・え? 『スター・ウォーズ』のゲームが出すぎて手が回らない毎日。1日36時間欲しい。
編集
幼少期からホラーゲームが好き。RPGは登場人物への感情移入が激しく的外れな考察をしがちで、レベル上げも怠るため終盤に苦しくなるタイプ。自著『デブからの脱却』(KADOKAWA)発売中
Twitter:@MarieYanamoto

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