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ヘンテコ生物を繁栄させるゲーム『はらぺこミーム』で絵本みたいな雰囲気に癒されようと思ったら、癒されるどころか滅びちゃった話。うっかりすると詰んじゃうハードなゲーム性と、だからこそ止め時を失うディープな中毒性

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経験を積むほど頼もしくなっていくミームたち。繁殖による継承を繰り返せば、さらにミームは強くなり、できることも増える!

ここまでの説明や一連の特色から、本作に「苦行を強いるゲーム」との印象を持ったかもしれないが、そんなことはない。逆にこの一連の特徴を把握した上で取り組むと、ズルズルと時間という時間を吸われていく。プレイヤーの注意を引き付けては離さない要素がてんこ盛りなのだ。

特に強い注意と関心を誘うのがミームたち。自由奔放で予測不能、メンタル悪化で恐怖の存在になるミームたちだが、実は探索で経験を積むことでさまざまなことを学習し、成長していくようになっている。

素材を的確に回収してくれるようにもなるし、時には独自の「スキル」を獲得し特定の場面で実力を発揮する、頼もしい存在へと変わっていくのだ。

『はらぺこミーム』先行プレイレビュー、評価、感想:カワイイ見た目でうっかり詰むハードなゲーム性と、止め時を失うディープな中毒性_014

ミームたちの習得するスキルは実に豊富。「木を揺らして果実を落とす」「高い段差を飛び越える」「高速移動(ダッシュ)」「地面に埋まった素材を引っこ抜く」などなど、それぞれが探索時の素材回収に好循環をもたらしてくれる。

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面白いのが、スキル獲得が探索エリアの拡張にも関連していること。ダンジョン内部には高い段差、水辺などの特殊な地形があり、それぞれに応じたスキルを所持していれば、その先へと進めたり、その場にしか存在しない素材を回収できるようになるのだ。

スキルを獲得したミームが増え、それぞれが固有のものを持つようになれば、探索時における役割分担とそれを踏まえたチーム編成を考える面白さも格段に上昇。時間と苦労を割くに値するだけの大きすぎる報酬(リターン)が返ってくる仕組みが確立されている。

そして、スキルの魅力をさらに押し上げるのが繁殖。前述したようにミームには寿命があるため、いくら優れたスキルを持ったミームが誕生しても、いずれは居なくなってしまう。そんな優れたスキルを残すために重要なのが繁殖。繁殖を行うことによって、親から子へとスキルを継承することができるのだ。

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スキルには「基本(緑)」と「進化(赤)」の2種類がある。

スキルは親となる♂、♀それぞれから継承できる。しかも、両親のスキルが組み合わさることで、新たなスキルが誕生したりもするのである。ただし、子に継承できるスキルの最大数は4つ(基本2つ+進化2つ)までと制限されていて、全部のスキルを引き継ぐことはできない。

ゆえに継承に当たっては、どれを残すか否かの難しい判断も試される。

ただ、スキルは使い続けるたびにレベルも上がっていくため、引き継げば引き継ぐほどに強力になっていく。同時に子として生まれるミームもどんどん強くなっていくと同時に、探索などでできることも大幅に増え、滅亡を阻止するための“生存戦略”にも安定が生まれる。

確かに不手際があれば、地獄が顕現する側面もある。だが、逆に的確な計画性を持って取り組めば、よりよい結果も生まれる。不手際に陥った時以上の成果が得られ、遊び方の幅まで広がっていくのである。

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「詰み」に陥った初回プレイから、どうにかここまで挽回しました……

こうなるともう、プレイヤー側が「やめられない、とまらない」のスパイラルに陥る。そして、ズルズルと時間という時間を吸われ、気付いた頃には夜も更け、陽が昇っていた……みたいなことが起こり得るほど、高い中毒性を秘めているのである。

ちなみにミームの成長に限らず、ゲーム中つねにプレイヤーが思考を巡らせなければならない作りになっているのも、本作の中毒性の高さに直結している印象だ。

なにせ1日が10分と短い。その間にダンジョン探索による素材集め、土地の発展、ミームたちへの食事の提供、「まっくろ月」への対策、繁殖などに取り組むのだ。

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また、滅亡を阻止するために重要な「世界樹」を成長させるための「宴」を開くことにも取り組む必要がある。もちろん、これを実施するにおいても素材が必要だ。

作品の根幹部分がこのように多層的に設計されているのもあって、本当に考えない隙が生まれにくい。そして、システムへの理解や攻略の基礎を掴むと、本当に「やめられない、とまらない」になる。

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計画性がないと厳しい資源管理だったり、思い通りに動いてくれないどころか、メンタルを崩せば大変なことになるミームなどのクセツヨ部分も相応だが、だからこそ乗り越えた時の快感は格別であり、さらなる結果を求めて没頭してしまう。

それもあってこのようなものが好きな人なら深々とぶっ刺さる。同時に抜けなくなってしまうシミュレーションゲームになっているのだ。

ちなみに筆者はギリギリ陽が昇るまでの事態は避けました。とは言え、気付いたら午前3時半を過ぎていた」みたいなことはあったという……。

Nintendo Switchの携帯モードとの相性は鬼に金棒。コツをつかんだ後はもはや止まらなくなる

なお、今回の先行プレイは、Nintendo Switch(初代)の携帯モードでプレイする頻度が多かった。なぜかと言えば、ゲームの内容的にあまりにも携帯モードが“鬼に金棒”だったためである。

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仕組みを理解すると、文字通り時間を忘れて没頭してしまう要素が揃っているため、いつでもどこでも遊べてしまう携帯モードなら本当に「やめられない、とまらない」のである。そのまま充電が尽きたとしても、テレビモードへと移行すればもはやノンストップ。

また、ここまで資源管理の厳しさにフォーカスしてきたが、実はいつでも切り替え可能な難易度選択機能も備わっており、簡単な「やさしい」にすれば、必要素材の数が減って、それなりに遊びやすくなる。

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筆者はそれを変更せずに「ふつう」でやり通そうとし、件の詰みに陥った頑固プレイを敢行したケースなので、「そんなきつい目には遭いたくない……」のなら、迷わず難易度を下げることをオススメする。

さらに本作、やることの多さから大変そうなイメージもあるが、そこに関してもチュートリアルが豊富に加え、各要素は段階を踏みながら解禁されていく仕組みになっている。

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次に何をすべきかといった指標も「トーレン様のお願い」というメインクエストを通して示されるので、「何をするか分からない」みたいなことには陥りにくいので安心して欲しい。

ただし、難易度を下げたとしてもある程度の素材集めは試されるほか、ミームが居なくなってしまう寿命の要素がなくなったりはしない。実際、難易度を下げたプレイにおいても、途中で一部の素材が枯渇し、ミームがメンタル不調に陥るみたいなこともあった。

計画ミスと言えばそうなのかもしれないが、終始ラクラクになる訳でないことはご注意いただきたい。

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そして、「トーレン様のお願い」にも極力、取り組むことが推奨される。なぜなら、これをこなさないと一部の重要な施設を復活できないほか、世界樹を成長させるための「宴」を開くこともままならないためである。

ちなみにクエストには、個々のミームが素材を欲しがるサブクエストもある。これは無理に取り組む必要はないのだが、報酬として探索では手に入らない稀少素材をもらえるメリットがあるので、できる範囲で取り組んでみることを推奨する。

絵本の皮を被ったガチシミュレーション。試されるのは己の計画性と生存戦略!

仕組みを掴めば、一気に時間を吸われてしまうほどハマってしまう。それが本作、『はらぺこミーム』の正体であり、絵本の皮を被ったガチのシミュレーションゲームだ。特に「資源管理」「計画性」「できることが増える」のどれかに心ときめくものを感じたなら、遊んでみる価値は大いにある。

ただ、ゲームの中毒性は凄いものの、気になる箇所も少なくない。特に操作性と快適性については正直なところ、少々ストレスを感じた。

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操作に関しては、コントロールスティックで手のアイコンを動かし、項目をAボタンでチェックしていくマウスによる操作を前提にしているかのような部分は、煩わしさを感じる。

加えて視点を変える際にはAボタン押しっぱなしでコントロールスティックを動かすというスタイル。それも上下左右が反転(リバース)した仕様で、慣れない人ほど戸惑いやすい(残念ながら、この反転をOFFにするオプションはない)。

快適性に関しても、特に探索中はフレームレートが落ちやすいほか、ダンジョンへの移行および離脱の際に生じるロードも気持ち長め。ミームたちに複雑なAIが組み込まれているためなのか、やや重さを感じるものになってしまっている。

それもあって、筆者はプレイ中に心底思った。

「これ、できればNintendo Switch 2 で遊んでみたかった……」と。

実際、どの事柄も「Nintendo Switch 2 なら解消されるのではないか?」と思しきものばかりで、やればやるほど「Switch 2 なら早いんだろうな……」と心の中で考えてしまった。

本作をプレイするにあたって、快適性に懸念を覚えたのなら、(そして幸運にもNintendo Switch 2 を入手できているなら)、そちらで遊んでみてもいいかもしれない。操作に関しては他にも少々気になる箇所もあるので、アップデートで手が加わることに期待を寄せたいところである。

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ともあれ、クセツヨなところもあるが、細かいやりくりであったり、計画性が試されるシミュレーションゲームが好きな人にはかなり刺さる仕上がりにはなっている。

絵本のようなやさしい世界観や雰囲気を味わうことを求めると、「思っていたのと違う!」となるかもしれないが、仕組みが分かれば一気に時間を吸われる。

ヘンテコで不思議な生物が巻き起こす資源管理のジレンマとメンタル不調の恐怖に立ち向かい、滅亡の運命を覆そう。試されるのは、己の生存戦略だ!

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ライター
新旧構わず、色々ゲームに手を伸ばしては積み上げるひよっこライター。アクションゲーム(特に『メトロイド』、『ロックマン』)とストラテジーが大好物。フリーゲーム、VRゲームの動向もひっそり追いかけ続けている。
Twitter:@shelloop
編集者
小説の虜だった子供がソードワールドの洗礼を受けて以来、TRPGを遊び続けて20年。途中FEZとLoLで対人要素の光と闇を学び、steamの格安タイトルからジャンルの多様性を味わいつつ、ゲームの奥深さを日々勉強中。最近はオープンワールドの面白さに目覚めつつある。
Twitter:@reUQest

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