日本最大級のインディーゲームの祭典「BitSummit the 13th」が、京都市勧業館みやこめっせにて7月18日から20日まで開催中だ。同イベントは世界各国から集まったインディーゲームの試遊や、物販、ステージなどが楽しめるイベントとなっている。
今回お届けするのは、韓国に拠点を置くスタジオのTeam Tetrapodによる、超能力推理アドベンチャーゲーム『Staffer Retro: 超能力推理クエスト』の試遊レポートだ。
本作は、人々が超能力を持つ世界で起こるさまざまな難事件に挑む、推理モノのゲームだ。同スタジオが制作した『Staffer Case: 超能力推理アドベンチャー』の続編という扱いとなっている。
前作は作り込まれたストーリーやキャラクター造形、世界観などが高評価を得ている。筆者もプレイ済みだが、大満足の一作であった。その続編ということで、今回の取材は前のめりで挑んだのだが、その期待を裏切らない内容であった。
今回の『Staffer Retro: 超能力推理クエスト』は、前作から世界観を引き継ぎつつも、登場キャラクターを刷新。新主人公のヴェリータを中心とした物語が展開していく。今回の試遊では、そのプロローグにあたる部分を約15分間にわたって体験できた。
ヴェリータの父親が営むレトロショップに本を売却した顧客が、「売った本を買い戻したい」と申し出てくるところからストーリーは始まる。件の本はすでに他の客の手に渡ってしまっていたが、しつこく食い下がる顧客の前に、ヴェリータがやむなく購入者の行方を探すことに……。
アドベンチャーゲームとしての基本システムは前作を踏襲しており、会話や探索を行いながら、要所で推理を行いながらストーリーを進めていく。前作のファンも安心してプレイできるだろう。
推理を行うときは、提示された謎と手持ちの資料を照合して、答えを導き出すという流れとなっている。たとえば「本の購入者は誰か?」という謎を推理する際は、手持ちの資料を見て、本を買っていた顧客の名前を見つけ出して照合する、といった感じだ。
この照合が成功するときは、2つのピースがカチッとハマるような演出が挟まれ、これが心地いい。
前作はキャラクターの造形や雰囲気作りも高く評価されているが、あえて言うならば、各シーンの登場キャラが動かない立ち絵だったのが個人的に少々物足りなかった。
これに関して、本作ではいわゆる「Live2D」的なアニメーションが追加されている。もともと可愛らしいキャラクターだったのが、動きが加わることで、さらに生き生きと、そして魅力的に感じられたのだ。
もちろん、それによって物語への没入感も一気に高まるだろう。
今回体験できたのはごく序盤のストーリーだったが、キャラクターの演出面において前作からの大きな進化を感じられた。今後、超能力が本格的に絡むようになったとき、どのようなストーリー展開を迎えるのか興味津々である。
最近では、比較的近いテーマの『都市伝説解体センター』が人気を博しているが、今回本作をプレイして、同じくらい“刺さる”ゲームになるかもしれない。そんな期待感を抱かせてくれた試遊であった。
『Staffer Retro: 超能力推理クエスト』は現在、「BitSummit the 13th」に出展中だ。気になった方は現地に足を運び、あるいはSteamのストアページをチェックしつつ、続報に期待してほしい。