ファンタジー世界の生き物を討伐、解体、調理するための知識を「現実的に」描いた架空マニュアル本『モンスター解体図鑑』。本企画は気になるこの本の中身から、一部のモンスターを抜粋して紹介していく。
今回は第2回となり、モンスターは「スケルトン」。一見すると食べるところなどなさそうなモンスターではあるが、本書によると「骨せんべい」にするのがオススメとのこと。干し肉のような旨味と、焦がした薬草の苦みが混じった味だとか。
スケルトン(危険度E 魔法属性・闇)
生態
日の当たらない洞窟や森の深い場所に棲み、昼夜を問わず活動し、特に暗所での群体行動を好む。複雑な知性は見られないが、簡易な連携行動をとることがある。
食事や睡眠、呼吸などの生理活動を行わず、老衰や病死もない。頭蓋内部に存在する魔力核が活動の中心であり、これを破壊することで機能を完全に停止させることができる。頭を胴体から離すことで少しの間動きを止めることができる。
外見は人間の骨格に酷似しているが、実際は魔力が濃く不安定な土地に自然発生する非有機性の擬似生命体であり、死者との関連はない。
おすすめ料理 白骨鬼の骨せんべい
~沈黙の旨味、焚き火の余韻~
スケルトンの骨を聖水または簡易魔力中和液に半日ほど漬け、魔素を安定させた後、薄く削いで焚き火で炙った料理。
干し肉のような旨味と、焦がした薬草の苦味が混じった味で噛むごとにわずかな魔素の刺激が舌に残る。焼きが甘いと魔素が残りすぎ、口の中にビリビリとした刺激が残る食感は炙りチップスに近い。
魔素を少量保持しているため、微弱な活力回復効果があるほか、魔力枯渇時の補助にもなる。
長期保存が可能で乾燥地帯であれば数週間以上の常温保存にも耐える。純米酒やエール、お茶にも合う。
採取可能素材
骨
魔力伝導性が高く、剣や杖の軸に最適。骨を野菜とともに煮込んでスープ用の出汁を取ったり、骨を砕いて薬や草木の肥料にしたりもできる。
核
微弱な属性魔力を帯びている、比較的脆い核。魔力に反応しやすいため、モンスター接近センサーや瘴気探知デバイスに組み込まれる。
スケルトンが身につけている装備
駆け出し冒険者は装備を整えるまでのつなぎとして使用することをすすめる。
解体手順
step 01 頭蓋骨に穴をあける
頭蓋骨にのこぎりで穴をあける。
step 02 核を取り出す
中にある核を取り出し壊す。
日の光や浄化に弱い
スケルトンの骨は日の光に当たると粉々に砕けて骨粉にな
り、聖水や浄化魔法に触れると溶けてしまう。討伐証明の
喉仏は回収したら日が当たらないようにポーチなどに入れると良い。
スケルトンの骨の活用例
出汁
骨を長時間煮出すことで、透明で香り高い出汁が得られる。土や鉱石のような香りとかすかな苦味をもつこの出汁は、魔導師向けの補気食や長旅の疲労回復膳に用いられる。
肥料
焼成した骨粉は、魔力を微量に放出する特殊肥料となる。魔草などの魔力感応植物に特に効果的で、成長速度を高め、根張りを安定させる。瘴気地帯の土壌再生にも活用可能。
薬
スケルトンの骨から作られた骨粉は薬の材料にもなる。微量な魔力が神経に穏やかに作用し、軽度の魔力酔い、精神の過敏、幻視症状の緩和などに効果がある。