ファンタジー世界の生き物を討伐、解体、調理するための知識を「現実的に」描いた架空マニュアル本『モンスター解体図鑑』。本企画は気になるこの本の中身から、一部のモンスターを抜粋して紹介していく。
今回は第7回となり、モンスターは「トレント」。動く巨木といった魔物で、その幹や枝を乾燥させて砕いたウッドチップが燻製の際に用いられるという。燻している間に香りが食材に沁み込み、奥深い風味を生み出すそうだ。
また、葉っぱをせんじたお茶にはリラックス効果や集中力を高める効果もあるという。
トレント(危険度B 魔法属性・木・風)
生態
古い森の奥で、周囲の樹木と感覚共有しながら森の一部として静止している。基本的には土中の魔素や枯葉、腐葉土を吸収して栄養とするが、生物の死骸を吸収し、魔力増強を図る例もある。
縄張り意識は非常に強く、侵入者を察知すると警告の音を発し、撤退しない場合は物理的排除に移行する。
一般的に動きは緩慢だが、根を引き抜いて移動することが可能であり、戦闘時には地中から根を突き出して攻撃するほか、樹皮を硬化させて身を守る能力をもつ。
火属性魔法による攻撃や、機動性を活かした戦法が有効。
おすすめ料理 森守木の燻製用チップ
~森煙る杯の記憶~
トレントの幹や枝を乾燥し、細かく砕いた、燻製に適したウッドチップ。燻製にすることで食材の水分が抜け、長期保存が可能になり、煙の香りが食材に移ることで奥深い風味が生まれる。
主幹部はほのかに甘く、草木と蜜を混ぜたような香りで、白身魚や内臓を燻すのに最適。
苔着枝皮部はスモーキーな中に、湿った苔と土の香気が感じられ、赤身肉や甲殻類と相性が良い。
枯れ枝の炭は灰を思わせる乾いた芳香で、卵やキノコ、チーズなどと合う。また、トレントの葉を煎じたお茶には、リラックス効果や、集中力を高める効果がある。
採取可能素材
樹皮
魔素硬化によって鉱石のように堅くなった樹皮。
魔法防御用の軽装甲や魔導書の表紙の素材となる。
樹液
自己修復作用と軽度の幻覚誘導作用がある。
錬金用触媒や魔道具のコーティング剤となる。
主幹部
精霊工芸品や高級杖に加工される。
根繊維
極めて高い引張強度と魔力伝導性をもつ細長い繊維。
弓弦、魔導弦、罠糸などに用いられる。
解体手順
step 01 樹皮を剥ぐ
オノで切り込みを入れ、樹皮を剥ぐ。
step 02 切り倒す
腕枝を切り落とし、主幹部をオノで切る。
step 03 枝を切り落とす
主幹部から伸びている枝を切り落とす。
step 04 魔核を取る
中が空洞になっている顔に見える部分をくりぬき、内側にある魔力核を取る。
step 05 樹液を取る
下側に溜まっている樹液を取る。
step 06 根を掘り起こす
4m四方を掘削し、根を掘り起こす。



