ファンタジー世界の生き物を討伐、解体、調理するための知識を「現実的に」描いた架空マニュアル本『モンスター解体図鑑』。本企画は気になるこの本の中身から、一部のモンスターを抜粋して紹介していく。
今回は第8回となり、モンスターは「ゴーレム」。石のような見た目でとても食べられなさそうだが、外殻の下には粘土状の内層があり、それを生地に使って“だんご”を作ることができるそう。
意外にもふんわりと柔らかい食感で、磯の香りや根菜のような土っぽい風味の中に、蜂蜜のような甘みがあるらしい。もちろん頑丈な外殻は城壁などの補強材として利用されることもあるそうだ。
ゴーレム(危険度A 魔法属性・土)
生態
城塞や神殿の守護などを目的に作られた古代の人工生命体で、遺跡や地下神殿の奥深くで主を失ったまま稼働し続けている。
感情や判断力はほとんど持たず、あくまで命令や条件に忠実に従って動く。
粘土、岩石、金属、魔力を帯びた鉱石など、多様な素材を用いて作られている。内部には魔力核が埋め込まれており、それが動力源として機能している。魔力供給が枯渇すると活動を停止する。
動きは鈍重ながら、攻撃力や防御力は極めて高く、並の剣や魔法では傷一つ付けられない。魔力核や関節が弱点。
おすすめ料理 魔導人形の団子
~一粒に宿る魔石の囁き~
ゴーレム内層に微量の魔導鉱結晶の粉末と香草を練り込んだ生地を丸めて蒸した料理。疲労回復や魔力補充の効果がある。
過剰摂取すると魔力過剰による頭痛や倦怠感を引き起こすため注意が必要。
見た目は石だが、ふんわりとした柔らかい食感。海藻のような磯の香りや新鮮な根菜のような土っぽい風味の中に、蜂蜜のような甘味がある。
香草の爽やかな香りと、スパイスによるピリッとした刺激が感じられる。
ふっくら柔らかな舌触りと鉱石粉のざらりとした微細な粒感が、噛むごとに味に深みを与える。蒸した後に炙ることで香ばしさが広がる。
採取可能素材
外殻
耐久性が高く、城壁や防御施設の補強材として再利用される。
ゴーレムの内層
外殻の下にある砂の層。魔力を全身に伝え、ゴーレムが動くことを可能にしている。食用可。
魔導鉱結晶
魔力核を構成する高濃度魔力鉱石。破壊後も魔力を帯びた状態で残存することが多い。
魔導具の動力源や魔力結界の中核素材として利用される。
解体手順
step 01 魔力核を取り出す
ノミとハンマーを使って胸にある魔力核を丁寧に取り出す。
step 02 四肢を切断する
腕と脚を付け根から切り離す。
継ぎ目の段差に道具を差し込むと簡単。
step 03 外殻を剥がす
体表を覆う岩の装甲を剥がす。
継ぎ目に沿って削り、薄皮をめくるように作業するのが良い。
step 04 内層を取り除く
外殻のすぐ下にある粘土状の内層を取り除く。
内層の下には小石や砂が詰め込まれている。
step 05 ふるいにかける
小石や砂には鉱石や宝石が混ざっていることもあるので、ふるいにかけると良い。
step 06 残った小石や砂を捨てる
残った小石や砂は長年魔力にさらされていたため、周囲に影響を与えないように1kg くらいずつに分けて捨てる。



