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シリーズ30周年──「美人?」から「美人!」となった『トゥームレイダー』、ララ・クロフトの歴史をざっくりと振り返ってみた

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2025年末のThe Game Awardsで『トゥームレイダー』シリーズの最新作が発表された。

完全新作となる『Tomb Raider: Catalyst』は2027年に発売を予定。そして、1作目をフルリメイクした『Tomb Raider: Legacy of Atlantis(トゥームレイダー・レガシー・オブ・アトランティス)』は2026年に発売を予定していると発表があった。

『トゥームレイダー』1作目が登場したのは1996年。前作『シャドウ オブ ザ トゥームレイダー』から約8年ぶりの新作となる。『トゥームレイダー』シリーズは実写映画化のほか、Netflixでのアニメ化や『Dead by Daylight』とのコラボなどによって、IPとして知っている人は多いことだろう。だが歴史の長さゆえに、「キャラクターやIPの名前は知っているけど、『トゥームレイダー』というゲームのことは詳しく知らない」という方も多いのではないだろうか。

30年の歴史を誇る『トゥームレイダー』は、アクションゲームの金字塔と呼ばれ、イギリスでは国民的ゲームとして愛され、さまざまなギネス世界記録を有するタイトルである。ゲームファンだったら『トゥームレイダー』を知らないなんてもったいない! というわけで、本稿ではシリーズの歴史・変遷をざっくりと伝えていく。

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『Tomb Raider: Legacy of Atlantis』

文/ 豊田恵吾

ビデオゲーム史に名を刻むヒロイン、ララ・クロフト

1996年、イギリスのゲーム会社Core Designが制作を担当し、アイドスから発売された『トゥームレイダー』。トレジャーハンターの女性主人公、ララ・クロフトが世界各地の秘境で冒険を繰り広げるアクションアドベンチャーゲームで、三人称視点3Dアクションゲームの先駆け的タイトルである。開発当初は男性キャラを主人公としていたが、『インディ・ジョーンズ』に類似しているという指摘から女性キャラへと変更。その結果、ポニーテール、タンクトップ、ショートパンツ、二丁拳銃という印象的なスタイルが生み出され、当時ビデオゲームでは珍しかった「スタイリッシュで強い女性」という強烈な個性が誕生した。

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ララの人気は欧州ではとくに高く、ビデオゲームの主人公という粋を超えた、世界的人気キャラクターである。アンジェリーナ・ジョリーがララ役を務めた実写映画が有名だが、テレビ、雑誌への登場は数えきれないほどで、フランスでは切手となり、「最も成功したビデオゲームヒロイン」として、ギネス世界記録にも認定されている。

『トゥームレイダー』およびララ・クロフトは、ほかにも複数のギネス世界記録に認定されており、その人気と功績の大きさを証明している。

<おもなギネス世界記録>
・最も売れたゲームヒロイン(Best-selling video game heroine):
・最も雑誌の表紙を飾ったゲームキャラクター(Most magazine covers featured in):
・最も成功したビデオゲームヒロイン(Most successful human video game heroine)
・最も詳細に描かれたゲームキャラクター(Most detailed video game character):
・公式で最も多くの実在人物に演じられたゲームキャラクター(Most real-life actors to portray a video game character)

シリーズの変遷(主要タイトルを抜粋)

トゥームレイダー(Tomb Raider)

日本版発売日:1997年1月24日(セガサターン版)
 ※海外版は1996年10月25日発売。
開発: Core Design

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(画像は『Tomb Raider I (1996)』Steamストアページより)

舞台はペルー、ギリシャ、エジプト。日本版では2作目まではララの名前が「レイラ・クロフト」の表記となっている。当時としては革新的な3Dグラフィックスと自由度の高いゲームプレイが特徴。ジャンプ、クライミング、スイミング、シューティングなどの多彩なアクションを駆使しながら遺跡を探索する内容となっており、一度のミスが死につながる硬派な内容が人気を博した。また、さまざまなパズルやトラップが配置されており、それらの謎解き要素も好評だった。

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(画像は『Tomb Raider I (1996)』Steamストアページより)

トゥームレイダー2(Tomb Raider II)

日本版発売日:1998年1月22日
開発:Core Design

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(画像は『Tomb Raider II (1997)』Steamストアページより)

冒険の舞台は、万里の長城やヴェネツィアの運河、チベットの雪山など。前作同様、探索、謎解き、戦闘の要素が融合したゲームプレイが特徴で、新しい武器やアイテム、乗り物などが追加されたことにより、多彩なアクションが楽しめるようになっている。

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(画像は『Tomb Raider II (1997)』Steamストアページより)

トゥームレイダー3(Tomb Raider III: Adventures of Lara Croft)

日本版発売日:1999年3月4日
開発:Core Design

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(画像は『Tomb Raider III (1998)』Steamストアページより)

インド、ネバダ、南極大陸などが舞台。グラフィックが進化し、ジャングルや市街地、砂漠といったさまざまな環境がよりリアルに描かれている。見た目だけではなく、土地ごとの特色を生かしたギミックやトラップが登場し、プレイヤーを飽きさせないものに。シビアな操作が要求される場面、難解な謎解きが多く、シリーズ最高難度と評されている。

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(画像は『Tomb Raider III (1998)』Steamストアページより)

トゥームレイダー4 ラストレベレーション(Tomb Raider: The Last Revelation)

日本版発売日:2000年7月19日
開発:Core Design

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(画像は『Tomb Raider IV: The Last Revelation (1999)』Steamストアページより)

「トゥームレイダー(墓荒らし)」を楽しめるように、遺跡探索に原点回帰したタイトル。ララの目鼻立ちがすっきりし、16歳だったときの過去(ツインテール姿)も描かれた。ロープ・ポールアクションが追加されたほか、縁につかまってのぶら下がり移動が可能となり、より立体的な探索ができるように。ララが生死不明となるエンディングは衝撃を与え、シリーズのその後に強く影響を及ぼしたタイトルとしても知られている。

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(画像は『Tomb Raider IV: The Last Revelation (1999)』Steamストアページより)

トゥームレイダー5 クロニクル(Tomb Raider Chronicles)

日本版発売日:2001年5月31日
開発:Core Design

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(画像は『Tomb Raider V: Chronicles (2000)』Steamストアページより)

前作のエンディングを引き継ぎ、過去作のキャラクターがララの活躍を回想する形で物語が展開。前作のラストに触れなかったことやボリューム不足であることなどから、シリーズファンからは不評の結果に……。PC版には「レベルエディタ」が付属しており、世界中のユーザーがさまざまなララの冒険を作り出し、配布・共有が行われた。

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(画像は『Tomb Raider V: Chronicles (2000)』Steamストアページより)

トゥームレイダー 美しき逃亡者(Tomb Raider: The Angel of Darkness)

日本版発売日:2003年10月23日
開発:Core Design

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(画像は『Tomb Raider VI: The Angel of Darkness (2003)』Steamストアページより)

ステルス要素やシナリオ分岐などの新要素を取り入れ、マンネリ化したシリーズを打開すべく開発されたが、その多くが中途半端であったため、評価を下げることに……。この評価を受け、アイドスはCore Designをシリーズの開発から外し、次回作からは別の傘下会社Crystal Dynamicsが開発を担当することになる。その3年後、Core Designは倒産しているため、同社最後の『トゥームレイダー』となっている。

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(画像は『Tomb Raider VI: The Angel of Darkness (2003)』Steamストアページより)

トゥームレイダー: レジェンド(Tomb Raider: Legend)

日本版発売日:2006年12月7日
開発:Crystal Dynamics

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(画像は『Tomb Raider: Legend』Steamストアページより)

開発会社の変更にともない、システムが大幅に刷新された新世代の『トゥームレイダー』。リワード探しやタイムアタックの導入・改善により、ゲームプレイに奥深さが生まれている。また、セーブのほかにチェックポイントシステムを採用したことで、初心者でもトライ&エラーによって攻略が容易となった。シリーズの特徴のひとつであった難度の高さが緩和されており、万人向けタイトルになった転換作と言える。

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(画像は『Tomb Raider: Legend』Steamストアページより)

トゥームレイダー: アニバーサリー(Tomb Raider: Anniversary)

日本版発売日:2008年3月27日
開発:Crystal Dynamics / Buzz Monkey Software

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(画像は『Tomb Raider: Anniversary』Steamストアページより)

シリーズ10周年を記念して制作された1作目のリメイク作。物語は『トゥームレイダー: レジェンド』の前日譚となっており、新グラップルのウォールウォークや、タイミングよく敵の攻撃を避けると発動するアドレナリン・ドッジといったアクションが追加されている。

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(画像は『Tomb Raider: Anniversary』Steamストアページより)

トゥームレイダー: アンダーワールド(Tomb Raider: Underworld)

日本版発売日:2009年1月29日
開発:Crystal Dynamics

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(画像は『Tomb Raider: Underworld』Steamストアページより)

『レジェンド』のシステムを踏襲しつつ、より美麗なグラフィックで舞台が描かれている。伝説の武器とララの母親を巡る、『レジェンド』後のストーリーが展開。シリーズで初めてフルモーションキャプチャーを採用し、ララの動きが非常にリアルになっている。また、草をかき分けたり、ポールに立ったり、三角飛びを行ったりと、アクションがより多彩なものに。謎解きも凝ったギミックが多く、深みが増したと好評を博した。アイドスから販売された最後のシリーズ作である。

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(画像は『Tomb Raider: Underworld』Steamストアページより)

トゥームレイダー(Tomb Raider)

日本版発売日: 2013年4月25日(Steam版は3月4日発売)
開発元: Crystal Dynamics

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(画像は『Tomb Raider Game of the Year』Steamストアページより)

2009年、アイドスを傘下におさめたスクウェア・エニックスがパブリッシャーを務めたリブート作。「新生『トゥームレイダー』」という位置づけで、タイトルにナンバリングや副題はついていない。女冒険家、ララ・クロフトの若き日の最初の冒険が描かれる。架空の日本が舞台となっており、大学を卒業したばかりの新米考古学者のララが冒険者として成長していく姿が描かれる。シリーズ初となるカスタマイズ要素として、スキルアップや武器のアップグレードを導入。オープンワールドタイプのステージ構成となっているほか、最大8人で対戦できるオンラインモードも実装されていた。ちなみに、2014年には1080pに対応し、ダウンロードコンテンツを収録した『トゥームレイダー ディフィニティブ エディション』が発売されている。

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(画像は『Tomb Raider Game of the Year』Steamストアページより)

ライズ オブ ザ トゥームレイダー(Rise of the Tomb Raider)

開発:Crystal Dynamics
日本版発売日:2015年11月12日(Xbox One/360版)
 ※海外版は2015年11月10日発売。

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(画像は『Rise of the Tomb Raider』Steamストアページより)

前作でリブートを果たした新シリーズの第2弾。前作のシステムをさらに磨き上げ、サバイバル要素を拡充。動物を狩って資源を入手し、その資源を消費して弾薬や装備がクラフトできるなど、探索とシネマティックなゲーム展開のバランスが絶妙だった。また、オンラインではランキングに対応した4種類のサブゲームが楽しめた。当初はXbox独占タイトルとして発表されていたが、のちにプレイステーション4版とWin版も発売(2017年にはMacOS版とLinux版も発売)。プレイステーション4版以降は、シリーズ20周年コンテンツとして「一族の系譜(血の絆)」と「ララの悪夢」が追加収録されている。

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(画像は『Rise of the Tomb Raider』Steamストアページより)

シャドウ オブ ザ トゥームレイダー(Shadow of the Tomb Raider)

開発:Eidos-Montréal
日本版発売日:2018年9月14日

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(画像は『Shadow of the Tomb Raider』Steamストアページより)

シリーズ12作目にして、『トゥームレイダー 』『ライズ オブ ザ トゥームレイダー』に続くリブート3部作の完結編。マヤの古代遺跡を舞台に、ララが「トゥームレイダー」へと成長していく姿が描かれる。リブート1作目、2作目で批判のあった各遺跡の謎解きが質、量ともに強化。また、密林というフィールドを活かすように、ステルスの楽しさが倍増。そのほか、NPCが多数登場し、会話も楽しめるなど、没入感の高さも評価された。

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(画像は『Shadow of the Tomb Raider』Steamストアページより)

まとめ

いかがだっただろうか? 2026年に30周年という節目を迎えた『トゥームレイダー』シリーズ。古参ゲーマーからすると『トゥームレイダー』、そしてララ・クロフトの進化は、ビデオゲームの歴史を見ているようで感慨深いものである。2026年の現在、30年前のララを見て「美人」と感じる人はいないだろうが、1996年当時は十分過ぎるほど魅力的だったのだ。そこは声を大にして伝えておきたい。

蛇足かもしれないが、2014年に世界最大級のコスチューム販売メーカーHalloweenCostumesが初代『トゥームレイダー』から当時の最新作『トゥームレイダー ディフィニティブ エディション』までの、すべてのララ・クロフトを比較した映像を公開しているので、最後にそちらの動画を紹介して本稿を閉じたい。本稿のサムネイルもこの動画をキャプチャして使用させていただいている。

副編集長
電ファミニコゲーマー副編集長。

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