「バディもの」って……良いですよね。
ひょんなことからコンビを組まされることになった2人が、ときにぶつかり合いながらも仲を深め、やがてお互いを信頼しあった「最高のバディ」として何かを成し遂げたあの瞬間……たまらないですよね!
そんなバディ好きのあなたのための作品が、ビジュアルノベルゲーム『Lilac』です。
本作は、魔女と人間が共に学ぶアカデミーに入学した魔女嫌いの主人公が、落ちこぼれの魔女とバディを組んで卒業を目指す「これぞまさに王道!」といった物語。
しかも、本作の魅力はその“王道”に留まりません。『Lilac』にはなんと、6組ものバディがいるんです!
筆者的にバディものを見ていて最高な瞬間のひとつが、そのバディに特有の、そのバディの間にだけ存在している特別な関係性が垣間見えた瞬間です。
この「バディ特有の関係性」というものは、それぞれのバディに千差万別の尊さがあるというのが最高なので、バディは多ければ多いほどいいわけです。ひとつの作品の中で、6種類のアツさと尊さが味わえる……これは凄いことですよ……。
ちなみに、本作『Lilac』にはふたつのバージョンが存在しており、今回メインでご紹介するのは『Lilac ~side Witch~』と呼ばれる、女性キャラクターが登場するバージョンです。
もう一方の『Lilac ~side Wizard~』は、『Lilac ~side Witch~』の各キャラが男性に置き換わったバージョンとなっており、両方で遊ぶとさらにバディが増えて、12組のバディを堪能することができます。お、お得すぎる……。
ということで、多種多様なバディに溺れたいバディ好きに捧げるビジュアルノベルゲーム『Lilac』の魅力についてご紹介していきたいと思います。
ちなみに、記事内では本作の魅力を具体的なエピソードとともに紹介していくので、「ネタバレNG」な方はぜひゲームをプレイしてからあらためて記事を読みに戻ってきていただけると幸いです!
※この記事は『Lilac ~side Witch~』の魅力をもっと知ってもらいたいブシロードさんと電ファミ編集部のタイアップ企画です。
魔女嫌いの主人公とポンコツ魔女が、“嘘の契約”を交わす……ウソから始まる真実の絆とか、みんな(主語デカ)大好きなやつじゃん!
本作『Lilac』最大の魅力は、第一印象が最悪な相手と成り行きでタッグを組むことになり、衝突を繰り返しながら、バディとしても個人としても成長していくという、「バディもの」の旨みを真正面から味わえることにあると言っていいでしょう。

筆者がプレイを始めてまず最初に驚いたのは、『Lilac』の物語の舞台となる「ライラックアカデミー」が、「もしかしてここは、 “バディ養成学校” なんじゃないか?」と感じてしまうくらい、バディものの魅力を描くために作り上げられた場所だったということです。
この物語の世界では、人間と魔女がハッキリと別の種族として描かれていて、魔法を一切使えない人間が、魔女と手をつなぐことによって魔力を共有し、魔女がより強い魔法を使うことができるようになります。
しかし、魔力の共有は、ただ物理的に手をつないだだけで上手くいくというものではなく、そのコントロールには、手を握りあうもの同士の心からの信頼関係が必要不可欠です。
そこで、魔力の共有のやり方と信頼関係の築き方を学んでいく場所として設立されたのがライラックアカデミーであり、ここでは魔女と人間が二人一組となる実践的な授業がおこなわれています。
世界観からして「バディの魅力を抽出しまくってやるぞ!」という意気込みがひしひしと伝わってきますよね。
しかし、魔女と協力して課題を達成して卒業を目指すこの学園に入学することになる主人公のエミルは、なんと大の魔女嫌い。
「魔女がイタズラを仕掛けずにはいられなくなってしまう」という呪いじみた天賦の才能を持ち合わせている彼女は、幼いころから魔女のイタズラの被害に遭い続けた結果、魔女や魔法に対してトラウマを抱えています。
それでも、アカデミーを卒業するともらえる報奨金を病弱な母の治療費にあてるため、魔女については何も知らないまま、魔女と人間が共存するライラックアカデミーへ入学する……というところから、本作の物語は始まっていきます。
そんな“魔女嫌い”のエミルとタッグを組むことになるのが、いつも魔法に失敗している、底抜けに明るい魔女のアンリです。
彼女は、本来であれば退学にされてしまうはずの成績だったにもかかわらず、家柄の良さだけで特例で在学が認められた、落ちこぼれ。なんと、アカデミー創立から数えても初の留年生となっています。
お互いに「なんとしてでもアカデミーを卒業したい」という想いを抱えていたエミルとアンリは、かりそめのバディを組んで卒業を目指すことに……というのが、『Lilac ~side Witch~』のあらすじです。
もう、アツいですよね。ウソから始まったバディが、さまざまな経験を経てお互いのことを理解していき、やがて真実の絆を結ぶ……という流れが目に浮かぶようじゃないですか。バディ物の王道のひとつと言えるこの流れを、もちろん本作も踏襲していきます。
そもそも魔女嫌いのエミルと魔法が苦手なアンリがタッグを組むことになったのは、最初の二人一組の授業を受けているときに、アクシデントに見舞われてしまったクラスメイトを「魔力の共有」で救うことができたから。人生で初めて、使った魔法を誉められるという経験をしたアンリは、この成功体験からエミルをパートナーに誘ったのです。
アンリが「初めて魔法を誉められた」ことを理由にエミルをパートナーに誘うシーンは、それまでは底抜けに明るいだけのキャラに見えていたアンリのこれまで歩んできた人生の中に潜んでいる闇がほんの少しだけ顔を覗かせたような気がして、「この子、思ったよりも底が深いかもしれないぞ?」と、少し彼女を見る目が変わりました。
そして、友だちのピンチというとっさの瞬間こそ、お互いの気持ちをひとつに重ねて「魔力の共有」を成功させることができた2人ですが、それ以降はなかなか上手く魔法を使うことができないというのが、見ていてもどかしいところ。
バディものの醍醐味のひとつとして、「2人が最高のバディとして完成していく過程」が挙げられるのですが、本作では、そこの部分が時間をかけて丹念に描かれているのです。
このもどかしい時間もバディものを見ているときの楽しいひとときで、その間に、エミルが魔女嫌いになってしまった過去のトラウマや、アンリが抱えている悩みや思いが明かされていくため、ストーリーが進行していくにつれて、エミルとアンリに対する思い入れも強まっていきました。
特に、どれだけ魔法の失敗でエミルを酷い目に遭わせたとしても、小っちゃいことを気にしない性格からエミルに一度も謝罪をしてこなかったアンリが、彼女に対して心を込めた謝罪をするシーンや、お金に困ってアカデミーに入学したはずのエミルが、家族に手紙を書こうとするアンリのために奮発して便せんを買うシーンは、心が揺さぶられました。
魔女は嫌いかもしれないけど、相手を思いやる気持ちを持っているエミルと、自分の間違いに気が付くとすぐに謝ることのできる真っ直ぐな気持ちを持っているアンリのそれぞれの性格の良さが感じられて好きなシーンです。
バディものの魅力のひとつが、最高のバディが完成した瞬間にだけ味わえる、心を揺さぶられるかのようなアツい体験です。
普通に人生を送っていたら仲良くなることはなかっただろうと思われるくらい性格や得意分野がかけ離れている二人が、数々の衝突を乗り越えてお互いを認め、それぞれの短所を補いあいながら目的を成し遂げたときの爽快感は尋常ではありません。
『Lilac ~side Witch~』のエミルとアンリは、エミルが一方的に魔女を嫌っているという状態ではありますが、コンビ結成からバディ完成までのギャップが大きいうえに、その過程に多くの時間が割かれているため、非常に見ごたえのあるストーリーとなっています。
魔女嫌いのエミルが、失敗ばかりでもポジティブで人懐っこいアンリと、アカデミーの授業やイベントを通じて時間をかけて少しずつ信頼関係を築いていく。このストーリーは、たしかに王道ド真ん中な展開です。
しかし、逆に考えると、変化球のようなギミックや設定などを使わず、一切の逃げ玉なしでストレートのみの真っ向勝負でプレイヤーに挑んでいるということでもあり、真っ向勝負でプレイヤーを楽しませるためには、「王道で何が悪い!!」と言わんばかりのパワーが必要になってきます。
その点、『Lilac』は、アツさ・エモさ・尊さを武器に、余計な感情をねじ伏せるようなパワーを確かに備えた作品であり、エミルとアンリを見続けていると、「こういうのでいいんだよ、こういうので!」という思いと同時に、「これがいいんだよ、これが!」という感情が湧き上がってきました。
やっぱり……王道って最高なんですよね。









