どんなゲーマーにも「世間では超有名だけど、自分は一作もプレイしたことないゲームシリーズ」みたいなものがあると思う。「『FF』やったことない」とか「『キングダムハーツ』について一ミリも知らない」とか。
自分にとってのその枠は『ドラクエ』だった。逆張りとかじゃなくて、本当に知識がない。それでも、『ドラクエ』の話題でひとつだけ「これは聞いたことある!」というものがあった。それが、いわゆる“嫁論争”だ。
インターネットのオタクをしていると、『ドラクエ』に興味が無くても一度は見ることになる話題、「『ドラクエV』の嫁論争」。詳しくは知らないけど、なんか「ビアンカ」派と「フローラ」派が言い争ってることだけはわかる。今までに18回くらい同じレスバを見てきたからさすがにそこは理解できる。
……それにしても、普通30年以上前のRPGのヒロイン選びでそこまで言い争いになる?
2009年生まれの筆者からすると、自分が地球上に存在していなかった当時から、数多くのプレイヤー達が今の時代になってもまだ言い争ってる壮大そうだけど謎のテーマ、それが「嫁論争」なのだ。気にならないと言ったらウソになる。
スマホ版もあるらしいし、セールもやるし、プレイしてみるか~~~~。
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数日後……
フローラ派の言い分も、ビアンカ派の言い分も、小魚の言い分も、ぜんぶ理解できるようになりました!!
ここからひとりだけを選ぶの!? マジで!!?
※この記事は『ドラゴンクエスト』シリーズをもっと知ってもらいたいスクウェア・エニックスさんと電ファミ編集部のタイアップ企画です。
30年以上にわたる語り草「『ドラクエ Ⅴ』の結婚イベント」をいざ実体験。下心全開の男たちに交じって、いくぞダンジョン攻略
ネタバレ:俺はフローラ派です
『ドラクエV』の一番おいしい部分、それはもちろんサラボナの結婚イベント。筆者は本作をプレイし、悩み、最終的にはフローラ派となったわけだが、念のため“結婚イベ”までの流れをおさらいしたい。
勇敢な父と優しい母の間に生まれた主人公が、壮絶な(ほんとうに壮絶な)体験を経て成長し、本格的な冒険が始まった頃に立ち寄る街、サラボナにて、そのイベントは発生する。ゲーム全体でいうと、中盤にさしかかったあたりだ。
主人公が街に到着したころ、大富豪である「ルドマン」というおじさんが、彼の娘「フローラ」の結婚相手にふさわしい男を見極めるイベントを開催していた。
どうやらルドマンの財産の中には天空の盾(主人公が集めている装備のひとつ)もあるらしい。「フローラと結婚して天空の盾を使わせてもらえ」ってことなのかな。ストーリーから“結婚しろ”という圧をすごい感じる。

天空の盾とか関係なく、美少女と結婚できるのはそりゃ嬉しいので実際にルドマン邸まで行くと、同じような考えの男たちがぞろぞろ居た。自分含めて下心のある男しかいねえ!

フローラの結婚相手になる条件は、「どこかのダンジョンにある“炎のリング”と“水のリング”を取ってきて、それをフローラとの結婚指輪にすること」らしい。美少女お嬢様と結婚するためなら、ダンジョンのひとつやふたつ余裕で攻略してやらあ! 行くぞピエール、アプール、ボロンゴ!



ということで、なんやかんやあってふたつのリングをゲットした主人公。
これで晴れてフローラと結婚……かと思いきや、ここで数十年に渡る嫁論争を生み出す伝説の展開、「本当に好きな方にプロポーズするのだ」が発生する。

“結婚イベント”が究極の三択すぎる。フローラ、ビアンカ、デボラ……誰を選ぶか、リアルに一晩悩みました
選択肢は3つ。もともと結婚する予定だった「フローラ」、幼馴染であり、リングを取るための冒険を手助けしてくれた「ビアンカ」、それに加えて結婚式当日に突如乱入してきた「デボラ」。
はたして主人公は(というかプレイヤーは)、三人のなかで誰を選ぶのか? というのが結婚イベントのあらすじ。

冒頭にも書いたように筆者は最終的にフローラを選んだのだが、候補となる三人のプロフィールや魅力も見ていこう。
ビアンカ

正ヒロインです。
いや待って、フローラとデボラが正ヒロインじゃないって訳ではなくて、ただその立ち位置が『ドラクエV』の正ヒロインすぎるって話がしたいだけで。
という訳で、「『ドラクエV』の正ヒロイン」ことビアンカ。
ゲームの最序盤、いわゆる“幼少期編”で主人公と一緒に冒険をしたことがある、簡単に言うと幼馴染系ヒロイン。(主人公がその後10年くらい奴隷生活やってた影響で、長くても1週間くらい共に冒険しただけの相手が「幼馴染」判定になるの、本当に主人公くんお労しすぎると思う。)
ゲームにおける“幼少期の良い思い出”がレヌール城と妖精の国くらいしかないので、プレイヤー的にも主人公的にもビアンカが「いつも思い出の中にいる美少女」として輝いて見える、ということも相まって、ヒロインポイントが結婚前の時点でも5000点くらい加点されててすごい。

「フローラと結婚するために水のリングを探すぞ!」くらいの時期に再登場し、「主人公には幸せになって欲しい」という理由で水のリング探しを手伝ってくれたりもする。いい女だ……。
「幼馴染ヒロイン」という属性や、ストーリー中盤で再会した時の言動、結婚相手としてビアンカを選んだ時のシナリオの綺麗さ的にも、やっぱり“正ヒロイン枠”すぎる。もし自分が『V』を生み出す側だったら、結婚相手の選択肢とか作らずビアンカと結婚する一本道ストーリーにしてしまいそうなくらいには正妻。
フローラ

俺の嫁(比喩表現ではない)です。
フローラ……フローラはかわいいね……フローラ……散々「ビアンカが正規ルート」とか言っておいてアレではあるんだけど、自分がプレイした『ドラクエV』においては、フローラが圧倒的なヒロイン枠だった。
いいとこのお嬢様、フローラ。
ビアンカと比べると、結婚イベントの少し前に(ほぼ)初めて顔を合わせたくらいの関係性なので、正直なところ関係性はそこまで深くないし、言ってしまうと「ぽっと出のヒロイン」ではあるのかもしれない。でも、それを踏まえてフローラを選ぶ“覚悟”があるんですよ、こっちには。

そもそも「フローラと結婚するなら二つのリングを取ってこい」ってイベントだったので、話の流れやらルドマンさんへの義理やら込みで、フローラを結婚相手にしないと色々と筋が通らないのもある。
……いや、それは建前にすぎない。本音を言うと「三人の結婚相手の中で一番ビジュアル/性格両方が刺さりに刺さった」。俺は「おしとやかで天然なお嬢様」が本当に好きなんだ……!
本当にフローラが好きだからこそ、言い訳みたいなテンションでフローラについて語るべきではないだろう。見た目や属性で心を惹かれたのは確かだが、その上で「フローラのここが好き!ここがかわいい!」と言えるポイントは、無数にある。

例えば、サラボナに到着した時に起こる、突然走り出した飼い犬を追いかけているフローラと、たまたま街の入口で出会うイベント。
このイベントの時点でもうかわいい。長さで言えばメッセージボックス3~4個ほどしかない短いイベントなんだけど、その数行だけでとにかくかわいい。
このドット絵とテキストだけでもリリアンを追いかけてわたわたしてるフローラがなんとなく想像出来るし、数多のソシャゲ(紙芝居形式)で鍛えられたオタクは、その風景を想像するだけで「フローラすごいかわいいな……」の気分になることができる。
俺は「おしとやかで天然なお嬢様(ちょっと慌ただしいとこもある)」が本当に好きなんだ……!(二回目)
デボラ

嫁論争において、一人だけ話が別軸な気がする人。
自分の中の認識が「なんかよくわかんないけどカッコいい女性」になってる人。デボラってなんかよくわかんないけどカッコいいんだよな……。
DSでのリメイク版で追加された第三の結婚相手、デボラ。フローラの義理の姉であり、自由奔放な女王様タイプのキャラとされている。
モブとの会話で「あんな人と結婚したらとんでもないことになりますよ!」とか言われているくらいには周りからの評判がよくないようで、ちょっとかわいそう(本人の性格的にたぶん気にしてはない)。
他の二人は結婚まで行く理由や、結婚直前でどちらか二人から選ばなきゃいけない理由がしっかりあったが、デボラはというと……、なんと、結婚直前に突如乱入して、「私があんたと結婚してあげるわ」と言い放つ無法者ムーブ。これで追い出されないのは周りが優しすぎると思う。

悪評が流れるくらい自由に生活するわ、いきなり乱入して「私と結婚しろ」とか言うわ、ここまで見るとやりたい放題の無法者にしか見えないデボラだが、それぞれの発言をしっかり考えていくと、案外“カッコいい人”だということが分かったりもする。
ほかの二人が「フローラ/ビアンカさんの方が主人公のお嫁に相応しいよ」とか譲り合ってる中で、一人だけ「早く私を選びなさいよ」みたいなスタンスで一歩も引かなかったり、デボラを選ばなかった時のリアクションも「私を諦めるなんて情けない男ね。あ~あ。私と結婚する価値のある男はいったいどこに居るのかしら?」だったり。
とにかく、デボラ自身に一本のデカい信念が通ってることが感じられて本当にカッコいい。「自分のために生きる」スタンスで行動しつつ、手に入らなかったものには執着せずに潔く諦める。結局こういう人がいちばん人生楽しそうだし、いちばん憧れないですか?

リメイク版で追加された影響か、結婚前の掘り下げ量が他二人と比べて少なかったはずなのに、一言一言のカッコよさだけで強烈なインパクトを残していったデボラ。
ネット上の嫁論争でも、ビアンカ派とフローラ派が対立してる横で、小魚たち(デボラ派)は優雅に仲間たちとデボラの良さを語り合ってる気がする。
個人的にも、「嫁」とか「ヒロイン」とかそういう土俵じゃなくて、「人間性」として一番好きなのは案外デボラかもしれない。学校の先輩とかに居て欲しい。
以上が、本作で選ぶことができる結婚相手3人だ。
え!? この中から一人だけを選んで結婚しろ!? できら……でき……ちょっと一晩考えさせてもらっていいですか。
……正直舐めてました。すいません。
『V』のプレイを始める前、そしてプレイ中も、このイベントに辿り着くまでは、正直「嫁論争」に対して若干冷ややかな考えを持っていた。
「いくら話題になるって言ってもリメイク前の『V』は30年以上前のゲームだし、当時のゲームにしてはすごい、みたいな思い出補正込みの議論じゃないの?」というスタンスだったことは、否定できない。
「そこまで悩むものなの?」などと思っていたのだが……いざ実際に結婚相手を選ぶシーンまで来ると、「思い出補正」とかそういうもの抜きで、本当に一晩(リアル時間)悩んでしまった。
三人とも魅力的すぎて俺には選べない。ビアンカはシナリオ的な“正ヒロイン”すぎるし、フローラは見た目も性格も自分の好みド直球だし、デボラは三人の中で一番人間性が好きだし……!
これ俺が悪いかなあ……? 『V』世代のオタクの脳をしっかり焼くに留まらず、「数十年後にプレイするオタクにも刺さるゲーム」を作ったスクエニ(リメイク前の『V』発売当時はエニックス)がすごすぎるだけじゃない……?
悩みに悩んだきっかけのひとつとして、ビアンカにしろフローラにしろ、“選ばなかった時の罪悪感が凄い”こともある。
小さい頃から一緒に遊んでいて、10年越しの再会がきっかけになったのか自分に恋心を抱いてくれたビアンカと、少し過保護な親のせいで結婚することになった自分に対して、一切イヤな顔をしないで結婚してくれる予定だったフローラ。どちらをフッても割と心苦しい状況になるし、もっと言うと「俺のせいで悲しませる」ことが確定している。
デボラは……まあ追加キャラの宿命として、主人公に惚れたあたりの掘り下げが(結婚前の時点では)無さそうだったから一旦横に置いておくとして……。
とにかく、「この子を選んだあとの冒険は楽しそう」という判断基準だけじゃなくて、「選ばなかった子が悲しむのも嫌だな……」というデカめの感情移入の影響もあって、先ほど言った通りに一晩(リアル時間)悩んでしまうことになったりした。
布団の中で“誰と結婚するか”について寝る前の消えかけの意識でさんざん考え込んで、最終的に「誰と結婚しても選ばなかった二人は悲しむんだから、それだったら直感で一番好きなキャラを選ぶべき」という結論に至り、“直感で一番好きなキャラ”ことフローラと結婚することになった。
俺の琴線に一番触れたのは「おしとやかで天然なお嬢様」なんだ……!!!(三回目)

というわけで、本気で悩みつつも結婚相手はフローラに決定。あくまで「1周目はフローラを選んだ」ってだけで、ビアンカとデボラも2~3周目で絶対に幸せにします(覚悟)。
