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【60作まとめ】早川書房が夏の超特大セールをやっているので「おすすめ本・シリーズ」を気合いと勢いでいっぱいまとめてみた。ド定番からいつかは読みたい大作級まで、SF、ミステリー、ファンタジーいろいろ

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ワイン、チーズ、カレー、そして本。
これらには共通する特徴があります。なんでしょう?

正解は寝かせることで熟成されておいしくなること! カレーは一晩寝かせたほうがおいしくなるように、本もたくさん積んで寝かせておくと味わいが深くなります。

ということで、早川書房の特大セールをお知らせします。

早川書房の夏の特大セールが開催中。おすすめ約60作を全力でまとめてみた_001

8月20日まで、早川書房から刊行されている書籍約3000点の電子版が、最大50%オフになる夏の大型セールが開催中です。

とはいっても、それだけセール対象になっていたら何を読めば良いのか分からない、という方も多いでしょう。迷うくらいなら買ったほうが後悔がなくていいですよ。

それでもどうしても決められない、せっかくならいい本を買いたい!というみなさまのために、筆者の独断と高慢と偏見で「気軽に読める本」⇔「読むのに気合がいる本」&「物語を楽しむ本」⇔「テーマや世界観を味わう本」という軸で、おすすめ書籍をまとめてみました。

「この本はもっとこっちだろ!」もかなりあるとは思うのですが、SF識者のみなさまに置かれましては、なにとぞ広い心でお許しいただけると幸いです。

電書はNGな方も、ぜひお近くの本屋さんを探検する際などに参考にしていただけると。
みなさまの良き読書ライフにご活用いただけますと幸いです。

執筆/恵那

物語を楽しむ×気軽に読める:さっぱり直球にエンタメしよう!

『オリエント急行の殺人』

言わずと知れたミステリーの女王、アガサ・クリスティーを代表する「名探偵ポアロ」シリーズのひとつ。それなりに長い話なのですが、それを感じさせない読みやすさ&きれいなオチに読後の納得感も抜群で、著者が亡くなって半世紀が経つ作品とは思えないほどおもしろいです。シリーズ作品も多数あるので、気に入ったら他のものもどうぞ。クリスティーのもうひとりの名探偵「ミス・マープル」のシリーズなどもセール対象です。

『ウは宇宙ヤバイのウ!』(シリーズ)

隕石による地球滅亡まであと3日──! 宇宙的トンデモ事象が次々と襲来する女子高生(?)の話で、かわいい表紙絵に挿絵あり軽い文体とラノベのノリながら、中身はゴリゴリのSFをやっている作品。世界改変とかタイムトラベルとか、隕石とか目じゃないくらいの事態が冒頭から次々に起こりますが、実は雰囲気で流さずにロジックはハードだったり。そもそもタイトルからしてそうなのですが、有名作のパロディも多数。SF好きな人ほど刺さりそうな要素がたくさんあります。

『夏への扉』

SF初心者の“入門作”的な扱いをされることも多い作品。いうてそんなに初心者向けかな? と思わなくもないのですが、ポップかつわかりやすく気持ちの良いエンタメであることは確かです。『月は無慈悲な夜の女王』などの作品でも知られるハインラインの作品の中では最もミニマルかつポジティブな作品で、宇宙船も異星人との戦争もなし。「ご都合主義!」と思ってしまう箇所も多いのですが、「ご都合主義のどこが悪いよ!」と嬉しくなってしまうような、底抜けに明るいパワーのある物語です。ねこもでます。

『シャーリー・ホームズと緋色の憂鬱』(シリーズ)

とりあえずハッピーになりたいあなたのラッキーカラーは緋色。そんなあなたにおすすめなのがシャーロック・ホームズのパスティーシュ(模倣作)『シャーリー・ホームズと緋色の憂鬱』です。
ええそうです。女体化小説です。でも女子化したホームズ&ワトソン(こっちも女性)とか見たくない人います? まあいるかも知れませんが私は見たいです。結構丁寧に原作の流れを拾いつつ、作中の事件は女性化したことが活かされまくっているし、ホームズパスティーシュであることも活かされまくっているので、気になる方はぜひ。続巻も多数。

『人間たちの話』

著者の柞刈湯葉氏については「横浜駅SFの人」と言えば「おっ!」と思う方も多いかも? 作品としては、非常にSFらしさを感じる設定やちょっとした風刺を漂わせつつ、文章がとにかくコミカルで飽きません。個人的には某名作SFを思わせる「たのしい超監視社会」が好み。タイトルだけでもなんとなく作品の空気が分かるのではないかと思います。

『嘘と正典』

まぶしい笑顔のカールおじさんが表紙の名短編集。表題作でもある「嘘と正典」は、タイムマシンを駆使してマルクスとエンゲルスの出会いを阻害し、共産主義を歴史から消滅させようとするCIAの陰謀を描く……という、あらすじだけでおもしろさ120点が約束された短編。絶対外さない短編集を1冊選べと言われたら個人的には最有力候補。同著者では『火星の女王』などもセール中です。

『ハウスメイド』(シリーズ)

裕福な家で家政婦として働くことになった主人公が、ヤバい秘密に巻き込まれてしまうという海外版「家政婦は見た!」。この説明の入り方でどうかと思うけど、ぜんぜん「家政婦は見た!」な方向性じゃないのでご期待ください。海外では300万部以上売れ、映画も公開予定。ちなみに2作目もセール中です。

『同志少女よ、敵を撃て』

「第二次大戦時の独ソ戦もの」という、どう考えてもミリオタ向けでしかなさそうな題材なのに、主人公をソ連の女性兵士&その上官に設定し、その関係性を追っていく話にしたことで、なんだかすごくおもしろい。とはいえ、単に戦争をエンタメ化しているというのでは決してないのがすごいところ。全然セールとか関係ないんですが、これを読むと絶対に『戦争は女の顔をしていない』(女性たちの独ソ戦を描いたノンフィクション)が読みたくなるはずなので、これのリンクも置いておきますね。読みたくなれ。

『シャーロック・ホームズとシャドウェルの影』

「シャーロック・ホームズ」×「クトゥルフ神話」という、どう考えてもおもしろそうなものを混ぜちゃったパスティーシュ『クトゥルー・ケースブック』シリーズの1作目。ホームズがしっかりホームズをしており、“クトゥルフTRPGで異様に立ち回りの上手い探偵キャラ”みたいになってます。全3巻で完結……と思いきや、まさかの続巻『ハイゲイトの恐怖』も登場していますが、残念ながらそちらはまだセール対象外。

『トゥモロー・アンド・トゥモロー・アンド・トゥモロー』

やたらと名前の長い本作は、ゲーム好きなら好きな人が多そうな気がする小説。物語を端的にまとめれば、ゲームの開発を通して結びついたふたりの男女の人生を描くもの。愛とか友情とか情熱とか、変化せざるを得ない関係性とか、「人生」が詰まってます。するりと読み始められるのですが、読み切るには体力がいるかも。

『時の娘』

名前からしてSF? と思われそうだが実はジャンルとしては歴史ミステリー。シェイクスピアの戯曲『リチャード三世』で悪名高い15世紀のイングランド王について、「本当は悪い人ではなかったのでは?」ということを入院中の刑事が調べていく。ミステリーとしてはもちろん、「歴史の読み方」を考える際に刻んでおきたい知恵もあり、読み応え十分。ややこしいことに東京創元社から同名の短編集が出ているのだが、そちらはSF。ちなみにそっちもおもしろい。『たんぽぽ娘』で有名なロバート・F・ヤングの短編などが収録。

『われら闇より天を見る』

かつて海沿いの小さな街で起こったひとつの事故、それから時を経て、街では殺人事件が起こる──。気持ちよく謎を解いていくミステリーではないものの、おもしろさは間違いなし。「無法者」を自称する少女と町の警察署長のふたりを中心に、さまざまな人たちのドラマが描かれていきます。やるせない影の差す小説でもあるのですが、そうなってしまったときには、ぜひ本書のタイトルを思い出してみてください。

『プロジェクト・ヘイル・メアリー』

今年のSFとしては紹介しないわけにいかないのが『プロジェクト・ヘイル・メアリー』。「もういまさら良くない?」と思っている、映画だけ観て本作を見た気になっているそこの君、私はいま君のためにこれを書いています。ぶっちゃけこれネタバレ食らっても小説は全然面白いから……!ネタバレですべてが崩壊するほどヤワな小説じゃないから……!

原作小説はかなりしっかりと「科学」の話。映画では別の部分に大きくフォーカスをあてていたのですが(あれはあれでたいへん良かった)、小説版を読めばそれと異なるおもしろさにも気づくはず。危機に陥っても決してへこたれない主人公と、前へ前へと進む科学のポジティブな可能性のシナジーは、間違いなく本作の醍醐味のひとつ。もちろん、まだ何も知らない人はそれ以上に驚天動地の驚きも味わえると思います。記憶を消してもういっかい読みたい。

『九龍城砦1 囲城』(シリーズ)

タイトルを見てピンときたひとはたいへんえらい。そう、昨年日本公開されて大旋風を巻き起こした香港映画『トワイライト・ウォリアーズ 決戦! 九龍城砦』の原作です。なんか映画とは全然違います。
「いったいどうやってこの小説からあの映画が……?」に間違いなくなるので、読む前には覚悟の準備をしておいてください。「いいのか?これで?」という感想が次々出るかもしれない。でも映画もそうだったじゃん。あの映画好きだったらこっちも好きだって。

『虐殺器官』

アニメ映画化されたことでも有名な作品で、著者はしばしば夭折の天才とも言われる伊藤計劃。硬めの文体かつSF・ミリタリー要素も含んだ内容は決して軽くはないものの、世界中を飛び回って殺戮を引き起こす「謎の男」を追うというサスペンスに満ちた物語には、そうした重さを感じさせない牽引力がある。人間に殺戮を引き起こさせる「虐殺の器官」というテーマのダークさや、引き締まった文体のカッコよさ、そして真っ黒な表紙など、人生の序盤に出会ってしまうと何かが狂う要素が詰まっている。「ほう?」と思った中高生の君はぜひ読んでみよう。そして狂え。

『24人のビリー・ミリガン』

名高い名作『アルジャーノンに花束を』……は今回のセールでは残念ながら対象にはなっていないのですが、その作者・ダニエル・キイスのもうひとつの名作『24人のビリー・ミリガン』はセール対象になっています。犯罪を起こして逮捕された人物がその記憶をまったく持っておらず、実は24人もの人格をもつ「多重人格者」だった……という物語で、しかも実話を元にしたというノンフィクションもの。「アルジャーノン」と方向性は大きく違うものの、こちらも傑作です。

テーマ・世界観を味わう×手軽に読める:読みやすいけど深さも十分

『紙の動物園』

著者のケン・リュウ氏は中国生まれのアメリカ人で、その作品は「アジアらしい文化を感じるSF」であることが最も大きな特徴。どの話も抜群にまとまりが良く、読後に「すごく大事なことを聞いた気がする」という気持ちになれる良作ぞろい。ぜひ最初に読んでみるSFとしてどうぞ。

本作以外にも粒ぞろいの短編集を出しているのですが、編者として中国SFの紹介もしており、そちらもかなりおもしろいので、中国SFに興味がある方には『折りたたみ北京』などのアンソロジーもおすすめしておきたいです。

『走馬灯のセトリは考えておいて』

戦国武将みたいな顔と名前の作家、柴田勝家による名短編集。しれっと真に迫ったウソをつくのがとんでもなくうまく、その白眉ともいえる短編が本作の「クランツマンの秘仏」という上から下までウソしかないウソ論文。これがとんでもなくおもしろく、ほかの短編も粒ぞろい。柴田勝家らしく歴史ゲームをプレイした「姫日記」なる短編もあり、分かる人は顎が外れるほど頷けるはず。

なお、実は早川からは、前述したウソの論文だけをまとめた、題して『異常論文』というそのまんまのアンソロジー短編集も刊行中。しっかりセール対象なので、こういうのが好きな方はぜひこちらもどうぞ。

『ソース焼きそばの謎』

なぜ焼きそばには醤油ではなくソースなのか。屋台の軽食みたいな疑問を追いかけたら、急に関税自主権とか戦後史とか、あたまの良さそうなことを言い出します。近代日本史を麺から解きほぐす炭水化物系ノンフィクション。読むと賢くなりますが、同時に猛烈に焼きそばが食べたくなる。ちなみに続編(?)『あんかけ焼きそばの謎』『カップ焼きそばの謎』も刊行中。前者はセール対象です。

『Jホラーの核心』

なぜ幽霊は「長い黒髪の女性」なのか。なぜ呪いは「ビデオ」に録画できたのか。日本におけるホラーのブームについて、特に「ビデオ」というメディアの成長史とからめつつ紐解く興味深い論説で、ホラー好きにはおすすめしたい1冊。『リング』の時代から、都市伝説や昨今はやりの「フェイクドキュメンタリー」まで、ジェンダー規範やメディアの変化を追いつつ探っていきます。

『わたしたちが光の速さで進めないなら』

韓国発の短編集。大きく物語が動くというより、人の過去や世界のありようなどのベールを脱がし、謎が少しずつ明らかになってゆくミステリー仕立てのお話が多く、ケン・リュウの『紙の動物園』と並んでSF初心者におすすめしたい1冊です。表題作はとある宇宙ステーションで故郷に向かう船を待つ老人が、少しずつ過去を語ってゆく物語で、孤独と別れについてのつめたい後味がえもいわれません。

『ネット怪談の民俗学』

きさらぎ駅、くねくね、リミナルスペース──。こうしたネット怪談や都市伝説などは、どのようにして増殖し、変化し、広がっていったのか。ネット掲示板やSNSなどで広がってきた、いわゆる「ネット怪談」を民俗学の道具で学術的に解剖することを目指した書籍で、興味があれば読み応え十分。近年の都市伝説などをかなり順を追って押さえているので、単にネット怪談概説書としても読みやすいです。

『くらやみの速さはどれくらい』

「21世紀の『アルジャーノンに花束を』」と呼ばれることもあるSF小説で、同作が好きだった人にはぜひおすすめしたい一冊。自閉症の主人公・ルウによる一人称の語りが特徴的で、その視点から描かれる世界にはしばしば驚かされることになります。とくにそれが顕著になるのは、本作のタイトルの意味が明らかになるとき。物語の後半で主人公は自身の自閉症を「直す」ことに向き合うものの、それはいままでの世界との関わり方を手放すことになる──いまの自分ではなくなってしまうかも、という予感に満ちている。その予感に向かって進んでいくラストは、なんとも言えない後味です。

『鋼鉄紅女』(シリーズ)

男女一組のペアで操縦する超巨大ロボットを操り、超巨大な怪獣をボコボコにしていく中華ロボットファンタジー……でもパイロットのうち女は死ぬ。中国史をモチーフにしつつがっつり大怪獣バトルをやりつつ、かつかなり超ド直球に虐げられた女性による革命ものでもあり、理不尽に対する怒りをエンジンにシステムに挑んでいく、とにかくパワーに満ちた物語。ちょっと前に続編が出たのでそちらもぜひ。

『イラクサ姫と骨の犬』

隣国に嫁いだふたりの姉のうち、ひとりは殺され、もうひとりはいままさに虐げられている。彼女を救うため、主人公の王女が魔法の力を持つ墓守女に助けを求め──という、おとぎ話のような世界観のファンタジーながら、明確に“理不尽には抗わねばならない”という反抗の物語でもあります。王女は非力で世間知らずな面もありつつ30歳の大人の女性であり、そこも本作の重要な点のひとつ。しっかりとしたテーマを抱えつつ、物語が動き出す序中盤以降におもしろさが加速していきます。著者の前作『パン焼き魔法のモーナ、街を救う』もセール対象です。

『悪童日記』(シリーズ)

戦時下をたくましく生き延びる双子の少年たちを描いた物語。そう書くとめちゃくちゃ退屈そうなのですが、ソリッドな文体の中に興味深いエピソードと、少し奇妙にも残酷にもみえる双子の行動が詰まっており、まったく飽きさせません。また本作は単巻でも完結しつつ3部作の1作目でもあり、『ふたりの証拠』『第三の嘘』という物語に続くのですが、各巻を手に取るごとに、驚きとすこしの恐ろしさを感じるかと思います。

『なめらかな世界と、その敵』

表題作は目線を変えるような容易さでさまざまな並行世界を行き来できる世界の女子高生の物語で、読んでいるとはじめはかなり混乱するのですが、その混乱が気持ちいい。短編集を通してIFの可能性というものをSF的な仕掛けをたくみに取り入れつつ描いているものが多く、複雑な話はしても観念的にはなりすぎず、SFの短編小説ならとりあえずおすすめしたい本のひとつです。

『動物農場』

ディストピア小説の傑作『一九八四年』で知られるジョージ・オーウェルの寓話的小説で、とある農場の動物たちによる“革命”を描きます。動物たちは悪しき農場主を放逐し、すべての動物が平等な共和国を打ち立て、それにてめでたしめでたし……とは当然ならず、得られた権力は少しずつ歪められ、拡大されてゆく。作中でかなり直接的な権力批判を行いつつ、ディストピア小説としてもたいへんおもしろいです。『一九八四年』よりもかなり読みやすいので、これからオーウェルを読む方はまずこちらからどうぞ。

『わたしを離さないで』

ノーベル賞作家カズオ・イシグロによる名長編で、いうなればやさしいディストピア物語。物語の進み方はゆったりと静かで、けれども薄いベールを一枚ずつ剥いでいくように、次第に残酷な世界の現実があらわになっていきます。『一九八四年』や『華氏451度』ほど抑圧的ではないものの、だからこそ逃れがたい理不尽のなかで、それでも美しいエピソードの詰まった日常が印象的です。個人的には遺失物保管所、ノーフォークの話が忘れられません。

『あまたの星、宝冠のごとく』

異星人、愛、老い、時間、神。ジェイムズ・ティプトリー・ジュニアが、宇宙のあちこちから人間のどうしようもなさをまばゆく照らす短篇集です。本当なら同著者では『たったひとつの冴えたやりかた』が一番好きなのでこれを読んでくれ!と言いたいのですが、一向に電子化する様子がなく、したがってセール対象でもないのでなかなかその機会が巡ってきません。いい本なので紙で買って読んで!

『タイタンの妖女』

個人的には文章はかなり読みやすい……と思っていたのですが、「話が繋がってなくて何が起こっているか全然わからん」という人もたくさんいるらしい。たしかに話の筋を紹介するのはちょっと無理な気がするので諦めています。ユーモラスな読み味は『猫のゆりかご』ほかのカート・ヴォネガットJr作品と同じく、笑いのあとに一抹の寂しさと人間への愛情が残るようなもの。人生に意味はあるのか? ないかもしらんけど気にすんな!

『あなたの人生の物語』

映画『メッセージ』の原作となった表題作を含む短篇集。こちらも文章自体は読みやすいものの、直線的な物語ではなく、寓話的な話が多いので少し人は選ぶかも。哲学や神学的な物語もあり、SFという裾野の広さを感じられる小説でもあると思うので、ある程度いろいろ読んできた人に次の物語の入り口として手にとって欲しい1冊です。

『最後のユニコーン』

タイトルの通り、自分が世界で最後の1頭になったと考えたユニコーンが、同胞を求めて世界をめぐるたびに出るというファンタジー小説。寓話的な話でもあり、内容についてこれ以上の紹介はなかなか難しいのですが、「不思議な話を読んだな」という読後感が残り続ける物語です。金原瑞人氏による新訳版(学研プラス刊行)もあり、実は筆者はそちらで読んでいるのですが、こちらは残念ながら電子化なし。

『華氏451度』

華氏451度──紙の本が燃える温度。『火星年代記』ほか多数の著作で知られるレイ・ブラッドベリによる名作で、本を燃やすことを仕事とする昇火士(ファイアマン)の男が、ひとつの出会いから本を読むことを禁じる社会に疑問を抱き始めるという物語。オーウェルの『一九八四年』と並び、ディストピアSFを代表する1冊です。

『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』

SFの名手フィリップ・K・ディックによる説明不要の有名作で、映画『ブレードランナー』の原作小説。アンドロイドがほとんど人間と変わらず、見分けもつかなくなった未来で、どうやって人間を人間と断じれば良いのか。人間とは、生命とは何かという問いに挑む物語です。

物語を楽しむ×気合いが必要:読むにはパワーが必要だけど面白いぞ……!

『ストーンサークルの殺人』(シリーズ)

偏屈で強引ながらも正義漢でタフな刑事&人付き合いは苦手ながらも天才的な分析力をもつ若手の分析官、ふたりのでこぼこコンビを中心に展開されていく刑事モノミステリー。海外ドラマのようなテンポの良さと、スリリングな犯罪捜査、愉快なキャラクターたちの魅力が詰まった高純度のエンタメで、主人公の名前を取って「ワシントン・ポー」シリーズとも。続巻も多数出ているので、1巻読んで気に入ればぜひ続きも。

『異常【アノマリー】』

激しい乱気流をくぐり抜けた旅客機の乗客たちを、理解しがたい出来事が待ち受ける。作家や弁護士から殺し屋まで、さまざまな人々に訪れたそれぞれの異常を群像劇的に描く物語は、ミステリーでありSFでもありサスペンス的でもあります。詳しいことがあんまり言えないのですが、ぜひとりあえず読んでみていただけると……!

『蠅の王』

誰が呼んだか“​​最悪版”『十五少年漂流記』。私が吹いてるわけではなく、本作『蠅の王』は本当にそういう話です。少年たちだけが無人島に漂着してしまい、自分たちだけの力でのサバイバルを余儀なくされる。前者が自由な冒険のなかで人間の善性を描いた話だとすれば、本作は極限状況における人間の悪性の発露を描いた物語。とはいえ、翻訳が新しくなっていることもあって文体は平易で、物語にも冒険的な要素やエンタメ性もあり、単に陰鬱な文学というわけではありません。

機龍警察(シリーズ)

至近未来の日本では、二足歩行型有人兵器・機甲兵装による犯罪が増加。それに対抗すべく警視庁では、最新の機甲兵装「龍機兵(ドラグーン)」と、それに搭乗する専任の操縦士を要する「特捜部」を創設した──。という、あらすじだけみると『機動警察パトレイバー』みたいなお話ながら、こちらは遥かにハードボイルド。手に汗握るアクションはもちろん、警察機構内部の対立という警察小説らしい要素もあり、さらに主人公たちは警官ではなく警察の「傭兵」であり、そこに絡んだ人間関係なども複雑に展開。申し分なしに楽しめるハードなエンタメ小説です。シリーズ作品も多数。

『フォース・ウィング―第四騎竜団の戦姫―』(シリーズ)

竜の騎手を育てる軍事大学を舞台に、主人公・ヴァイオレットの愛と戦いを描く──ファンタジー×ミリタリー×ロマンス×バイオレンスという人間の欲望全部を詰め込んで強引にミキサーしたような小説。ホグワーツ魔法魔術学園にハーレクインを注ぎ込んだらこんな感じかもしれません。学園モノなのに人がどんどん死ぬし、なんなら生徒同士で殺し合いとかするし、入学時点で命の危機からスタート。ロマンス光線もばんばん飛ぶ。おそらく人は選ぶので、苦手な人は胃もたれしそうな気もしますが、そうでなければ毎ページがカーニバルです。

マルドゥック・スクランブル(シリーズ)

個人的には『天地明察』がヒットするまで、冲方丁の代表作と言えば『マルドゥック・スクランブル』で、サイバーパンクといえば『攻殻機動隊』よりもこっちでした。カッコいい科学ワードとえぐ重い設定がばんばか飛び交う物語で、がっつりエンタメしてくれているのが嬉しい。一方で、自らの意思で「生きる」ことについてのテーマも光ります。

『涙を呑む鳥1 ナガの心臓』(シリーズ)

実は筆者は今回のセール情報で初めてこの本の存在を知り、狂喜して近くのジュンク堂に駆け込みました。どうしても紙で欲しかったので。韓国発のファンタジー『ドラゴンラージャ』著者イ・ヨンドによる新たなファンタジー小説で、日本語の書籍が出るのは『フューチャーウォーカー』以来10年以上ぶり。本作の舞台は人間、レコン、トッケビ、ナガという多数の種族が共生する世界で、それぞれの種族の神との向き合い方が描かれていくなど、『ドラゴンラージャ』と通じる部分はかなり大きいのですが、全体としてより大人向けに洗練されているような感覚があります。めちゃくちゃおもしろくて泣いてる。

セールにも早川にも1ミリも関係ありませんが、『ドラゴンラージャ』はかなりゲーム親和性が高く電ファミ読者は好きな人多いと思うので、気が向いたら読んでください。

『戦闘妖精・雪風〈改〉』(シリーズ)

超高性能な人工知能を搭載した戦闘機に乗り込み、敵性の異星生命と戦うというミリタリーSF。かなりハードよりの内容で、単に空戦アクションをやっているだけではなく、タイトルにもなっている人工知能「雪風」をめぐり、意識や知性とは何か、という問いにも踏み込んでいきます。一方で多種の用語が飛び交う戦闘機アクションは「よくわからんけどカッコいい!」で楽しめちゃう。話の方向性はかなり違うものの、『スカイ・クロラ』とか『エースコンバット』(ゲーム)とか好きならぜひ。

『天冥の標』(シリーズ)

とにかくスケールがデカい。遠い惑星の植民地から始まり、謎の疫病から異星の生命、政治や戦争はもちろん、人類の行く末までを、文庫では全10巻17冊(上下巻とかあるので)使って描き切った大長篇。巻が変わるたび時代も場所も登場人物の顔ぶれも変わるので、「さっきの話はどこへ?」になる。当然読むのはかなり大変で迂闊に手を出すのはおすすめできないものの、すべてが繋がっていく気持ちよさはほかでは味わえません。

『宇宙英雄ローダン』(シリーズ)

SF界隈では知らぬものがいないであろう、宇宙英雄ペリー・ローダンの活躍を描いた、世界一長く続く小説シリーズ。恐るべきは1961年に本国ドイツでスタートした連載が、著者をリレーしながらなんと現在まで続いていること。現在3000話超(日本語版で約1500巻相当)ながら、翻訳ペースがおいついておらず日本語版の既刊は760巻くらい。ちゃんと翻訳を出し続けている早川はえらすぎる。ちなみに内容の話を一切していないのは、大変申し訳ないことに筆者がこれをまったく読んだことがないからです。ごめんて。

『ウィッチャー』(シリーズ)

ゲーム好きなら誰しもご存知、怪物退治の専門家である「ウィッチャー」リヴィアのゲラルトの活躍を描くCD PROJEKT REDによる名作ファンタジーアクションゲームの原作小説。とはいえゲームより前の時系列の話なので、ゲーム世界を補完するのにはもってこい。怪物よりも戦争と差別と政治がいろいろ混迷していてたいへんです。

『三体』(シリーズ)

中国SFというものを広く知らしめた大作小説。サスペンス的な物語が強く牽引してくれるので、ハードなSFとしてはかなり読みやすいと思うのですが、3部作の1作目なのでこれを読むと自動的にあと2作くっついてくるので手を出すには覚悟も必要。科学者たちの不審な死が、実は地球規模の巨大な危機に繋がっていて……という物語で、全体からすると1巻目の『三体』はほぼ助走みたいな話なのですが、助走でこんだけおもしろいのはおかしい。

テーマ・世界観を味わう×気合いが必要:ここが沼の果て

『幼年期の終り』

巨大な宇宙船とともに地球に現れた親切で善良な異星人と、地球人類による交流の物語……というわけでは必ずしもなく、彼らがやってきた目的とは何かを探りつつ、最終的には人類が真に目指すべき幸福、人類自体が向かうべき先という壮大な話へと繋がっていきます。タイトルの意味がわかったときに訪れるのは、祝福か恐怖か。キューブリック監督作品として世界的に有名な『2001年宇宙の旅』著者アーサー・C・クラークによる傑作SFです。

『五胡十六国時代』

本のタイトルとしてこれほどまったくおもしろくなさそうな名前もなさそうなのですが、ところがどっこいこいつがおもしろい。そもそも日本人の8割くらいが「いつ?」となりそうな「五胡十六国時代」ですが、いわゆる三国志時代のあと、天下を統一した晋崩壊後の混乱の時代です。王朝が林立し、英雄豪傑が魑魅魍魎のごとく跋扈。全然知らない人名がわんさと出てきますが、著者自身が「どうせすぐ死ぬので真面目におぼえなくてOK(意訳)」と言ってくれているので、気楽に読みましょう。

『これからの「正義」の話をしよう』

ひと昔前の大学生に大流行した本なのですが、今の大学生とかってどうなんでしょう? 「正義」というと大仰ながら、本書は正しさについての問いをめぐる書籍で、それはとりもなおさず哲学が考え続けてきたこと。個人的には、本書はかなりわかりやすい哲学入門であると思います。自由、権利、美徳、功利主義など、難しい話も具体例から入ってくれるので、なんとなく「いったんわかった」気分になれるのもいいところ。広い世界の入り口にどうぞ。

『書架の探偵』(シリーズ)

未来の図書館では、亡くなった作家のクローン──しかも本人の記憶つき──を貸し出せる。そこで事件の探偵役を任されることになったのが、とあるミステリ作家の「再生体」。がっつりSFでありつつがっつり探偵小説でもあり、また主人公がクローン体であることから彼自身の権利や実存を考える一幕もあり、ほんのりディストピア風味。続編もセール対象!嬉しい!

『侍女の物語』

女性から仕事も財産も名前も奪い、ただ子どもを産む「生殖」役割だけを強いる国家・ギレアデ共和国を描くディストピア小説。『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』としてドラマ化されたことで、本書を知ったという人も多いかと思います。終始重苦しい雰囲気に包まれつつ、理不尽には抗わねばならないという意志の物語。本作の後日を描いた『誓願』もセール対象になっています。

『ファウンデーション』(シリーズ)

ひとことでまとめれば、銀河系規模の壮大な歴史ドラマの第1作目。未来を統計的に予測する「心理歴史学」を編み出したセルダン博士が、その予測から見えた銀河帝国の崩壊、そして来る暗黒の時代に備えるために「ファウンデーション」を設立し、迫る危機に立ち向かっていくという物語。派手な物語ではないものの、歴史小説などが好きな方にはぜひおすすめしたい傑作SFです。著者は「ロボット三原則」で知られるアイザック・アシモフで、人間刑事と杓子定規なアンドロイドとの凸凹バディがおもしろい『鋼鉄都市』などもぜひ。

『闇の左手』

もしもヒトに男女という性がなかったら。そうした壮大な思考実験を小説という形におさめた傑作が、本作『闇の左手』です。惑星・ゲセンの人々は太古の昔に枝分かれした人間と同じ祖をもつ人種ながら、性の区別がなく、それゆえ誰でも妊娠の可能性がある人々。星間連盟の使者としてこの星を訪れた地球人の主人公は、この違いすぎる社会の中で翻弄されつつも、異星人のひとりと固い絆でむすびついてゆく。

著者は日本では『ゲド戦記』などのファンタジー作品でも知られるアーシュラ・K・ル=グィン。SFでもさまざまな作品を遺しており、長編であれば『所有せざる人々』、短編であれば『風の十二方位』に含まれる「オメラスから歩み去る人々」などはぜひ一度読んでみていただきたい名作です。

『闇の精神史』

なにぶん、胡乱なタイトルである。本書では宇宙の話もすれば思想や宗教、サイバースペースの話などがいろいろと展開されるものの、本質的にはユートピアについての話と言ってよいだろうと思います。筆者の浅い理解でたいへん恐縮ながら、噛み砕けば「我々の文明はこのまま進んでいっていいのだろうか?」という問いです。本書では、この答えを積み重ねられた過去の失敗の中から探そうとしていきます。──が、正直書きながら自信がなくなってきたので、この要約は違うかも知れません。本当かよ?という方は読んで確かめてみよう。

『デューン 砂の惑星』(シリーズ)

宇宙でもっとも貴重な物質「スパイス」を産する砂漠の惑星アラキスを舞台に、主人公たちが皇帝や貴族の権力闘争に巻き込まれてゆくSFの古典的名作。『スター・ウォーズ』を始め、のちの作品に多大な影響を与えたとも指摘されており、2021年からはじまった新たな映画3部作によって再び注目を浴びました。半世紀以上前の小説ながら、映画化を期に訳が新しくなったこともあってか、文章自体はかなりよみやすいです。とはいえ政治や宗教、生態系にいたるまで作り込まれた世界観に入っていくには気合も必要。読むならぜひ長い休みの間に。

『ニューロマンサー』(シリーズ)

ご存知「サイバーパンク」というジャンルを確立させた傑作SFです。なのですが、読むのにはなかなかガッツが必要なうえ、いま読むとテキストの端々からどこぞのニンジャ殺しを感じてしまうという由々しき問題が起こる可能性があります。ザイバツ?!ヤクザ!?ストリートサムライ!? 逆に言えば、そのあたりで十分に素養を積み重ねている人にとっては実家のように読みやすい本かもしれません。念のため申し添えておくと、かなりシリアスな本です。

『流浪蒼穹』

火星が独立戦争を経て地球から独立したあとの時代を描く、中国発の長編SF。スケールは大きいものの、SF的な派手さというよりも、静かで不可避的な変化と内省を描くジュブナイル小説という所感です。火星から地球へ留学した若者が、火星と地球、どちらの文化にも馴染めなくなってしまっている自分に気づく……という物語で、個人的にはル・グィン作品に近さを覚えます。こうした物語が中国のSF作家によって書かれたことも興味深いです。なお、本作の著者・郝景芳氏は別所で紹介した『折りたたみ北京』表題作の著者で、そちらでヒューゴー賞を受賞しています。

『ソラリス』

惑星ソラリスを覆う、「知性をもった」巨大な海を題材にしたSF大作。といっても、はっきりした未知とのファーストコンタクトみたいなものを期待して読むと、出てくるものとの温度差に驚くかも。全体的にかなり観念的で難解。理解不可能なものを理解しようとする試みそれ自体を嘲笑うかのような、茫洋とした感触が手元に残っています。

『百億の昼と千億の夜』

プラトン、シッタータ(釈迦)、イエス、阿修羅が、アトランティスから宇宙の彼方まで、宇宙の創造と終末の謎を追う物語。何を言われているのかよくわからないかも知れませんが、正直私にもよくわかっていません。とにかくスケールが壮大で、全体としては仏教的宇宙観がベースになっているという印象を受けつつ、さまざまな神話や哲学もごった煮されているようで、かなり難解です。

萩尾望都氏のマンガ版が非常に有名なのですが、これは早川書房関係ないしな……と思っていたらなぜかKindle版は同タイミングで半額セール中。マジ!?なんでかわかんないけどありがとう河出書房!とりあえず気になる方はこっちから読んでみることもおすすめします!

『無限病院』(シリーズ)

かっこいい表紙とかっこいいタイトルに惹かれて読んでみたら大変なことになった。大宇宙に仏陀を探すところから物語が始まったかと思うと、永遠に診察と検査ばかりが続く病院での悪夢のような物語に……。率直に難解で、実をいうと筆者は通読できていません。その状態でこれを人に薦めるのどうなん……?とは思うんだけど文章はすごいしなんかおもしろい雰囲気はあって……! 理解できればおもしろそうで……! 中国ではしばしばカフカなどが引き合いに出されて論じられているらしく、たしかにそうした陰鬱な不条理さを感じます。

おまけ:セールに関係ないSFとか

以下は完全に蛇足です。セールとかはもうまったく関係ありませんが、「せっかくたくさんSF並べたし、これも紹介しておくか……」と思いついたものをとりあえず置いておきます。

安くはなってないし、そもそも電子化されてないものもありますが、おもしろさだけは保証します。

果しなき流れの果に

『日本沈没』を始め数々の大作で有名な日本SFの巨人、小松左京による傑作SF。はるか古代・恐竜時代の地層から、無限に砂が落ち続ける奇怪な砂時計が発掘される……というあらすじだけで既におもしろい小説。このあとも謎が謎を呼ぶ展開が続くのですが、そうした物語的な助走を経て、後半には哲学的・観念的な宇宙論のような話が展開されるので、読み切るには勢いも大事。早川から刊行されている文庫版があるのですが、電子版は角川版しかなく、セール対象外。残念。

ホーキング、宇宙を語る

2018年に亡くなった世界的な理論物理学者スティーヴン・ホーキング博士が、市井の一般読者に向けて、物理学や宇宙の話を語ってくれた、たいへんありがたい本。たぶんものすごくわかりやすく説明されているのですが、だとしても難しい。途中からまったく理解が追いつかなくなる人もいる(筆者はなった)と思うのですが、だとしても「宇宙すげーっ!」になります。既に30年以上前の書籍なので、研究が進んで現在では異なる説明がされていることも含まれると思うのですが、宇宙に興味をもつきっかけとしてはかなりおすすめです。ちなみに、より新しい「最後に語る」は電子化済み&セール対象でした。いま読むならこっちかも?

渚にて

第三次世界大戦によって世界の大半が放射能にのまれ、まさに滅亡の淵にある人類を描いた傑作終末SF。映画でも有名な小松左京の『復活の日』にも強い影響を与えたとされています。邦訳された海外SFには優れたタイトルの名作が多々存在していますが、本作も間違いなくそのひとつでしょう(原題は“On the Beach”)。刊行は創元社から。

マーダーボット・ダイアリー(シリーズ)

手軽に読めてとにかく楽しい作品としてまっさきに人に勧めたいシリーズで、一人称「弊機」、自称「欠陥品のマーダーボット」の警備ロボットを主人公にしたSF活劇。「お前のような機械がいるか!?」とツッコミたくなるような主人公の一人称の語り口はかなり独特でめっぽうおもしろく、物語展開も痛快な活劇モノ。なんとなくSFっぽいものが読みたければとりあえず読んでみて欲しいです。

編集・ライター
ル・グィンの小説とホラー映画を愛する半人前ライター。「ジルオール」に性癖を破壊され、「CivilizationⅥ」に生活を破壊されて育つ。熱いパッションの創作物を吸って生きながらえています。正気です。

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