『鳴潮』初のワールドコンサートツアー「To the New World」が開幕!
そう突然告知されたのは、2026年春頃のことだった。
この一報に胸を躍らせた「漂泊者(プレイヤー)」は、数多くいたのではないだろうか。

(画像は「鳴潮 (Wuthering Waves) 公式Xアカウント」より)
なぜ『鳴潮』のコンサートが、そこまで漂泊者にとって特別なのか?
────その理由は、“音”を非常に重要なテーマとしている作品だからだ。
周波数、共鳴、反響、音痕。『鳴潮』には、“音”にまつわる用語が作中に数多く登場する。音楽はもちろん、声優の演技や環境音に至るまで、“音”へのこだわりが随所に感じられる。
そんな『鳴潮』の、初のコンサートツアーである。期待するなというほうが無理な話だ。
それでは実際どうだったのか……。

それはもう最高のひとときだった……!!!!
上がりに上がり切った期待を、軽々と上回ってきた。
ステージで奏でられる極上の音楽は、Ver1時代の懐かしいタイトル曲から始まる。そこから今州、リナシータ、ラハイロイへ。そして、“家族”のように愛されるキャラクター・エイメスの楽曲へと流れるように繋がっていく。
エイメスにまつわる楽曲と美しい歌声、そしてその演出に、会場のあちこちで涙を拭う漂泊者の姿が見られた。

ゲームのストーリーをなぞるように、会場に響き渡る『鳴潮』の音。その“周波数”を感じ取ると、2年以上歩んできた漂泊の歴史が思い起こされる。
音、演出、選曲の妙。まるで旅そのものを追体験しているかのような、贅沢な時間だった。

そんな『鳴潮』初のコンサートツアー「To the New World」の日本公演は、約8000人収容規模の会場である東京ガーデンシアターにて、2026年8月22日に開催された。
さて、ここからコンサートのレポートを……といきたいところだが、その前にお伝えしたいことがある。
今回はKURO GAMESさんのご厚意で、前日に行われたリハーサルにもご招待いただいたのだ。
ということで、この記事では舞台裏から本番まで……演者、スタッフ、そして会場に集まった漂泊者たちによる、『鳴潮』コンサートに詰め込まれた愛のかたちをお届けしたい。

※この記事は『鳴潮』の魅力をもっと知ってもらいたいKURO GAMESさんと電ファミ編集部のタイアップ企画です。
リハーサルに潜入したら、着ぐるみツバキが椅子でロデオをしていた
取材の案内をいただき、コンサート前日となる8月21日のお昼過ぎに会場へ到着。
この規模のコンサートの会場設営とリハーサルを一日で行うのだから、かなりハードなスケジュールだったことは想像に難くない。
ロビーに足を踏み入れると、販売グッズや設置パネルなどが入った段ボールの山が目に飛び込んできた。


そんなロビーの様子を眺めながら、リハーサル中のステージへと案内された。
ガーデンシアターは、アリーナと3層のバルコニーで構成されている。リハーサル中は誰ひとり客席に座っておらず、これから始まる熱狂を前に、静かにその時を待っているようだった。
一般的にコンサートでは本番に向けて、歌唱や演奏、音響、演出などを確認するリハーサルと、本番さながらの通し稽古であるゲネプロが行われる。今回は、そのうちのリハーサルの模様を取材させていただいた。


リハーサルでは、曲を頭から最後まで一度通して終わり、というわけではない。気になる箇所があれば、そこを繰り返し、細かな部分まで調整していく。
歌や楽器の音量バランス、高音・低音の調整、演者に返す音の確認、出演者や機材の位置を示すバミリ。確認項目はじつに細かい。入退場の流れやダンス、パフォーマンスまで、ひとつひとつ丁寧に確認されていた。

そして、『鳴潮』イベント名物の着ぐるみたちもリハを真剣にがんばっていたぞ。
ただし、大人気の着ぐるみツバキは自由奔放!!!
スタッフに「ちょっと!ツバキ!カメラ回ってないから!」と言われてもなんのその。
すいすいーっとあちこちを勝手に移動したり、椅子でロデオをしたりとやりたい放題。いつでもどこでも、みんなが愛する着ぐるみツバキなのであった。

懐かしのタイトル曲からエイメスの物語まで。『鳴潮』の旅路をまるごと追体験する一夜が始まった
そんな準備を終えて、いよいよ当日。ニュースになるほどのゲリラ豪雨という、あいにくの空模様だったが、期待を胸に足取りは止まらない。
会場ロビーには物販のほか、メッセージボードや試遊コーナー、撮影スペースなども用意されていた。
そして時間となり、いよいよコンサートホールの中へ。

ホールでの待機中に流れていたのは、『鳴潮』キャラクターの声優によるメッセージ。このボイス付きメッセージ施策は日本公演のみで行われたそうで、現地に合わせた演出がうれしい。
また、事前アナウンスにもこだわりが。アンコ役の伊吹誓乃さんが、生声で読み上げてくれていたのだ。
【お知らせ】
— 伊吹誓乃 (@chikano_ibuki) August 22, 2026
『鳴潮』コンサートツアー「To the New World」にて、開演前に事前に収録したアンコちゃんの音声が流れておりましたが…!
実は本番前のアンコちゃんの前説は、実際に会場で演じさせていただいておりました🎤✨#鳴潮#鳴潮コンサートツアー#WuWa2026WorldTour#TotheNewWorld pic.twitter.com/9rjCpIsg3v
開演前からすでに素敵な雰囲気に包まれていた『鳴潮』コンサート。
気になる最初の曲は……「Saving Light」!!
ゲームリリース当時、Ver1.0~1.4のタイトル画面で流れていた曲で、『鳴潮』の旅の始まりを象徴する一曲だ。
リリース初期から追い続けてきた身としては、「ここまで大きなコンサートが開かれるようになったのか……」と、初手から思わずうるっとしてしまった。
Ver1時代の曲が続く中、流れた瞬間に会場がざわついた曲があった。
「The Beginning of Our Story & Astrum Unicum / Stars, Rebirth, and You」
かつて、主人公である漂泊者がショアキーパーに教えた、ピアノのメロディーだ。
記憶を失って目の前に現れた漂泊者に対し、「教えてあげる。あの時、あなたが教えてくれたように」とショアキーパーが演奏する、印象的なシーンの曲である。
このシナリオをきっかけに、『鳴潮』のストーリーと音楽の魅力は広く知られるようになった。本作初期を代表する、屈指の人気曲だ。
キャラクターPV部分で披露されるピアノの速弾きも含めて、じつに見事な演奏。現地で聴けたことに感慨もひとしおだ。
そして、ところ変わってVer2のリナシータ編へ。客席間の通路から響くマーチングドラムで始まる「昼夢グランドフィースト」で、会場の空気も一気に華やかに。
陽気な音楽に観客もノリノリだ!!

そこからは、リナシータのさまざまな表情を感じさせる楽曲が続いていく。
イントロを聴いた瞬間、フルールドリスの「よくやった……」という声が思い起こされるドラマチックな名曲「With Glory I Shall Fall」。そして最終決戦曲「Chasing Daylight」。
そうして泣かせにきたかと思えば、「シャコンヌの歌」や、狂気の「ナミポンの歌」では着ぐるみたちが踊りまくり、会場を笑顔にする。
この振り幅こそ、リナシータの音楽の魅力のひとつだ。
そして最後の舞台は、SF×学園がコンセプトのVer3ラハイロイ編だ。
幕開けを飾るバージョンPVの楽曲「Dawnbreaker」は疾走感のあるビートで、会場のテンションも一気に上昇。バイクに似合う「A Splash of True Colors (Throttle Up!)」や「Catch Me If You Can」など、ゴキゲンなナンバーが続き、「新しい国に来た」という実感が湧いてくる。
しっとりとした曲を挟み、ラハイロイの空気にも慣れてきたところで、待ってました!
漂泊者たちの“家族”ともいえるエイメスの晴れ舞台だ。
エイメスの音楽活動名「フリート・スノーフラッフ」のファンクラブイベント曲「A Small Miracle」に、まるで保護者参観のような気分で熱い声援を送る漂泊者たち。
この名義の楽曲をすべて歌うTarokikiさん本人が来日し、生歌を披露してくれた。伸びやかで美しくも可愛らしい歌声に、思わず涙ぐんでしまう。
アレフ1による危機から世界を救うため、エイメスは漂泊者の制止を振り切り、自己犠牲を選ぶ。その流れを描いたムービーとともに、「Voyaging Star’s Farewell」が始まる。
「私は……あなたの誇りになれたかな」「よい旅を……」といった伏線が回収されていく、見事な展開だ。「これを見るために『鳴潮』のストーリーをプレイしてくれ!」と言いたくなる場面に流れる曲である。
そして、漂泊者と幼少時代のエイメスの会話の後に、畳みかけるように「Vernal Days Dreamed by the Star」へ。コンサート会場はすすり泣く声に包まれた。
────家族(エイメス)を取り戻し、世界を救う。
そんな思いを込めた最終決戦曲「Heart of Lahai-Roi」へ。
「Eclipse……」
曲の始まりを告げるその一言が響いた瞬間、ボルテージは最高潮!!!
これまでの想いをすべてぶつけるような『鳴潮』屈指のアツい曲。漂泊者たちは涙を流しながらペンライトを振り、会場は最大の盛り上がりを見せた。
エイメスにまつわる物語を音楽と映像で追体験し、まるで一本の映画を見終えたような感動だった。
アンコール! アンコール! アンコー……アンコちゃん!?
そして、すべての楽曲が終わった後、会場は「アンコール」の大合唱!!
声に応えて出てきたのは、集音(ガチャ)演出からの~~~
まさかのアンコちゃん!
英語名は「Encore」。アンコールが由来の名前なのだ。思わぬ演出に笑ってしまった。
アンコール曲は人気がありながらセットリストになかったルパの楽曲、「Running For Your Life」、「Ode to the Nameless Martyr」。
そして、2周年記念アニメPVの「Turning Around」が流れ、ラハイロイのスタートーチ学園からの卒業の意味も込めて、校歌「絶やさぬスタートーチ」の大合唱を行い、コンサートは盛況のうちに幕を閉じた。
コンサートの流れは以上となるが、最後に少しだけ、個人的に特に印象に残った一曲について触れたい。
それはVer1の楽曲「Lifted Clouds of Eons & Wind Chases Wild Geese」である。
なぜなら、筆者の最推しが今汐だからだ……(!?)
……というのも半分本当だが、真に心を打たれたのは別のところにある。

この楽曲では中国の伝統楽器である簫が用いられており、なんと今回のコンサートではその生演奏が行われたのである。
日本の音楽ライブや演奏会を見渡しても、簫の生演奏を聴ける機会は決して多くない。ゲーム内で仇遠が奏でていた楽器の音色を、実際のステージで聴けたことに、ただただ感動した。
世界観を彩る音楽を、ただステージ上で再現するだけではない。伝統楽器を実際の演奏に取り入れ、その文化そのものを大切にしながら音楽を届けようとしている。
その姿勢をステージから感じられたことが、筆者個人として今回のコンサートでとくに心に残ったポイントだ。
これこそ、“音”を大切にする『鳴潮』ならではの素晴らしさだったのだろう。
リハーサルで見た、誰もいない客席。
そこから一夜を経て、漂泊者で埋め尽くされた会場に響き渡った『鳴潮』の音。
その光景を思い返すと、今回のコンサートが多くの人の手によって作られたものだったことを、改めて実感する。

2年以上にわたる「漂泊」の旅を音楽とともに振り返り、笑って、泣いて、そしてまた新たな旅へ──。
「To the New World」は、そんな『鳴潮』のこれまでとこれからを繋ぐ、素晴らしいコンサートだった。
最後は、コンサートで語られたエイメスの言葉を借りて、この記事を締めくくりたい。
「これからも明日に向かって歩いていきましょう」

















