Googleは公式ブログにて、「Project Stream」と名付けられたストリーミング技術のテストに取り組んでいることを明らかにした。このテストでは、トリプルA級のビデオゲームをGoogle Chrome上で動作させることに挑戦しているという。
同プロジェクトにおいてGoogleはUbisoftと提携しており、10月5日に発売予定のシリーズ最新作『アサシン クリード オデッセイ』が、デスクトップPCおよびノートPC上で起動したGoogle Chromeで動作するかをテストしている。
発表と同時に公開された映像には、Project Stream上にて1080pの60fpsにて動作している『アサシン クリード オデッセイ』のプレイシーンが収録されている。ただし、どのような環境下において動作しているのかは明らかにされていない。
ゲームストリーミング(クラウドゲーミング)とは、プレイヤーが持っているゲーム機やPC上ではなく、遠隔地にあるサーバー上でゲームを動作させる仕組みのこと。映像や音はインターネット回線を通じてサーバーからディスプレイに送られ、またプレイヤーがコントローラーを通じて入力した操作情報は回線を通じてサーバー上で動作しているゲームへと送られていく。
大まかに言うならば、NetflixやAmazon Primeのようなビデオストリーミングサービスのゲーム版と考えれば想像しやすいかもしれない。
ゲームはサーバー上で動作しているため、理論的にはハイスペックなゲーム機やPCを持っていないプレイヤーでも、最新のゲームを遊ぶことができる。しかし、ビデオゲームはリアルタイムでのレンダリングや物理演算などが働くほか、特にアクションゲームなどではプレイヤーからの絶え間ない入力の送信もあり、広大なインフラが必要な点や遅延が発生する点などが問題視されてきた。
Googleの発表を見る限りでは、Project Streamはこの遅延問題や、高い負荷が生じるグラフィックおよび演算の技術的問題に取り組むテストになるようだ。
なお今回の発表とともに米国内で少人数を対象にしたテストへの応募もスタートしている。参加条件は17歳以上で米国に在住しており、さらに25メガビット毎秒のインターネット回線に接続可能であることだ。
ゲーム業界においては、ストリーミング型のサービスは以前より存在しており、ソニー・インタラクティブエンタテインメントの「PlayStation Now」はその代表格。またMicrosoftはクラウドゲーミングの専門部門を立ち上げて新サービスの開発を進めており、また任天堂もNintendo Switchにて『バイオハザード7』や『アサシン クリード オデッセイ』のクラウドゲーム版を投入するなど、大手各社が新たなサービスとして取り組みを進めている。
文/ishigenn